注目のスタートアップ

代替肉開発・製造の「ネクストミーツ」が10億円調達 世界展開の加速へ

2021年6月16日、ネクストミーツ株式会社は、約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。

代替肉の研究開発や、代替肉製品の企画・製造、EC事業、Webメディアの運営などを展開しています。

2020年12月には、株式会社焼肉ライクが運営する飲食店「焼肉ライク」において、肉らしい食味を再現した焼肉用代替肉「NEXTカルビ」・「NEXTハラミ」の販売を行うほか、自社ECで鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン1.0」を販売するなど、国内で代替肉製品を展開しています。

2021年1月に、SPACスキームでアメリカの証券市場であるOTCBBに「NEXT MEATS HOLDINGS」が上場し、時価総額が最高値で40億ドル(約4,400億円)を超えています。

今後、様々な企業と連携し、代替肉の研究を推進していき、代替肉の原料・製品のクオリティ向上や、生産効率・サプライチェーンの質の向上を図っていきます。

また、新潟県長岡市にある研究室「NEXT Lab」には世界中の研究者が集まっており、バイオテクノロジー分野では微生物や遺伝子の研究、メカトロニクス分野では植物性タンパク質の物性変化やファクトリーオートメーションの研究を行っています。

同時多発的な世界での展開を加速させていくため、現在10カ国において生産体制を整備しています。

世界的な人口の増加により、早くて2030年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れ始めると予想されています。これをタンパク質危機と呼びます。

畜産には、温室効果ガスであるメタンガスを放出してしまうことや、倫理的な問題、1gあたりのタンパク質を生産するために大量の飼料を必要とするなど、様々な課題があります。

そのため、畜産ではない方法でタンパク質を得るため、代替肉の開発や昆虫食の開発が推進されています。

すでに代替肉の世界市場では、ユニコーン企業が誕生しているほか、上場し黒字化を達成している企業もあります。

ネクストミーツ代表取締役 佐々木英之氏のコメント

今回のニュースにつきまして、ネクストミーツ代表取締役 佐々木英之氏(写真左。右は取締役会長の白井良氏)よりコメントが届きました!

佐々木英之
1980年生まれ。早くから起業した経験を活かし、海外に目を向け、中国深センにて12年間さまざまな事業に携わる。
大企業向けのアクセラレータプログラムや、メディア運営で培った経験を生かし、2020年6月に現・取締役会長の白井とネクストミーツを共同創業、現職に至る。
国内外のメディアで話題となり、日本を代表する代替肉ベンチャーとして評価されるまでになる。
刻一刻と悪化の一途をたどる気候変動に立ち向かうべく、日夜代替肉事業に取り組んでいる。

ーこの事業を始めた経緯について教えてください。

佐々木:共同創業者の白井もわたしも、もともと社会貢献できるビジネスをやりたいと考えていました。環境問題に関心が強かったので、エネルギー事業なども考えてみたものの、ハードルが高く模索していました。

そんな中2017年に培養肉のことを知る機会があり、食(畜産)と環境問題が密接に結びいていながら、まだ日本はおろか世界でも全然知られていない、そしてこの培養肉・代替肉というのが気候変動問題に対する大きな解決策になりうる、との考えから2017年にに調査・研究をスタートしました。

ー今回の資金調達について、どのような反響がありましたか?

佐々木:スピードが速いとの声をいただくことが多かったです。

ー今後どのような事業展開をしていきたいと考えているか、教えてください。

佐々木:弊社が対峙している気候変動問題・食料危機は、日本だけで解決できることでは到底ありません。ですので、世界展開に非常に力を入れており、現在はアメリカ、シンガポール、香港、台湾、ベトナムで販売しています。今年の夏には10か国、今年中には20か国の展開を目指して進めております。また先日代替肉に続き代替卵の商品化を発表し、今後お肉に限らず幅広く動物性食品の代替を進めていきます。

ー今後の展開が楽しみです。ありがとうございました!

研究開発系のビジネスにとって資金はとても重要です。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報について詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ タンパク質危機 ネクストミーツ バイオテクノロジー 代替肉 株式会社 植物肉 研究開発 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

日本の映像コンテンツの世界流通を手がける「REMOW」が1億円調達
2023年1月27日、REMOW株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社MBSメディアホールディングス、株式会社TBSホールディングスです。 REMOWは、日…
フェロトーシスを標的とした抗がん剤を開発する「FerroptoCure」が資金調達
2023年6月5日、株式会社FerroptoCureは、資金調達を実施したことを発表しました。 FerroptoCureは、慶應義塾大学 遺伝子制御研究部門にて開発した研究成果をもとに、東大IPC主催…
ゲーミングデバイスブランドを展開する「AndGAMER」が2億円調達
2025年5月14日、AndGAMER株式会社は、総額2億円の資金調達を発表しました。 AndGAMERは、複数のゲーミングデバイスブランドを展開しています。 現在展開しているブランドは、高性能カスタ…
シェア買いアプリ「KAUCHE」展開の「カウシェ」が22億円調達
2022年6月28日、株式会社カウシェは、総額約22億円の資金調達を実施したことを発表しました。 カウシェは、シェア買いアプリ「KAUCHE(カウシェ)」を開発・運営しています。 商品を選び、割引価格…
アトピー性皮膚炎に特化した患者向けアプリ「ヒフメド」を提供する「Genon」が1.2億円調達
2023年12月22日、株式会社Genonは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Genonは、アトピー性皮膚炎に特化した患者向けアプリ「ヒフメド」を開発・提供しています。…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集