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2023年5月10日虚血性脳卒中に対する神経保護薬などを開発する「CrestecBio」が資金調達

2023年5月9日、CrestecBio株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。
引受先は、株式会社Newsight Tech Angelsです。
CrestecBioは、筑波大学で研究開発されたレドックスナノ粒子(高分子ラジカル消去剤)を医薬品として開発するため、2021年12月に創業した筑波大学発ベンチャーです。
虚血性脳卒中に対する神経保護薬の開発を中心に、候補化合物と疾患パイプラインの拡大を進めています。
今回の資金調達により、Newsight Tech Angelsのメンバーが持つ創薬シーズの研究開発に関する専門性、海外を含めた事業開発の経験、ハンズオン支援を受け、創薬の研究開発をさらに進めていきます。
脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで発生する疾患のことです。国内では年間約29万人が発症し、そのうち約10万人が死亡しています。
脳卒中は国内で第3位の死因であり、世界では第2位の死因となっていることから、革新的な治療法が求められています。
近年、脳卒中の治療法として、t-PA療法や脳血管内治療(血栓回収療法)が急速に普及しています。
t-PA療法は、脳血管に詰まった血栓を溶かす薬により、詰まった血管を短時間のうちに再開通することで脳卒中から救う治療法です。一方で、発症後4.5時間以内に治療を開始する必要があるなど、早期発見・早期治療が課題となっています。
脳血管内治療(血栓回収療法)は、脳の主幹動脈(太い動脈)が詰まったことによる脳梗塞であると診断された患者に対し、血栓回収デバイスによって血栓を取り除き、脳の血流を再開させる治療です。t-PAと比べ、発症後8時間以内の患者が対象と、対象範囲が広がっていること、t-PAの太い血管が閉塞した場合には再開通率が低いという課題をクリアしているという優位性があり、近年標準的な治療となっています。
一方で、この治療法であっても、50%以上の患者は充分な効果を得られていないという課題があります。
その原因は、再開通後に生じる活性酸素種とフリーラジカルによる脳虚血再灌流障害であると考えられています。
CrestecBioが開発する神経保護薬は、活性酸素種を消去することで神経細胞を保護する薬であり、血栓回収療法の治療効果向上だけでなく、さまざまな病気や怪我への応用が期待されています。
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