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株式会社comipro 櫻井 知里 | 映像データから話し方の特徴や改善点を分析する、感情AI分析システム『comiproAI』で注目の企業


映像データから話し方の特徴や改善点を分析する、感情AI分析システム『comiproAI』で注目なのが、櫻井知里さんが2021年に創業した株式会社comiproです。

プレゼンや上司への報告、また商談に至るまで、ビジネスでは「会話」は避けて通れないものです。

しかし、緊張して上手く話せなかったり、伝えたいことが相手にしっかり伝わらなかったりした経験がある方は多いのではないでしょうか。また、録画した映像や音声などを聞いて、自分の話し方が「思っていたのと違う」という経験もあるのではないでしょうか。

自分の話し方を「客観的」に見て分析することは、より相手に伝わりやすい話し方を習得するために大切なことです。

「どうすれば上手く話せるようになるのか?」「緊張しない方法を教えてほしい」など、多くの人の悩みを解決すべく誕生したのが、感情AI分析システム『comiproAI』です。

『comiproAI』は、「表情と音声の感情」を同時にAI分析して感情を見える化させ、数字を見ながら客観的に自分の話し方について理解することができます。

さらに、AI分析結果や改善レポートの結果を基に、プロのトレーナーが一人一人に合わせたパーソナルトレーニングを行い、短時間で成果に繋がるトレーニングを実施しています。

プレゼンやピッチイベント、就職活動の面接対策など、様々な「話す」場面において活用したいシステムです。

株式会社comiproの櫻井知里さんに、『comiproAI』の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

メインプロダクトである感情AI分析システム『comiproAI』は、映像データから「表情」「音声」「抑揚」を分析して、話し方の特徴や改善点を定量的にコメントします。

特徴は大きく2つあり、1つ目は話し方のトレーニングにおける一定のスキルの担保を可能にしたことです。

従来の指導方法は、指導者の経験や勘に頼ったものが一般的でした。そのため、指導方法や評価に一貫性がなく、属人化した分野でした。『comiproAI』では、誰がみても原因や改善ポイントがわかるようにと、「表情」「音声」「抑揚」を可視化できるシステムを構築。指導や練習成果の客観的な評価を可能とし、属人化を解消した実用的なトレーニングの開発に成功しました。

2つ目の特徴は、アナウンサーの教師データと感情AI技術の融合による革新性と希少性です。

『comiproAI』の開発には、アナウンサーの教師データを用いました。10年以上のキャリアとノウハウを詰め込み、3年という月日をかけて開発した『comiproAI』 の技術は、特許取得にまで至りました。人間とAIの評価の合致率を測るテストでは92%の一致を記録し、AIシステムの正確さに定評があります。

そんな『comiproAI』のトレーニングを、弊社ではアナウンサーが担当。アナウンサーと感情AI技術の融合によって、話し方や教育分野へのアプローチが様々な角度から可能であることも、『comiproAI』の強みであると感じています。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

弊社は、トークスクリプトを活用しきれていなかったり、成果の上がるプレゼンテーションの構成や表現方法がわからない方に向けてサービスを展開しています。

営業やウェビナー担当の職員、教員を対象とした企業研修への導入や、スタートアップ企業のピッチトレーニングなどにご利用いただきたいです。

新規事業の発展・発達への貢献はもちろん、オンライン面談に悩む就活生を筆頭に、次世代の育成にも関わっていきたいと思っております。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

テクノロジーを介する指導では、パワハラ問題やパワハラ防止法の副産物である「物言わぬ上司」発生の予防が期待でき、スキルの標準化を可能とします。

弊社の感情AI分析システム『comiproAI』によるトレーニングは、AIによる属人化を抑えた指導介入を実現しており、コミュニケーションによるストレスが軽減され、よりよいパフォーマンスの発揮が可能となります。

このように、新たな教育システムの構築をサポートし、企業のコミュニケーション課題を解決したいと考えています。AIによる定量評価は、特に属人性が高いとされる営業担当のプレゼンテーションスキルや新人研修の底上げを可能とするため、成果のばらつきを解消し、企業全体の向上にもつながります。

また、オンライン化する企業の採用方法に戸惑う就活生の面接対策や履歴動画の作成の支援を通じて、次世代のプレゼンスキルの悩みの解決にも協力したいと思っています。今後もオンライン化の加速や働き方改革による意識の変化によって増加するであろう、新たなコミュニケーション課題や不安の解消に尽力し、より成果のあがる社会の実現を目指します。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

最も大変だったのは、資金繰りとローンチ方法でした。

2020年12月に事業のプロトタイプが完成し、実証実験を繰り返すもなかなか納得のいくプロダクトにならず、開発費用ばかりがかさむ日々でした。一人で悩み続け「本当にこのプロダクトを使ってくれる人はいるのかな‥」「もうこのプロダクトは諦めた方が良いのかも‥」そんなことが頭をよぎる中、先輩アナウンサーとの再会で本事業への参画が決定し、ちょうど同じ時期に大手企業との協業事業が決まり、プロトタイプから事業化へ向けて大きくシフトチェンジする決心がつきました。

運転資金も、ほかの事業をM&Aにて譲渡するなどして調達し、乗り越えることができました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

「話し方で悩む全ての人を救いたい」そんな想いに共感してくださる方々が会社に集まっています。賛同いただいてる皆様と一緒に、AIテクノロジーとアナウンサーの融合という新しいプロダクトに磨きをかけながら、新たな社会課題でもあるオンライン時代の悩みを解決に努めていきます。

また、あくまでも「成果を出す」ことを最大の目的として、実直にお客様へ向き合う会社を目標としています。現在は「緊張」にフォーカスし、緊張の可視化から改善に向けたプロダクトの構築を進めており、今後も社会のニーズにアンテナを張り、貪欲に進化しつづけていきたいと考えています。

・今の課題はなんですか?

社内のリソース不足を課題としています。ありがたいことに、様々なメディアにサービスを取り上げていただき、たくさんの問い合わせをいただいております。

お客様の悩みや企業の課題改善に向けてプロダクトマーケットフィットできるように、今後は開発分野におけるエンジニアの採用を強化していきたいと考えています。

・読者にメッセージをお願いします。

弊社も創業前には「創業手帳」を熟読し、創業に向けた準備を進めました。

創業前後は、不安や孤独感から進むべき道がわからなくなることがありますが、きっと近くにいる誰かにその悩みを打ち明けるだけで、霧が晴れるように悩みが解消されることがあります!!必ず誰かが手を差し伸べてくれるので、まずは一人で悩まずに打ち明けてみることが大切です。より良い未来に向けて共に頑張りましょう!!

回答者プロフィール 株式会社comipro 櫻井 知里
元フリーアナウンサーで現在は経営者&不動産投資家。
フリーアナウンサーとしてTV、CM、イベント・式典等、さまざまなメディアにて進行を担当。
2019年、不動産の資産管理会社設立。
2021年4月、小売販売事業をM&Aにて事業譲渡。
2021年9月、株式会社comiproを設立し代表取締役に就任。
現在はメディアをはじめ多方面で活躍中。
会社名 株式会社comipro
代表者名 櫻井 知里
創業年 2021年9月
住所 東京都港区北青山二丁目7番13号
プラセオ青山ビル 3F
サービス名 comiproAI
事業内容 AI(人工知能)に関するシステム販売及びコンサルティングに関する業務
カテゴリ 有望企業
関連タグ アナウンサー オンライン スタートアップ 感情AI 感情AI分析 株式会社comipro 櫻井知里
創業手帳
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