日商・東商調査 BtoB中心の免税事業者の8割がインボイス制度導入をきっかけにインボイス登録

tips

日本商工会議所と東京商工会議所は「中小企業におけるインボイス制度等に関する実態調査」の結果を取りまとめ、公表しました。

2023年10月に始まったインボイス制度について、事業者の対応状況、負担の状況、各種負担軽減措置の効果、経理事務などのバックオフィス業務の状況などについて調査したものです。

調査結果のポイント

・インボイス制度導入を機に、免税事業者(BtoB中心)の78.6%がインボイス登録を実施。
・インボイス制度導入を機に、課税転換(インボイス登録)したことを契機に価格交渉を行った事業者は23.2%、うち76.9%が値上げを実現。他方、価格交渉を行わなかった事業者は76.8%で、「受注先・販売先からの価格交渉の提案等がなかったから」が主な理由。
・制度導入により45.8%の事業者がコスト増を、73.4%の事業者が事務負担の増加を感じている。
・「売上高1千万円以下の事業者」の約8割(79.4%)が1人で経理事務を行っている。また、売上規模が小さくなるほど、専任の経理事務担当従業員がおらず、「売上高1千万円以下の事業者」の約8割(76.4%)が、代表者や営業担当者等が経理事務を兼務。
・売上規模が小さくなるほど帳簿や試算表等の作成頻度が低く、また、各種経理業務システムの導入割合も低い。
・規模が小さくなるほど、インボイス対応のためにツールを活用する割合が低く、また、経理業務のペーパーレス化が進んでいない。


2023年10月から、インボイス制度(適格請求書等保存方式)が運用開始されました。この制度は、2019年10月に導入された消費税の複数税率によって複雑になった経理業務に対応し、ミスや不正の防止を図ることを目的とした仕組みです。

インボイスに対応する事業者は、これまでよりも複雑な経理業務を実施する必要があり、事務負担の増大が懸念されていました。

今回の調査によれば、売上高1千万円以下の事業者の約8割が、専任の経理事務担当従業員がおらず、代表者や営業担当者などが経理事務を兼任しているという実態が明らかになっています。

また、経理業務システムの導入割合も低いことも判明しており、バックオフィス業務の円滑化のためにも、環境の整備やシステムの導入が求められています。

インボイス制度の導入により会計処理が複雑になりました。そのためインボイス制度に対応した会計ソフトを導入し、効率化を図ることが重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」では、おすすめの会計ソフトや、導入方法について詳しく解説しています。

また、システム整備などデジタル化を進めたり、効率的なバックオフィス体制を整備したりするには資金調達も必要となるかもしれません。「資金調達手帳」では、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。


インボイス実務チェックシート


インボイス登録ガイド

カテゴリ トレンド
関連タグ インボイス インボイス制度 バックオフィス 中小企業 会計 日本商工会議所 東京商工会議所 経理 調査 適格請求書等保存方式
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【記入例つき】事業計画書の書き方を初心者向けに解説|起業・融資対応テンプレートあり
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【補助金最大5億円】「中小企業成長加速化補助金」【6/9締切】
「中小企業成長加速化補助金」のチラシが公開されました。 「中小企業成長加速化補助金」は、売上高100億円超を目指す成長指向型の中小企業を対象に、大胆な設備投資を支援する補助金です。 概要 補助上限額 …
令和6年度「中堅・中小企業輸出ビジネスモデル実証事業費補助金」
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、令和6年度「中堅・中小企業輸出ビジネスモデル実証事業費補助金(中堅・中小企業の輸出を支援する民間事業者による新たなビジネスモデルを構築する事業)」の公募について発表しま…
インボイス制度対応のための各種支援策の紹介
中小企業庁は、インボイス制度に対応する企業に向け各種支援策を紹介しています。 インボイス制度に関する相談窓口 ・税理士へのオンラインでの相談体制を構築しています。インボイス制度対応に伴う納税負担等を相…
日本商工会議所「令和8年度税制改正に関する意見」を公表
2025年9月18日、日本商工会議所は「令和8年度税制改正に関する意見」を公表しました。 意見書では以下のことを指摘しています。日本は30年におよぶ経済の低迷期を脱し好循環の好機を迎えている。しかし米…
【東京都・最大100万円助成金】令和6年度「第2回中小企業デジタルツール導入促進支援事業」
東京都は、令和6年度「第2回中小企業デジタルツール導入促進支援事業」の公募について発表しました。 都内中小企業における事業活動のデジタル化を促進し、継続的な成長・発展を支援するため、デジタルツール導入…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集