注目のスタートアップ

自治体・地方銀行向けデジタル通貨発行SaaS・プラットフォーム「LITA」提供の「Digital Platformer」が3億円調達

company

2022年4月19日、Digital Platformer株式会社は、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。

Digital Platformerは、自治体・地方銀行向けデジタル通貨発行SaaS・プラットフォーム「LITA(リタ)」を開発・提供しています。

このSaaSを導入することで地域ごとにデジタル通貨・デジタル商品券の発行ができるようになります。

シンプルなパラメーター設定によってデジタル通貨・商品券を柔軟に定義することができるほか、API連携による柔軟なサービス設計が可能となっています。

2021年7月には福島県磐梯町にてデジタル地域振興券「デジとく」の発行に活用されています。

また、2022年3月にはDID発行サービスである「MyDID」をリリースし、来年度以降、各自治体での導入が予定されています。

Digital Platformerは、自治体・金融機関にデジタルマネーの発行・運用SaaSを導入することで、デジタルマネー給与支払いの実現と、それに伴う全産業のDXを目指しています。

地域通貨とは自治体などが発行する地域限定で決済手段として利用できる通貨であり、その地域の消費の促進や相互扶助を目的としています。国内では1990年代後半から2000年代前半に大きな流行となったことを覚えている人もいることでしょう。

地域通貨の成功例としては、1930年代の世界恐慌があった際、オーストリアのヴェルグルという町で地域通貨が発行され、地域経済の回復の立役者となったものが有名な話です。

地域通貨は地方経済を立て直すために有効なのですが、発行・運用にコストがかかること、コミュニティの運営が持続可能でなかったことなどから衰退していきました。

しかし、新型コロナウイルスの流行により地域通貨は再度脚光を浴びています。キャッシュレス化が急激に進展したため、そのシステムを利用することで、紙の地域通貨よりも低コストでデジタル地域通貨を発行・運用することができるようになりました。

2017年12月から飛騨信用組合が提供をはじめた飛騨高山の「さるぼぼコイン」は、デジタル地域通貨の成功例として有名であり、2021年8月31日時点で40億円のコインを販売し、加盟店は1,600店舗を突破、ユーザー数は約2.2万人の規模となっています。

この成功からデジタル地域通貨に取り組みたい自治体・地方金融機関が増えています。Digital Platformerは、このような自治体・地方金融機関を支援するため、デジタル通貨発行SaaS・プラットフォーム「LITA」を提供しています。

地域活性化など、社会課題の解決のビジネスには大きなチャンスが眠っていそうです。「冊子版創業手帳」では、起業家のインタビューを多数掲載しています。先人の思考を知ることは、新たなビジネスを生み出すことに役立つでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Digital Platformer LITA SaaS キャッシュレス デジタル地域通貨 デジタル通貨 プラットフォーム リタ 地域通貨 地方金融機関 地方銀行 自治体
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

化学産業のためのデータプラットフォームを開発する「CrowdChem」が7,000万円調達
2022年7月13日、株式会社CrowdChemは、総額約7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CrowdChemは、化学産業におけるビジネス推進を支援することを目的に、独自に収集し…
AI作成支援プラットフォーム「harBest」運営の「APTO」が6,000万円調達
2020年12月22日、株式会社APTOは、約6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AI作成支援プラットフォーム「harBest(ハーベスト)」を運営しています。 AI作成のために必…
お金のオンライン・チャット相談プラットフォーム「お金の健康診断」など運営の「400F」が2億円調達
2020年12月24日、株式会社400Fは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 お金のオンライン・チャット相談プラットフォーム「お金の健康診断」や、お金の悩み・疑問を解決するWebメデ…
オンライン接客プラットフォーム/チャットボット「BOTCHAN」展開の「wevnal」が6億円調達
2021年9月22日、株式会社wevnalは、総額約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 オンライン接客プラットフォーム/チャットボット「BOTCHAN」を展開しています。 チャットボットを…
衣服の生産・販売を支援するクラウドサービス「sitateru CLOUD」を手がける「シタテル」と「NTTデータ」が資本業務提携
2023年8月28日、シタテル株式会社は、株式会社NTTデータと資本業務提携したことを発表しました。 シタテルは、衣服・ライフスタイル製品生産の業務効率化・生産体制の強化を支援するクラウドサービス「s…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】