注目のスタートアップ

ロボットハンドのピッキング性能を向上させる近接覚センサーを手がける「Thinker」が1.4億円調達

company

2024年3月28日、株式会社Thinkerは、総額1億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Thinkerは、ロボットハンド領域の長年の課題だった死角を克服する技術である近接覚センサーを開発・提供しています。

「近接覚センサーTK-01」は、カメラを用いることなく、赤外線とAIを用いたセンシングによりモノの位置・形を非接触かつ高速に把握するセンサーです。

今後、技術人材の採用に継続的に取り組みながら、近接覚センサーのさらなる高性能化、近接覚センサーと柔軟機構を組み合わせたロボットハンド「Think Hand F」の製品化・拡販に取り組んでいきます。


ロボットハンドは、ロボットアームの先端に装着され、手の機能を果たす装置です。

主に対象物のピックアップ(掴む、移動させる、配置する)に使用され、工場の自動化において重要な役割を果たしています。

近年、さらなる省人化と自動化のためロボットハンドの高性能化に向けた研究開発が進んでいます。

このような状況下で重要となる技術が、対象を認識する技術です。

ロボットハンドが対象物を掴むには高度な技術が必要です。私たち人間はさまざまな硬さや柔らかさの対象物を正確に識別し掴むことができますが、ロボットは柔らかいもの、壊れやすいもの、不規則な形状のものを掴むことが苦手です。

ロボットハンドが対象物を壊すことなく正確に掴むためには、対象物の形状、サイズ、摩擦係数、強度などを正確に理解する必要があります。そしてこの対象物を認識する技術がまだ完全ではないことが、ロボットが掴むという動作が苦手である理由です。

ロボットハンドが対象物を認識するために使用されるセンサーには、関節部のトルクを検出して掴んでいる状態を推定するトルクセンサーや、モーターのトルクを推定するモーター入力電流センサー、ロボットハンドの手首部に取り付けられる力覚センサー、指先の触覚センサー、カメラによる視覚認識などがあります。

モノをつかんだ後に認識するセンサーは、モノの許容量を超える力で掴んでしまう可能性があるため、強度のある対象物に適しており、そうでない対象物を掴む場合はゆっくりとした作業にならざるを得ません。

カメラは非接触でモノを認識できますが、透明な物体や鏡面の物体を正確に認識することが難しいという課題を抱えています。

こうした課題を解決するのが、Thinkerの近接覚センサーです。この近接覚センサーは、カメラを使用せず、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速かつ高解像度なセンシングにより、対象物の位置と形状を非接触かつ迅速に把握することができます。これにより、鏡面や透明な物質の取り扱いや、現場の状況に応じた柔軟なピックアップを可能としています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業などとの提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Thinker センサー ピッキング ロボット ロボットハンド 大阪大学 工学 株式会社 認知 資金調達 近接覚 近接覚センサー
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ネット不動産投資サービスブランド「RENOSY」を手がける「GA technologies」が4億円の融資契約を締結
2024年6月26日、株式会社GA technologiesは、株式会社千葉銀行が提供する「ちばぎんSDGsリーダーズローン(サステナビリティ・リンク・ローン型)」において4億円の融資契約(無担保・無…
Webエンジニア養成プログラミングスクール「RUNTEQ」を展開する「スタートアップテクノロジー」が2億円調達
2022年10月5日、株式会社スタートアップテクノロジーは、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 スタートアップテクノロジーは、Webエンジニア養成プログラミングスクール「RUNTEQ…
新型コロナ関連検査キットやピロリ菌検査キットなどを展開する「ICheck」が資金調達
2022年4月8日、ICheck株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 新型コロナ関連検査キットや、ピロリ菌検査キット(2022年4月5日販売開始)、糖尿病リスク検査キット(2022年春リ…
コワーキング・スペース事業の「いいオフィス」とITフリーランス向け独立支援サービス展開の「NKC ASIA」が業務提携
2020年10月12日、株式会社いいオフィスは、株式会社NKC ASIAと業務提携に関する契約を締結したことを発表しました。 いいオフィスは、国内・海外において約210店舗のコワーキング・スペース「い…
建設業界の職人と工事会社のマッチングサービスなどを手がける「助太刀」が「パナソニックホールディングス」から資金調達
2024年7月26日、株式会社助太刀は、パナソニック ホールディングス株式会社から資金調達を実施したことを発表しました。 また、パナソニックHD傘下で、住宅設備・建材の製造・販売を担うパナソニック ハ…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集