マーケティングに欠かせない顧客視点や顧客体験とは?

顧客視点を重視し、適切な顧客体験を提供することがマーケティングを成功に導く

顧客視点と顧客体験

(2020/10/10更新)

最高のプロダクトを製作し、マーケティング戦略もしっかり策定したにもかかわらず、結果がついてこないという場合、「顧客視点」での営業が行われていない可能性があります。

マーケティングにおいて、顧客視点はどのように意識し、活用すればいいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで、本稿では顧客視点とは、顧客視点の考え方などをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

なぜ顧客視点が大切なのか?


マーケティングでは、顧客視点が大切だと言われています。それはなぜでしょうか。ここでは、顧客視点を軽視した企業が陥りがちな失敗をご紹介します。

企業視点のみに執着

1点目は企業視点だけに固執してしまっていることです。

その結果、消費者には求められていないプロダクトやサービスを開発してしまいます。以前、電化製品において、企業が新しい機能を開発することに集中してしまった結果、商品がどんどん複雑化し、ボタンだらけのリモコンになってしまったという事例がありました。機能は充実しても、利用者にとっては不要なものばかりだったのです。

このように、顧客にとっての利便性を考慮せず、新しい機能を開発することに固執してしまった結果、求められていないプロダクトが販売されてしまうことがあるのです。

視野が狭くなっている

2点目は、ターゲットのイメージを決めつけてしまうことです。

例えば、子ども向け商品の場合、「子どもはアニメが好き」という設定でアニメを利用したコミュニケーション展開をしたとします。しかし、実際は対象としている年齢層はアニメには全く興味がなく、コミュニケーション効果がなかったという事例です。

このように、企業の一方的な思い込みでターゲットのイメージを決めつけてしまった結果、顧客に届かないという失敗もよくあります。

お客様の声と顧客視点の区別ができない

3点目は、顧客視点とお客様の声の区別ができないことです。

マクドナルドの事例をご紹介します。マクドナルドが調査を行った結果、消費者は「ヘルシー」「ダイエット」などを気にしているというファインディングを得ました。その調査を受けて、「サラダマック」という健康メニューを発売しましたが、売上は伸びず、すぐに販売中止となりました。

これは「健康志向」というお客様の声と、なぜマクドナルドにくるのかという顧客視点を区別できていなかったことが原因と考えられます。

マクドナルドはこの失敗後、マクドナルドに来店する理由は「カロリーを気にせずガッツリ食べたい背徳感」との顧客視点に立脚し、アメリカンデラックスシリーズなどのガッツリ系メニューを展開した結果、復活したと言われています。

顧客視点の得るためのフレームワーク

それでは、具体的に顧客視点で考えるための手法をご紹介します。

ペルソナの作成

顧客視点を持つためには、顧客がどのような人物なのかを明確にする必要があります。そのために有効なのがペルソナの作成です。

ペルソナとは、象徴的な顧客像のことです。自社のプロダクトやサービスを利用している顧客像を具体的にイメージしていきます。

ここで重要なのは、どれだけ具体的にイメージできているかという点です。性別・年齢・職業などのデモグラだけでなく、日々の生活においてどのようなことを重要視しているか、休日をどのように過ごしているか、どんな音楽を聴いているかなどのライフスタイルまで詳細に設定することが重要なのです。

ペルソナに名前をつけて、実在している人物をイメージして作成することも効果的です。

カスタマージャーニーの作成

ペルソナの次は、カスタマージャーニーの作成です。

カスタマージャーニーとは、顧客がプロダクトの購入や利用するまでの道筋を図示化したものです。カスタマージャーニーのフレームワークとして一般的なのは、横軸に認知・興味関心・購買など、顧客の思考をおき、縦軸に接触メディア・顧客の行動・顧客の心理で整理するものです。

このとき重要なのは、設定したペルソナの視点に沿ってイメージすることです。検索する時にはどのようなワードで検索するのか、検索ページをどのような視点で見るのなど、ペルソナになったつもりで作成することが顧客視点を理解する上で最も重要です。

ペルソナやカスタマージャーニーに参考になるアプローチ


ペルソナやカスタマージャーニーを作成する際、イメージすることも大切ですが、データを活用することで、より実在の人物に近づくことができます。

しかし、上述したように、一般的な定量調査や定性調査では、お客様の声は得られても、顧客視点とは言えないでしょう。そこで顧客視点の参考となるアプローチをご紹介します。

ビッグデータ

1点目は、アクセスデータや顧客の利用履歴などのビッグデータの活用です。

近年では、顧客がどのようにしてウェブサイトを訪れ、どのようなコンテンツを見ているのか、プロダクトやサービスによっては顧客がどのように利用しているのかなどのデータを収集することが可能となっています。顧客のデータを分析することで、通常の調査からは見えてこない顧客行動の実際の問題点が把握できます。

行動観察

2点目は、行動観察です。

行動観察は、デザイン思考で活用される考え方です。消費者の日常を観察することで、顧客の実態をより正確に把握しようとするものです。

例えば、ターゲットとなる人物と一緒に過ごし、家の中でどのような生活、行動をしているのかなどを観察します。また、自動販売機の売上げアップということであれば、24時間自動販売機に張り付き、どのような人が買うのか、どのような人が買わないのかなどを観察します。

行動観察のメリットは、通常の調査ではわからない、無意識の言動が見えることです。グループインタビューなどは、調査を前提とした環境で行われるため、実際に感じていることを引き出せない可能性があります。日常生活をともにすることで、無意識の言動を詳しく見聞きできるわけです。

また、消費者は実際に自分が抱えている課題は把握できていないともいわれています。

米国で自動車を普及させたフォードの言葉で、「もし顧客に、彼らが望むものを聞いていたら、彼らは「もっと早い馬が欲しい」と答えていただろう」というものがあります。まだ車が普及しておらず、馬車が一般的だった時代、顧客の頭の中には自動車というイメージがなかったため、自動車がほしいとは答えられません。

このように、消費者は想像できないことは答えられないのです。専門的な視点から実際に行動を観察することで、消費者のニーズや課題を把握できます。

顧客視点を持つだけでなく、顧客に体験を実現させることが必要


マーケティングにおいて、顧客視点を持つだけでは不十分です。顧客視点に基づき、顧客体験を最適化することでプロダクトやサービス全体の改善が必要です。

顧客体験とは、顧客がプロダクトを認知し、購入、利用するまでのアフターフォローを含む体験をさします。

それでは最適な顧客体験を実現させるためのポイントをご紹介します。

最適な顧客体験の設計

最適な顧客体験を提供することで、顧客の満足度やロイヤルティーが高まり、サービスやプロダクトの情報を拡散してくれるかもしれません。

そのためにも、顧客視点に立脚し、顧客ごとに適した体験を設計することが大切です。ここで重要となるのは、タッチポイント(顧客と企業との接点)全てにおいて、終始一貫したイメージ、体験を提供することです。

顧客がプロダクトに初めて接する時から、問題があったときのアフターフォローまで一貫した対応を意識しましょう。このような顧客体験を提供することで、大きく成功した事例がAppleです。

AppleはiPhoneやMacなどのプロダクトを提供しています。顧客体験全体を通して、クリエティブでイノベイティブなブランドであると思われたことで、多くのファンを獲得しました。

ここではAppleが提供する顧客体験の例をご紹介します。

まずは、新商品発表イベントです。近年は、プロダクト以外にサービスを発表する機会も多くなってきましたが、スティーブ・ジョブズの時代から、イベントが予定されると新たなiPhoneの発表が行われるのではないかという期待値を作りあげてきました。それにより、Appleは常にイノベイティブなものを提供するというイメージを形成しています。

商品を購入する場所でも最上の体験を提供しようと出店したのがApple Storeです。Apple Storeでは、洗練したデザインでプロダクトを体験できるだけでなく、音楽やアートなど様々なクリエティブなワークショップを提供することで、クリエティブなイメージを形成しています。

アフターフォローにおいても、返品修理を2日以内に実施し、ほぼ新品の状態で返品をしてくれるなど、プロダクトの購入以降においても最上となる顧客体験を提供しています。

このように、商品の購入前から購入以降まで一貫した顧客体験の設計を検討しましょう。

最適な顧客体験のための仕組みづくり

最適な顧客体験を提供しても、仕組みがなければ意味がありません。

顧客体験で重要なのは、上述したように、サービスが一貫していることと、タイミングの適格さです。そのために必要となるのが、仕組みづくりです。

従来の縦割り組織の場合、マーケティング、営業、アフターサービスがすべて異なる部署で管理されているため、広告は高級路線なのに、店頭では値引きした価格で売られているなど、顧客体験が一貫していないという問題がおきることがあります。このような問題を避けるためには、部署という垣根をこえて、ひとつの組織で対応できるような体制をとることや、顧客情報を共有できるようなCRMなどの仕組みを導入するなどの策を講じる必要があります。

常に改善を行う

顧客体験は、一度設計したら終わりではありません。

社会情勢の変化や新たなテクノロジーの開発によって変化する、市場やライフスタイルに合わせて改善が必要になります。

また、契約期間中、企業と顧客の関係が継続的に続くようなサブスクリプションビジネスも増えてきています。

大切なことは、顧客の実際の利用データや購買データなどを参考に、常にPDCAを活用して改善し続けることです。市場は常に変化し、顧客の意識も一定ではありません。顧客に最適な顧客体験を設計し続けるために、常に改善することを意識しましょう。

まとめ

マーケティングにおいて顧客視点がいかに重要か、おわかりいただけたと思います。

どんなに素晴らしいプロダクトを製作しても、顧客にとって利便性が高い、満足できるものでなければ結果を出すことはできません。社会情勢とともに変化する顧客視点を効果的に取り入れ、マーケティングに有効活用していただければ幸いです。まずは、ペルソナを作成することから始めてみてはいかがでしょうか。

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