【2026年最新・税理士監修】起業するときの資金調達方法18選!種類・特徴・選び方をわかりやすく解説

自分に合った資金調達方法を選んで起業を成功させよう!

起業の資金調達方法メリット・デメリット総まとめ

この記事でわかること

●起業や経営に使える18の資金調達方法の特徴・メリット・デメリット
●資金調達を成功させるためのポイントや注意点
●補助金・助成金の正しい活用法と申請のコツ

「起業のために資金調達をしたいけれど、どの方法が自分に合っているかわからない…」起業時の資金調達で上記のように悩む方は少なくありません。調達方法は多岐にわたるため、目的に合わせて選ぶことが重要です。

この記事では、起業や開業・経営に使える資金調達方法を18種類に厳選し、メリット・デメリット・選び方などを詳しく解説します。

監修者:義永 充(よしなが みつる) 税理士法人SVC 代表税理士
税理士法人SVC代表税理士。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。
1994年に榎本公認会計士事務所(現・税理士法人SVC)へ入所し、2012年に税理士法人SVCを設立、代表に就任。
創業支援や事業承継に力を入れており、中小企業から上場企業の子会社まで幅広く支援。
経営者に寄り添い、企業の成長と発展をサポートしている。

この記事の目次

資金調達とは?

資金調達とは、起業や会社運営に必要な資金を外部または内部から調達することです。支払いや投資に用いる現金を確保し、事業の立ち上げや発展に役立てます。

起業における資金調達は、事業の存続そのものを左右するため、正しい知識が欠かせません。それぞれの調達方法について、具体的な種類と選び方を見ていきましょう。

資金調達の目的

資金調達の目的は人によって様々で、起業したい人だけが行うものではありません。

代表的な資金調達の目的として、次のケースが挙げられます。

  • 起業する際の初期投資
  • 運転資金の充足
  • 新規事業の立ち上げ
  • 設備投資
  • 事業拡大
  • 資金ショートへの対策など

資金調達は起業以外にも幅広い用途に利用されます。機械や備品の購入、雇用や育成といった人材向けの投資など、千差万別です。

企業によっては売上の発生から入金までのタイムラグに対応すべく、資金ショート対策として調達を考えるケースもあります。

資金を手元に確保することは経営の安定性を高めると同時に、ビジネスに不可欠なスピード感を失わない意味でも重要です。事業が後発にならないよう資金調達を上手に行い、発展させていく必要があります。

資金調達の目安金額

資金調達の目安金額は、調達の目的によって異なります。ここでは起業に必要な調達額を中心に見てみましょう。

一般的な起業資金の目安は500万円未満とされています。日本政策金融公庫総合研究所による2025年「新規開業実態調査」によれば、開業費用の4割以上が500万円未満でした。

業種や業態によって必要な起業資金は大きく異なるため、具体的な起業資金が知りたい場合には、まず資金計画を立ててみましょう。

起業以外を目的とする場合でも、資金計画を立てた上で調達するのが鉄則です。必要な資金額を洗い出し、本当に投資すべきかまでを検討してから、実行に踏み切ってください。

また、調達金額だけでなく、必要時期の把握も重要なポイントです。調達方法によっては時間がかかるため、スケジュールに余裕をもって準備を始めましょう。

資金計画について、詳しくはこちらの記事を>>
資金計画は企業の設立・継続に重要!必要な資金や計画の立て方を徹底解説

起業・開業・経営に使える資金調達の方法とは?

起業や開業、経営維持などに使える資金調達の方法は数多くありますが、次の4つに分類できます。

種類 概要 返済の必要 主な方法
出資 自らや関係者、第三者から資金を集める方法 なし ・自己資金

・VC

・エンジェル投資家

借入、融資 金融機関から資金を借りて調達する方法 あり ・制度融資

・銀行融資

・公庫融資

資産の現金化 資産を現金に換えて調達する方法 なし ・ファクタリング

・M&A、事業継承

補助金や助成金などの制度 制度に申し込んで調達する方法 なし ・補助金、助成金

・各種手当

資金調達の方法は、種類によって得られる金額が大きく異なります。返済の必要性があるかどうかも異なります。上記のうち、借入・融資以外は原則的に返済の必要性がありません。

特に補助金や助成金は、交付がされた後に、毎年の報告書提出が必要であったり、交付条件に合わなくなった場合に返還義務が発生してしまうケースもありますので、『どのような条件で、補助金がもらえるのか』、交付要綱をしっかり読んで確認しましょう。

これらは起業・開業時に向いているもの、経営維持や事業拡大に向いているものなどの差もあることから、使い分けが肝心です。

特徴や性質を理解した上で、どの方法で資金調達するかをよく吟味しましょう。
   
ここからはそれぞれの資金調達方法について、概要とメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

全部で18個の資金調達方法をご紹介しますので、起業する会社の事業規模や成長フェーズ、資金が必要なタイミングに合わせて、最適な資金調達方法を選びましょう。

起業・経営の資金調達方法「出資」

出資
起業・経営の資金調達方法の1つ目は「出資」です。出資とは、対象となる団体や事業の成長を期待してお金・財産を提供することをいいます。

起業時の資金調達方法として、出資の大きなメリットは、返済の義務がない点です。一方で外部からの出資は経営権に関わる場合が多く、金額や比率によっては事業の方向性を大きく左右します。出資者と協力関係を築ければ、金銭以上の相乗効果を得ることも可能です。

理想のビジネス像や事業形態を維持するために、それぞれの出資タイプの特性を知った上で上手に利用しましょう。

自己資金

個人資産である自己資金は、最も基本的な資金調達の方法です。会社員の給料や副業報酬などを貯めて起業します。

メリット

  • 経営権を保持でき、経営の自由度が高い
  • 金利負担がない
  • 資金調達先とトラブルになるリスクがない

デメリット

  • 資金量が限られる
  • 事業清算をした場合、自分の資産を失う

なお、自己資金は融資審査でも重視されるポイントです。一般的に、希望する融資額の3分の1程度は自己資金があると評価されやすいようです。

社員持株会

社員持株会は、社員が資本金を出資しあう資金調達方法です。規約が必須であり、従業員持株会の組織・理事も必要となります。

メリット

  • 従業員のモチベーションアップにつながる

デメリット

  • 運営に手間がかかる
  • 株主が分散してしまう
  • 配当や株の買い取りに資金が必要になる

他企業からの出資受入

株式を他企業に譲渡し出資を受け入れる資金調達方法です。株式の譲渡比率が50%を超えると、事実上経営権を譲渡した状態になってしまうので、出資者とは事前に交渉をしておく必要があります。

他企業から出資を受けるために重要なのが、企業間のつながりです。つながりを作るためにイベントを利用するのもおすすめとなります。

メリット

  • 出資元企業の協力が期待できる
  • 株主が分散しないので大きな出資が期待できる

デメリット

  • 出資元に経営権を握られてしまうリスクがある
  • 経営の自由度が低くなる

イベントに関しては、下記記事も参考にしてください。

起業イベントについて、詳しくはこちらの記事を>>
【随時更新】起業家が知っておきたいビジネスコンテストまとめ

ベンチャーキャピタル(VC)

資本と引き換えにベンチャーキャピタル(VC)の出資を受け入れる資金調達の方法です。VCとはスタートアップやベンチャー企業に投資を行うファンドを指します。

出資比率については事情を考慮してくれるVCが多く、契約内容の相談が可能です。ただし立ち上げ直後は実現の可能性は低く、上場を狙うような有望な会社に限られる方法でもあります。

メリット

  • 経営アドバイスやビジネスパートナーの紹介を期待できる
  • 上場に向けた短期での成長が可能になる

デメリット

  • 起業家の保有株比率が下がる
  • 起業直後の資金調達は期待しづらい
  • ベンチャーキャピタルの経営方針に従う必要がある
VCのインタビューについて、詳しくはこちらの記事を>>
VCはココを見ている!500 Startupsに聞く、伸びる起業家を見極める”3つのWhy?”
「投資を決める、9つのサムライ魂」 女性VCから見た、絶対投資したくなる起業家の特徴とは?

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、起業家のスタートアップを助ける個人投資家です。VCと違い、個人所有の資金を投資します。

個人からの出資であるため直接的な話がしやすく、うまくいけばスピーディーに進む調達法です。一方VC同様に有望な企業に限られ、起業直後に出資の話があることは考えにくいでしょう。

メリット

  • 経営アドバイス、顧客やビジネスパートナー等の紹介を期待できる
  • 出資までのスピードが速い

デメリット

  • 起業家の保有株比率が下がる
  • 起業直後の資金調達は期待しづらい
  • 多額の出資は難しい
  • 経営の自由度が下がる

資金調達手帳では、VCやエンジェル投資家のインタビュー記事を掲載しています。投資家たちがどのような思考で出資するのかがわかり、適切な対策につなげられます。

エンジェル投資家からの出資について、詳しくはこちらの記事を>>
エンジェル投資家から出資を受けるための方法

クラウドファンディング

起業時の資金調達方法としては、クラウドファンディングも一般的になってきました。実現したい事業を掲げ、インターネットなどを通じて少額ずつお金を集める方法です。

資金の調達手段として身近になった分プロジェクトの数も増え、クラウドファンディングの難易度が上がっています。特徴的な商品・サービスや強い共感を呼ぶようなストーリーがないと難しいのが実情です。

メリット

  • 大きなリスクなくチャレンジできる
  • 起業前から全国各地でファンを育成できる
  • テストマーケティングの場にできる

デメリット

  • 強い特徴やストーリーがないと資金調達が難しい
  • 目標金額を達成できない恐れがある

近年は購入型だけでなく、株式投資型クラウドファンディングも広がりを見せており、起業時の資金調達の選択肢が増えています。

オススメのクラウドファンディングについて、詳しくはこちらの記事を>>
開業資金や開発資金の調達にも!オススメのクラウドファンディング12選

起業・経営の資金調達方法「借入・融資(デッドファイナンス)」

借入
起業・経営の資金調達方法2つ目は借入・融資です。負債を増やすことからデッドファイナンスとも呼ばれ、最大の特徴は返済の必要性と金利の負担にあります。

ほかの資金調達方法と異なり、返済を前提として借り入れるのが融資です。月々一定の金額を返済するのが一般的である上に、手数料として金利を上乗せした金額を払わなくてはならず、手元に入るお金以上の支払いが必要になります。

反面、融資元に経営権を譲渡するような条件はないため、事業主が裁量を維持できる調達方法です。

基本的に起業直後は会社としての信用がないため融資は難しい傾向にありますが、種類を選べば借り入れ可能なケースもあります。

制度融資

重要

制度融資と信用保証

制度融資による資金調達の方法は、民間金融機関と自治体・信用保証協会が協力の上提供しています。起業家が借り入れしやすいように審査ハードルが低く、低金利かつ長期返済にも対応する融資です。

利用する自治体や制度により融資の上限額や金利は様々ですが、一般的なな目安としては、上限3,500万円、金利1.95%~3.05%、返済期間は7〜10年です。

創業融資の返済期間は、資金の使途によって異なります。一般的に、運転資金の場合は7年以内、設備資金の場合は10年以内です。この他、1~3年の据置期間を設けてもらえることがあります。
据置期間とは、融資を受けた後、元金の返済を始めなくてよい期間をいいます。この場合、融資を受けてすぐに返済開始となるのではなく、最初の1年は利息の支払いだけで済むことになります。

メリット

  • 創業前でも申込みができる
  • 金額によっては無担保・第三者保証不要で利用できる
  • 行政が支払利息、保証料の一部補助をしてくれる場合がある
  • 経営相談にも乗ってくれる

デメリット

  • 申込みから実行まで通常の融資より時間がかかる
  • 支払利息とは別に保証料がかかる

まずはお住まいの自治体の産業振興課や、最寄りの信用保証協会に相談しましょう。

関連記事

制度融資で資金調達する方法について、詳しくはこちらの記事を>>
低金利が魅力!制度融資で資金調達する

銀行からの融資

銀行から資金を借り入れる資金調達方法です。審査に通れば求める額の資金が調達できます。起業・開業時の銀行融資は、メガバンクより地方銀行のほうが積極的に対応する傾向があります。

メリット

  • 顧客・ビジネスパートナーの紹介や情報提供をしてもらえるケースがある
  • 金額の大きい借入ができる
  • 経営の介入がない

デメリット

  • 金利負担が発生する
  • 設立直後の会社では利用が難しい
  • 審査が厳しく希望の融資金額にならない可能性がある
  • 担保や保証人が必要になることがある
法人が銀行融資を受ける方法について、詳しくはこちらの記事を>>
法人が銀行融資を受ける方法は?必要書類や審査に通るためのポイント

信用金庫

信用金庫からの借入は、地域の信用金庫によって条件が異なります。信用金庫は地域に根ざした金融機関であるため、特に地域密着企業が活用したい資金調達方法といえます。

メリット

  • 顧客・ビジネスパートナーの紹介や情報提供をしてもらえるケースがある
  • 銀行より融資のハードルが低い

デメリット

  • 金利負担が発生する
  • 起業前や起業直後の資金調達方法には適していない

信用金庫は地域に根ざしていることから、地域の制約を受けることがあります。
例えば、飲食店を経営しているとして、そのお店の場所が、信用金庫がカバーしている地域外であると、申込みが難しい場合があるので注意が必要です。

信用金庫と信用組合について、詳しくはこちらの記事を>>
信用金庫と信用組合の違いとは? どのような起業家が活用すべきかを解説

公庫融資

重要

日本政策金融公庫の公庫融資
公庫融資とは、日本政策金融公庫が提供する低金利の借り入れ制度です。政府が管轄する金融機関であるため、創業間もない企業でも審査に通りやすい利点があります。

複数の融資を用意していますが、中でも創業期の方におすすめなのは「新規開業・スタートアップ支援資金」です。運転資金を含め7,200万円まで借り入れでき、新たに事業を始める方または事業を開始してから二期分の後税務申告を終えていない方は、原則として金利が0.65%引下げになります。

メリット

  • 起業前でも申込みできる
  • 金額によっては無担保・第三者保証不要で利用できる
  • 2~3週間で結論が出る

デメリット

  • 金利負担が発生する

日本政策金融公庫の融資制度は、起業にあたっての資金調達方法の筆頭候補です。資金調達手帳では、申請に必要な創業計画書の書き方を8つのポイントにまとめてわかりやすく解説しています。創業計画書のテンプレート付きなので、初めてでも簡単に作成可能です。

【関連記事】日本政策金融公庫の新創業融資制度が2024年3月で廃止に!今後の資金調達方法や審査に通過するコツを解説
【関連記事】日本政策金融公庫の起業時に利用できる3つの融資制度

マル経融資

低金利

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)も日本政策金融公庫の融資であり、商工会議所の推薦により受けられます。2,000万円を限度とし、低金利で借りられる資金調達の方法です。

1年以上の事業実績が必要なので、開業からしばらく経ったあとに検討しましょう。

メリット

  • 利息が低い
  • 無担保・第三者保証不要で利用できる
  • 商工会議所からの支援が受けられる

デメリット

  • 創業から1年後でないと使えない
  • 融資実行まで時間がかかる
  • 審査回数が多くなる
  • 商工会の加入が必要になる
融資について、詳しくはこちらの記事を>>
開業資金の資金調達は融資(借り入れ)を活用しよう!融資先や審査に通るポイントなどを解説

手形割引

手形割引は受取手形を現金化する資金調達方法です。銀行に買い取ってもらい事業資金を得る方法ですが、仕組み的には融資の一種に分類されます。

売掛金を現金化するファクタリングと異なり、受取手形で取引を行っている場合のみ利用可能です。手形振出先の信用力が重要であり、不渡りになると自己資金で買い戻さなければなりません。

メリット

  • ファクタリングよりも手数料が安い可能性がある
  • 早期に現金化できる

デメリット

  • ファクタリングよりも資金調達に時間がかかる
  • 不渡りの場合には買い戻ししなければならない

起業・経営の資金調達方法「資産の現金化(アセットファイナンス)」

3つ目の資金調達方法は、資産を現金化する方法です。アセット(資産)+ファイナンス(資金調達)でアセットファイナンスと呼ばれることもあります。

資産の現金化は、ほとんどが経営維持や事業の転換に使える方法です。そのため起業・開業前後の活用には向いておらず、ある程度事業を続けてきた人向けの方法となります。

資産の現金化について具体的な方法と特性を知り、どのような場面で使えるかを把握しておきましょう。

資産の売却

アセットファイナンスの1つ目の方法は資産の売却です。事業とは関係ない資産を売却することで、投資資金を調達します。

不動産や設備、車両といった有形の資産のほか、無形資産であっても、売却することで資金調達が可能です。

メリット

  • 買い手がいれば資金調達がの交渉がスムーズ
  • 不動産の維持管理費などの削減にもつながる

デメリット

  • 売却できる資産が必要
  • 買い手が見つからなければ売却できない
  • 売却時に手間と手数料が発生する

ファクタリング(売掛債権)

売掛金を現金化する方法をファクタリングと呼びます。回収予定の売上代金をすぐに現金化できるのが特徴です。

ファクタリング業者に請求書などを買い取ってもらうことで、取引先からの入金よりも早く資金調達できます。反面、手数料がかかるため従来の売上金より少ない額しか受け取れません。

手数料の相場は2社間ファクタリングで8〜18%、3社間で2〜9%程度が目安です。手数料率は業者によって大きく異なるため、複数社から見積もりを取り比較検討すると良いでしょう。

メリット

  • 現金化が早まる
  • 資金運用のサイクルが早まる

デメリット

  • 利用手数料がかかる
  • よく調べないと悪徳業者にあたる可能性がある
ファクタリングサービスについて、詳しくはこちらの記事を>>
起業家におすすめのファクタリングサービスとは?活用法や選び方も紹介!

M&A・事業譲渡

M&Aや事業譲渡によって会社や事業を売却し、資金を調達する方法もあります。ある程度事業を成長させた後の転換期に検討すべき手段です。

注力したい事業とは無関係な子会社や事業を譲渡することで、資金を調達しながら主力事業に集中できます。近年はスタートアップや中小企業によるスモールM&Aの件数が増加しており、資金調達の選択肢として注目度が高まっています。

マッチングプラットフォームも普及しており、以前より手軽に買い手を見つけられる環境です。

メリット

  • 規模次第で莫大な資金を調達できる
  • 主力事業に集中できる
  • 取引先とのシナジー効果が期待できる
  • 事業を終了することなく、続けていくことができる

例えば、地域の人気店の場合、「惜しまれつつ閉店…」とならず、オーナーが変わっても、そのお店はその地域で営業を継続することになるので、M&A自体が、地域への貢献に繋がることにもなります。

デメリット

  • すぐに買い手が見つかるとは限らない
  • 売却に手間がかかる
  • M&Aを業者に依頼した場合、手数料が発生する
  • 従業員に影響を与える

M&Aにより影響を受けるのは、従業員だけではありません。サービス業であれば、その事業が提供するサービスを利用する方、小売業や製造業であれば、その商品の販売先、そして仕入先、事業を取り巻く多くの関係先に影響を与えることになります。

M&A起業について、詳しくはこちらの記事を>>
ゼロから作らない起業|個人が会社を買って始める「M&A起業」のススメ

リースバック

リースバックとは、不動産を売却すると同時にその不動産を借りる金融取引のことです。

自社のオフィスビルを持っており、資金を調達したいけどオフィスを手放せないなどの場合に利用できます。

不動産の売却益を得ながら、継続して不動産を利用できる上、形態次第では買い戻しも可能です。

メリット

  • まとまった資金を調達でき、事業も継続できる
  • 固定資産税などの維持費がかからなくなる

デメリット

  • 賃料を支払う必要がある
  • 不動産の所有権は失う

起業・経営の資金調達方法「補助金・助成金などの制度」

起業の資金調達方法の最後は、補助金や助成金をはじめとする制度の活用です。返済不要で起業時の負担を軽減できるため、該当する制度があれば積極的に活用しましょう。

ただし、補助金は受け取った後に事後報告などの書類提出が求められます。対象や目的を絞った制度、地域限定の制度などがあり、各要件を満たす必要があります。

金額や申請期間の観点から自由度が低く、後払いが基本のため、先に自己資金や融資で立て替える必要がある点には注意が必要です。制度を利用する際には、それぞれの規約をよく読んでおきましょう。

創業向けの補助金・助成金

重要

創業向けの補助金・助成金を使うと、低リスクで資金調達ができます。国や地方自治体が提供する様々な制度があり、要件を満たすことで受給可能です。

補助金・助成金の種類によって金額や要件、申請期間、対象者などが異なります。地域に密着した制度も多いので、該当エリアでの起業に役立てましょう。なお、公募スケジュールは年度ごとに変わるため、最新の募集要綱を必ず確認しましょう。

起業の資金調達において、補助金・助成金は起業初期のキャッシュフローを支える有効な手段です。対象となる制度を見逃さないよう、定期的に情報収集しましょう。

メリット

  • 起業前・起業後どちらでも申込みできる可能性がある
  • 返済不要

デメリット

  • 申請期間が限定的なケースが多い
  • 後払いのため、つなぎ資金が必要になる可能性がある
  • 対象経費の種類が限定的

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再就職手当

再就職手当は、雇用保険の被保険者が失業中に創業や就職をするともらえる手当です。ハローワークに問い合わせれば手続きできます。

原則的には、事業開始の翌日から1カ月以内に申請が必要です。早く事業を始めるほどまとまった金額になるものの、失業手当は受け取れなくなるため、退職から起業までのライフプランに注意してください。

メリット

  • 返済や金利などの心配がない
  • 要件を満たせば基本的に手当を受けられる

デメリット

  • 失業手当はもらえなくなる
  • 自己都合の退職の場合は1カ月間の待機期間がある

起業の資金調達を円滑に進める方法・気をつけるポイント

資金調達
資金調達を円滑に進めるには、調達方法ごとに対策を練っておく必要があります。次のポイントを参考に、資金調達に欠かせない事業計画や財務管理を徹底しましょう。

事業の信頼性を高める

融資や補助金・助成金で資金調達をする際には、事業の信頼性が求められます。他社との差別化や自社の強みをアピールし、資金調達の成功率を上げましょう。

事業の信頼性を高めるには、競合の状況把握と分析、綿密な経営戦略が必須です。自社の強みを商売にどう活かすのかを考え、客観的な根拠も用意します。

第三者が納得するような信頼性を担保できれば、借り入れや制度の審査に通りやすくなり、資金調達にも追い風となるでしょう。起業直後は実績が乏しいため、根拠のある事業計画書と資金計画書の作成が資金調達の成功率を左右します。

なお、創業前であっても業界での実務経験や関連する資格があれば、審査での評価ポイントになります。

自社に合った方法を選ぶ

起業における資金調達の成功は、自社に合った方法を選ぶことにかかっています。最適な方法を選択するために、必要な金額や目的、タイミングを整理しましょう。

起業・開業時に適した資金調達の方法と、事業を始めてしばらく経った後とでは、選ぶべき手段が違います。会社形態や事業規模、いつ資金がいるのかといった事情に応じても考慮が必要です。

資金調達をしたいと思ったら、なぜそう考えたのか具体的な理由と金額を書き出しましょう。状況や目的から冷静に判断することで、勢いだけではない現実的な資金調達が叶いやすくなります。

いつ必要? いくら必要? 目的は?先の事だから、想像するのは難しい…
そんな時の効果的な方法として、「経験者から話を聞く」のがオススメです。
経営者の先輩・知り合い・専門家は、経験や事例を豊富に持っているので、話を聞くことで、より具体的なイメージを持つことが出来るでしょう。

必要な資金調達額を明確にする

円滑な融資のためにも、必要な資金調達額は明確に見積もりましょう。金額によって金利負担や審査の難易度が変わるほか、返済計画にも影響が出るためです。

特に起業時は、金額は多すぎない方が良いでしょう。起業したばかりの企業は融資審査で不利になりやすく、調達が難しいからです。

事業が順調なときは積極的に投資する手もありますが、基本的には必要な分だけに絞り、余計なリスクを抱えないようにしましょう。

なお、起業時の資金調達では売上が安定するまでの期間を見越し、数カ月分の固定費を確保しておくと事業の継続性が高まります。

税理士法人SVC 代表税理士 義永 充のポイント

資金調達額の見積り=資金計画は、慎重に立てましょう。難しいことはなく、以下の5つのポイントについて考えてみるとスムーズだと思います。

    ①いま自分の手元には、資金がどれだけあるのか。
    ②毎月、いくらの収入が発生し、いくらの支出が発生する見込みか。
     創業1年目から5年目までの収入と支出は、毎年どのようになる見込みか。
    ③いま、何を買いたいのか。その金額はいくらか。
    ④自己資金で足りない金額は、いくらか。(=調達したい資金額)
    ⑤資金調達できた場合、②の内容は、どのように変わるか。

設備投資を行って売上が伸びる見込みがあれば、それを資金計画に反映させます。
借入をする場合は、上記②の「支出」に「元金+利息」を含め、収支がマイナスにならないようにすることが重要です。
「そんなに先のことまで…?」と思われるかもしれませんが、資金がなくては事業ができなくなってしまうので、しっかり計画を立てましょう。
そして、その後においても、立てた計画の通りになっているかを振り返り、都度修正を加えながら事業を進めていくことが重要です。

資金調達方法に関してよくある質問

Q. 創業融資は自己資金が少なくても申請できますか?

A. はい、制度改定により自己資金の要件が撤廃されたため、自己資金が少なくても(あるいはゼロでも)創業融資を申請できるようになりました。ただし、実際の審査では、自己資金の多さは「事業への本気度」や「準備の着実さ」として依然として重視されます。自己資金が少ない場合は、それを補うための「十分な事業経験」や「極めて精緻な資金計画」を提示し、高い返済能力を証明する必要があります。

Q. 日本政策金融公庫の創業融資は法人設立前でも申し込めますか?

A. はい、法人設立(登記)の前であっても、事業計画書を作成して創業融資の相談や「申込(審査)」をすることは可能です。実際の融資実行(お金の振り込み)は法人設立が完了した後になりますが、設立後に申し込むよりも、準備段階から相談を始めておくほうが設立後の資金調達を格段にスムーズに進めることができます。

Q. 創業融資の審査で重視されるポイントは何ですか?

A. 最も重視されるのは、実現性のある事業計画と返済見込みです。売上予測だけでなく、顧客獲得方法や必要経費まで具体的に説明できることが重要になります。過去の業務経験が評価される場合もあります。

Q. 銀行融資と日本政策金融公庫はどちらを優先すべきですか?

A. 創業初期は、日本政策金融公庫を優先するケースが一般的です。創業者向け融資制度が整っており、実績が少ない段階でも相談しやすいためです。一方で、事業拡大時は民間銀行との関係構築も重要になります。

Q. 創業融資を受けるときに事業計画書は必須ですか?

A. はい、多くの創業融資では事業計画書の提出が必要です。金融機関は、事業内容や収支計画をもとに返済可能性を判断します。数字だけでなく、ターゲット顧客や販売方法を具体的に整理することが重要です。

資金調達方法まとめ・起業や経営維持などの目的別に適した種類を選ぼう

起業の資金調達方法には、出資・融資・資産の現金化・補助金制度と、大きく4つの種類があります。起業の段階や目的に応じて最適な資金調達方法を選ぶことが、調達成功の秘訣です。

フェーズごとに最適な資金調達方法は異なります。自社の状況を客観的に見極めて選びましょう。

  • 起業前〜直後

    • 制度融資や公庫融資
    • 起業前から申し込めるため、早めの準備が重要
  • 経営の転換や事業拡大時

    • VCやエンジェル投資家からの出資
    • 事業拡大に必要な資金とノウハウを同時に獲得
  • 経営維持・資金繰り改善

    • ファクタリングやリースバック
    • 手元資金を確保し、経営の安定性を高める

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