確定申告をしないとどうなる?リスク・デメリットを解説

資金調達手帳

確定申告をしないとどうなるか解説!バレる危険性とペナルティ・正しい対処法


確定申告をしないとどうなるか、知っておきたいリスクについて解説します。
個人事業主やフリーランスの義務ですが、しなくてもリスクやデメリットがないなら面倒な確定申告はしたくない人もいるかもしれません。

しかし、確定申告をしないと現実は大変厳しいものです。ほんの少しの慢心で大きなリスクを負うため、リスクと対処法を知りましょう。
個人事業主やフリーランスは特に注意が必要ですが、中には会社員でも必要な人がいます。

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確定申告をしないとどうなる?


真面目に確定申告をしている個人事業主やフリーランスでも、もし確定申告をしないとどうなるか、ふと疑問に思うことがあるかもしれません。
また、確定申告しなくても良いなら、したくないと考えることもあるでしょう。

確定申告は、個人事業主やフリーランスに必要な税申告の方法で、一定の条件を満たす人は絶対に必要です。
また、会社員の場合でも必要となるケースがあります。条件を満たしている場合には、どんな人でも確定申告しないとデメリットが生じる恐れがあるため注意が必要です。

個人事業主やフリーランスの場合

個人事業主やフリーランスが確定申告をしないとどうなるかは、もっともわかりやすいものです。
一定の所得のある個人事業主やフリーランスにとって確定申告は義務なので、確定申告を怠るとデメリットが生じる恐れがあります。

確定申告は納税のための申告です。確定申告が必要な人が申告を怠れば、即ち納税を怠ることと同義となります。
納めるべき税金を納めていないのですから、当然税務署は黙ってはいません。

売上が1,000万円を超えていた場合は消費税も

確定申告は所得税の申告を指しますが、個人事業主やフリーランスの中には消費税の申告が必要となる人もいます。
売上金額が年間1,000万円を超えている場合には、所得税だけでなく消費税の申告も必要です。
消費税の申告は翌年の3月末までで、期限を過ぎても申告しなかった場合には所得税の確定申告と同様にリスクが生じます。

消費税の申告の必要の有無は、基準期間の課税売上が基準で決まるものです。
基準期間は、個人事業主やフリーランスの場合には前々年の1年間、法人の場合には事業年度単位で前々年度に当たります。
つまり、前々年の課税売上が1,000万円を超えていた場合には、確定申告のほかに消費税の申告についても押さえておきましょう。

会社員の場合

会社員の場合、原則的には年末調整があるため、確定申告は不要です。会社員は会社から給料をもらう時に会社から所得税を源泉徴収されています。
会社が個人の代わりに所得税を申告し、源泉徴収した所得税をまとめて納税しているため、会社員は個人での確定申告の必要はありません。

ただし、原則不要ですが、中には事情によって確定申告が必要な人もいます。確定申告が必要なのに確定申告をしないと、会社員でもリスクが生じるのは言うまでもありません。

このような場合に確定申告しないとどうなる?

個人事業主やフリーランスは原則的に確定申告が必要、会社員でも例外的に確定申告が必要となることがあります。
しかし、その例外的なケースがどのような時なのかをわからなければ、確定申告の必要性を正しく判断できません。
また、原則的に確定申告の必要な個人事業主でも不要なケースもあり、一概に個人事業主だから必要とも言いにくい場合があります。

そこで、個人事業主やフリーランスでも確定申告が必要のないケースや会社員でも必要なケースについてまとめてみました。

副収入がある

会社員をしている人に副収入があった場合、確定申告が必要となる場合があります。
副収入は、副業をして得たものや不動産売買の収入、株やFXなどの投資による収入など、様々なものが該当します。
副収入が経費を引いて20万円を超えた場合には、確定申告が必要です。

個人事業が赤字

個人事業主でも、必ずしも収益が上がって儲けが出るとは限りません。
個人事業で赤字になった場合には、確定申告をしなくてもペナルティなどを受けるリスクはありません。
個人事業主の場合、制度上は事業所得が38万円以下であれば確定申告は不要です。

しかし、個人事業主の確定申告は社会的信用を得るためのものでもあるため、赤字でも確定申告しておいたほうが良いとも考えられます。
また、赤字の際に確定申告をしておくと、減免措置や青色申告では赤字の繰り越しなども利用可能となります。
赤字の場合、確定申告は義務ではなくなりますが、翌年以降のことを考えるとやっておいたほうが良いでしょう。

無職・無収入

会社員だった人が年の途中で退職した場合など、無職で無収入になった場合も注意が必要です。
年の途中で退職した場合には、勤務していた会社でその年の年末調整ができません。
そのため、退職するまで稼いでいた金額によっては、確定申告が必要となるケースがあります。

退職と同時に専業主婦(専業主夫)になった場合も同様で、それまでの収入額によっては確定申告が必要です。
また、さらにこの場合には、タイミングによっては控除の申請などで配偶者も確定申告しなければいけないことがあります。

確定申告しないと税務署にバレる?わかってしまう理由


確定申告しないとどうなるか、疑問に思っている人の中には「バレなければ大丈夫」と考えて危ない橋を渡ろうとする人もいるかもしれません。
しかし、確定申告をしないと、様々な理由から税務署にわかってしまうことが多いのです。

ここでは、「バレなければ大丈夫」と考えることの倫理的な問題はともかく、バレるリスクについて考えてみます。意外と身近なところで足元をすくわれることもあるようです。

税務署が取引先の支払調書を確認

確定申告をしていないことがバレる原因としては、まず、取引先の支払調書が挙げられます。
個人事業主やフリーランスが外注で仕事を受けると、支払調書を発行してもらうことがあります。
この支払調書は、個人事業主側が確定申告の際に使うだけでなく、取引先も税務署に提出するものです。

税務署は提出された支払調書をもとに、報酬を受け取った個人事業主を知ることができます。
一定以上の報酬を受け取っているにもかかわらず、その個人事業主が確定申告をしていなければ、すぐにチェックされてしまうでしょう。

税務署の税務調査

税務署の行っている税務調査でも、確定申告していないことがバレることがあります。
税務調査とは、税務署の調査官が納税者の税務申告が正しく行われているかを調べる調査です。

自分自身が調査の対象にならなければ安心だと思えますが、取引先に調査が入った時もバレるリスクは高くなります。
取引先がどこに仕事を依頼していたかチェックされると、仮に自分が申告していないのに収入があったことがすぐにバレます。

国税庁の無申告取り締まり調査

国税庁でも、経済や社会の変化に応じて無申告の調査を行うことがあります。
国税庁の無申告取り締まり調査では、その年によっては個人事業主やフリーランスに焦点を当てることもあるため、いつ調査が入ってバレるかわかりません

知人のタレコミ

意外にも思える理由ですが、知人のタレコミによって確定申告をしていないことがバレることもあります。
「人の口に戸は立てられぬ」とも言うため、ズルをして得しようとしている人を良く思わない人は多いものです。

確定申告をしなかった時のリスク


確定申告が必要なのに申告しないでいると、思わぬところから綻びが生じ、バレることが多くあります。
それでは、実際に確定申告をしないとどうなるのか、生じるデメリットやリスクについて知っておきましょう。

確定申告をしないことによるペナルティ

確定申告をしなかった場合に考えられるのは、罰則によって課せられる加算税の数々です。
確定申告をしなかった場合には、本来納税すべきだった金額に加えて、罰金がさらに発生します。罰金の重さは、その状況によって変わります。
悪質な場合には非常に重いペナルティとなることもあるため、軽い気持ちで確定申告を無視してはいけません。

無申告加算税

無申告加算税は、文字通り確定申告の必要がある所得を得ていたにもかかわらず、申告しなかった時に課せられる加算税です。
本来納付しなければいけなかった税額に税率を掛けて算出されます。税率は50万円までは15%、50万円を超える部分は20%です。

無申告加算税は、税務署の指摘を受ける前に自主的に確定申告をした場合、課税額が軽減されることがあります。
軽減される場合の税率は5%です。うっかり忘れていて確定申告の時期を過ぎてしまった場合などは、自分から速やかに申告したほうが支払う金額が抑えられます。

延滞税

延滞税は、確定申告忘れではなく、確定申告をしたあとに納税の期限を破ってしまった時に課せられる税金です。
法定納期限の翌日から発生し、納付が済むまでの日数分を課せられます。

延滞税の金額は、法定納期限の翌日から2カ月までと、2カ月以降で変わります。
令和2年12月31日までの延滞税は、2カ月までが年7.3%と「特例基準割合+1%」のいずれか低いほう、2カ月以降が年14.6%と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低いほうです。
このように、長期間延滞すればするほど税率も高くなり、税額も嵩んでいきます。

重加算税

重加算税は、確定申告をしなかった場合のもっとも重いペナルティです。
確定申告の必要がある所得があるにもかかわらず、無申告であり、その内容が悪質と判断された場合に課せられます。

悪質と認められるケースとしては、帳簿の改ざんや二重帳簿などの隠匿行為があります。
重加算税の税率は、追加本税の35~40%と非常に高い税率で、事の重大さがわかります。

確定申告をしないことによるデメリット

確定申告をしないとどうなるか考える際には、罰金としてのペナルティだけでなく、本来受けられたはずの手続きが受けられなくなるリスクも考慮しなければなりません。
必ずしも確定申告はしなければいけないわけではありません。しかし、申告しなくても良いケースでも、申告しないことで不利益を被る恐れはあるため、注意が必要です。

保険料の減免が受けられない

国民健康保険の保険料は所得によって減免が受けられることがあります。特に、個人事業主の事業が赤字だった場合などにはありがたいシステムです。
しかし、確定申告をしないと所得を証明する所得証明書を発行してもらえず、保険料の減免の手続きができません

収入証明を行う書類がなくなる

確定申告をしないと、収入を証明する書類を作れなくなります。
確定申告は収入が少ない場合、しなくても問題はありませんが、その際には収入証明ができなくなり、無収入と同じように見なされてしまいます。

収入の証明ができなくなると、資金調達もできません
融資や各種補助金、給付金の申請などには、確定申告書類の提出が求められ、無申告の場合には申込みさえできなくなります。

申告忘れや申告ミスに気づいた場合

確定申告で申告忘れや申告ミスに気が付いたら、少しでも早く正しい形で申告してください。
ミスをした時の修正も、悪質なごまかしや隠ぺいと取られないためにも、早めに申告する必要があります。

遅れた分だけ延滞税

確定申告の期限に遅れた場合には、延滞税がかかると前述しました。延滞税は遅れた期間の分だけかかるため、少しでも早く申告し、納税したほうが軽く済みます。
特に、期限から2カ月の間は税率も低く設定されており、自己申告で早めに納税すればさらに軽減される可能性もあります。

青色申告できなくなることも

申告忘れで申告期限を守れなかった場合、青色申告者は青色申告の承認を取り消される恐れがあります。
青色申告の承認の取り消しは、2期連続で期限を破った場合です。無収入であったとしても、申告しなくてはいけません。

特別な控除や経費計上のしやすさなど、青色申告には様々な特典があります。
青色申告をしている人は、収入がいくらであっても毎年欠かさず、期限を守って申告することが必要です。

わざと確定申告で不正をした場合

わざと確定申告で不正をした場合には、ペナルティとして追加される税も高くなります。
自主的に申告するなど、その後の誠実な対応でペナルティが軽くなることはありますが、反対に悪質な行為があるとより重いペナルティが課せられます。
場合によっては刑事罰に問われることもあるため、刑罰を甘く見ないようにしましょう。

悪質な場合は刑事罰に

所得を少なく申告したり、売上を隠ぺいしたりするなどの行為は「ほ脱」と呼ばれ、前述のペナルティに加えてさらに刑事罰が科せられることがあります。
これは悪質な納税者の刑事責任を追及するために作られたルールです。

無申告で、なおかつ故意に納税を免れる意思があった場合には、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、または、その両方が課せられます。
また、故意ではなくても、無申告で1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられることもあります。

確定申告を忘れてしまったら


確定申告を忘れてしまったら、できるだけペナルティが重くならないように正しく行動することが必要です。
期限が過ぎたからといって、諦めて投げやりになってはいけません。誰しもうっかりミスはあるもので、重要なのはそこから適切に行動してカバーすることです。

できるだけ早く申告する

確定申告を忘れていた場合には、できるだけ早く自主的に申告することが必要です。申告が遅れれば遅れるほど、延滞税もかかります。

法律は故意にやった人には厳しいですが、うっかりしたミスで、しかもそれを自分から正そうとする人には寛容です。
期限が過ぎても自主的に申告をすれば、ペナルティも軽減される可能性があります。

時効で納税から逃れることはほぼ不可能

納税ミスや申告漏れにも時効はあります。悪質な申告漏れでも申告期限の翌日から7年で時効が成立します。

しかし、納税を免れて時効まで乗り切るのは現実的に不可能です。時効までの期間は督促状が税務署から届いた時点で中断され、再び一から時効期間が開始されます。
また、督促に応じなければ、税務署も差押えなどの手段を取る場合もあります。そのため、実質的に時効成立まで逃れることはできないでしょう。

まとめ

確定申告が必要な人が、申告しないとペナルティの罰金が発生することもあり、刑事罰の対象となることもあります。

個人事業主やフリーランスはもちろん、会社員の人も、確定申告が必要な所得があった年には、必ず申告を行いましょう。
個人事業主やフリーランスの確定申告は、資金調達や健全な経営のためにも大切なことです。

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(編集:創業手帳編集部)

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