創業時に大枠の資金調達をしたい 協調融資の概要を解説

創業手帳

協調融資のメリット・デメリットや全国の商品例を紹介します

(2020/07/05更新)

創業後の資金調達を考える際に、「協調融資」という手段があります。協調融資は複数の金融機関が協力して融資を行う方式です。もともと大企業などが規模の大きい資金調達を行うための手段でしたが、最近は日本政策金融公庫(以下、日本公庫)が中心となって、創業支援での活用も広がっています。

協調融資の該当と、活用するメリット・デメリット、全国の金融機関で扱っている協調融資商品の例を紹介します。

冊子版の創業手帳(無料)では、創業後の資金調達で使える方法をまとめて紹介しています。記事をあわせて参考にしてみてください。

創業支援の協調融資が増えている

日本公庫は民間金融機関との業務提携を積極的に進めており、2014年ごろから、特に協調融資を促進する仕組みづくりに力を入れています。2018年度は協調融資実施件数30,768件のうち、21,640件が小規模事業者向けの融資となっており、小口の融資を積極的に行っていることがわかります。

協調融資のメリット

協調融資のメリットは以下の通りです

大きな額の資金を調達しやすい

協調融資は、複数の金融機関が連携して融資を実行する制度です。経営者としては、一つの金融機関から融資を受ける場合に比べて、より大きな額の資金を調達しやすくなります

例えば、事業に必要な資金が1200万円だったとして、相談した金融機関単体の融資では1200万円の調達が難しいときなどに、協調融資を活用するという選択が考えられます。

また、金融機関側にとっても、協調融資のほうが貸し倒れなどのリスクを分散することができるので、単独で融資を受ける場合よりも融資のハードルが下がる傾向があります。

申請のコストが下がる

最初から複数の機関での調達を考えている場合、協調融資を活用すれば一つの資金計画で複数の機関に対して申し込むことができるので、申請のコストが下がるというメリットもあります。

協調融資のデメリット

協調融資のデメリットも解説します。

片方がNGだった場合、融資が振り出しに戻る可能性

まず「片方の金融機関がNGだった場合に融資が立ち消えになる可能性がある」ことが挙げられます。協調融資がたち消えになると、資金調達計画が振り出しに戻るので、しっかり下準備して融資を断られる可能性を下げてから臨みたいところです。

単独の融資に比べて、時間がかかる

「金融機関から単独で融資を受ける場合よりも、融資に時間がかかる」こともあります。日本公庫から単独で融資を受ける場合は、融資がおりるまで1ヶ月~1ヶ月半程度かかりますが、協調融資の場合は、連携する金融機関の融資が確定するまで待ってからの融資となります。民間の金融機関から融資を受ける場合は、一般的に保証協会を通じて申請をすすめる必要があるため、融資がおりるまで2~3ヶ月と、公庫の単独融資よりも長い時間がかかります。利用を検討する際は、このタイムラグを考慮の上進めましょう。

金融機関に積極的に提案を


協調融資について、金融機関側から提案を出すケースはあまり多くないようです。検討する場合は、相談先の金融機関に自ら協調融資の活用を打診すると、スムーズに進む可能性が高くなります。

金融機関によっては、日本公庫との協調融資商品を用意しているところもあります。起業する地域の金融機関の情報などあらかじめ下準備した上で、経営者側から協調融資の活用を持ちかけてみましょう。

全国の主要な創業者向け協調融資制度

各地の金融機関が展開している、創業者向けの協調融資商品例を紹介します。

東京都中小企業制度融資『創業』

東京都と東京信用保証協会、金融機関の三者が協調して資金を供給する制度融資です。

東京都中小企業制度融資『創業』
対象 都内に事業所があり、東京信用保証協会の保証対象業種を営む中小企業者など
条件 1、現在事業を営んでいない個人で、創業しようとする具体的な計画がある
2、創業した日から5年未満である
3、分社化しようとする会社または分社化により設立された日から5年未満の会社
のいずれかを満たす
融資枠 3500万円(創業前の事業者については、自己資金に2,000万円を加えた額の範囲内)

関西みらい銀行 創業支援ファンド「トライG」

関西みらい銀行と、日本公庫が提携して提供している協調融資商品です。

創業支援ファンド「トライG」
対象 関西みらい銀行の営業エリア内で営む中小企業・個人事業主
条件 創業3年以内(第2創業は除く)
融資枠 最高1000万円
使徒 創業に伴う運転資金および設備資金

名古屋銀行 「スタート」

名古屋銀行と日本公庫による協調融資商品。

名古屋銀行 「スタート」
対象 愛知県内で事業を展開している事業者
条件 新たに事業を始める事業主、もしくは事業開始後7年以内の方
融資枠 合計2,000 万円以内
使徒 設備資金・運転資金

四国銀行 創業者応援プラン「サクセスプラン」

四国銀行と日本公庫による協調融資商品。

創業者応援プラン「サクセスプラン」
対象 1、創業前の法人または個人事業主
2、創業後1年以内の法人または個人事業主
融資枠 【運転資金】250万円以内
【設備資金】500万円以内

サクセスプランでは、事業計画書作成や創業補助金申請なども支援してもらうことができます。

北央信用組合・札幌中央信用組合「どさんこ創業サポート」

北央信用組合・札幌中央信用組合と日本公庫による協調融資商品。

どさんこ創業サポート
対象 北海道内で創業する事業主または創業間もない(創業後おおむね 5年以内)事業主
融資枠 協調融資合計額2000万円以内
その他の条件 創業計画書等の創業者の情報を共有

福岡信用金庫 「創業支援資金」

福岡信用金庫と日本公庫による協調融資商品です。

創業支援資金
対象 福岡信用金庫の営業区域内で創業する事業主 または創業して5年以内の事業主など
融資枠 協調融資合計額2000万円以内

まとめ

協調融資は、創業者にとっては事業のスタート段階で資金調達の幅を広げる有効な選択肢です。特に、事業の準備に多額の資金が必要な場合などに効力を発揮します。一方で、融資がおりるまでにかかる時間や、審査が通らなかった場合の対応を考慮した上で検討する必要があります。

例で紹介したように、日本公庫と全国の金融機関が中心となって、創業者向けの協調融資商品を展開しています。協調融資を考えている創業者は、融資の相談の際に持ちかけてみましょう。

無料で利用できる資金調達手帳では、日本公庫をはじめ、資金調達で活用できる手段をまとめて紹介しています。協調融資以外でも資金調達を考えている方は、あわせて参考にしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

資金調達、資金繰りは最新号の創業手帳(冊子版・無料)も併せて読んで見て下さい。

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