北海道でワーケーション争奪戦 富良野はポイント制も

tips

新型コロナウイルスの感染拡大によってテレワークが一般化し、職場と家庭の間の垣根が低くなっています。北海道が募集する「北海道型ワーケーション普及・展開事業」に参加する市町村は39と、2019年度(16市町)の2.4倍に急増しました。首都圏などで急速に関心が高まるワーケーション需要の争奪戦が北海道でも活況を呈しています。

富良野市内の「新富良野プリンスホテル」や宿泊機能を備えた観光拠点「コンシェルジュフラノ」には、8月から続々とワーケーション目的のビジネスパーソンが訪れるようになりました。夫は宿泊先のホテルや市の提供スペースを利用しテレワークをこなす一方、「ほとんど昼間は別行動」という妻と子どもは宿泊先のホテル周辺を散策するなどのスタイルが好評です。

全国的な知名度を生かし富良野市は関係人口づくりや観光の新たなスタイルとしてワーケーションを主導しています。20年度の事業費400万円で本人の交通費、宿泊費を補助して受け入れ、実績づくりを急いでいます。会社経営者や宿泊施設の担当者が市民代表として参加する研究会を組織し、21年度以降に実施する制度の検討に入っています。ホテル、貸別荘、相部屋のドミトリーなど多様な宿泊施設を生かし、ポイント制の導入などでリピーターを増やす策を検討するなど、他の観光地との差別化戦略を練っており、一層の付加価値サービスが期待されます。

編集部のコメント

編集者
一般市民が寄与できる地域支援策の代表格であるふるさと納税は、税の負担と享受の一致の原則に反することから、公平性・継続性に対する疑義が投げかけられています。一方、本件のようなワーケーションやテレワーク化を前提とした地方移住は、市民・自治体・企業が公平な取引関係によって成立するモデルです。
コロナウイルスの感染拡大が気づかせてくれたITツール利用によるリモートワークがもたらす効能は、従業員だけでなく、企業経営や行政の連携の在り方にも問題を提起しているように思えます。人口の都市集中緩和の流れは今後一層定着すると予測する声が多数です。行政の取組の他、こうした流れ・変化に商機を見出すスタートアップ企業のチャレンジや新たなサービスモデルの登場が楽しみです。
カテゴリ トレンド
関連タグ スタートアップ テレワーク リモートワーク ワーケーション 北海道 地域 宿泊 富良野 新型コロナウイルス 経営者 自治体 観光
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

AIを活用した旅行計画サービス「AVA Travel」を運営する「AVA Intelligence」が1.3億円調達
2024年10月29日、AVA Intelligence株式会社は、総額1億3000万円超の資金調達を実施したことを発表しました。 AVA Intelligenceは、AIを活用した旅行計画サービス「…
「雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)」
「雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)」のご案内です。 全国農業会議所は、農業法人等が職員等を、次世代の経営者として育成するため、国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に派遣して行う現場実践研修(O…
【最大300万円支援】三菱UFJ技術育成財団「研究開発助成金」
三菱UFJ技術育成財団「研究開発助成金」のご案内です。 技術指向型の中小企業の新技術、新製品等の研究開発に対する助成金です。 応募資格者 原則として設立後もしくは創業後または新規事業進出後5年以内の中…
【東京都】「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」
東京都は、「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業補助金」の公募について発表しました。 障害者や高齢者等が、東京の自然を安心して楽しめる観光プログラムを提供する事業者等(自然体験型観光提供事業者)に対し…
スタートアップ・スタジオ「Spirete」が始動
2019年11月18日、Spirete株式会社は、本格的に事業を開始したことを発表しました。 事業コンセプト立案から、シード資金調達、プロトタイプ開発、シリーズA資金調達(メンバー企業による買収)まで…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集