【特許庁】令和6年(2024年)能登半島地震の特別措置について

tips

2024年1月10日、特許庁は、令和6年能登半島地震により影響を受けた方に対し、手続の取り扱い等の特別な措置をまとめ公表しました。

手続の取扱いと手続相談窓口

特許、実用新案、意匠及び商標に関する出願等の手続について、所定の期間内に手続ができなくなった方に対しては特別な措置を用意しています。

「指定期間」
令和6年能登半島地震の影響により、特許庁長官、審判長、または審査官が発する通知や補正指令において指定された期間内に手続ができなくなった方については、申出により指定期間を徒過する場合でも原則として有効な手続となるよう対応します。

「法定期間」
手続すべき期間が法律、または政省令で定められている手続について、所定期間内にできなくなった方は、救済手続期間内に限り手続をすることができます。

また、これら手続きに関して不明点がある方向けに専用の相談窓口を特許庁内に開設しています、

審査・審判における取組

震災により被災された企業等の知財を活用した復興を支援するため、平成23年8月1日から「震災復興支援早期審査・早期審理」を実施しています。

「対象」
災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用される地域(ただし、東京都を除く)に住所、または居所を有する者であって、地震に起因した被害を受けた者を対象に、早期審査・早期審理の申し出を可能とします。

「対象となる出願・審判事件」
以下のア. またはイ. に該当する特許出願、意匠登録出願、商標登録出願またはそれらに係る拒絶査定不服審判事件が対象となります。

ア. 出願人・審判請求人の全部または一部が、特定被災地域に住所または居所を有する者であって、地震に起因した被害を受けた者による出願およびそれらに係る拒絶査定不服審判。
イ. 出願人・審判請求人が法人であり、当該法人の特定被災地域にある事業所等が地震に起因した被害を受けた場合であって、当該事業所等の事業に関連する以下の発明(ア)、意匠(イ)または商標(ウ)に係る出願およびそれらに係る拒絶査定不服審判。

(ア)当該事業所等の事業としてなされた発明または実施される発明
(イ)当該事業所等の事業として創作された意匠または実施される意匠
(ウ)当該事業所等の事業として使用される商標


知的財産権は企業にとって重要な経営資源となります。特許の取得は、企業が自社の製品や技術を確固とした形で保護し、模倣や侵害から防御する手段となります。さらに、知的財産権を戦略的に活用することで、企業は独占的な展開を果たし、これまでの研究開発や努力によって得られた成果を最大化し、適正な収益を得ることができるようになります。

特許庁の調査によれば、知的財産を所有する中小企業は、所有しない企業に比べて売上高営業利益率が高いことが示されています。これは、知的財産の戦略的な活用がビジネスの成功に直結し、企業の競争力を向上させる効果があることを示唆しています。

特許等の申請は非常に複雑な手続きであり、書類も多岐にわたり、不備がないよう適切に作成しなければなりません。

とはいえ、手続きの方式上の不備がある場合は、最初からやり直しになるのではなく、出願中であればその手続きの補正をすることができます。指定された期間内に最適な手続補正書を提出することで、手続きを継続することが可能です。

今回の特別措置は、こうした補正の手続きの期間について申し出を行い正当な理由であると認められた場合に手続き期間を救済するというものです。

知的財産権の活用のためには、スタートアップ・中小企業のビジネスのことを理解した専門家の支援を受けることが重要です。創業手帳は無料で専門家の紹介を行っているため、知財活用を考えている企業はこちらを活用できます。

また、起業家や専門家の生の声をもとに記事化した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」や、資金調達に特化した「資金調達手帳」も無料で送付しております。ぜひご活用ください。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ IP 令和6年能登半島地震 出願 商標 実用新案 意匠 支援 災害 特別措置 特許 特許庁 知的財産権 知財
詳細はこちら

令和6年(2024年)能登半島地震により影響を受けた方への特別な措置について

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

配信者支援サービス「ライドリ」を提供する「Blankr」が資金調達
2024年8月7日、株式会社Blankrは、資金調達を実施したことを発表しました。 累計調達額は1.5億円となります。 Blankrは、配信者支援サービス「ライドリ」を提供しています。 現在は、VTu…
社内IT環境構築支援サービス「シスクル シェアリング」を提供する「DXER」が1.4億円調達
2022年6月9日、DXER株式会社は、総額約1億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 DXERは、高い専門知識や知見を持つSaaSOpsな情シス人材をアドバイザリーに、社内IT環境…
オリジナルIPのVRゲーム開発などを手がける「MyDearest」が11.6億円調達
2023年11月7日、MyDearest株式会社は、総額約11億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 MyDearestは、オリジナルIPのVRゲームを中心に開発・パブリッシングを行…
【関東】令和6年度「中小企業等知的財産活動支援事業費補助金(中小企業知的財産支援事業)」公募
経済産業省関東経済産業局は、令和6年度「中小企業等知的財産活動支援事業費補助金(中小企業知的財産支援事業)」の公募について発表しました。 中小企業等への知的財産支援施策を拡充させる事業及び中小企業等に…
VTuber事業やメタバースマーケティング事業を展開する「Brave group」が3億円調達
2023年1月25日、株式会社Brave groupは、Animoca Brands株式会社から3億円の資金調達を実施し、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 Animoca Brands株…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集