確定申告しなくていい金額と条件を解説

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確定申告しなくていい金額とは?収入や所得金額によって変わる確定申告の必要性の有無

確定申告は、税額の自己申告として、年末調整していない人は必須の手続きです。
しかし、すべての人が必要となるわけでもなく、中には確定申告しなくていい金額や確定申告の必要がないケースもあります。

確定申告の必要性は金額や条件によって異なります。
確定申告しなくていい金額や条件の人は、無駄な作業を省けるので、申告準備をする前に、自分がどちらか知っておいた方が効率的です。

確定申告が必要なケースと確定申告しなくてもいいケースの金額や条件を紹介します。
自分がどちらに当たるか、また、確定申告の必要はなくても、した方が損しないこともあるため、そのケースに当てはまっていないか確認してみましょう。

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確定申告の必要性を知りましょう


確定申告は、年末調整を受けている会社員や収入がない人以外のための税金の申告制度です。
確定申告をすることで、自分自身の1年間の収入を国に伝え、所得税の金額を正しく計算して支払います。
しかし、収入があり、年末調整を受けていない人でも、中には確定申告の必要がない人もいます。

まずは、確定申告のルールと確定申告しなくていい条件を知っておきましょう。確定申告をしなくていい場合には、書類の準備や提出へ行く、といった手間を省けます。
ただし、確定申告が必要かどうかは誰も教えてくれないため、自分で判断することが必要です。

確定申告しなくていい金額と必要な金額がある

確定申告は、あくまでも収入に対する納税金額を申告し、納税するための制度です。
そして、税計算の元になる金額は控除を受けることができるため、最終的にその金額はゼロやマイナスになることもあります。

税の計算の元になるのは、収入ではなく課税所得の金額です。個人で事業をしている場合には、売上から必要経費と各種控除を引き、課税所得を出します。
控除は扶養控除、社会保険料、生命保険料控除などさまざまなものがあるので、自分に当てはまるものを選び、自分で計算することが必要です。

税計算の元になる所得がゼロ以下であれば、税金も当然のことながらゼロになります。そのため、収入の金額によっては確定申告が必要のない場合もあります。
確定申告の必要がない金額は、その人の立場、収入の種類などによって異なります。

日本の税制は「申告納税制度」

日本の税制は、税金を納める側である国民が自己申告して納税するスタイルです。
国民は、税金の制度を各自が正しく理解して、期間内に自分の収入から課税所得額、税額を算出し、自己申告して納税します。
納税の必要がなく、確定申告しなくていい金額の人もいますが、そうでない人はすべて申告と納税の義務があります。

また、さらに納税の義務がある人が申告をしなかったり少ない金額を申し出たりした場合には、罰則を適用されないとも限りません。
申告や納税の期限を破る行為や誤った金額での申告・納税には注意が必要です。
ペナルティには、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税、延滞税、利子税があります。

基本的には、日本では申告と納税の義務は自分から果たす、必要の有無も自分で判断するということです。
ただし、誤りの内容やその人の条件によってはペナルティが課せられない場合もあります。

確定申告が必要なケース


確定申告しなくていい金額や条件を知る前に、まずは確定申告が必要なケースを理解しておきましょう。以下の条件に当てはまる方は基本的に確定申告が必要です。
主に会社員以外、会社から給料を受けている人以外ですが、場合によっては会社員でも確定申告が必要となるため、注意してください。

個人事業主やフリーランスの場合

個人事業者やフリーランスとして働いている場合には、基本的に確定申告が必要となります。
個人事業者やフリーランスは、会社員のように給料をもらってはおらず、源泉徴収も受けていないことが多いものです。
そのため、自分自身で1年間の収入をまとめて、所得金額を出し、納税金額を算出しなければなりません。

ただし、個人事業で、得た収入から控除した後の事業所得金額がマイナスの場合には、確定申告の必要はなくなります。
事業所得がプラスになった場合のみ、確定申告が必要です。

会社員で年収額が一定以上の場合

会社員でも年収の高い人は確定申告が必要になることもあります。
年収が2,000万円を超える会社員は、給与収入だけであっても勤務先での年末調整の対象にはなりません
そのため、自分で確定申告が必要となります。

年収額2,000万円とは、給料の額面であり、各種控除前の金額です。控除した後の金額ではないため、注意しましょう。
管理職である、経営者であるなどの条件は関係なく、給与の高い人は確定申告が必要なこともある、と覚えておくと間違いがありません。

公的年金の受け取りが一定額以上の場合

公的年金の受給者も、一定金額以上の年金を受けている場合には確定申告が必要となります。
公的年金額のボーダーラインは400万円です。400万円を超える公的年金がある場合は確定申告をしなければなりません。

このルールは、平成23年分の確定申告から始まったものです。
400万円以下で、源泉徴収の対象となっている人は確定申告が不要である、というルールができたことで、公的年金も金額に応じて確定申告が必要な人と不要な人に分かれるようになりました。
また、この不要な条件としては「公的年金以外の所得も20万円以下」を満たす必要があります。

株取引で一定の利益を得た場合

株取引のある人も、利用口座と利益の金額によっては確定申告が必要です。
一般口座で株取引をしている人のうち、1年間の株取引における売却収益が20万円を超えている場合は、確定申告の対象となります。
特定口座の場合でも「源泉徴収なし」を選ぶと税金の天引きがなくなってしまうため、確定申告が必要です。

給料のほかの所得があった場合

副業をしている人で、給与以外の所得の合計が年間20万円を超える場合にも確定申告が必要です。
これはいわゆる「20万円ルール」というもので、年末調整を受けている会社員が副業などで雑所得を得ていた時に当てはまります。

2か所以上から給与を受けている場合

会社員であっても、年収金額が一定の範囲内であっても、2カ所から給与を受けている場合には確定申告が必要なケースもあります。
本業の会社以外から所得を得ている場合、何らかの事情によって2カ所以上の会社に所属している場合が当てはまります。

ただし、所得の合計金額が20万円以下、給与から雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の所得控除をすべて差し引いた金額が150万円以下になった場合には申告しなくても問題ありません。

確定申告しなくていい金額・条件


確定申告の必要な人の条件がある一方で、確定申告の必要がない条件もあります。
具体的に確定申告しなくていい金額や確定申告の必要がない条件をチェックしておきましょう。

金額のルールでは、収入なのか所得なのか、細かい部分まできちんと把握しておくことが大切です。
また、金額がボーダーラインギリギリの場合には、ミスなく計算し、必要か不要かの判断を間違えないようにしてください。

副業の収入が20万円に満たない場合

副業の収入があった場合でも、20万円に満たない場合には確定申告しなくていいと決まっています。
20万円ルールが適用されるのは、年末調整を受けている会社員だけです。フリーランスや個人事業者は、当てはまりません。

事業所得が48万円以下の場合

事業を営んでいる場合、基本的には確定申告が必要ですが、売上が少ない場合には確定申告をしなくても良いケースがあります。
確定申告では、48万円の基礎控除を受けることが可能です。事業所得が48万円の場合には、所得控除することで課税対象額がゼロになります。
そのため、事業所得が、控除後に課税対象がゼロ円になる48万円以下だった場合には確定申告の必要はありません。

基礎控除の金額は、2020年から変わっています。それまでは、所得税の基礎控除は38万円でしたが、48万円に引き上げられました。
継続的に事業をしている方は、2020年分の申告から金額が変わっているため、間違えないように注意しましょう。

会社から年末調整を受けていて他の収入がない場合

会社から年末調整を受けている会社員は、すでに所得税の計算は済んでおり、会社が納税してくれています。
そのため、それ以外に収入がない場合には基本的に確定申告の必要はありません。

ただし、会社から年末調整を受けている会社員であっても、会社の年末調整で控除できないものがあります。
医療費控除や1年目の住宅ローン控除は確定申告でしか控除されません。

確定申告しなくていい金額や条件の人が注意すべき点


確定申告が必要ない金額、確定申告しなくてもいい金額や条件を紹介しましたが、確定申告しなくてもいい金額でも、あえて確定申告をした方がいいケースもあります。
確定申告は、収入や経費などの金額を計算し、税務署へ書類を提出する手間がかかるものです。
そのため、できればしたくないと思う人も多いですが、実は確定申告をしないと損をしてしまう人もいます。

確定申告しなくてもいい金額でも、以下のケースに当てはまる場合には注意が必要です。
確定申告は「納税のため、つまり税金を取られるだけの手続き」と思っている人もいますが、逆にプラスになることもあります。

自営業で赤字の場合

個人事業主・フリーランスなど、自分で事業をしている場合、赤字が出た年は基本的に確定申告の必要はありません。
確定申告は納税のための申告であるため、納めるべき税金がない場合は不要です。
しかし、確定申告をあえて行うことで、メリットを得られることもあります。

自営業で赤字が出た場合に、確定申告すると、純損失の繰越し控除ができます。
事業所得を得ている場合には、赤字は3年間繰り越して、その間の黒字と相殺することが可能です。

しかし、確定申告をしなければ、この繰り越しはできません。そのため、事業を行っている人は赤字でも確定申告をした方がいいです。
また、事業で赤字となった場合には、還付を受けられたり住民税が考慮されたりということもあります。

ただし、雑所得では赤字の繰越しはできません。赤字は「事業所得」「不動産所得」「山林所得」で生じたもののみとなります。

副業で源泉徴収されている場合

会社員の給与所得者などが副業している場合には、副業で得た収入から所得税が源泉徴収されているかどうか、確認することが必要です。
もしも、収入から源泉徴収されていた場合、源泉徴収で引かれた分が還付される可能性があります。

副業での報酬は、会社の給料のように源泉徴収されているとは限りません。
しかし、副業で「給料」として収入を得ている場合には、源泉徴収も行われていることが多くなります。

また、個人で仕事を受けている場合も、クライアント企業によっては源泉徴収を行っていることがあるため、まずは請求書や支払調書を確認してみましょう。
源泉徴収されている場合には、確定申告することで還付金を受け取れるかもしれません。

住民税は別に申告を

年末調整や確定申告で納付するのは所得税ですが、同時に市区町村への納付が必要な住民税も計算されています。
確定申告を終えると、税務署から市区町村へ確定申告の情報が届けられます。そのため、確定申告をしないと、住民税の計算もできません

もしも、確定申告の必要がないとしても、市区町村への個人住民税の申告は必要となります。
住民税は住んでいる都道府県と市区町村へ納める税金で、前年の所得に対して1月1日の住所地で課税されるものです。

会社員は会社など、給与支払者が代わりに納付していますが、個人事業主・フリーランスは自分で納める必要があります。
また、所得税と住民税では所得控除の金額が違うため、所得税がかからなくても、住民税はかかることがあります。

まとめ

確定申告は、必要のある人とない人、また、確定申告しなくていい金額の場合でも申告をした方が良い人もいます。
また、必要な条件や申告した方が良いケースに当てはまるかどうかを慎重にしないと、損することもあります。

事業をしている人はもちろん、副業で収入を得た、株取引でブラスになった場合など、少額の利益でも慎重に判断しましょう。
必要なのにしないと罰則もあるため、自分がどちらに当てはまるか分からない場合には、確定申告の計算をしてみて判断することも必要です。

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(編集:創業手帳編集部)

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