「大日本印刷」と世界のアート作品を販売するEC「TRiCERA ART」の運営などを手がける「TRiCERA」が業務提携

tips

2023年6月9日、大日本印刷株式会社は、グループ会社の株式会社DNPアートコミュニケーションズと、株式会社TRiCERAが、2023年6月に業務提携することを発表しました。

TRiCERAは、世界のアート作品を販売するEC「TRiCERA ART(トライセラアート)」、世界中のアートニュースを届けるメディア「ARTCLiP(アートクリップ)」を運営しています。

「TRiCERA ART」は、世界中のアーティストが自由に作品を発表・販売できるグローバルプラットフォームです。

アーティストの作家活動を支援するため、作品のオンライン販売支援、多言語での説明・交渉、最適な梱包、発送通関手続きの代行を行っています。

DNPアートコミュニケーションズは、大日本印刷の「印刷と情報」の強みを活かし、アート・文化財・グラフィックデザインに関するさまざまな事業を展開しています。

今回の提携により、「TRiCERA ART」に参加するアーティストの作品と、DNPグループが保有する版画製造技術「DNP高精彩出力技術 プリモアート」や、美術作品画像データ貸出サービス「Image Archives」を組み合せ、日本をはじめ、アジア諸国を中心とした海外市場における、現代アートの「版画/高精細複製画」「ライセンス関連」の市場開拓・ビジネス構築を目指します。


2021年の日本のアート産業市場は2,781億円と推計されています。また、アート作品が直接関わる美術品市場は2,186億円となっています(※1)。

世界のアート市場は7兆円~8兆円の規模であるため、国内アート市場の規模はかなり小さく、今後さらなる成長の余地があると考えられています。

近年は、実業家や起業家が現代アートを購入するトレンドや、地方自治体が地域振興の一環として現代アートを活用する動きなど、アートへの関心が高まっています。

また、国内のさまざまな市場では、充分に商品・サービスが行き渡っており、新規開拓の余地が乏しい飽和状態にあります。こうした市場において、アートは生活者に新規性を感じさせることができるものであると考えられており、アートを活用したビジネスを展開する企業が増加してきています。

日本はアート作品を資産として購入するという意識が低いことが取り沙汰され、アートを資産として購入するという文化を醸成することがアート市場の発展にとって重要であるという論調があります。

一方で、アート作品そのものは売れないものの、複製や著名な作品をモチーフとしたグッズについては売れる傾向にあることもわかっています。つまりアート作品を生活に取り入れはするものの、それが本物であるかどうかは問わないという考えを持っているといえます。

今回、TRiCERAはDNPアートコミュニケーションズとの提携により、現代アートの「版画/高精細複製画」「ライセンス関連」の市場開拓・ビジネス構築を目指すとしています。これが日本のアート市場にどのように受け止められるのか、どのような影響を与えるのか注目が必要です。

※1 出所)「日本のアート産業に関する市場調査2021」エートーキョー(株)、(一社)芸術と創造​

事業の拡大には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ ARTCLiP DNPアートコミュニケーションズ EC TRiCERA TRiCERA ART アート アート作品 グローバル トライセラアート ファインアート 大日本印刷 株式会社 業務提携 海外展開 絵画 美術 芸術 販売
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
合同会社の設立方法を徹底解説|費用・手続き・必要書類まで分かりやすく解説!
NPO法人設立サムネイル
【2025年最新】NPO法人の設立ガイド|費用・条件・手順を徹底解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」の設立方法完全ガイド|流れ・費用・必要書類など解説

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ベンチャー企業データベース運営の「フォースタートアップス」が米国「Crunchbase」と提携
2019年7月16日、フォースタートアップス株式会社は、Crunchbase, Inc.と業務提携したことを発表しました。 フォースタートアップスは、国内の成長産業領域におけるスタートアップ・ベンチャ…
バーチャルIPのプロデュース・バーチャルコンテンツ制作事業を展開する「Activ8」が資金調達
2023年10月24日、Activ8株式会社は、「KDDI Open Innovation Fund 3号」から資金調達を実施したことを発表しました。 Activ8は、バーチャルIPのプロデュース事業…
「ミニッツ」が資金調達 トレカ特化型ライブコマースアプリ「ミニッツ」を本格スタート
株式会社ミニッツは、総額約5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、トレーディングカード特化型ライブコマースアプリ「ミニッツ」を本格スタートしたことも併せて発表しました。 「ミニッ…
有翼式再使用型ロケットを開発する「SPACE WALKER」とJALグループ商社「JALUX」が資本業務提携
2023年4月12日、株式会社SPACE WALKERは、株式会社JALUXと、資本業務提携を締結したことを発表しました。 SPACE WALKERは、サブオービタルスペースプレーン(有翼式再使用型ロ…
スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するデータ作成・共有プラットフォーム「smartround」を運営する「スマートラウンド」が資金調達
2022年9月6日、株式会社スマートラウンドは、1倍非参加型の優先株式で資金調達を実施したことを発表しました。 スマートラウンドは、スタートアップと投資家間のやり取りを効率化するデータ作成・共有プラッ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集