注目のスタートアップ

ゲノム編集技術などの品種改良技術×スマート養殖技術の「リージョナルフィッシュ」が40億円調達

company

2024年12月26日、リージョナルフィッシュ株式会社は、総額40億7000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は67.1億円となりました。

ゲノム編集技術などを活用した超高速の品種改良技術とスマート養殖を組み合わせた次世代水産養殖システムを開発・展開しています。

今回の資金は、高温耐性に重点を置いた品種改良の推進や、生産体制の強化、研究開発のさらなる加速に充当する予定です。


品種改良は、生物の遺伝的な特性を変化させ、目的に応じた特性を持つ品種を開発する技術です。しかし、品種改良には通常5年から10年の期間が必要であり、市場変化への柔軟な対応が難しく、コストも高くなる傾向があります。

この課題を解決するため、近年、ゲノム編集技術が注目を集めています。この技術は、酵素を用いてゲノムの特定部位を切断し、突然変異を誘発することで品種改良の効率を飛躍的に向上させます。自然発生する突然変異を模倣するため、安全性が高いとされています。

また、気候変動や人口増加の影響により、タンパク質の需要が急増していることが世界的な課題となっています。2030年にはタンパク質の供給が需要に追いつかなくなると予測される中、代替タンパク質として植物肉や、昆虫、藻類が注目される一方で、水産養殖の需要も増大しています。

水産養殖は、魚食の健康志向による需要増加や、畜産と比べて環境負荷が低いことから、持続可能な食料供給の重要な手段とされています。1995年から2011年にかけて養殖生産金額が3倍以上に増加したことは、その成長の象徴といえます。

そして、持続可能な水産養殖を実現するためには、生産性向上や海洋汚染防止のためのテクノロジーの活用が不可欠であり、この分野におけるスタートアップの活動が活発化しています。

リージョナルフィッシュは、気候変動を課題として抱える水産業において、高温耐性に重点を置いた品種改良により、高温に適応できる魚種の開発を進めています。一部の品種ではすでに成果をあげており、今後さらに適用可能な魚種を拡大していくとしています。

事業の拡大のためには資金調達が非常に重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB ゲノム編集 システム スマート養殖 タンパク質危機 リージョナルフィッシュ 品種改良 技術 株式会社 次世代 水産 水産養殖 資金調達 食品 養殖
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人の設立方法を徹底解説|手続きの流れ・必要書類・費用・メリットなど
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

プラスチックの革新的なリサイクルソリューションを提供する「esa」が2.6億円調達
2022年9月28日、株式会社esaは、総額2億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、京都大学の認定ファンド運営事業者の、みやこキャピタル株式会社が運営するファンドです。 …
国産の米ぬか由来のスーパービタミンEなどを製造・販売する「ファイトケミカルプロダクツ」が3,770万円調達
2022年4月7日、ファイトケミカルプロダクツ株式会社は、総額3,770万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ファイトケミカルプロダクツは、東北大学大学院工学研究科北川尚美教授が開発したイオン…
神経・精神疾患領域における革新的な新薬を開発する「アキュリスファーマ」が68億円調達
2021年10月28日、アキュリスファーマ株式会社は、総額約68億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、フランス・パリに本社を置く製薬会社Bioprojet Pharmaとの間で、睡眠障害…
グローバルVC「Antler Japan」が医薬品流通プラットフォーム「Yap-cloud」を開発する「Yap」に出資
2024年2月27日、グローバルベンチャーキャピタルAntlerの日本法人Antler株式会社は、Yap株式会社に出資したことを発表しました。 Yapは、医薬品流通管理BPO「Yap-BPO」の提供と…
ITデバイスとSaaSの統合管理クラウドを展開する「ジョーシス」が135億円調達
2023年9月6日、ジョーシス株式会社は、総額135億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ジョーシスは、ITデバイスとSaaSの統合管理クラウド「ジョーシス」を運営しています。 情報システム部…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集