個人事業主で仕事がない時どうする?状況を改善する方法を徹底解説

創業手帳

個人事業主で仕事がない状態は厳しい…。仕事のとり方や対策とは?


個人事業主は、自らの裁量次第で売上げを上げることができる一方、その裁量が不十分であった場合は、最悪仕事がなくなってしまうこともあります。
仕事がなくなる状況は、必ずしも自身のせいだけではないこともありますが、仕事の取組方の見直しや改善策の構築を行う必要がある場合が多いです。

今回は、個人事業主の仕事がない状態を改善する方法を解説します。

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この記事の目次

個人事業主やフリーランスで仕事がない原因とは


個人事業主の仕事が安定しない原因には、以下のようなことが考えられます。

スキルや実績が足りない

個人事業主は、自分自身のスキルや実績が利益の源です。そこが足りなければ、おのずと仕事を失うことにつながります。

・実績を積むことの重要さ
個人事業主やフリーランスが取引きを行う顧客やクライアントは、実績を重視します。
満足する商品やサービス、成果物を得られるかどうかは、まず実績で判断されるのです。
さらに、特にフリーランスに多いパターンですが、小さな実績を積んでも大手クライアントには認めてもらえないケースも見られます。

・スキルが足りないとどうなるか
実績を積んでなお、スキルがついていっていない場合もあります。
実績だけを見て仕事を得られても、良い成果をあげられなければ、顧客や取引先に諦められてしまうかもしれません。

単に実績だけを積むのではなく、同時に向上心を持ってスキルを磨き続けなければ、新規の仕事はもちろん継続した仕事も得にくいでしょう。

営業活動を怠っている

手元の仕事に終われ、外部への営業活動に手が回らなければ、顧客や取引先に周知してもらうことが難しくなるのは明白です。
個人事業主は、自身の足で営業活動を行うことは基本であり、例えば雑務に追われている場合は従業員を雇うなどの対策を採って営業に力を入れてください。

限られた取引先としか仕事をしない

大口の顧客や取引先があるからといって、そこだけと取引きをしていると、いざ取引先との契約が頓挫した時に、まったく仕事がなくなることも考えられます。
特に、企業と取引きをしている場合、その企業の経営が悪化すれば、報酬を得られなくなることもあり得るため、複数の取引先を確保するのが得策です。

顧客獲得に失敗している

どのような事業でも、一番大切なのは顧客との信頼関係です。顧客に対する対応を丁寧に行わなければ、おのずと顧客は離れてしまうでしょう。
宣伝をしたり、実績やスキルをアピールしたりすること自体は有益ですが、その後の対応次第でリピーターができるか否かは大きく左右されるのです。

クライアントの都合で打ち切られてしまう

特に、クライアントと取引きしている場合、クライアントの経営悪化や倒産、事業の方向転換などの理由で、契約が途切れてしまう可能性がります。
この場合、いくら質の良い商品・サービス・成果物をクライアントに提供し、信頼関係を築けたとしても、個人事業主自身では対処できません。

仕事におけるルールに反している

ビジネスにおいては、どのような形態・規模・業種であっても、納期厳守や契約内容の遵守、秘密情報保持などの対応を採ることは絶対です。
これらのルールに反した場合は、個人事業主の仕事の質がどれだけ高くとも、顧客や取引先から遠ざけられてしまうことは想像に難くありません。

個人事業主やフリーランスで仕事が途切れない人の特徴


では、仕事が途切れない人には、どういった特徴があるのでしょうか。

迅速に連絡が取れる

ビジネスにおいて、メールやチャットでの連絡は日常ですが、対面でないだけに連絡のタイミングはばらつくものです。
だからこそ、迅速な連絡対応は注意深く心がけるべきであり、スピーディなやりとりを行えることで仕事の進捗はもちろん、信頼度の確保にもつながります。

仕事のスピードやクオリティが高い

丁寧な仕事を行うことも、ビジネスには必要な要素ですが、納期が遅かったりミスが多かったりすると、やはり顧客や取引先からの信頼は得にくいでしょう。
仕事をスピーディに行えるうえに、商品・サービス・成果物のクオリティが高ければ、継続的に仕事を得られる確率は格段に上がります。

スキルアップを怠らない

仕事がある程度確保できている状態でも、スキルの上昇が見込めない場合は新たな取引きの獲得を目指すことは難しいです。
その点、自身の状況に慢心せずにスキルアップを常に心掛けている人は、さらに実績を多く積むことができ、事業の拡大を見込めます。

取引先の意図を共有できる

個人事業主は、基本的に顧客や取引先の要望に応じて仕事を行うものです。ここで、顧客や取引先の意図を共有できなければ、先方を満足させることができません。
顧客や取引先がどのようなことを求めているか、何を目的としているかといった意図をきちんと汲み取る能力は、仕事を途切れさせないポイントのひとつです。

個人事業主の仕事がない時の対策法


ここでは、個人事業主の仕事がない時に、どのように対処すれば良いのか紹介していきます。

営業活動を積極的に行う

仕事を獲得するためには、地道な営業活動は必須です。この時、新規顧客や取引先への営業も良いですが、既知の知人や取引先に声をかけるのも有効となります。

自身の欠点を客観的に分析する

個人事業主の仕事がない状態は、自身に何らかの原因があることで引き起こされているパターンがほとんどです。
そのため、自身に何が足りないか、どこに問題があるかを客観的に見直し、時に周囲の人に意見を求めるなどして分析する手間をかけることも大切です。

ポートフォリオを整理する

フリーランスの場合、自身の実績やスキルをまとめたポートフォリオは、クライアントが発注をするか否かを決定する重要な指針です。
そのため、わかりやすく自身をアピールできるポートフォリオを随時整理し、いつでも提示できるようにしておくことで、クライアントに認めてもらいやすくなるでしょう。

強固な人間関係を築く

人脈を太くする

前述の営業活動の一環で、知人や過去に取引きをしたことのある企業などに積極的に連絡を取り、太い人脈を確保して存在を認識してもらうことも方法のひとつです。
これまで連絡を取っていなかった人ともつながっておくことで、思わぬところにネットワークが伝播し、新たな仕事を開拓することが期待できます。

取引先との関係性を向上させる

取引先に対し、ビジネスマナーを守ることはもちろんですが、これに加え、取引先とより親密になれば、双方の絆が深まりビジネスもスムーズに進むことがあります。
取引先と良好な関係を結ぶためには、長期にわたるやり取りで距離を縮めることが前提です。ビジネスとしての線引きは守りつつ、関係を深められるのがベストです。

業種や働き方の間口を広げる

これは思い切った方法ですが、業種の変更や働き方の見直しを行うと、これまでにない道が開ける可能性があります。
業種でいえば、事業の分野内の関連業種にシフトチェンジする、まったく新しい業種に挑戦する、働き方では在宅から常駐に間口を広げるなどの方法が考えられます。

隙間時間を利用して副業する

仕事がない時、おのずと空き時間が増えるものです。この時に、とりあえず収入を確保するために副業をはじめるのもひとつの手です。
スポット的に入れるアルバイトやクラウドソーシング、インターネットショップやフリマサイトの利用など、本業ではない仕事を並行することも視野に入れてみてください。

新たな商品やサービスを考える

これまで提供していた商品やサービス、成果物の種類やジャンルから、さらに新たなものを生み出す柔軟性も欲しいところです。
例えば、飲食業なら新メニュー開発、ライター業なら編集・校正技術の提供といったように、商品やサービスの幅を広げることで、顧客や取引先の需要も増えるでしょう。

単価の見直しを行う

顧客や取引先離れが進む原因には、単価設定のずれも考えられます。そのため、自身のスキルや社会の経済情勢を鑑みたうえで、単価を下げて様子を見る方法もあります。
ただし、この時に注意したいのは、継続的に取引きを続けたい場合の単価は動かさず、期間限定商品や単発案件での薄利多売の発想を持つことです。

個人事業主の仕事がない時の具体的な仕事の探し方


個人事業主の仕事がない時、具体的にはどのように仕事を探せば良いのでしょうか。

営業活動に様々な工夫をする

電話やメールなどの通信手段を活用する

過去に取引きした相手や新規で仕事を獲得したいと思う相手に、直接電話やメールを使用して営業活動を行うことをおすすめします。
多くの企業や個人事業主は、人材を募集していなければ、突然の営業には断りを入れることが多いですが、数十件にコンタクトを取り1件でも返信が来ればチャンスです。

WebサイトやSNSを積極的に活用する

Webサイト上でのブログの運営、SNSアカウントの作成を行い、自身のアピールに活用してブログやアカウントへのファンをつければ、口コミ効果が期待できます。
また、近年はビジネス専用SNSもあり、情報収集のみならず同業者や取引先に積極的にコンタクトを取れば、仕事につながるかもしれません。

営業代行サービスを利用する

営業代行サービスとは、電話やメールなどの営業活動を代行してくれるものです。
営業活動まで手が回らない場合は、このようなサービスを活用することも考慮に入れましょう。
サービス内容は、アポイントのみから、契約成立のサポートまで多様であり、業者がどこまで代行してくれるかを調べて依頼するようにしてください。

過去の取引先に挨拶をする

前述で、過去の取引先や知人への人脈について説明しましたが、特に過去の取引先は、疎遠になり声をかけづらいこともあるかもしれません。
そこで、いきなり営業の話に入るのではなく、まずは気軽に挨拶に出向き、顔を出して思い出してもらう方法がおすすめです。

同業者や他業種の人々と交流する

交流会へ参加する

多くの業種では、同業者が集う交流会を開催しています。交流会に出向けば、新たに知り合う人たちと交流を深め、情報交換や仕事の獲得につなげられるかもしれません。
また、異業種の交流会では、思わぬ取引先に出会うことも期待でき、新しい仕事のみならず、事業の新境地を開拓できる可能性もあります。

コミュニティやオンラインサロンに入る

コミュニティやオンラインサロンとは、掲示板でメンバーを募ったり、会員として登録して集まりに参加したりといった形で作られるコミュニケーションの場です。
コミュニティは不特定多数に門戸が開かれ、オンラインサロンは会員のみのクローズドな集まりといった違いはありますが、いずれもビジネス交流に利用されることが多くあります。

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エージェントを利用して仕事を探す

案件を受注する形態で仕事を行うフリーランスの場合、それぞれの分野に特化したエージェントを利用し、仕事を紹介してもらうのもおすすめです。
エージェントは、仕事が安定する案件の紹介から、クライアントとの条件交渉、契約までのサポートのほか、通常では採用されない企業とつながりができるメリットがあります。

クラウドソーシングサイトを利用して仕事を探す

個人事業主が副業を探す場合、またフリーランスが本業の取引先を開拓する場合には、クラウドソーシングサイトを利用すると便利です。
これらのサイトでは、報酬などの待遇に難点があることも多いですが、つなぎとして仕えるだけではなく、意外と長い付き合いとなる取引先が見つかることもあります。

個人事業主が安定して仕事を得るために普段からするべきこと


仕事をコンスタントに得られるようにするには、普段から以下のようなことを心がけるようにしてください。

市場のニーズを掴む

自身が行っている事業について、最新の市場動向やニーズを知ることは重要です。
もし、市場自体の縮小、ニーズの減少が起こっている場合、その情報は早めに掴むようにしてください。
市場の変化によって、自身の仕事の方向性や展開方法を柔軟に変更することができれば、安定した需要を得られると考えられます。

ニーズに合った商品やサービスを提案する

顧客や取引先が、どのようなニーズを持っているかを考えることも、仕事獲得のためには大切なことです。
自身が提供する商品やサービス、成果物がニーズに合わなければ、いくら良いプロダクトでも受け入れてもらえないため、常にニーズに対するアンテナを張っておきましょう。

トレンドに流され過ぎない

商品やサービスの中には、世間におけるトレンドに大きく左右されるものがあります。その時に流行していたとしても、時が立てば廃れていることも少なくありません。
そのため、事業を起ち上げる際には、リアルタイムのトレンドに囚われないように、普遍的なニーズがある市場を狙うことは成功の秘訣のひとつです。

向上心を常に持つ

個人事業主は、自身のスキルが売れなければ、たちまち仕事をなくしてしまいます。
少しうまくいったからといってスキル磨きを怠ると、現状のスキルが時代に取り残されてしまうかもしれません。
そのため、どのような状況でも常に向上心を持ち、スキルアップや情報のインプットに努め、より自身の価値を上げて多くの顧客や取引先に売れるようにしてください。

仕事との向き合い方をテコ入れする

取引先や社会への貢献を考える

ビジネスは、取引先の事業や社会へ貢献する仕事を行うことが目的のひとつです。自身のやりたいことだけでは、仕事は成り立ちません。
そのため、自分の仕事が相手や社会にどう役に立てるかを考え、責任を持って仕事に取り組むよう留意しましょう。

自身の現状を客観的に見る

個人事業主には、企業と違い評価してくれる立場の人物がおらず、自信を客観視して価値を表かすることが難しいです。
そこで、あえて自身を客観視する目線を持ち、何に長けているか、何が不得手なのかを分析する力を身に着け、磨く(みがく)べきスキルを見極めます。

自己管理を徹底する

個人事業主の仕事がない状況では、金銭はもちろんメンタル面でも不安定になりがちです。しかし、メンタルが崩れると仕事の獲得事態も難しくなります。
特に、個人事業主の仕事は支えてくれる人がいないため、自分自身で体調もメンタルも管理できるように心がけ、気分の切換えやコントロールを強く意識するようにしてください。

個人事業主の仕事がない状態で赤字が出た際の確定申告とは


もし、個人事業主の仕事がない状態で赤字が出た場合にも、確定申告行わなければならないのか疑問に思うかもしれません。
ここでは、赤字が出た場合の確定申告について解説します。

創業手帳では確定申告で多くの人が迷いがちなポイントについて別冊でまとめた「確定申告ガイド」をリリースしましたので、是非あわせてご活用ください。無料でお読みいただけます。



売上げも経費も発生していない時

まったく仕事がなく売上げが発生していない状態かつ、経費のかからない業種であった場合、所得も赤字もないため、確定申告を行う必要はありません。
ただし、住民税の申告は所得のあるなしに関わらず必要であるため、別途手続きを行ってください。

売上げより経費が上回った時

売上げよりも、諸経費のほうが上回った場合には、赤字が発生していることになります。
この場合、個人事業主になったばかりで同年度に給与所得がある、また副業で雑所得があるケースでは、青色申告者であれば確定申告時に損益通算を行えます。

損益通算とは

損益通算とは、事業所得などで赤字が出た場合、そのほかの所得で出た黒字から赤字分を相殺し、所得税を圧縮することができる制度です。
上記のように、給与所得や雑所得などがあれば、そこから本業である事業所得の赤字分を差し引き、残った金額から所得税を計算します。

損失額の繰越控除について

損失額の繰越控除では、上記の様に損益通算をしてもなお赤字となる場合に、次年度から3年間にわたって赤字を繰越し、次年度以降の黒字から赤字分を相殺できます。
これにより、所得税の圧縮につながり、税額負担を減らすことが可能です。

まとめ・個人事業主は仕事が途切れないように対策を

個人事業主で仕事がない状態になった時、取引先の都合以外の場合はおおむね自身に問題がある場合が多いです。
高いスキルや人間力を持っていれば、取引先からも重宝されるため、仕事がない時にスキルを磨いたり営業活動、人脈の確保に力を入れると次につながることが期待できます。

自身の仕事への向き合い方も含め、仕事がなくなった時の対策はあらかじめ考えておくことをおすすめします。
個人事業主の収入は不安定であるため、いざという時の心構えや準備をしておいてください。

創業手帳冊子版では、個人事業主がうまく仕事を獲得するための手段を詳しく解説しています。仕事を探している個人事業主の方は、参考にしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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