注目のスタートアップ

株式会社Countel 細谷幸生|出産・育児中のママ・パパ向けのオンラインカウンセリングサービスの事業展開が注目の企業

出産・育児中のママ・パパ向けのオンラインカウンセリングサービスの事業で注目なのが、細谷幸生さんが2019年1月に創業した株式会社Countelです。

現在は核家族化が進み、2020年時点で全体の約87%、2035年には約9割に到達すると予測もされています(総務省調べ)。
更には平成に入って以来、共働き世帯が方働き世帯を上回り続けています(厚生労働省調べ)。
結果、子どもを3世代~4世代に亘る家族全員で育てたり、地域の輪の中で見守ったりするという環境が過去に比べて失われつつあり、「子育て」に関する問題や悩みも増加しています。

初めての出産・子育てで、全てが初体験だらけの親御さんの場合、毎日目まぐるしく変化する子どもの状況や成長にあたふた戸惑い、疲労困憊してしまうこともあるでしょう。
あるいは親としての責任感や子どもへの愛情を抱き、毎日一生懸命子どもと向き合い、その気持ちを募らせた結果、過干渉や虐待といった極端な行動に転化してしまうことさえあるのです。
事実、現在の18歳未満の子どもへの児童虐待は30年連続で増え続けており、2020年度は前年度より5.8%(1万1249件)多い、過去最多の20万5029件になったといいます(厚生労働省調べ)。

こうした現状を変えるべく、子育て世代が気軽に状況を相談し、子育ての質も自分たち自身の生活や生き方の質も高めていく取り組みに、今注目が集まっています。

株式会社Countelのオンラインカウンセリングサービス事業の特徴は、慶應大学医学部生が、自らの経験をもとに開発した「共感型」カウンセリングサービスという点です。

株式会社Countelの細谷幸生さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

当社のサービスである「Countel Baby カウンテルベイビー」は、出産・育児中のママ・パパ向けのオンラインカウンセリングです。所属しているカウンセラーは現在11名で、「同じく子育てで悩んだ経験のある方」で限定しているため、ママ・パパの悩みに真に共感し、寄り添える質の高さを維持しております。さらに、既存の他社カウンセリングより大幅に値段を下げることを実現し、より気軽に利用していただけるように差別化を図っております。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

身近に相談できる人がいらっしゃらず、小さいお子さんの子育てのためになかなか外出することもままならず、お家で悩まられている方、どうしたらいいかわからない方は、どんな些細な悩みでも構いませんので、ぜひ一度ご利用いただけますと幸いです。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

コロナ禍で急増し、今では「10人に1人」が必ず発症する「産後うつ」に対し、外出して気分転換することが難しいママやパパに、お家にいながら話せるオンラインカウンセリングを提供することで、一人で抱え込んでしまいがちな現状をサポートいたします。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

創業当初はなかなか認知が広まらず、ユーザー数の確保に苦戦しました。限られたリソースを最大限に活かすために、学習塾や産婦人科クリニックへのチラシ設置など、足をうごかして地道に広げてまいりました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

株式会社Countel (カウンテル)のミッションは「誰もが気軽にいつでも、誰かと話せる環境を作り出す。」ことにあります。
Countel は「人と話すことの大切さ」に着目した「人との対話」に視点を置いた新たなメンタルケアを特徴とするサービスを生み出し、多くの人に心の拠り所にしていただける場所にしてまいります。

・今の課題はなんですか?

第一に、当社は設立1年目まだ間もないため、やはり当社およびサービスの知名度がまだまだ低いことが挙げられます。そのため、サービスそのものも現在利用者数を増やしながら改良を進めている段階であり、また、ターゲットを子育てに悩んでいるママと絞っているため、今後はより効率的な広告宣伝を行い知名度を上げていく必要があると考えております。

第二に、当社は精神科医を目指す慶應義塾大学医学部生が立ち上げたベンチャー企業であるため、経営・法務・税務といったビジネス面においてはまだ知見が浅いことが言えます。そうした中で Countel を軌道に乗せるために、外部の各種専門家(弁護士・税理士等)に 必要部分はアドバイスをもらいながら、効率的に当サービスを運営しております。

・読者にメッセージをお願いします。

皆様の身の回りで「育児も家事も、仕事もなんでも頑張ってしまう方」などはいらっしゃいませんか? そんな素晴らしく、尊敬できる方々ほど、お一人で悩まられていることが多いです。そんなときこそたかがカウンセリング、されどカウンセリングです。Countel は最初の一歩をサポートします。「こんなものあるけどどう?」と一言お声がけいただけましたら誠に幸甚と存じます。

会社名 株式会社Countel.
代表者名 細谷幸生(ほそやこうき)
創業年 2021年4月6日
社員数 3名
資本金 17万円
事業内容 オンラインカウンセリング、ビデオ通話スマホアプリ
サービス名 『Countel Baby』『ReU』(2022年3月リリース)
所在地 東京都杉並区永福3-20-10
代表者プロフィール 株式会社Countel 代表取締役 / 慶應義塾大学医学部5年生
私は幼少期より吃音(言葉を滑らかに発することができない発話の発達障害)に悩み、低学年の頃からカウンセリングに通っていました。毎回カウンセラーの方に少しずつ話をして聞いてもらううちに、次第に心が軽くなっていき、いつの間にか症状が薄れていったことを忘れません。今でも言いたいことがうまく言えない苦しみや、日々のストレスを感じたとき、誰かに「話す」ことでどれだけ自分の心が助けられるか身に染みています。
このような私が今度は医学生として、毎日多くのストレスに晒される現代の人々へ、何か貢献できることはないかと思い立ったのがこの仕事の原点です。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Countel カウンセリング ベビーテック メンタルヘルス 子育て 子育て、育児、カウンセリング、ベビーテック、メンタルヘルス 細谷幸生 育児
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【東京都】「育業中スキルアップ助成金」
公益財団法人東京しごと財団は「育業中スキルアップ助成金」について発表しました。 従業員が育業中のスキルアップを希望し、その受講料等を支援する企業に対し助成金を交付する制度です。 対象企業 ・都内に本社…
子連れにいい場所がわかる地図アプリを手がける「iiba」が資金調達
2024年1月30日、株式会社iibaは、資金調達を実施したことを発表しました。 iibaは、子連れにいい場所がわかる地図アプリ「iiba」を開発・提供しています。 遊び場・飲食店・授乳室・トイレなど…
ストレス可視化サービス「マインドスケール」を提供する「Yume Cloud Japan」が5,000万円調達
2022年12月27日、株式会社Yume Cloud Japanは、総額約5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Yume Cloud Japanは、ストレス可視化サービス「マインドス…
株式会社Sene-G  真崎今日子|民間学童の事業展開が注目の企業
民間学童の事業展開で注目なのが、真崎今日子さんが2013年2月に創業した株式会社Sene-Gです。 2020年時点で夫婦共働き世帯数は1500万世帯以上あり(労働力調査基本集計2020年)、増加の一途…
子育て系口コミ情報プラットフォームを開発する「iiba」が資金調達
2023年8月16日、株式会社iibaは、資金調達を実施したことを発表しました。 iibaは、子育て地図アプリ「iiba」を開発しています。 全国の子育て関連サービスや店舗(保育園・習い事・飲食店・地…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集