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登山・アウトドア向けアプリなどを手がける「ヤマップ」が20.4億円調達 損害保険会社を設立

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2024年5月28日、株式会社ヤマップは、総額20億4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

ヤマップは、登山地図アプリ「YAMAP」や、登山・アウトドアのセレクトオンラインストア「YAMAP STORE」、登山・アウトドアのWebマガジン「YAMAP MAGAZINE」、ガイドと登山者をつなぐ山旅のプラットフォーム「YAMAP TRAVEL」、自然特化型クラウンドファンディング「YAMAP FUNDING」、山・自然を活用したコンテンツ開発・コンサルティング・プロモーションなどの事業を展開しています。

「YAMAP」アプリは、事前に登山地図をダウンロードすることで、電波の届かない山でも地図を利用できるスマートフォン向け登山地図アプリです。

地図機能以外に、山の情報検索、登山計画作成、天気予報、登山中の位置情報を家族などに通知する機能、活動日記など、登山を便利に楽しくする機能を搭載しています。

今回の資金調達により、ヤマップ100%出資のグループ会社となる株式会社ヤマップネイチャランス損害保険を設立しました。ネイチャランス損保はアウトドア保険を提供し、ヤマップは代理店として損害保険を5月28日から販売開始します。

日常のケガからアウトドア活動中の遭難救助費用までを幅広く補償し、万が一の場合には目撃情報収集サービスが付帯された「外あそびレジャー保険」と、家財とアウトドア道具を補償する「アウトドア家財保険」を提供します。

また、今後プラットフォームに蓄積されている行動データを活用し、リスクにもとづき保険料が変動するダイナミックプライシング型「テレマティクス保険」を2024年夏頃の提供を目指して開発します。

さらに、今後蓄積される遭難事故データをもとに、アウトドア活動における事故を減少・抑制する保険商品の提供を目指します。


日本列島の地形は起伏に富み、火山地・丘陵を含む山地の面積は国土の約75%を占めています。

そのため登山に適した山も多く、初心者から上級者が適切なものを選べるほど種類・難易度も豊富となっています。

日本の登山人口はおよそ700万人前後といわれており、年齢層では60歳以上がもっとも多くなっています。

このように登山は高齢者にも浸透しているアウトドア活動なのですが、事故のリスクが高いという課題もあります。

警察庁「令和4年における山岳遭難の概況」によれば、2022年の山岳遭難は約3,000件発生しており、遭難者は約3,500名となっています。そして死者・行方不明者は327名、負傷者は約1,300名となっています。

目的別では登山(ハイキング、スキー登山、沢登り、岩登り含む)が77.8%ともっとも多い結果となっています。原因としては道迷いが36.5%ともっとも多く、次いで転倒が17.2%、滑落が16.5%となっています。

そして年齢層別では40歳以上が全体の78.4%を占め、60歳以上が全体の50.7%と実に半分を占めているという結果になっています。

また、この山岳遭難発生数は、コロナ禍を除けば増加傾向にあり、2022年は統計上過去最多の数となっています。

このように登山における事故が増加しており、高齢者の割合が高いという課題は改善する必要があります。

ヤマップは電波の入らない場所でも地図を利用できる山岳地図アプリ「YAMAP」の提供を通じ、安全で楽しい登山に貢献しています。

そして今回、グループ会社として損害保険会社を設立し、より安全な登山の実現に向け、保険サービスを展開していくとしています。

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