セレブリックス 北川和毅|「売れる営業」の仕組み化を実現!他社と一線を画す24年間の高い実績と極意に迫る

創業手帳
※このインタビュー内容は2023年01月に行われた取材時点のものです。

営業代行・コンサルティング会社の先駆者!顧客開拓メソッドでお客様をバックアップ


企業における営業活動の課題を分析し、営業力を高める支援サービスやコンサルティングを提供するのが営業代行・コンサルティング会社です。内部改善や戦略策定、マーケティング、リード獲得、人材育成など、実に多彩なコンテンツで顧客をサポートしています。

その一方で、「営業代行・コンサルは自社に活用できない」といった声も少なくありません。

こうした状況下において24年間、1,200社、12,000サービスの実績を活かし、データドリブンで営業課題を解決しているのがセレブリックスです。組織に「売れる営業文化」を根付かせる営業代行・営業コンサルティング会社として、「売れる営業」の仕組み化を支援しています。

今回は代表取締役社長を務める北川さんの社長に就任するまでの経緯や、組織改革と営業の極意について、創業手帳代表の大久保がインタビューしました。

北川 和毅(きたかわ かずき)
株式会社セレブリックス 代表取締役社長
2005年、新卒3期生として株式会社セレブリックス入社。広告やシステム、採用支援サービスをはじめ多岐にわたる商材で多くの新規受注を獲得し、営業の第一線で活躍。2011年7月、営業代行事業のマネージャーに就任。2018年4月、執行役員 B2Bマーケティング事業部部長に就任し、営業支援事業の成長を強力に推進。2021年4月、取締役および営業支援事業を推進するセールスカンパニー カンパニー長に就任。2022年4月、代表取締役社長 兼 CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)に就任し、営業支援事業と人材支援事業を牽引している。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計200万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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山あり谷ありの悪戦苦闘から大逆転!新卒入社から代表取締役社長への歩み

大久保:まずはご経歴についてお聞かせ願えますか。

北川:2005年に立教大学を卒業後、新卒3期生としてセレブリックスに入社しました。

入社してからあらゆる経験を積んできましたが、実はいまでこそ笑って話せる成長曲線を描いたのが私のキャリアの特徴なんです(笑)。

まず1年目は、某大手の求人誌や就職ポータルサイトの人材支援・求人広告を担当。2年目には合弁会社のシステム開発会社に出向し、営業として顧客開拓に邁進しました。

26歳になった5年目、社内の営業支援事業に移ったことで人生の大きな転機を迎えます。

正直、それまで山あり谷ありの悪戦苦闘だらけで、自分のミスが発端でトラブルに発展してしまったり、落ち込むことも少なくない日々を過ごしていたんです。そんななかで5年目に異動してからは順調に業績を伸ばし、営業職からマネージャー、事業責任者、事業部長の道を歩むことができました。

大久保:見事な逆転劇ですね。その後、役員に就任されたと伺っています。

北川:はい。2018年から執行役員を務めました。それから2021年に取締役2022年に代表取締役社長に就任しています。

大久保:うまくいかずに悩んだ時期を経て昇進し、トップの座にたどり着かれました。ご自身が考える成功のポイントをお教えください。

北川物事や人に対して、常にフラットに構えている人間だからではないでしょうか。

私は突出した能力があるタイプではないと自負しています。入社以来ずっとそう思っていて、だからこそ「自分のやるべきことをきちんとやろう」と心がけてきました。

それからもうひとつ、昔から行動のなかで意識してきたのは「顧客起点を重視すること」です。お客様の期待に応えるために、常に徹底してきたのが成功の秘訣かなと。振り返ってみるとそう実感しますね。

セールス部門の改革に成功!自社の理念や姿勢に共感してくれた企業に注力

大久保:マネージャーに就任されて以来、さまざまな改革を進めてこられたと思いますが、ご自身のなかで一番印象に残っている取り組みをお教えください。

北川:セールス部門を任された際、組織のカルチャーを大きく変えました。「お付き合いを継続したいお客様を重視する」という方針に舵を切ったことが、弊社の大きな転換点となっています。

私がマネージャーに就任したときは組織人員が20名くらいだったのですが、おかげさまで現在は500名を超える大所帯へと成長しました。

大久保:「お付き合いを継続したいお客様を重視する」とは思い切ったご判断をされたんですね。詳しくお聞かせください。

北川:純粋に「このお客様とお付き合いをしたい」と思える取引に特化しました。私たちが胸を張って「この企業様のために」と尽力できるクライアントへの注力にこだわったんです。

世の中には「売ってなんぼ」という文化や考え方の企業も存在します。でも、それは弊社の理念とは合わないんですね。

弊社では成約に至るまでのプロセスを大事にしているのはもちろんですが、取引の成立時やその後のあらゆる声に対して誠実に対応することも重視しています。

この弊社の理念や姿勢に共感してくださったり、同じような想いを持っているクライアントに絞ったほうがいいというのが決断の基準となりました。

大久保:クライアントを絞った結果、事業や組織の変革・成長を実現されましたが、さらに具体的なメリットについてお聞かせください。

北川:昨今推奨されているLTV(Life Time Value)が高まりました。

弊社では営業活動を通して、私たちのクライアントの顧客と接点を持ちます。そこで得られた情報をクライアントにフィードバックし、営業や経営の戦略に活かしてもらうんですね。

このサイクルにより、クライアントをより良い方向に導くことができます。

こうした弊社の在り方に賛同してくださる企業に注力したおかげで、「次はこういうことをやってほしい」という先のアクションにつながっていき、LTVを高めることができたんです。

大久保:フィードバックにより、製品やサービスがブラッシュアップされていくのも素晴らしいことですよね。

北川:はい。弊社ではクライアントの顧客から「必要ない」という返答があったときに、必ず理由を明確にしています。「成約に至らないのはなぜなのか?」を逃さず分析しているんです。

買う理由は千差万別ですが、買わない理由はいくつかに当てはまる傾向があります。この「必要ないのはなぜなのか?」も含めて、きちんとフィードバックしているんですね。

そこで初めて、変えるべきなのは製品か?機能か?料金体系か?ターゲットか?といったことまで深く理解できます。こうした一連のアクションを実行しているからこそ、PDCAサイクルを回して成果をあげることができるんです。

クライアントを選んだことで生まれた変化は「決裁権者の意識」と「営業の目的」

大久保:先ほどお話しいただいた「クライアントを選ぶ」という改革についてですが、非常に本質的だと実感する一方で、やったほうがいいとわかっていてもできない企業のほうが多いと思うんですね。御社が方針転換を決めた背景についてお聞かせください。

北川:弊社ではクライアントを選ばない時代があり、その結果としてダメージを負うというデメリットを経験しています。そのため、絞り込みは「メリットしかない」という判断に至りました。

クライアントの絞り込みを行わないと、見えないコストや時間が奪われてしまいます。目の前の収益を取りに行ってしまうと、どうしても疲弊が重なってしまうんです。

それなら「うまくいかないかもしれないけれど、自分たちが自信を持って担当させていただけるお客様のみと取引するようにしよう」と。必然的な意思決定でしたね。

大久保:素晴らしいご決断ですね。大きな改革に携わってこられた北川さんの視点で見て、市場やクライアント側の変化を感じることがあればお教えいただけますか。

北川:主に2つあって、「決裁権者の意識」「営業の目的」が変わってきました。

1つ目の「決裁権者の意識」ですが、まず私たちはクライアントの絞り込みを行う際に「製品」ではなく「人」を基準にしたんですね。「この方となら真剣に取り組むことができる」と心酔する方々の企業に注力することにしました。

弊社では、先ほど申し上げましたが「顧客の声に対して誠実に対応すること」を理念のひとつとしていますので、当然のことながら「自分たちの組織の課題も謙虚に克服しよう」と努めています。

こうした観点で組織運営を行う弊社との取引を通じて、クライアントの営業組織や顧客部門の決裁権者の意識にも変化が見られるようになりました。私たちと同じように、自社の顧客をより大事にするようになったんです。

次に2つ目の「営業の目的」については、以前は営業代行を活用する目的が「成果」だったのが「情報提供」に変わってきました。

具体的に申し上げると、「最初からアポを取ったり成果をあげなくてもいい。顧客にこの製品を提案してみて、いつ頃ならアポイントが取れそうか?どの時期あたりにニーズが発生しそうか?を教えてほしい」といった感じで、情報を希望する相談が増えてきたんです。

ようやく営業という存在や、営業活動そのものが「いかに顧客から情報を得るか?」、そして「いかに情報を提供するか?」が重要だということに気づき始めてくださったんだなと。本質的に捉えるクライアントが広がってきましたね。

営業として重要なのは、きちんと仮説を立ててからスクリプトに落とし込むこと

大久保:起業家へのアドバイスとして、営業組織を作って伸ばしていく際になにから手をつけたらいいのか?についてお教えください。

北川:まず最初に「誰の、なにを、解決するサービスなのか?」という仮説を立てるところから始めてください。

私はよく「営業は“確かめる行為”だ」と伝えていますが、いきなり営業をかけるのではなく「こういうアプローチが成功するのではないか?」「このターゲットなら成果があがると思うのだがどうだろう?」からスタートするんです。

あくまでもこれらは仮説ですので、「じゃあどうやって確かめにいく?」といった視点で設計していけば、実は顧客との商談は難しくありません。きちんと仮説を立てる癖がつけば、「このお客様はこんなことに困っているのではないかな?」と営業のスクリプトに落とし込むことができるからです。

だからこそ「誰の、なにを、解決するサービスなのか?」という仮説を立てることから始めていただきたいんですね。これが「なにから手をつけたらいいのか?」に対する答えだと思います。

大久保:確かにいきなり「成果をあげよう!」としても、むしろうまくいきませんよね。営業組織を構築するうえで意識しておきたいポイントについてもお聞かせください。

北川:各営業が営業活動を続けていると、成果があがる理由だけでなく、お客様が「ノー」だった場合の理由もどんどん出てきます。

これらをすべてデータ化して蓄積してください。そして「お客様に“ノー”と言われないためにはどうしたらいいのだろう?」を突き詰め、常にABテストを継続します。

ここでポイントとなるのが、仕組み化する際にはトップセールスの真似をしないことです。

残念ながら、すべての営業が彼らと同じことができるわけではありません。トップセーラーの模倣を目指すのではなく、再現性の向上を重視しながら企画設計をしていただきたいですね。

コミュニケーション能力に長けているのは「他者への想像力がはたらく人」

大久保:起業家は人材面で悩むことも多いですので、どんな人材を営業として採用したらいいのか?についてもお教えください。

北川:当然のことながら「コミュニケーション能力に長けた人」を営業組織の責任者やプレイヤーとして配置したほうがいいのですが、この「コミュニケーション能力」を誤解されている方が多いんですね。

弊社の基本であると同時に、私自身も昔から同じように捉えているのですが、「他者に対する想像力がはたらく人」が真のコミュニケーション能力を擁する人材です。

具体的に申し上げると、話がうまいとか、よくしゃべるというより、「お客様の言葉の裏側に存在するものはなんだろう?」と常に想像することができるタイプですね。

たとえば顧客に「いまは必要ない」と返答されたときに、「いやいや、待ってください。この製品のメリットは〜」と切り返してしまう営業が多いですが、それよりもまずは「なぜいまは必要ないんだろう?いつなら必要なのかな?この商談中のどのタイミングで必要ないと思ったのだろうか?」といったことを思い巡らす必要があります。

この素養がないと、その顧客が「いまは必要ない」と答えた本当の理由や必要な時期にたどり着くことはできません。

大久保:一般的には「営業に向いているのは、ぺらぺらしゃべる口のうまい人」というイメージを持つ方が少なくありませんが、実際に営業で成功されているのは「顧客の本心をうまく引き出す聞き上手で、気配りや状況把握に長けている」資質の方々が多いですよね。

北川:はい。他者に対する想像力がよくはたらき、それをベースにコミュニケーションを成立させることができる人でないと、顧客が抱えている課題も深く理解できないままなんですね。

聞き方のスキルも関係してくると思いますが、帰社して社長や上司からの「なんであのお客様に必要ないと言われたの?」の質問に対しても、「タイミングが合わなかったです」といった回答で終わってしまいます。

その結果、どういうことが起きるか?というと、営業のヒアリングが浅いがために決裁権者は間違った意思決定をしてしまう可能性もあるんです。

だからこそ、真実をきちんと把握できるコミュニケーションスキルを持った営業が必要なんですね。

営業の希少価値が高まる時代に生き残るのは「真の課題解決能力がある人」

大久保:最後に、営業は今後どういう存在になっていくのか?について、北川さんのお考えをお聞かせください。

北川:販売職も含めてなのですが、現在フロントオフィス業務で稼働している労働人口は330万人といわれています。今後はこの割合がかなり減るのではないでしょうか。

どういうことかというと、営業の希少価値が高くなります。つまり、優秀な人材以外は営業として生き残れなくなる。「口コミやWEBでどの情報が正しいのか?がわかっているから、あなたに会う必要はない」と顧客に言われてしまう時代が到来するからです。

ただし世の中に情報は出回っているものの、人はそこまで自分で判断できるわけではありません。

だからこそ「この人は本当に優秀だし頼れる」と選ばれた人のところに、多くの方々の悩みや相談が集まるようになります。必然的に、そういう人だけが営業パーソンとして市場に存在し続けることができるんです。

大久保:ネットの情報に勝てる、ネットだけでは難しいことができる人でないと存続できないわけですね。

北川:その通りです。たとえばゴルフのレッスンプロもそうですが、「あなたのその課題設定は間違っていますよ」と軌道修正できる人が優秀な営業なんですね。

「あなたが解決を目指すべきなのは◯◯です」と問題を正しく発見し、指摘できる力のある人だけが営業として生き残ると思います。

大久保の感想

大久保写真
リクルート式営業のイメージの強いセレブリックスだが今は独自の手法に進化している。起業時は元○○のノウハウやイメージを使うのは有効な手段だが、会社が大きくなると独自性が必要になる。
営業というと口が達者・上手いというイメージがどうしてもあるが、口が上手いというよりも相手の求めていることを考えたり、仕組みを作れる人のほうが営業として大成するそうだ。営業の組織を作る起業家のヒントになる。
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(取材協力: 株式会社セレブリックス 代表取締役社長 北川和毅
(編集: 創業手帳編集部)



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