注目のスタートアップ

合同会社アルバトロス・テクノロジー 秋元博路|再生可能エネルギー(海洋技術)の開発・コンサルティングの事業展開で注目の企業

再生可能エネルギー(海洋技術)の開発・コンサルティングの事業展開で注目なのが、秋元博路さんが2012年に創業した合同会社アルバトロス・テクノロジーです。

脱酸素社会、カーボンニュートラル社会を実現させるために、各分野で様々な取り組みや改善が行われています。
エネルギー開発もその一つで、今まで主流だった石油や原子力に変わる新しい資源として、バイオマスや太陽光、風力、水力、地熱などといった再生可能エネルギーの開発にも力が注がれています。
2016年に解禁された電力の自由化以降、特にこれら自然エネルギーから電力を取り出している事業者へ一般消費者の目が向けられるようになり、地球環境にやさしいエネルギーを選ぼうとする動きも高まっています。

エコロジーな動きが加速する一方で、これらの自然エネルギー開発には課題も残されています。中でも開発コスト問題の解消は、今後の再生可能エネルギー事業を推進していく上で避けては通れないものでしょう。

例えばバイオマスエネルギーを生み出すために、その原料となる産業廃棄物や廃材や汚泥、家畜の糞尿などを各所から運搬して管理しなければなりません。
仮にある特定地域に集約してエネルギー開発するのであれば、そこまでの運搬費用とそれにかかる人件費が嵩んでしまいます。
あるいは各地で地産地消エネルギーを生み出すとなった場合、小規模施設を各地にたくさん作らねばならず、その土地の確保や建設費、管理費がやはりかかってきます。
結果、電力利用者である一般消費者の支払いにそれが還元されることになり、エネルギーを選択する際に一種の足かせになることもあり得るでしょう。

再生可能エネルギーの推進を図りつつ、コスト低減も実現させるというある取り組みに、今注目が集まっています。

合同会社アルバトロス・テクノロジーの事業の特徴は、
海上にプカプカと浮かべた大型風車によって発電が可能であるという点です。これにより従来に比べて組み立てが簡単で軽量、海洋大国日本ならではの資源を有効に活用しきることが出来る可能性が広がっています。

合同会社アルバトロス・テクノロジーの秋元博路さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

浮体式の洋上風車ですが、回転軸が直立する垂直軸型風車という形式です。円筒型の浮体と一緒に風車が回転するため、海水が軸受けとなります。これは風車の大型化に都合がよく、構造が単純であるため高い経済性が得られます。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

洋上風力発電事業者が直接の顧客ですが、一般消費者も再生可能エネルギーの開発コストを電気料金に上乗せして支払わされているので、間接的な顧客です。消費者にも経済的な風車を使用する電力事業者を選別する事が可能です。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

洋上風力発電は、浅い海底に風車を設置していく着床式洋上風車から、係留した浮体の上に立てる浮体式洋上風車にシフトしつつあります。特に遠浅の海が少ない日本は、沖合に進出できる浮体式風車で洋上風力のコストを下げる事が急務です。しかし従来の風車で超大型台風に耐える浮体を考えると高コストになりすぎるので、浮体式に特化したデザインで洋上風力のコストを下げます。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

投資家の多くは、海上実験まで進んで実現性を検証しないと出資対象として検討してくれません。一方で海上実験は、一般の方が考えるよりも資本が必要です。水槽実験まで完了していますが、小型機の海上実験が、未だ乗り越えられていない壁です。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

浮体式洋上風車の設計・開発・製造会社です。製造は提携企業と一緒に行います。

・今の課題はなんですか?

海上実験と資金調達は、ニワトリと卵のような関係です。提案技術の将来性をご理解いただき、資金・技術の協力で一緒に壁を超えるパートナーを国内外で探しています。

・読者にメッセージをお願いします。

大資本を必要とする洋上風車技術にスタートアップ企業が取り組んでいると言うと、日本ではなかなか相手にしてもらえませんが、現在行われている浮体式洋上風車の大型実証の多くは、海外のスタートアップ企業から出てきたコンセプトです。大化けする技術のタネは小企業からでも生まれるので、企業規模にとらわれずに技術を目利きしてもらいたいと思います。

会社名 合同会社アルバトロス・テクノロジー
代表者名 秋元博路
創業年 2012年
資本金 100万円
社員数 3名
事業内容 浮体式洋上風車、潮流・海流発電、波力発電の開発。
関連する海洋技術のコンサルティング
サービス名 海洋再生可能エネルギーの技術開発
所在地 東京都中央区日本橋人形町二丁目12番5
代表者プロフィール 1996 東京大学工学系研究科 博士課程修了(船舶海洋工学)
1996-2019 大学教員( 鳥取大学、東京大学、Korea Advanced Institute of Technology (KAIST), 大阪大学)
2012年 合同会社アルバトロス・テクノロジー設立
現在、合同会社アルバトロス・テクノロジー代表社員、金沢工業大学客員教授
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ FAWT Floating Axis Wind Turbine アルバトロス・テクノロジー 浮体式垂直軸型風車 浮遊軸型風車 秋元博路 自然エネルギー
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