注目のスタートアップ

眼鏡型ARデバイス向けディスプレイシステムや高精度空間認識ソフトウェア開発の「Cellid」が5億円調達

company

2021年11月11日、Cellid株式会社は、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。

汎用単眼カメラで動作する空間認識アルゴリズム「Cellid SLAM」の提供や、「Cellid SLAM」を活用した作業者の3次元位置情報を可視化する「Position Finder」と3Dモデル上にデジタル情報を付与することができる「AR Tag」の実用化に向けた技術検証、眼鏡型ARデバイス向けのディスプレイモジュール「Cellid Waveguide 60」の開発・販売を行っています。

2022年1月には「Cellid Waveguide 60」を内蔵した眼鏡型モックアップのテクノロジー見本市「CES」への出展を予定しています。

2022年には、ディスプレイモジュールの量産化へと開発フェーズを移行する予定です。

今回の資金は、ディスプレイモジュール研究開発の強化や、本格的なマーケティング活動の開始、量産開始に向けた組織体制と開発体制のさらなる強化に充当されます。

スマートフォンやタブレットといったモバイル機器の普及率は高い水準に達しており、成熟期に突入したとみられています。

次世代のデバイスとして期待されているのが、スマートウォッチやスマートグラスなどのウェアラブルデバイスです。

特にスマートグラスはAR技術を用いたものとして主流なデバイスとなると考えられています。

スマートグラスは眼鏡型のデバイスに様々な機能を搭載したウェアラブルデバイスを指します。

もっとも代表的な機能は、レンズ部分や網膜などに情報を表示するディスプレイ機能です。

スマートグラスの小型化のためには、この光学的な領域であるディスプレイ機能の小型化と高性能化を両立しなくてはならないため、非常に技術的な難度が高いとされています。

現状、光学デバイスの方式には、グーグルグラスなどが採用するプリズムを使って像を結ぶ「プリズム」方式、多くのスマートグラスが採用するハーフミラーを使って映像を映す「バードバス」方式、レンズの中で光線を屈折させて画像を映す「ウェイブガイド」方式があります。

Cellidは2016年設立という若いベンチャー企業でありながら、ウェイブガイド方式という高度な技術により、市販されているARグラスをはるかに上回る60度という視野角と小型化を実現しています。

スマートグラスは一般消費者に普及するまではまだ時間がかかると思いますが、製造業や医療などではすでに活用されており、その効果が実証されています。

CellidはARの領域において高い技術力を誇っており、今後どのように市場を拡大していくのか注目が必要です。

研究開発を伴うビジネスには多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AR Cellid Cellid SLAM ウェアラブル ウェアラブル・デバイス スマート・グラス ディスプレイ デバイス 位置情報 情報 株式会社 空間 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
合同会社と株式会社の違いサムネイル
合同会社とは?株式会社との違い、メリット・デメリットをわかりやすく比較
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

メンタルヘルスケアアプリ「emol」が千葉県市原市で実証実験を実施
2021年7月5日、emol株式会社は、早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科 大月研究室と、デジタルセルフケアプログラムの共同開発を行い、千葉県市原市の協力により心理介入実験を行ったことを発表し…
360度評価支援クラウド「スマレビfor 360°」など提供の「シーベース」が4.14億円調達
2022年9月28日、株式会社シーベースは、総額4億1,400万円の資金調達を実施したことを発表しました。 シーベースは、360度フィードバック(多面評価)の支援に特化したクラウド型サーベイシステム「…
ローカル・コミュニティやコワーキング・スペース運営の「ATOMica」が1.8億円調達
2020年3月26日、株式会社ATOMicaは、総額約1億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 株式会社ビットキーと株式会社ディーサイングループのジョイント・ベンチャーとして2019…
老舗料亭「仕出し割烹しげよし」運営の「寿美家和久」が資金調達
2022年6月20日、株式会社寿美家和久は、資金調達を実施したことを発表しました。 寿美家和久は、明治10年創業の料亭「仕出し割烹しげよし」の運営や、「仕出し割烹しげよし」フランチャイズ事業、料理宅配…
飲食店向け店内モバイルオーダーやAI自動受付などにより飲食店のDXを推進する「トレタ」が20.3億円調達
2022年2月16日、株式会社トレタは、総額20億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」、自社サイト向けテイクアウト受付ツール「トレタ テイ…

大久保の視点

日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集