なぜ融資を受けるには創業時がいいの?ベストなタイミングとは?

資金調達手帳

創業直後に融資を受けるメリットについて、解説します。

(2019/11/20更新)

融資に対しては借金というネガティブなイメージをもつ人も少なくありませんが、事業を拡大したり、成長のスピードを上げたりするためには、融資は非常に有用な手法です。ただ、創業時の融資には、ベストなタイミングがあり、また審査に向けて十分に準備することが大事になってきます。ここでは、創業時の融資を受けるには何が必要か、また具体的なタイミングにも触れて解説します。

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創業時の融資の必要性

創業時に融資を受けたほうがいい理由は、キャッシュフローと融資のタイミングという2つの視点から見えてきます。

創業直後のキャッシュフローの観点

ビジネスの立ち上げ当初は資金不足に陥りやすくなります。例えば物販業などの場合は、先に商品を仕入れ、そこから、商品を販売し、代金が入金になるというサイクルを辿ります。そのため、現金は先払いになり、入金されるまでにタイムラグが生じます。また、人を雇用していれば、人件費もかかりますし、その他の経費も賄うとなると、現金が減っていくスピードはかなり早くなります。ですから、創業時に必要となる運転資金を大目に用意しておく必要があります。

創業時の方が融資は受けやすい

融資については、ネガティブなイメージを持つ人も多く、できるだけ借りないようにして、資金が足りなくなって申し込めばいいと考える人もいます。

しかし、現実的には、資金が足りない状況で融資を申し込むのは、非常に難しくなります。というのも、資金が足りない状況というのは、業績も芳しくないことが多く、その時点での決算書をもとに申し込んでも金融機関は回収可能性に疑問をもつからです。

ところが、創業融資の場合、まだ事業が始まっていないため、業績はなく、事業計画の妥当性で融資することになりますので、融資は受けやすくなります。

創業融資を取り扱う金融機関

創業融資については、リスクの観点から民間金融機関はあまり積極的ではないといわれています。一方で公的機関が代わりにその役割を担っています。ここでは、「日本政策金融公庫の創業融資」「自治体による制度融資」をみてみます。

日本政策金融公庫の創業融資

政府系の金融機関として、創業時の融資にもっとも積極的に取り組んでいます。

メリットとしては、無担保、無保証人で融資を受けることができ、また金利も固定金利で比較的利率は低めに設定されています。
政府系金融機関として、中小零細企業など民間金融機関が積極的に融資を行わない層への補完的な役割をになっているため、創業時でも利用しやすいのが特徴です。

自治体による制度融資

地方自治体が窓口になって、起業家や中小企業に融資する制度です。この制度は、地方自治体、民間金融機関、信用保証協会の三者で融資をする仕組みになっています。
窓口は地方自治体ですが、信用協会が保証し、実際に資金を提供するのは、民間金融機関になります。

メリットとしては、日本政策金融公庫より低い利率の制度が多く、また自治体によっては、一部金利を負担するなどの優遇措置もあります。
デメリットとしては、三者の審査が必要なため手続きに要する時間もかかります。また信用保証協会が保証するため、別途保証料の支払いが生じます。

融資が通りやすいタイミング

創業融資を細分化すると、「創業前」、「創業後1回目の決算前」、「創業後1回目の決算以降」に分かれます。その各々の審査状況についてまとめました。

創業前

創業前が審査がもっとも通りやすい時期です。ただし、自己資金が必要となるので、事前に自己資金の準備をしておくのがポイントです。

また、通りやすいとは言ううものの、飲食店などの居ぬき物件で開業する場合、過去にその物件で融資を受けた人が返済を滞っていた履歴などがあると、金融機関担当者は、繁盛しない立地であるとの認識をもつため、注意が必要です。

創業後1回目の決算前

創業後一定期間を経ていると、事業の業績で審査されることになります。必要資料としては試算表や売上高の推移表などになります。仮に通算して赤字であっても、直近の売上高が伸びていれば、事業の将来性をアピールし、創業に関連する経費を的確に把握したうえで、赤字の原因が創業に伴う臨時的なものであることを金融機関担当者に説明するなどの対応が求められます。

創業後1回目の決算以降

創業後1回目の決算が終わっていれば、決算書、税務申告書をもとに審査されます。仮に赤字であれば絶対に審査に通らないなどというわけではありません。赤字となった要因、改善点、さらに来期以降の客観的な展望を示し、金融機関担当者に事業の発展性を説明することが必要です。

創業融資の審査のポイント

創業後よりも創業前のタイミングが融資を受けやすいのは上述した通りです。そこで、ここでは創業前に融資を受ける審査のポイントをあげています。

事業の経験・経営者としての資質

金融機関は、「経験のない事業はうまくいかない」という経験則をもっているので、同業種での勤務経験を重要視します。たとえばこれからラーメン店を開業するなら、以前にラーメン店での勤務経験があることが必須条件となります。また、今後経営をしていく上で必要な経営者としての資質も見ています。今後の事業展望を事業計画や資金繰りに数字で落とし込み、自分の言葉で説明することが求められます。

財産状況

財産状況とは、資産と負債の状況で、具体的には、資産とは現金や不動産、負債は住宅ローンやカードローンなどが該当します。資産はできるだけ多いほうがいいので、たとえば、解約返戻金のある保険などを契約していれば、それも資産なので積極的に開示しましょう。

逆に負債は少ないほうがよいのですが、正直に開示する必要があります。仮に隠しても金融機関では、「個人信用情報」を調べますので、必ずわかります。むしろ、隠していたことが判明すると信用を損ないますので、大きなマイナス要因となります。

事業計画

創業前では業績がありませんので、事業の見通しについての判断は事業計画しかありません。計画とはいうものの机上の空論ではなく、できるだけ客観的な根拠に基づく数値である必要があります。

金融機関担当者は、融資にあたっては稟議書を上司に提出します。その稟議書の数値には根拠が求められます。事業の存続を考えると予想収益はきわめて重要ですが、たとえば飲食店であれば、「客単価〇円で〇席で〇回転」するという予想数値を近隣の店舗の動向や人通り、業界平均など客観的な数値の根拠を用意する必要があります。

また、広告宣伝費については、概ねどの金融機関も必要性を認知していないので、事業計画の経費には、広告宣伝費部分を他の経費へ配分するのもポイントです。

まとめ

創業時は、軌道に乗るまで、早いスピードで資金が減っていきます。そのため、安定した経営をするには、余裕を持った資金の準備が必要です。審査の基準なども考えると、創業時に融資を受けるメリットは多くあることがお分かりいただけたと思います。

また、融資を受ける経験は起業家にとって大変貴重な経験となります。なぜなら、今後、事業を継続していくうえで、発展の局面も迎えることもあれば、資金繰りに窮する事態に直面することもあるでしょう。その際、必要なのは資金調達のスキルです。ビジネスのより早い成長のためにも早期に身につけることをおすすめします。

創業手帳の冊子版では、創業後の健全なキャッシュフローを保つポイントなど、資金繰りのノウハウをまとめて紹介しています。無料で利用できますので、参考にしてみてください。

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