Thinkings 吉田崇|企業の採用活動を成功に導く!採用管理システム「sonar ATS」で目指す人材採用の変革とHRテックの発展

創業手帳

人事の課題をテクノロジーの力で解決!企業が取り組むべき新時代の採用手法に迫る

応募チャネルの増加などにより企業の採用活動は多様化し、人事リソースの逼迫が問題になっています。応募者一人ひとりと向き合い、採用のミスマッチをなくす必要があるため、従来の採用手法では成功しにくくなったことも課題です。

そんななか、人事部門の業務を効率化する手段としてHRテックが注目を集めています。HRテックとは、テクノロジーを活用して人事が抱える課題を解決に導くサービスや技術です。人事戦略の重要性の高まりに伴い、導入企業が増加しています。

そのHRテック市場を牽引するのがThinkingsです。「誰もが意志ある仕事をするために、誰もが使える方法をつくる」をミッションに掲げ、採用管理システム「sonar ATS(ソナーエーティーエス)」をはじめとしたサービスを提供しています。

今回は同社の代表取締役社長を務める吉田さんの起業までの経緯や、新時代の採用手法について、創業手帳代表の大久保がインタビューしました。

吉田 崇(よしだ たかし)
Thinkings株式会社 代表取締役社長
早稲田大学政治経済学部を卒業後、人材コンサル企業を経て、2005年に双日株式会社へ入社しITビジネスに携わる。日本・米国企業への投資、上場企業へのTOB等の投資実務や、投資先での新規事業立ち上げ、マーケティング、営業を担当。2008年、米国駐在。2010年、双日とKDDIの合弁企業「CJSC VOSTOCKTELECOM」のINSPECTOR(監査役)就任。2013年、イグナイトアイ株式会社を設立、代表取締役に就任。2020年1月、イグナイトアイ株式会社と株式会社インフォデックスが経営統合しThinkings株式会社を設立、代表取締役社長に就任。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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ベンチャーと総合商社での経験を活かし、HRテック事業への挑戦を決意

大久保:まずはご経歴についてお聞かせ願えますか。

吉田:早稲田大学政治経済学部在籍中にインターン生として働いていたベンチャー企業に入社し、採用コンサル業務に従事しました。リクルート出身者が設立した人材コンサル会社で、このとき初めてHR領域に携わっています。

およそ3年半勤務した後、2005年に総合商社の双日に転職。前年の2004年にニチメンと日商岩井が合併し双日としてスタートしたばかりでしたので、情報通信を再構築する必要があったんですね。その専門部署でIT関連業務を担当しました。

シリコンバレーをはじめとした世界のITビジネスを日本に流通させる仕事も担っていたため、本場のシリコンバレーに駐在するなど貴重な経験ができたと実感しています。

大久保:大手企業からベンチャーというキャリアを歩まれる起業家が多いですが、吉田さんの場合は逆だったんですね。総合商社へご転職された理由をお聞かせください。

吉田:起業をするためにも「大きいビジネスを知ろう」と考えたからです。

新卒で入社したベンチャーはリクルート出身者が多く、起業家精神にあふれた企業でした。その影響もあり、私自身も会社を起こしたいという意欲が強かったです。

ただ、世の中には総合商社のように数兆円規模の売上を上げる会社もある。当時の私にはその規模までに至る道筋がイメージできなかったので、総合商社のプロセスを勉強したいなと。特に双日は経営を担える人材を育成するという視点が強い会社ですので、とても魅力的でした。

大久保:吉田さんの中でベンチャーと総合商社、それぞれのご経験が活きているんですね。

吉田:はい。1社目の人材コンサル企業で新規顧客開拓から納品までの一連の流れを通して経験でき、ビジネスの全体像をつかむことができました。

一方、2社目の双日では数兆円規模の売上高への道筋だけでなく、財務諸表の読み方や法務関連まで学べました。

ベンチャーと総合商社でキャリア構築したおかげで、経営者や社会人として備えておくべきスキルを身につけることができてありがたかったです。

大久保:それから起業されたんですね。経緯について詳しくお教えください。

吉田:双日で約8年キャリアを積み、2013年にThinkingsの前身となるイグナイトアイを設立しました。「これまでの経験を活かし、採用とITを組み合わせたサービスを作りたい」という想いがHRテック事業への挑戦を決めた動機です。

採用管理システム「sonar ATS(ソナーエーティーエス)」は創業時にローンチしましたが、現在弊社の共同代表を務める瀧澤が当時運営していたインフォデックスとの協業でスタートしています。

その後、両社の連携をさらに深めて事業成長のスピードを高めることを目的に、2020年1月31日に経営統合しThinkingsを設立しました。

採用管理システム「sonar ATS」、HRサービス購入管理「sonar store」で企業をサポート

大久保:御社のサービス内容についてお教えください。

吉田:弊社は「採用管理システム×HRマーケットプレイス」を提供する唯一の企業です。

採用業務の支援を目的にテクノロジーを活用し、採用プラットフォーム「sonar HRテクノロジー」ブランドとして採用管理システム「sonar ATS」、HRサービス購入管理「sonar store(ソナーストア)」を提供しています。

「sonar ATS」は、各種オペレーションの自動化やデータ集計といった採用業務のデジタル化を通じて「より良い採用活動」を実現する採用管理システムです。

新卒・中途採用に必要な機能がすべて揃っていて、効率的に運用・管理が行えるだけでなく、応募者へのリマインド連絡やデータ集計などの煩雑な作業が自動化できます。採用進捗をフローチャートで表示するなど、「どなたでも分かりやすい」を目指した画面デザインも特徴です。

現在までの導入企業数は1,200社以上。日本マーケティングリサーチ機構による2022年8月期の利用者満足度調査にて、採用担当者がおすすめしたいATS1位を獲得しています。

大久保:多くの企業で導入されているんですね。続いて「sonar store」のサービス内容についてもお聞かせください。

吉田「sonar store」は、「sonar ATS」と連携している各種HRサービスの検討・導入支援サービスです。検討や導入にかかる手間や時間を軽減しながらHRサービスを活用することができます。

「sonar ATS」のダッシュボードに組み込まれていて、必要に応じて「sonar store」のボタンを押下し、HRマーケットプレイスでHRサービスを購入できるシームレスな操作性もポイントです。

採用が難しくなった昨今、応募・選考方法の多様化や、新たなコミュニケーション手法などに対応する多種多様なHRサービスが登場しています。こうした状況下で各企業の採用担当者は、自社に最適なHRサービスを組み合わせて採用戦略を立案する必要性が高まっているんですね。そのサポートを目的に開発しました。

大久保:実際にダッシュボードを拝見しましたが、API連携なので非常に便利ですね。

吉田:はい、利便性にもこだわっています。

たとえば当初の想定より応募者が少ない場合は、OfferBoxを導入して学生に直接オファーを送る。候補者とスムーズにやりとりできないようであれば、LINEと連携してメールではなくLINEでコンタクトをとる。

こんな感じで、「sonar ATS」での採用管理の過程で課題が浮き彫りになったら「sonar store」を介してHRマーケットプレイスで必要な機能を追加し、カバーするというイメージですね。

企業に必要なのは「人・物・金」。難易度が高い「人」の採用課題を解決

大久保:人材採用におけるテクノロジー活用が一般化しつつあり、御社のサービスもシェアを拡大していますが、転機となった時期についてお聞かせください。

吉田HRテックが登場しだした2016年頃だと思います。この時期に競合の市場参入も増えまして、業界が盛り上がってきたなと。ものすごい追い風を感じましたね。

大久保:盛り上がりの背景にはどんな要素があるのでしょうか?

吉田:企業にとって必要なのは「人・物・金」で、このうち「物」と「金」はコモディティ化してきています。現在では資金調達も多様化し、調達が成功しやすくなっていますからね。

一方、「人」に関してはさらに難易度が上がっています。

昔は企業優位の「採用してあげる」スタンスがまかり通っていましたが、現在は個人と企業がお互い対等に選び合う時代です。企業口コミサイトやSNSの浸透により、応募者は入社前から企業の実態をある程度把握していますので、企業にとって採用は「選ばれてから、選ぶ」を意識しなければならないんですね。

まずは自分たちが「選ばれる」。それから次に、自分たちが「選ぶ」。この順番を間違えると人材採用はできません。

そのために重要なのは、応募者一人ひとりに向き合ってプロセスを組むこと。候補者をまとめて扱うのではなく、たとえば自社社員の紹介・推薦での応募者と、求人媒体を介した応募者では対応を変える必要があるんです。

ところが一人ひとりに向き合った採用プロセスを作れば作るほど、人事リソースは逼迫するんですね。そこで採用担当者の負担軽減対策と同時に、応募者に寄り添うきめ細やかな対応や進捗管理を行うために、弊社の「sonar ATS」のニーズが高まっています。

大久保:応募者に合わせたオペレーションを自動化できる「sonar ATS」なら、採用の機会損失を防ぐことができるというわけですね。

吉田:はい。実は採用はセールス活動と非常によく似ています。消費者側の高度化に伴い、CRMツールを活用しながら顧客理解力を高めて売上を伸ばす時代が到来したように、採用にも同じことが言えるんです。

特に弊社の「sonar ATS」は採用に特化した自動化機能が組み込まれていますので、自由度やカスタマイズ性の高さにも評価をいただいています。

見据えるのは「求人のマスタ化」と「人材の活躍を実現する提言やアシスト」

大久保:今後の展望についてお教えください。

吉田:短期・長期により変わってくるのですが、短期では求人のマスタ化、長期では入社した人材の活躍をゴールに設定した採用サポートを目標に掲げています。

求人についてはもともと重視していて、企業の悩みが顕在化する分野だと捉えてきました。たとえばドラッグストアが多店舗展開を計画したとき、店長職を募集しますよね。このように「求人」にはその組織の「人」に関する課題が現れやすいんです。この課題に対してソリューションを提供していきたいと考えています。

企業が求人で困ったら、「sonar」を活用して人材を募るという流れを作りたいですね。求人市場はおよそ1.8兆円規模といわれていますので、この巨大マーケットでシェア獲得を狙っていきます。

大久保:魅力的な市場ですよね。続いて、人材の活躍をゴールに設定した採用サポートについてもお聞かせください。

吉田:弊社は採用企業とエージェントを俯瞰できる第三者的立場でプロダクトを開発し、サービス提供しています。この強みを活かし、候補者の入社がゴールになってしまっている現在の採用課題を解決したいです。

本来、「採用」は漢字で「採って用いる」と書き、採用した人材が高いパフォーマンスを発揮して初めて成功なんですね。そのためにも一人ひとりのベストマッチから逆算して採用計画を立てる必要があるのですが、一般的にどの企業でも入社をゴールに設定しています。

だからこそ弊社では、せっかく採用してもすぐに辞めてしまったり、企業と従業員双方がミスマッチで苦しむ問題をクリアしたいなと。

現在は応募から入社まで「sonar ATS」でサポートしていますので、さらに広げて人材の活躍を実現するための提言やアシストまで手掛けていきたいです。

採用面でも成功するのは、テクノロジーを活用し常識を打ち破る柔軟な企業

大久保:最後に、起業家に向けてのメッセージをいただけますか。

吉田:先ほど企業にとって必要なのは「人・物・金」とお話しさせていただきましたが、会社を運営していく上で「人」は非常に重要です。これからさらに少子化が進みますので、なおさら重視しなければなりません。

創業時は組織づくりの前に、プロダクトマーケットフィットを目指す段階かと思いますが、軌道に乗るにつれて組織づくりや採用に関するハードルが増えます。ただ、どこの企業でも共通する過ちやつまずくポイントがありますので、先人の知恵を上手に活かして乗り切っていただきたいです。

HRテックの登場で採用の既成概念も変わり、むしろこれまでの常識を打ち破る価値観を持つ柔軟な企業が採用面でも成功しています。弊社はすべての企業の成功を願い、テクノロジーを活用して伴走していますので、ぜひ一緒にがんばっていきたいですね。

大久保の感想

大久保写真
人手不足で、年々採用が難しくなる中で、採用される側に合わせた視点・姿勢が必要になるというのが印象的でした。また、相対的にアナログな業態に、違う業態で先に進んだデジタル技術を使うという発想は、他の業界の人にも役立ちそうです。
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(取材協力: Thinkings株式会社 代表取締役社長 吉田崇
(編集: 創業手帳編集部)

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