リピーターを増やすには?何度も来店や購入をしてもらうための方法

創業手帳

リピーターを増やすには何をすべき?増やし方を知って安定した経営を目指そう


ビジネスを行う上で、売上げが安定しないことと悩む経営者や個人事業主は少なくありません。
そのような場合に意識して取り組みたいことは、リピーターの獲得です。リピーターを増やせると、安定した経営を実現しやすくなります。

今回は、リピーターを増やすためにすべきことを解説します。
現在ビジネスでリピーター獲得がうまくいかない方、これから事業をスタートさせようと考えている方はぜひ目を通してみてください。

リピーターを増やすメリット4つ


リピーターを増やせると、ビジネスにおいて様々なメリットが生まれます。まずは、どのようなメリットが生まれるのか解説します。

売上げアップと安定化につながる

リピーターを獲得する最も大きなメリットは、売上げアップとその安定化につながることです。

既存顧客は、一般客とリピーターの2種類に分類されます。リピーターは、優良客とも呼ばれます。
一方、一般客は購入頻度が低く、セールなどを行っている時しか購入しない方も含まれます。

リピーターは商品やサービスに魅力を感じているため、購入単価も高めです。定期的に来店してくれるので、経営を安定させてくれる重要な役割を担っています。
このことから、ビジネスを成功させるためにはリピーターの存在が重要だとわかります。

集客コストを削減できる

集客コストを削減できる点も、リピーターを獲得するメリットです。
新規顧客を獲得するためには、リピーターを育てる場合と比べて5倍ものコストがかかるといわれています。
費用をかけて新規顧客の獲得を目指すよりも、費用を抑えながら大きな利益を生むリピーターを育てたほうが売上げを効率的に伸ばせます。

1回でも買い物をしていれば顧客データが残っているので、その情報から一人ひとりに合わせた適切なアプローチも可能です。
その人の好みに合わせた提案をしてもらえれば、気持ち良く買い物やサービスの利用ができ、「また来たい」と思ってもらえます。

リピーターが広告塔になってくれる

リピーターは、広告塔になってくれる存在でもあります。
何度も自社の商品を購入したり、サービスを利用したりしているリピーターは、商品やサービスを気に入っていると考えられます。
気に入っている商品やサービスについては、SNSで良い情報を発信してくれる可能性が高いでしょう。

SNSで発信するだけではなく、友人や知人にも紹介してくれるかもしれません。
個人が発信した口コミや評判は、潜在顧客に対してブランドの存在を気付かせるきっかけにもなります。
見込みの顧客に対して広告費をかけずに宣伝できるため、リピーター獲得のメリットは非常に大きいものです。

LTV(顧客生涯価値)が高まる

LTV(Life Time Value)すなわち「顧客生涯価値」は、顧客ひとりあたりの平均値を求めたものです。リピーターは購入単価が高いため、全体的なLTVを引き上げてくれます。
既存顧客をしっかりと確保できている証でもあります。

顧客は継続して商品やサービスを使い続けていることを知る指標にもなるものです。
ロイヤリティの高い顧客がいるだけではなく、良好な関係を築けていることもLTVの高さから読み取れます。

ただし、LTVは小売業など継続的な消費がある業界において活用される指標です。
不動産などの高額で購入回数が少ない商品やサービスを提供する業界ではそこまで重要視されません。

リピーターが増えない原因とは?


リピーターをなかなか増やせないと悩んでいる経営者もいます。続いては、リピーターが増えない原因についてご紹介します。

顧客の印象に残っていない

リピーターが増えない原因として、顧客の印象に残っていないことが挙げられます。
商品やサービスを気に入ってもらえなかったのか、あるいは、接客に良くない部分があったのか、などと悩みが的中している場合もありますが、単純に「店のことを忘れている」といったケースも多くみられます。

顧客の印象に残らないのは、悪い印象を持たれているわけではありません。
そのため、印象に残るような売り方や接客方法になるように変えてみると、劇的に改善する可能性が大いにあります。
売り方などを変えると心に残りやすくなり、リピーターになってもらえる可能性が高まります。

商品やサービスの質に問題がある

商品やサービスの質に不満を感じてしまうと、再来店したいと思えなくなってしまいます。
顧客はお金を払って商品を購入したり、サービスを利用したりします。
そのため、接客態度や商品ラインアップ、店内の清潔さなどの質が悪いと「来なければ良かった」と思われかねません。

リピーターを増やすにはどうすればいいのかと悩んでいるなら、スタッフの接客態度や商品のラインアップなどを見直してみてください。
また、トイレの清潔さや備品などの細かい部分も要チェックです。見直した上で問題があると感じた部分を改善すると、リピーター獲得につながりやすくなります。

リピーターを増やす施策を講じていない

リピーターになってくれることを待つだけでは何も進展しません。つまり、リピーターを増やすために施策を講じていないビジネスでは、リピーターの獲得が難しいといえます。
商品やサービスに悪い部分があればもちろん2回目の来店は期待できませんが、前述したとおり、印象に残っていない場合も一度きりで終わってしまうケースが多いようです。

ただ商品やサービスを提供するだけではなく、「また来たい」と思ってもらえる工夫を凝らす必要があります。
リピーター獲得に向けた取組みを特に行っていないのであれば、次の章を参考にして、これからでも遅くないので始めてみてください。

リピーターを増やす6つの方法


リピーターを増やすには、いくつかの方法が考えられます。ここでは、6つの方法をご紹介するので参考にしてみてください。

顧客のニーズに合わせた戦略を打ち出す

顧客のニーズに合わせた戦略を打ち出すことは、ビジネスを成功させるためにも重要なポイントです。
どのような顧客が来店しているのかリサーチし、一般客とリピーターの年齢・性別・購入した商品・利用したサービスをチェックすると、ニーズを把握できます。

ニーズに合う商品やサービスの提供ができれば、心も掴みやすくなります。そしてそれは、リピーター獲得の第一歩です。
欲しい商品や利用したいサービスがあれば、誰もが2度目や3度目の来店を検討し、「次はいつ行こうかな」と考えるようになります。

サービスの充実化や独自のコンテンツで差別化を図る

サービスを充実させたり、独自のコンテンツを取り入れたりすることも、リピーター獲得につながる要素です。
同じような商品・サービスを提供していたとしても、独自のコンテンツがあれば同業他社と差別化できます。
自社でしか受けられないサービスや近隣では取り扱っていない商品を取りそろえるなどの方法がおすすめです。

ここでしか買えない、ここでしか受けられないといった強みがあれば、それだけで魅力度は高まるものです。
リピーターを増やすにはどうすればいいのかと悩んで改善策が見出せない場合は、サービスやコンテンツを見直してみてください。

ポイントカードやSNS登録制度を用意する

ポイントカードやSNS登録制度を用意すると、1回きりで終わってしまう確率を低くすることが可能です。
なぜかというと、財布の中を見た時にポイントカードを見たり、SNSの通知で気がついたりするからです。
割引などの特典があれば、次回の来店を促すことにもつながります。

ポイントカードだけではなく、SNSを活用するのもおすすめです。店舗のアカウントを作成し、フォローしてくれた人にはサービスするなどといった方法が効果的です。
フォローしているとお店の情報がタイムラインに流れてくるので、「あの時に○○を買ったお店だ」と思い出してもらうことにもつながります。

リピーター限定のセールやキャンペーンを実施する

リピーター限定のセールやキャンペーンを実施することで売上げを安定させられます。
ただセールやキャンペーンを行うよりも、リピーター限定にすると特別感が生まれるものです。
顧客を大切にしている店だというイメージにもつながるため、「また利用したい」と感じてもらえます。

また、試食や試作品のプレゼントも効果的です。
初めて足を運んだ飲食店で「新作です、ちょっと味見してみてください。」などと声を掛けられたら、嬉しい気持ちになる人もいるのではないでしょうか。
緊張もほぐれてお得感を味わってもらえるだけではなく、印象にも残ります。

メルマガやDMなどで定期訪問を促す

商品の購入やサービスの利用をしてくれた方にメールアドレスなどを登録してもらい、メルマガやDMを送るという方法もリピーター獲得につながります。
新規顧客は、商品やサービスに興味を持っているからこそ来店してくれたはずです。そのため、メルマガやDMで新商品などの情報を発信すると再来店につなげやすくなります。

ただ情報を発信するだけではなく、次回以降の買い物やサービスの利用で使えるクーポンをつけるとより効果的です。
定期的に「また行きたい」と思ってもらえるような工夫を凝らせば、定期的な訪問にもつなげられます。

リピーターのコミュニティを作る

リピーターになってくれている方を対象にしたコミュニティを作っているケースもあります。
ファンサイトの制作やファンイベントの実施をすることによって、リピーター同士が交流できます。自社ブランドへの愛着を深めるきっかけにもなるので一石二鳥です。

飲食店の場合なら、リピーターだけを対象にした試食会へ招待するといった特典をつけると魅力度が高まります。
新メニューになる可能性があるメニューを一足先に味わえるのは、ファンにとって堪らなく嬉しいことです。商品やサービスの開発に関わっているという特別感も生まれます。

リピーターを増やすならCPM分析の活用がおすすめ


リピーターを増やしたいと考えているなら、CPM分析の活用がおすすめです。最後にCPM分析の概要や活用方法について解説します。

CPM分析とは

CPMは、Customer Portfolio Managementの頭文字を取った言葉です。
CPM分析は、購入回数や購入金額、最終購入日からの日数などで顧客を分類し、どのような傾向があるか知る指標です。
購入回数が少ない顧客をリピーターへと育てていくために参考にするケースが多くあります。

CPM分析では、顧客のパターンによってアプローチの方法を変えるため、効率的に利益アップを目指すことが可能です。
リピーターへ育てられたら新規顧客にかかるコストの削減もできるので、CPM分析を行うメリットは大きいといえます。

似たようなものとして、RFM分析が挙げられます。RFM分析はRecency Frequency Monetary analysysの頭文字を取った言葉です。
一番最近買い物したのは誰か、よく購入する顧客は誰か、最もお金を使ってくれるのは誰か、といった点で顧客をランク付けします。

CPM分析のやり方・活用方法

CPM分析を適切に行うためには、やり方や活用方法を把握しておく必要があります。どのような流れで行うのか、以下に紹介します。

1.顧客を10種類のパターンに分ける

まずは、顧客を10種類のパターンに分けます。分類は以下のとおりです。

・現役初回客
設定した期間の中で初回だけ購入した顧客

・離脱初回客
設定した期間の中で初回だけ購入したけれども離れてしまった顧客

・現役よちよち客
設定した期間の中で2回以上購入した顧客

・離脱よちよち客
設定した期間の中で2回以上購入したものの離れてしまった顧客

・現役コツコツ客
設定した期間の中で安定的にリピート購入している顧客

・離脱コツコツ客
設定した期間の中でリピート購入があったけれども離脱してしまった顧客

・現役流行客
短い設定期間の中で設定金額より多く購入している顧客

・離脱流行客
短い設定期間の中で設定金額より多く購入していたものの、離脱してしまった顧客

・現役優良客
長い設定期間の中で設定金額より多く購入している顧客

・離脱優良客
長い設定期間の中で設定金額より多く購入していたのに、離脱してしまった顧客

2.顧客層の割合を見て分析する

顧客を分類したら、その割合を見ていきます。現役顧客の割合が多い場合は、安定していると考えられます。
しかし、離脱する顧客や離脱優良客の割合が多くなっているのであれば、注意が必要です。

離脱客の数を増やさないようにするためには、適切な対策を講じなければいけません。
どのような時期から離脱客が増えているのかなどをリサーチし、変化した点がなかったか振り返ってみてください。
何らかの変化が起こっていた場合は、それが原因である確率は高いと判断できます。

3.顧客層に応じてリピーターにする育成をする

分析結果からわかった顧客層に合わせて、リピーターを育てるための取組みを行います。
離脱初回客が多い場合は、フォローをしっかり行うようにしたり、コミュニケーション回数を増やしたりすると、次につながりやすくなります。
ランクアップを目指すのであれば、価格の高い商品を買ってもらえるように促すなどの工夫が効果的です。

現役優良客に離脱されそうな兆候が少しでも見えたら、特別感のあるサービスを提供することも効果があります。
顧客満足度が高まれば離脱のリスクを軽減できるためです。離脱してしまった顧客にも、DMなどでコミュニケーションを取ると戻ってきてくれる場合があります。

まとめ

リピーターを獲得できないと、新規顧客獲得のために大きなコストを使わなければいけなくなります。それでは経営を軌道に乗せることが難しくなってしまいます。
売上げを安定させ、ビジネスを成功させるためには、リピーターの存在が重要です。
リピーターを増やすには、独自のコンテンツやリピーター限定のセールを用意して差別化を図ったり定期訪問を促したりする方法などがあり、CPM分析を活用するのも有益です。

創業手帳の冊子版(無料)は、資金調達や節税など起業後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。
関連記事
売上げを拡大するには?売上拡大の要素と戦略を解説
Z世代とは?X・Y世代とどう違う?特徴や消費行動など解説

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
今すぐ
申し込む
【無料】