注目のスタートアップ

循環に欠かせない回収・選別・再流通の仕組みの構築・データ化・トレーサビリティをワンストップで提供する「ECOMMIT」が「日本郵政キャピタル」から資金調達

company

2023年4月17日、株式会社ECOMMITは、資金調達を実施したことを発表しました。

ECOMMITは、循環型社会の実現に必要となる回収・選別・再流通の仕組みの構築・データ化・トレーサビリティをワンストップで提供しています。

また、伊藤忠商事と協働による繊維製品の回収サービス「Wear to Fashion」や、全国各地の30を超える市町や広域処理組合と連携したクリーンセンターなどでの回収実証実験を展開しています。

今回の提携により、ECOMMITの回収・選別技術やリユース品として循環させるノウハウと、日本郵政グループの郵便局ネットワーク・物流網をかけ合わせ、地域の社会インフラである郵便局を各地域住民の不要品回収のハブにした循環型モデルの形成を目指します。


リサイクルには主に、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して発電などに利用する「サーマルリサイクル」、廃棄物を新たな製品の原料として再利用する「マテリアルリサイクル」、廃棄物を化学合成により他の物質に変え、それを原料として新たな製品をつくる「ケミカルリサイクル」の3つの手法があります。

国内では、捨てられるプラスチックのうち全体の58%がサーマルリサイクルによって処理されています。

一方、このサーマルリサイクルは廃棄物の有効利用ではあるものの、二度と再利用できなくなってしまうことや、CO2を排出してしまうことなどの課題を抱えています。こういった理由により欧米ではサーマルリサイクルはリサイクルとしては認識されていません。

しかしプラスチックは現代社会にとって必要不可欠な素材となっているため、プラスチックを完全に利用しないということは困難です。そのため環境対策や資源枯渇の問題を解決するため、循環型社会や循環型経済(サーキュラーエコノミー)を確立する必要があります。

マテリアルリサイクルやケミカルリサイクルはサーマルリサイクルよりも優れた廃棄物の有効利用方法であり、循環型社会の実現のために必要な技術です。しかしこれらのリサイクルを実施するには、まずは廃棄物の分別・選別をする必要があります。

国内では廃棄物の分別・選別の取り組みが進んでおらず、体制が構築されていません。そのためマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルを実施できないという課題を抱えています。

ECOMMITは、この課題を解決するため、回収・選別・再流通の仕組みの構築・データ化・トレーサビリティをワンストップで提供しています。

全国に強固な物流網を構築する日本郵政グループとの提携は、不用品回収の仕組みをさらに強化するものになると考えられます。

SDGs(持続可能な開発目標)は人類として長期的に取り組んでいかなくてはならないことですが、これはビジネスチャンスでもあります。もちろん社会課題を解決しなくてはならないのでハードルは高いのですが、その分資金の援助が受けやすいという面もあります。「冊子版創業手帳」では、さまざまな起業家のインタビューを掲載しています。先人の思考を知ることは、新たなビジネスの創造・成長にとって役に立つでしょう。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ ecommit サーキュラーエコノミー データ トレーサビリティ リサイクル リユース ワンストップ 再流通 回収 循環 循環型社会 日本郵政キャピタル 株式会社 資金調達 選別
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

習慣化プラットフォーム「Smart Habit」を開発・運営する「WizWe」が資金調達
2023年7月7日、株式会社WizWeは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、明治安田未来共創投資事業有限責任組合(明治安田未来共創ファンド)です。 WizWeは、習慣化プラットフォーム…
病院や医師向けのAI関連医療機器を開発する「アイリス」が資金調達
2022年6月29日、アイリス株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。これにより累計調達額が約40億円に達しています。 アイリスは、病院や医師向けのAI関連医療機器を開発しています。 202…
精密積層造形メーカーの「BMF」が2,400万ドル調達
2023年8月18日、BMF Japan株式会社は、米・Boston Micro Fabrication(BMF)が、2,400万ドル(約35億円)の資金調達を行ったことを発表しました。 BMFは、2…
ハードウェア開発のデータ一元管理クラウドサービス「PRISM」開発の「Things」が資金調達
2021年12月3日、株式会社Thingsは、資金調達を実施したことを発表しました。 ハードウェア開発のデータ一元管理クラウドサービス「PRISM」を開発しています。 図面・CAD・回路図・部品表・変…
AIによるプロファイリング技術の「AIQ」が2億円調達
AIQ株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 人工知能(AI)によるプロファイリング技術をもとに、“企業と個人の新しい繋がりを創るプラットフォーム”を提供しています。 効率的…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集