会社設立の相談は誰にする?司法書士・行政書士・社労士・税理士を徹底比較

創業手帳

業種や状況を見極めて、適切な士業を選ぼう!

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

一般的に「会社設立」というと、身近な税理士に依頼する方が多いのではないでしょうか。実は、会社設立は、自分で1から手続きが可能です。また、会社設立に関して必要となる書類の準備、許可の取得、人事制度の整備などを専門家や団体に相談する方法もおすすめです。司法書士・税理士などの士業から、無料相談窓口がある商工会議所への相談も検討してみてください。今回は、会社設立をする上での選択肢をご提示し、さらに関連する手続きごとにどの士業の先生に何を依頼すればよいか、依頼する場合のメリットや注意点を解説していきます。

また、このような専門家は会社設立時や、なんらかの手続きの時だけでなく、普段の経営においても力になってくれます。累計100万部を突破した冊子版の創業手帳(無料)では、専門家を活用している起業家のインタビュー記事を掲載しています。また、専門家と契約するにあたっての注意点や、ノウハウも詳しく解説しています。(創業手帳編集部)

会社設立手続きの流れ

会社設立の流れを5つのステップで解説していきます。初めて会社設立をする方でも、順番に沿って作業を進めれば迷いません。

会社概要の決定

最初に、どのような会社を設立するのか会社概要を決定します。どのような目的の会社で、商号や本店の所在地はどこにするかを決めましょう。

また、資本金・発起人・発起人の出資額・発行株式の数・株式譲渡制限の有無も決めてください。ほかにも、公告の方法・事業年度・代表取締役など、定款に記載する内容を決定します。

定款作成・認証

会社概要が決定したら、定款を作成します。定款とは会社概要をまとめた文書のことで、株式会社の場合は公証役場で認証を受けなければなりません。

認証を受ける理由は、法令に沿って定款を作成しているか確認するためです。定款は会社のルールを記載したもので、会社法により記載する内容が決められています。

資本金払い込み

資本金の払い込みは、定款の認証を受ける前でも問題ありません。会社設立時に発起人自身が出資金として銀行口座に振り込みます。

振り込む口座は、発起人または設立時取締役の誰か1人の口座です。なお資本金は1円からでも可能ですが、資本金は取引先や銀行の信用が得られる額にします。

法務局で登記申請

定款の認証と資本金の振り込みが完了したら、法務局で登記申請します。申請には、登記申請書・定款・資本金の払込証明書・役員の就任承諾書など必要書類があるため、すべて揃っているか事前に確認してください。登記申請書は商業登記法に基づいた記載方法にしなければならないので、間違いがないよう司法書士に作成を依頼する方法が一般的です。

会社設立登記

提出書類に不備がなく登記完了となれば会社設立の手続きは終了し、登記申請した日が会社設立日になります。法務局で登記が完了すると登記完了証が発行され、登記事項証明書・印鑑証明書・印鑑カードの取得ができるようになります。それぞれの取得は1週間~2週間が目安です。

事前に相談内容を準備しておく

自分で会社設立をする際や、専門家に依頼する場合は、スムーズに会社設立手続きができるよう事前に相談しましょう。法務局に相談できるのは登記に関することのみで、それ以外のことは公証役場の公証人・商工会議所・商工会・司法書士などの専門家に相談してください。

会社設立は順番に従って作業しなければならないため、自分で手続きをするのか、専門家に依頼するのかに合わせて相談内容をきちんとまとめておくことが大切です。

①自分で会社を設立する場合

インターネット上では会社設立に必要となる定款作成方法や法務局の手続き内容を調べることができるため、自分1人でも会社設立は可能です。しかし、定款には事業目的が記載され法務局にも登録されることとなるので、事業目的の内容に注意してください。

違法性・営利性・具体性・明確性の4つの内容に注意して、法に触れない事業であることはもちろん、具体的にどのような利益が出せるのか、第三者が見てもわかる内容にします。

費用

会社設立の手続きを司法書士などの専門家に依頼すると、手数料として25万円~30万円はかかると考えておいてください。顧問契約を結べば会社設立を無料でやってくれる場合もあるので、確認してみましょう。自分で会社設立をやる場合は、印紙代くらいの費用で済みます。

ただし、会社設立時の費用は資本金も必要なことを忘れないでください。資本金は会社の運転資金や新規事業立ち上げに使う費用で、資本金が多ければ金融機関からお金を借りなくて済みます。

資本金の額は会社の体力を示す額ともいえるため、取引先から信用してもらえるよう十分な資本金を用意しておきたいものです。資本金の平均額300万円以上が目安となります。

自分で設立する場合の注意点

自分1人で会社設立をするなら、会社名の決め方に注意が必要です。ポイントは、会社の種類を名前に含めて何の会社なのかわかるようにすることと、名前に使用できる文字の確認です。

シェアオフィスを利用している場合、同住所に同じ会社名があるときは使用できません。会社名は設立後に変更が可能なことも覚えておきましょう。

ほかにも、書類作成の手間や税制面でも注意が必要です。通常、紙に印刷した定款を公証役場で認証してもらう場合、収入印紙4万円分が必要になります。

しかし、「電子定款認証」を用いれば、定款をPDFファイルで作成し、デ-タを公証役場で認証してもらうだけなので、印紙代がかかりません。

「それなら、個人で電子定款認証をすれば、4万円お得なの!?」

そう考えるのは危険です。

この電子定款認証をするためには、PDFファイルを加工するためのソフトや、電子署名をするためのソフトを別途購入する必要があります。

これを購入すると、最低でも4万円以上かかってしまうこともあります。

つまり、1から自分で手続きするよりも、士業にお願いした方が安くて確実なケースも多くあります。

②司法書士に会社設立を依頼する場合

司法書士に相談すべき仕事は?
意外と知らない?司法書士に相談できる仕事や業務まとめ

司法書士はほとんどが前述の電子定款認証に対応しています。会社設立の発起人から委任状を受けて、司法書士が定款をPDF化して法務省にインターネットで登録をおこなってくれます。

また、法人登記手続きの代行は、司法書士だけに認められたことです。忙しくて時間を節約したい時には頼れますね。

費用

司法書士に依頼する場合、相場はあまり明らかにされてはいませんが、会社設立には定款認証で5万円、登録免許税で15万円が必ず必要になります。司法書士への報酬がそれに加わりますので、20万円以上には必ずなるでしょう。

依頼するメリット

冒頭にも触れましたが、会社設立を代行できるのは司法書士だけです。法務局の窓口で登記をするのには、移動時間から待ち時間を含めるとまとまった時間が必要となります。

現場から離れられない仕事など、時間の短縮として司法書士に頼ると良いかもしれません。また、司法書士との繋がりを大事にしておくと創業後のパートナーとして支援を受けやすくなることも期待できます。

司法書士を探す際の注意点

司法書士は全国にあまたいるので、その中から自分に合う人を探すというのは骨の折れることです。

一般的には、知り合いを通じて紹介してもらう場合が多いのですが、知り合いがいないときは、創業手帳に気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。司法書士だけでなくほかの士業の先生も合わせてご紹介できるはずです!

③行政書士に会社設立を依頼する場合

行政書士に相談すべき仕事は?
あんなことやこんなことも!行政書士に依頼できる仕事や業務のまとめ

行政書士は、会社設立に当たり登記手続きを代行することはできません

前述の通り法人の登記手続きを代行できるのは司法書士だけです。

そのため、登記手続きは提携司法書士に依頼するか、自分自身で行う必要があります。

それでは、行政書士に依頼すべき業務とはどのようなときでしょうか。

それは、会社の設立や新規事業開始の際に、許認可手続きを一緒にやってもらいたい場合です。

費用

行政書士も、司法書士同様に具体的な相場があるわけではありません。
認可取得に必要な費用に加えて報酬となります。そのため、認可対象の業務によりますが、数十万の費用を想定しておくと良いでしょう。

また、許認可申請と会社設立の支援を一緒にお願いすることによって報酬も少し安くなります。認可取得だけの単発で依頼するのではなく、他の依頼と合わせる形でボリュームディスカウントを狙うのもいいでしょう。

依頼するメリット

建設業、運送業、飲食業認可を得るためには、書類の作成などをしなくてはなりませんが、時間も労力もかかります。効率的に進めるためにも、行政書士に依頼するのがベストでしょう。

行政書士を探す際の注意点

行政書士に依頼できるのは、定款の作成と認証の代行のみです。これらを代行してもらうときは、行政書士が得意としているか確認してください。「何でもやります」という行政書士よりも会社設立を得意としており、素早い対応ができる人に依頼したほうが安心です。

また、許認可が必要な事業の会社を設立しようとしている場合は、行政書士に依頼するのがベストですが、最新の情報に精通している行政書士でなければ意味がありません。
「許認可がおりず、開業が遅れた!」
「そもそも、許認可が必要なんて、知らなかった!」

こうしたトラブルはよく見聞きします。法律が変わっていたり、情報が古いままだったりすると認可の要否が分からず会社の設立に影響を及ぼします。

無認可のままでは、コンプライアンス違反になりますので、しっかりとどのような範囲での認可が必要かなど、最新の情報を持っている行政書士に聞くと良いでしょう。

④社会保険労務士に会社設立を依頼する場合

社労士に相談すべき仕事は?
あんなことやこんなことも!社労士に依頼できる仕事や業務のまとめ

会社設立をメインに行う社労士さんは珍しく、皆さんの中にもイメージする方は少ないと思います。
社労士さんに会社設立に関して最も支援いただく場合は、新しくできた会社で新たに人を雇うタイミングでしょう。

また、法人設立時は、社員一人でも社会保険・厚生年金・雇用保険などへの加入手続きをしなければなりませんので、社労士さんからのアドバイスや支援は重要です。

費用

社労士さんも、会社設立による雇用手続きや保険の加入手続きなど、複数の支援を合わせて依頼することでコストを抑えられる場合があります。
また、報酬は雇用人数によって金額が変わってきます。人数が増えればその分報酬も増えます。

依頼するメリット

人事労務まわりの手続きや制度設計のところは、専門知識が必要になります。整備をする際にはお手伝いしてもらえるので、コンプライアンスに対応することができるでしょう。
また、社労士の中には、助成金の申請を得意としている人も多いです。雇用に関する助成金や補助金を検討しているなら、一度相談してみるのもよいでしょう。

社会保険労務士を探す際の注意点

社会保険労務士も会社設立手続きを代行できないのは同じですが、行政書士や司法書士と連携できる社会保険労務士を探すことができれば、会社設立後の補助金や助成金の獲得や労働・社会保険手続きに役立てることができます。

新たに会社を設立すると、雇用が発生してくるでしょう。その際には、必ず労働基準法など含め社会保障についてもできるだけ把握しておかなくてはいけません。昨今では、働き方への注目度が高まっているので、気を付けなければなりません。

社会保険や労働保険については、冊子版の創業手帳で詳しく解説しています。まずこちらを読んでみて、自分で手続きができるかどうかを把握するとよいかもしれません。

⑤税理士に会社設立を依頼する場合

税理士に相談すべき仕事は?
聞かないと損をする!?税理士の探し方・選び方、依頼できる仕事や業務のまとめ

税理士とは、読んで字のごとく税務を扱う士業です。

税理士は、税務関係の届出書の作成や提出を代行できます。特に、会社設立後の申告の際には、力を借りることができるでしょう。

また、税金を抑えたいなどの相談も可能になります。

費用

一般的に、税理士は決算や申告といった経理作業まわりを強みとしています。会社設立の支援と会社設立後の会計記帳や決算、申告などがセットになっているケースがおおく、費用を抑えることができます。場合によっては、会社設立支援を無料にしてその代わり税務を代行するという提案もあります。

そのため、会社設立費用は安いが決算料などの税務についての費用が高いという場合もあるため注意しましょう。

依頼するメリット

決算処理の業務は不慣れであったり、取引が複雑であったりと思いのほか時間がかかるもの。

とはいえ、起業後も忙しいという場合があるでしょう。起業家は経理の専門家ではありません。このような業務を税理士に依頼することで、本来しなければならない業務に集中できるようになるでしょう。

また、冊子版の創業手帳では、税理士が税金関係の業務だけでなく、普段の経営の力になってくれることも解説しています。税理士は、会社の財務状態から判断した経営へのアドバイスを行ってくれますので、事業拡大につながるでしょう。(創業手帳編集部)

税理士を探す際の注意点

税理士を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。料金体制が適切であるか、自社の業種に精通しているか、経営・節税・決算・役員報酬のサポートがあるか、資金調達に強いかなどです。税金は毎年制度が変わるため新しい情報を得ているか、違法性のある提案をしないことも確認しておいてください。

⑥士業に連絡せず相談窓口を利用する場合

士業への相談や依頼は費用がかかるため、無料で相談したいなら法務局・商工会議所・商工会・日本政策金利公庫などを利用することになります。

法務局

登記に関することなら法務局がよく、正しいやり方のアドバイスが得られるため指示に従いながら手続きを進めれば安心です。ただし、確実に登記できる書類の判断がもらえるわけではないため注意してください。

商工会議所

登記以外のことを無料で相談したいなら商工会・商工会議所がおすすめで、定期的に専門家を呼んで無料で相談できる場合があります。ただし、アドバイスだけで書類作成は自分でしなければなりません。

商工会・商工会議所の詳しい相談内容は、以下の記事でご確認ください。
商工会・商工会議所の賢い活用法 ~資金調達編~

日本政策金融公庫

融資に関する内容は、日本政策金融公庫に相談してください。融資に必要となる創業計画書のアドバイスが受けられます。ただし、金融が専門のため、登記に関することは対応していません。

まとめ

会社設立に際して、だれにどのような業務を依頼すればよいのかイメージできたでしょうか。

司法書士、行政書士、書労使、税理士。それぞれの得意分野が違います。特徴を見極めながら、会社設立、認可、雇用、税務などそれぞれに関するアドバイスをもらうとよいでしょう。があります。

様々なケースを考慮した上で、ベストなビジネスパートナーを選びをしましょう。

この記事のポイント
  • 自分で会社設立手続きをするからといって、必ずしも安上がりではない
  • 会社設立のみを依頼する場合には、司法書士
  • 許認可手続きをしてもらう必要がある業種なら、行政書士
  • 保険加入の際の手続きを併せて依頼したいなら、社労士
  • コストを抑えつつ税務関係の手続きも依頼したいなら、税理士

会社の経営において、起業家が得意ではない業務をやらなくてはならない、という場合は何度も出てくるでしょう。もしそのような業務に時間がとられ、本業がおろそかになってしまうと、利益を最大化できません。冊子版の創業手帳では、専門家だけでなく、経営の効率化に役立つサービス・ツールについて詳しく解説しています。また、起業後に必要となるノウハウも解説していますので、よく理解することで、事業を円滑に進められるでしょう。(創業手帳編集部)

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(監修:江東区/亀戸の税理士 中小企業のビジネスパートナー 大島税務会計事務所
(編集:創業手帳編集部)

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