元部下・元上司コンビで起業!? 定額制美容サービスアプリ「MEZON」で女性が輝く瞬間をつくる

創業手帳

株式会社Jocy 代表取締役 鈴木みずほインタビュー

mezon

(2018/07/19更新)

「自分自身が好きなもの」、「熱量を込めることができるもの」。
起業家がどんな事業を始めようかと考える上で、基準になる考え方の一つです。そんな考え方に正面から向き合って、「好き」で「熱量を込められる」サービスを始めた女性がいます。定額制美容サービスアプリ「MEZON」を始めた、株式会社Jocy 代表取締役の鈴木みずほさんです。

この株式会社Jocyですが、実は、前職であるサイバーエージェント時代の上司だった石黒 武士氏が副社長、部下だった鈴木さんが代表取締役という珍しい組み合わせ。

「お互い、違うタイプだから良いんです」と語る鈴木さん。気になる起業までの経緯とサービスに込めた想いについて、お話を伺いました。

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一人でも多くの女性に「今日の私、ステキかも」と思ってほしい

ー最初に、「MEZON」の概要について教えてください。

鈴木「MEZON」は、シャンプー・ブロー 、ヘアケア(トリートメント、ヘッドスパなど)に特化した美容室の月額定額アプリです。

「サロンを日常に美しさと自信を」をコンセプトに、日常生活の中でちょっと自信を足したい時や綺麗になりたい時に、気軽に美容室に立ち寄って欲しいという想いから、あえてカット、カラーなどの美容室のメインメニューは提供せず、シャンプー・ブロー、ヘアケアに特化しています。

現在、提携美容室は40ほどあります。全ての美容室に実際に足を運び、シャンプー・ブローの審査をし、MEZON独自の14項目の審査基準をクリアした、満足度の高い美容室のみと提携させて頂いています。

ビジネスの視点から見ると、審査制を設けるのは非効率な作業に見えるかもしれません。
ですが、実際に利用するユーザーが、どこの美容室に行っても満足して頂けることが、結果的なサービスの継続率に繋がると思っています。

サブスクリプション型(定額制)のビジネスは、サービスに加入していただいた時から、ユーザー一人ひとりとのお付き合いが始まります。美容室はもちろん、提供メニューに至るまで、ユーザーが満足頂けるかどうかを一番大事にしています。

ーただ美容に特化したサービスというわけでなく、厳しい審査を通過した美容室が行うサービスのみを提供しているんですね。

鈴木:そうですね。

私たちが提供しているのは「自信」です。

重要な商談の前や、大切な人と過ごす時間、女子会など、女性は最高の自分でいたい瞬間がたくさんあります。
そんな時に、気軽に美容室に立ち寄って、髪がキマることで自分自身を開花して欲しい。「今日の私、ステキかも。」と思って欲しい。美容室が1日のエネルギーをチャージする場所になって欲しい。

そんな想いで、「MEZON」を創りました。厳しい審査を通過した美容室と提携しているのも、同じ理由です。

ーこのビジネスを始めたきっかけは何ですか?

鈴木:私はもともとサイバーエージェントグループで働いていたのですが、その時、月に4回は美容室に行っていました。
髪を切ることはもちろんですが、絶対に決めたいプレゼンの前や、大事な会食の前、大切な人と過ごすデートの前に、シャンプー・ブローだけでも利用していたんです。

程よいシャンプーの香りとキマった髪型になると、何だか自然と自信が湧いてくるんです。「よし頑張れる」みたいな(笑)。すると不思議なことに、プレゼンや会食がうまくいくんです。

アメリカではブロー専門店などが流行っていて、日常的に美容室に行く文化があるのですが、日本では平均2ヶ月に1回、髪を切りに美容室に行くのが一般的です。
「日本でもこれがもっと身近になれば、女性が最高の自分でいたい瞬間に利用できる。女性がより美しくなって、輝けるんじゃないかな?」と思って、このビジネスを始めました。

ですが、言ってしまえば、自分が一番欲しいサービスを形にしました(笑)。

資本の知識が全くないままの起業

ー起業する際に、一番大変だったことはなんでしたか?また、それはどうやって乗り越えていきましたか?

鈴木:資本政策ですね。投資を受ける際の適切な条件がわからず、苦労をしました。

とても恥ずかしいお話なのですが、起業直後まで、資本政策の知識が全くありませんでした。
設立当初、とある方から投資してくださるというお話があったのですが、今思えば起業家側には不利な条件でした。ですが、無知がゆえに不利な条件であることに気付かず、締結直前まで話が進んでいました。

その時、たまたま出会った税理士さんが相談に乗ってくれ、その方からの投資を断り、資本政策を見直すことにしました。それから本を買い、猛勉強したのですが・・・完全に勉強し始めるのが遅いですね(笑)。
その後も、わからないことは起業の先輩方にアドバイスを頂きながら、資本政策を見直しました。

困った時や、重大な判断をする前には、必ず手助けしてくれる方の出会いがありました。本当に人の出会いに恵まれていたと思います。心から感謝をしています。

元上司・元部下の「最強タッグ」

副社長の石黒 武士氏
ー鈴木さんと石黒さんという2名で起業されたと伺いました。伺った話によると、性格やタイプが全然違うそうですね。

鈴木:そうなんですよ。
たまに「どんなチームですか?」と聞かれる時があるのですが、私は「左脳・クリエイティブ派」、石黒は「右脳・人たらし派」と説明しています(笑)。

ですが、その違いがとても良いと思います。
私は直感的アイデアの閃きはあるのですが、閃いたアイデアを数値化しないと気が済まないリアリティタイプです。石黒は人たらしと言える程コミュニケーション能力が高く、アイデアを形にしてくれます。

サイバーエージェントグループの時は、石黒が約5年間ずっと私の上司だったので、誰よりもお互いの強み・弱みをわかっています。
だからこそ、お互いが補完しないといけないことが、手に取るようにわかるんです。

起業後は、よく周囲の方に「最強タッグだね」と言われることがあります。先日初めて出資を受けたのですが、このコンビ力の高さを評価してくれているんだと思います。

ーちなみに、石黒さんをどうやって説得したのですか?

鈴木:実は、説得したわけではないんです。

もともと2人で起業することはずっと前から決めていて、石黒が社長で、私が右腕として起業する予定でした。
「何で起業しようか?」と具体的に話し合い始めた頃、この美容定額サービスをどうしてもやりたくて、その想いを石黒にプレゼンしました。

すると、石黒が「お前がそんな想いを持っているなら、このビジネスをやろう。想いのあるやつが、社長をやれ」と言ってくれました。
もともと社長になりたいと思っていた石黒が、美容なんて全く興味がないにも関わらず(笑)。

石黒は家庭があり、家のローンや子供もいるなかで、私の想いに人生を賭けることは、並大抵のことじゃないと思います。それでも賭けてくれたことに心の底から感謝をしていますし、恩返しをしたいですね。

起業で大変だったことは「何もない」

ーサービスの手ごたえはいかがでしょう?

鈴木:手応えは感じています。
「MEZON」は、今までにない「シャンプー・ブローやヘアケアだけで美容室に通う」という、新たな文化を創っていく必要があります。新しい文化を根付かせるには、通常2〜3年かかると言われていますが、私はそんなことは無いと思っています。

サービスの説明ではなく、「MEZON」を利用して頂くことで、どういう風に日常が変わるのか、どんな生活が送れるのか、ということを丁寧に伝えていくことを意識しています。

実際にサービスを利用してくださっているユーザーの声を聞くと、MEZONを利用してから、「髪を自分で洗う生活が終わって、こんなにも楽だとは思わなかった」、「美容室に毎日に通えることで、毎日の生活がとっても輝くんです」と、実際に生活が変化しているのです。

この変化の魅力を伝えていくことで、私はもっと早く、新しい文化を創れると思っています。

ー起業することで大変だったこと、嬉しかったことは何ですか?

鈴木正直に言うと、大変だと感じたことがないんです。
もちろん、起業後は365日仕事をしていて、時間的には働いているのですが、楽しすぎて仕事をしている感覚がないんですよ(笑)。
だから周囲から見れば大変なことも、当の本人は、あまり大変だと感じていなくて、むしろ困難さえも楽しんでいるのかもしれません。

逆に、嬉しかったことは沢山ありますよ。
でも、一番を選ぶとしたら、やっぱり利用してくれるユーザーの声ですね。
私たちはユーザーの問い合わせ対応を、LINEで日々やり取りさせて頂いているのですが、

「今日もMEZONを使って、綺麗になれて嬉しいです」
「大事な仕事が上手くいきました」

など、ユーザーがLINEにメッセージをくれるんです。
その時が最高に幸せです。このサービスをやって良かったと心から思う瞬間です。

大きな転機となった創業コンサルティング

ーそういえば、創業手帳の無料コンサルティングを受けてくださったと伺いました。コンサルティングを受けた感想はいかがですか?

鈴木:起業家の皆さんは、一度は必ず受けた方が良いと思います。お世辞抜きで。創業手帳Webに掲載されるから言っているわけではありませんよ(笑)。

私はサービスを始めた後に資金調達を検討していたのですが、その頃、創業手帳の大久保社長に、VC・エンジェル投資家をご紹介して欲しいと相談をしました。

1時間のコンサルティングで、私たちの事業特徴を的確に捉え、相性が良さそうな投資家の方をご紹介頂きました。その結果、ご紹介いただいたすべての投資家の方から投資オファーを頂きました。

大久保社長が数え切れない程の起業家・投資家を見てこられた経験があるからこそ、起業家と投資家の最適なマッチングが出来るのだと思います。
大久保社長をはじめ創業手帳の皆さんがお力添えを頂けたからこそ、今こうやってビジネスが出来ているので、心から感謝をしています。

創業手帳の無料コンサルティングについての詳細はこちらから

成功への第一歩は「好き」で「熱量を込められる」もので起業すること

ー今後の目標は?

鈴木:「Create My Life,Bet My Life」

株式会社Jocyのコーポレートスローガンです。
子供の頃のように、固定概念や常識に捉われず、幾つになっても「自分の生き方を自分でつくる世界」になって欲しい。そして大人だからこそ、目指す自分の人生に全力で賭けてみる。
1人でも多くの女性が、そんな人生を歩めるような世界を創りたくて、起業しました。

もちろん、直近は「MEZON」を使って頂くユーザーに「MEZONが私の生活にあって良かった」と思えるように、サービス満足度を上げていくこと。そして、シャンプー・ブローやヘアケアだけで気軽に美容室に通うという文化を日本に根付かせ、より多くの女性に自信と美しさを提供したいと考えています。

ただ、「MEZON」は第一弾にしか過ぎません。
「Create My Life,Bet My Life」を実現する為に、次の新たな挑戦もしたいと思っています。

ーそれでは、最後に起業家へ向けてメッセージをお願いします。

鈴木これから起業家を考えている方に、一つだけお伝えしたいことがあります。それは、「自分が一生を賭けてもいいと思える好きなこと、熱量を込められることで、起業することが、成功への第一歩であること」ということです。

当たり前ですが、起業後は、365日24時間が仕事になります。その時に、お金儲けで選んだ事業や、海外で今流行っているサービスだから、という理由で選んだ事業で起業した場合、よっぽど心が強い人でない限り、途中で心が折れてしまうと思います。そして何より、一緒にビジョンを達成しようとしてくれる仲間がついてこないと思います。

「好き」もしくは「熱量を込められる」事業をやることで、仲間もついてきてくれるし、自然と人も力を貸してくれるので、結果うまく行くと思います。

(取材協力:株式会社Jocy/鈴木みずほ
(編集:創業手帳編集部)

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