法人印鑑の種類とおすすめは? 実印・銀行印・角印の違いも紹介

創業手帳

会社設立時に準備すべき3つの法人印鑑 「実印・銀行印・角印」の違いを知っていますか?

【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!
会社設立でこれだけは準備すべき3つの印鑑

起業して会社設立するためにはどんな印鑑が必要なのか気になる人は多くいます。また、必須ではなくとも、用意しておくのが一般的な印鑑とは、どんな種類でしょうか?

今回は、会社設立時に準備すべき印鑑について、利用目的や効力についてまとめました。

法人印鑑だけでなく、起業後に必要となる事務や手続きの流れなどは、冊子版の創業手帳(無料)にまとめています。月1.5万部を発行するこの冊子は、発行のたびに最新の情報にアップデートしています。起業家・専門家の膨大な生の声を収集・検証し、信頼性の高い記事を提供しています。

また、別冊の総務手帳では、快適なオフィスの作り方や、名刺管理、印刷物の作り方など、会社の生産性を上げるのノウハウを詳しく解説しています。(創業手帳編集部)

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください


法人印鑑とは

法人印鑑とは、「会社印鑑」とも呼ばれるものです。どちらも会社設立時に必要な印鑑という意味があります。使う人によって、「法人印鑑」や「会社印鑑」と呼びますが、同じ意味です。

法人印鑑の種類は?

会社設立にかかわる法人印鑑の種類や名前は、なんとなく知っていても、それぞれの印鑑が「どういう目的や用途で利用されるのか?」、またそれぞれの印鑑に「どんな効力があるのか?」については詳しく知らない起業家も多いものです。

会社設立時に準備すべき3つの印鑑
  • 実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)
  • 銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)
  • 角印(社印)
  • 起業して会社設立時に最低限準備しておくべき法人印鑑は、実印銀行印角印の3つです。それぞれの利用目的や効力についてみていきましょう。

    実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)とは?

    実印は、会社設立時に必ず必要になる法人印鑑です。実印は、代表者印・会社実印・法人実印・丸印などとも呼ばれます。

    実印には、18㎜の丸印を用いることが多いですが、「代表印は丸」、後述する「社印は四角」というのは単なる慣例であり、法律で形状が定められているわけではありません。

    上記のとおり、極めて重要な法人印鑑ですが、通常どの会社においても、厳密に保管されています。よって、会社を経営する上で、法律上必ず必要とされている印鑑は実印のみですが、日常的な業務で使用するために、他の印鑑を作るべきといえます。

    ・どんなときに利用するか
    実印は、法務局で会社設立の手続きをする際に、登録手続きを行います。形式的には、法人登記を変更することも可能な極めて大事な印鑑であり、実印が押されている書類は、原則として、その会社が正式な意思決定に基づいて印鑑を押したもの、として扱われることが特徴です。

    銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)とは?

    銀行印は、取引口座を開設する際に、銀行(金融機関)に届け出る印鑑です。銀行印は、銀行届出印・金融機関届出印などとも呼ばれます。

    また、会社の実印(代表者印)を銀行印として届出することももちろん可能ですが、一般的には、会社の実印とは別に銀行印をつくるのが一般的です。これは上述のように、会社の実印は極めて効力が大きい印鑑であり、銀行印と同一にしてしまうと紛失・盗難・悪用など、リスクが高まることが理由です。

    ・どんなときに利用するか
    銀行印と通帳さえあれば、金融機関で預金の引き出しができます。そのため、必要に応じて経理担当者に預けることもありますが、金銭的な不正を防ぐためには、「一定額以上の送金・出金手続きには役員の承認が必要」など、厳しい内規を定めておくとよいでしょう。

    法人設立時には、銀行口座の開設が必要となってきます。冊子版の創業手帳では、法人向けの口座のおすすめや、開設方法について詳しく解説しています。(創業手帳編集部)


    角印(社印)とは?

    contract_and_inkan_figure01角印は、ビジネスシーンで日常的に多く使うことが想定されている法人印鑑です。社印などとも呼ばれます。

    角印に決まった形式はありませんが、一般的には正方形の四角い形状をしています。実印の項でも述べましたが、「代表印は丸」「社印は四角」というのは単なる慣例であり、角印も法律で形状が定められているわけではありません。

    「株式会社○○之印」というように記載され、会社の「認印」というと、この印鑑のことを指すことが多くあります。

    ・どんなときに利用するか
    見積書、請求書、領収書など、実印を押すほど重要ではない書類に押印が必要な場合に利用されます。

    どんな法人印鑑がおすすめ?

    法人印鑑の「実印」「銀行印」「角印」は使用目的が異なるもののため、それぞれ3本セットで作成するのが基本です。

    別々に作成する方法もありますが、印鑑のデザインや書体をそろえるため、同時に作成するといいでしょう。またセットで購入すると、サイズの違いにより印鑑が混同しにくくなります。割引価格で利用できるショップもあるため、同時作成がおすすめです。

    法人印鑑の素材は、安価な柘(つげ)なら3本セットで1万円前後です。ほかにも、やや値段は高くなりますが水牛や、耐久性に優れるチタンなどもあります。法人印鑑は長期使用に耐えられる欠けにくいものが求められるため、木製では安価な柘よりも薩摩本柘、または彩樺(さいか)が人気です。

    コラム:令和時代に印鑑は本当に必要?

    令和時代において、法人印鑑であっても本当に必要なものなのか疑問の声が上がるようになりました。「脱ハンコ」という言葉が登場するように、社会慣習でのハンコに疑問を持つ方は少なくないようです。

    内閣府・法務省・経済産業省が発表した資料によると、「契約書への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない」とあります。

    ただし、近年は3Dプリンターの技術進歩により、印章の模造が容易な背景もあるため注意が必要です。脱ハンコを安易に進めるのではなく、法的な証明が必要な書類と分けることが大切です。また、合わせて証明となる他の書類の保管をしておけば、裁判になった際の証明書類にできます。

    脱ハンコを進める場合に合わせてやりたい対策は次の方法があります。

    • メールの内容を保管
    • 新規取引先の身分証の確認
    • 身分証の収入方法の記録を保管
    • 電子署名など記録・保存できるサービスの活用

    自社でハンコを扱う際は、スキャンされないよう、文字にかかるよう押す対策があります。模造対策を社内で徹底しておくことも重要です。

    会社設立時に準備すべき法人印鑑のまとめ

    起業して会社設立する際には、ひとまず、3つの印鑑「実印」「銀行印」「角印」を用意すれば十分です。法人登記に「実印」は必須ですが、一般的なリスク回避や業務効率化ために「銀行印」「角印」を別途用意してください。その後、必要に応じてゴム印、役職員用の印を用意していくのがよいでしょう。

    創業手帳は、専門家のアドバイスを受けながら記事を書いています。また、その専門家ネットワークを活用し、会員向けに専門家の紹介を行っています。会員になるのも、サービスを受けるのも、どちらも無料となっていますので、ぜひご活用ください。(創業手帳編集部)

    【保存版】株式会社設立の「全手順」と流れをどこよりも詳しく解説!

    【関連記事】契約書は見た目も大事!署名、押印、印紙、袋とじ製本などのルール

    (監修:田中尚幸 弁護士
    (編集:創業手帳編集部)

    創業手帳冊子版は毎月アップデートしており、起業家や経営者の方に今知っておいてほしい最新の情報をお届けしています。無料でお取り寄せ可能となっています。

    創業手帳
    この記事に関連するタグ
    創業時に役立つサービス特集
    このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
    カテゴリーから記事を探す
    今すぐ
    申し込む
    【無料】