再び起業を目指す方必見!こんどこそ失敗しない起業のコツ

事業承継手帳

起業で成功しやすい業種や、再チャレンジする際に役立つ補助金や保証、融資制度などもご紹介


一度目の起業で失敗した方が起業に再チャレンジするのは困難と思われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。再チャレンジの起業で成功した方も多く、むしろ「二度目の挑戦だからこそ成功した」ということもありそうです。

本記事では、二度目の起業で狙い目の業種や、再チャレンジを支援してくれる融資制度、二度目以降の起業で大成功した起業家などをご紹介します。「起業に再チャレンジして成功したい」と燃えている方に役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

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日本における、廃業・倒産率

日本の開業率・廃業率を業種別に見て、どの分野が起業しやすく廃業しにくいのか、考えます。「どの分野で起業するか」が起業の成功率にも関わってくるためです。

以下の表は、中小企業庁のデータをもとに、各業種の開業率・廃業率をまとめたものです。「開業率 – 廃業率」の数値が大きいほど、廃業に至る率が少ない、と単純に考えてもいいでしょう。

                

業種 開業率 廃業率 開業率 – 廃業率
宿泊業、飲食サービス業 8.6% 6.2% 2.4%
情報通信業 6.4% 4.3% 2.1%
電気・ガス・熱供給・水道業 6.3% 2.8% 3.5%
生活関連サービス業、娯楽業 6.2% 4.8% 1.4%
不動産業、物品賃貸業 5.7% 3.7% 2.0%
建設業 5.1% 3.1% 2.0%
学術研究、専門・技術サービス業 5.0% 3.9% 1.1%
教育、学習支援業 4.7% 3.0% 1.7%
サービス業 4.4% 3.2% 1.2%
小売業 4.3% 4.5% -0.2%
医療、福祉 4.1% 2.5% 1.6%
金融業、保険業 3.3% 2.9% 0.4%
運輸業、郵便業 3.0% 2.6% 0.4%
卸売業 2.5% 3.4% -0.9%
製造業 1.9% 2.9% -1.0%
鉱業、採石業、砂利採取業 1.6% 3.6% -2.0%
複合サービス事業 0.9% 0.9% 0%

▲出典:中小企業庁、2020年版中小企業白書、第一部令和元年度(2019年度)の中小企業の動向、第3章 中小企業・小規模事業者の新陳代謝、第1節 企業数の変化と開廃業の動向「第1-3-7図 業種別の開廃業率」

上の表では業種は開業率が高い順に並べてあります。「開業率 – 廃業率」の項目に注目すると、プラスの値になった業種は以下の業種です。

  • 宿泊業、飲食サービス業
  • 情報通信業
  • 電気・ガス・熱供給・水道業
  • 生活関連サービス業、娯楽業
  • 不動産業、物品賃貸業
  • 建設業
  • 学術研究、専門・技術サービス業
  • 教育、学習支援業
  • サービス業
  • 医療、福祉
  • 金融業、保険業
  • 運輸業、郵便業

「開業率 – 廃業率」がマイナスになっている業種よりも、上記の「開業率 – 廃業率」がプラスになっている業種で起業するほうが狙い目と言えるでしょう。

とくに開業率・廃業率も両方高い「宿泊業、飲食サービス業」、「情報通信業」は起業もしやすく、成功もしやすいと言えそうです。

事業が失敗してしまう主な原因7つ

事業が失敗してしまう原因を7つご紹介します。

ニーズがない分野で起業してしまった

せっかく起業したとしてもニーズがない分野で起業してしまった場合には、どうにもなりません。

起業当初のリサーチの時点で「競合がいないブルーオーシャンだ」と思っていたところ、実際に起業してみたら「そもそも需要がなかった」というケースはよくあります。したがって、起業前のリサーチは非常に重要です。

しかし実際には、起業当初に考えていた事業が失敗することは非常によくあるので、失敗したと思ったらすぐにピボットしましょう。

人気レシピ動画サービス「クラシル」を運営する「dely」は起業当初、デリバリーサービスを展開していましたが、ニーズがないので撤退しています。撤退後にピボットし、現在の「クラシル」を企画して成功されました。「dely」のように、起業して「ニーズがない」と思ったら事業を潔くやめるのも選択肢です。

創業メンバー間でのいざこざ

創業メンバーを誰にするかは重要です。学生時代の友人と一緒に起業する事例は多いですが、その後仲違いするなど、トラブルが発生するのは避けられません。

もし学生時代の友人や親族などの親しい間柄の人間をメンバーに入れて起業するのであれば、メンバー間の序列をきちんと守る、あるいは守らせなければなりません。

もちろん信頼できる友人と起業したからこそ成功するケースもあります。たとえば、「サイバーエージェント」創業者の藤田晋氏と日高祐介氏は前職の同期と言う間柄でありながら、社長・副社長の名コンビとして「サイバーエージェント」を国内最大手ネット広告代理店にまで成長させました。

もし近しい人と起業する場合はケジメをきっちりつける。できないのであれば、友人や親族を創業メンバーに入れないほうが無難でしょう。

お金回りへの無知

資金調達周りについて無知だったために、黒字倒産してしまう企業もあります。

黒字倒産とは、損益計算上では黒字の状態であるにも関わらず、キャッシュフローの関係で債務が返済できなくなり、倒産することです。

業績が絶好調で金融機関から融資をたくさん受けている企業が、キャッシュフローを気にしていなかったために黒字倒産してしまうこともよくあります。業績が好調なときであっても、常にキャッシュフローについては気にかけておく必要があります。

諦めが早すぎる

起業が成功し、事業が安定的に運営できるようになるまでには、非常に時間がかかります。IT系のサービスや店舗事業などではすぐに売り上げが立つ事業も多いですが、それでも時間はかかるでしょう。

「元祖ベンチャー」と呼ばれることも多い国内大手旅行会社「エイチ・アイ・エス」を創業した澤田秀雄氏も、起業当初は顧客がほとんどいなかったことをインタビューにて述べています。澤田氏はまた、これからベンチャー経営を目指す方に向けて「『石の上にも3年』と言いますが、3年間必死で頑張ったにも関わらず展望がひらけなければ、商品そのものやビジネスモデルを見直す事も考える必要があるでしょう」とのメッセージも残しています。

すぐに諦めるのではなく、事業が成功するまでしばらく粘ってみるのも重要です。

行動量が足りない

極端なことを言えば、労働基準法が適用されない経営者は、1日24時間働くことも可能です。創業当初は営業や事務、サービス開発などあらゆることに時間を割かなければなりませんから、1日24時間とは言わなくとも、長時間労働は必須です。

もし起業したばかりで「1日8時間労働しかしていません」という方がいれば、チャンスを逸していると言えるでしょう。たとえば1日12時間労働にして残りの4時間を営業やマーケティング業務に充てるだけでも起業の成功確率は変わってくるはずです。

起業が「失敗した」と思う前に、まずは行動量を増やす必要があります。逆に行動量が少ない起業家は、事業を畳むことになる可能性は高いです。

投資家とのトラブル

投資家とのトラブルで起業に失敗するケースもよくあります。とくに多いのが、事前に口約束のみしかしておらず、契約書を書いていなかったケース。「投資と思っていたら融資だった」というケースでは、後で利子が返せなくなって廃業し、自己破産にまで追い込まれるケースもあります。

また、契約書を作成していたのにも関わらず後からごねてくるようなケースもあります。

信頼できる投資家や、実績のある投資家から出資や融資を受けないと命取りになりかねません。

クレームに向き合わなかった

ユーザーからプロダクトやスタッフに関するクレームをもらうことはビジネスをしている以上避けては通れません。クレームをもらったらプロダクトやスタッフを改善するチャンスだと捉え、真剣に向き合わなければなりません。

クレームを放置していたために、プロダクトが競争力を失い、競合に負けてしまうことはよくあります。また、スタッフの態度が悪いのにも関わらず、スタッフを守ろうとするがゆえにクレームを無視して結果として店にユーザーが寄り付かなくなると言うこともあります。

ユーザーから受けたクレームなどのフィードバックは放置せず、真剣に向き合って改善点を見つけ出すヒントにしましょう。クレームを放置した結果、廃業に至った企業は枚挙にいとまがありません。

2回目の起業だとぶつかる壁と乗り越える方法

2回目の起業でぶつかりがちな壁と、それを乗り越える方法ついてご紹介します。
 

心理的パワーが落ちる

一度起業に失敗していると、二度目のチャレンジにはどうしてもエネルギーが湧いてこないこともあります。ただでさえ大変な起業、その上失敗したときの苦労を知っているだけに、当然と言えば当然でしょう。

それでも二度目の起業に挑戦したいのであれば、ブレない軸が必要です。「なぜ自分は再度起業するのか」、「もし失敗したとしても、後悔しない領域なのか」など、自分で腹落ちするまで考えてみましょう。二度目の挑戦でもやる理由や軸が見つかるのであれば、再度挑戦してみてはいかがでしょうか。

また、一度目の起業で作り上げたネットワークを頼ることも重要です。事業を一度畳んでしまっていても、以前の取引先との信頼関係や人的ネットワークは残っているはずです。変に遠慮することなく、以前取引があった取引先に頭を下げ、再度取引関係を始めるのは効率的です。一度目の事業でそれなりのネットワークを作り上げたことがある起業家の方であれば、ぜひ考えてもらいたい視点です。

二度目の起業で燃え尽きないように、用意周到に臨みましょう。
 

資金調達面

二度目の起業における最大の困難が資金調達です。一度失敗しているだけに、当然ながら金融機関やVCなどからの信用は落ち、資金調達はしにくくなります。

銀行系のVCなどからは一度目の起業に失敗していると融資が得にくいですが、独立系のVCやエンジェル投資家であればチャンスがあるかもしれません。また、融資ありきの起業を考えるのではなく、最初は自己資金ではじめてある程度成果が出始めた段階で大型融資を申し込む、という選択肢もあります。

最初の起業失敗で得た教訓を二度目の起業で生かせているかどうかも融資審査の際に見られる項目です。客観的に見て、「一度目の起業失敗があるからこそ、成功しそうだな」と投資家に思われれば、資金調達できないこともありません。

再チャレンジに向けた支援制度

再チャレンジに向けた支援制度をご紹介します。

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)

再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)」は日本政策金融公庫が再挑戦する起業家向けに提供している支援制度です。新たに開業するか開業後7年以内で、やむを得ない理由で廃業経験のある方が融資に申し込めます。

融資限度額は7,200万円と非常に高額なので、高額の運転資金が必要な場合はぜひ申し込んでおきたいところです。日本政策金融公庫での融資に成功するとほかの金融機関からも融資を受けやすくなるので、ぜひ融資に申し込んでみてください。

経営者保証に関するガイドライン

中小企業庁が提示する「経営者保証に関するガイドライン」は、個人保証をしている経営者が事業に失敗しそうな場合に再度廃業などの決断をしたとしても、最低限生活できるレベルの生活費などを経営者に残そうとするものです。

また、新規借入時には経営者の個人保証なしで融資を受けることもできます。「経営者保証に関するガイドライン」の存在は、再挑戦する起業家を資金面でも心理面でも後押ししてくれます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金」とは、常時雇用する従業員が20人以下の法人・個人事業主の方が利用できる制度で、上限金額は50万円です。複数事業者による共同申請の場合には、補助金額の上限は500万円まで上がります。

チラシ作成やホームページ作成など、ちょっとした経費が必要になる場合に利用できる制度です。

特定創業支援事業

特定創業支援事業」とは、各自治体ごとの要件を満たしている経営者であれば、さまざまなメリットを享受できる制度です。

たとえば大阪市の場合、株式会社や合同会社などを設立する際の登録免許税が2分の1になったり、無担保・第三者保証人なしの創業関連保証が事業開始6ヶ月前から得られたりするメリットがあります。詳しくは、法人として登記しようとしている自治体の住所を管轄している自治体ホームページで確認してみてください。

1度起業に失敗して2度目で成功した起業家事例

東証一部上場企業「KLab」の創業者である真田哲弥氏は、学生時代に運転免許学校の斡旋ビジネスを起業しましたが、赤字になって自らは退任に追い込まれます。一度目の失敗です。

その後、二度目に始めたビジネスで年商40億円までいくも、悪徳業者に利用されて社会問題化し、廃業に追い込まれました。全債務の連帯保証人でもあった真田氏は十数億円もの借金を背負い込みます。

しかしその後立ち上げたいくつかのビジネスの利益で借金を完済し、最終的には「KLab」を東証一部の上場企業にまで育て上げました。起業するたびに、徐々に成功率を上げていった形です。

アメリカで有名な例で言えば、ドナルド・トランプ氏は何度も破産を経験しながらもビジネスで成功し、最終的には大統領にまで就任しました。

このように多くの起業家が何度か挫折を経験しながらも、最終的には成功を手にしています。彼らの共通点は、「成功するまで諦めなかった」ということでしょう。一度失敗すれば、次回は失敗しなくてもすみます。失敗の教訓を生かしてぜひ再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

創業手帳の冊子版(無料)では、再チャレンジする起業家にも役立つ起業時のノウハウや支援制度の情報などが掲載されています。無料で配布しておりますので、ぜひご活用ください。
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(編集:創業手帳編集部)

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