創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2023年3月30日「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」

日本商工会議所と東京商工会議所は、「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」を実施し、その集計結果を発表しました。
この調査は、物価、エネルギー価格などが高騰するなか、賃上げの状況、最低賃金の影響や改定への考えなどについて、中小企業の実態を把握し、今後の要望活動に活かしていくために実施したものです。
調査結果のポイント
【人手不足の状況および対応】
・「人手不足」と回答した企業は64.3%(昨年比3.6ポイント増)
・業種別では「建設業」(78.2%)がもっとも高く、「情報通信・情報サービス業」「運輸業」「介護・看護業」「宿泊・飲食業」で7割超
・働く人にとって魅力ある企業・職場となるために実施・検討している取り組みは、「賃上げの実施、募集賃金の引上げ」(66.3%)が最多
【2023年度の賃上げ】
・「賃上げを実施予定」と回答した企業は6割近く(58.2%、昨年+12.4ポイント)
・業績改善を伴わない「防衛的な賃上げ」は6割強(62.2%、昨年▲7.2ポイント)
・賃上げ率については、近年の中小企業賃上げ率(2%弱)を上回る「2%以上」とする企業は58.6%、足下の消費者物価上昇率を概ねカバーする「4%以上」とする企業は18.7%。
【最低賃金引上げ】
・2022年10月の最低賃金引上げ(全国加重平均31円)を受け、「最低賃金を下回り、賃金を引上げた」企業(直接的な影響を受けた企業)は38.8%
・2023年度の最低賃金額の改定について、最低賃金を「引上げるべき」と回答した企業は42.4%となり、「引下げるべき」「現状の金額を維持すべき」との回答(計33.7%)を上回る。
【人材育成・研修】
・人材育成・研修を今後「強化・拡充する」企業は約半数(50.2%)
・「外部研修へ従業員を派遣する費用の支援」(48.9%)や「社内研修の実施に係る講師費用等の支援」(45.1%)など、費用面での支援を求める声が多い
調査概要
(1)調査地域:全国47都道府県
(2)調査対象:中小企業・6,013社
(3)調査期間:2023年2月1日~28日
(4)調査方法:各地商工会議所職員による調査(訪問、メールなど)
(5)回収商工会議所数:404商工会議所
(6)回答企業数:3,308社(回答率:55.0%)
物価の高騰や人手不足の深刻化により、企業では賃上げが必要となってきています。
とくにコロナ禍によって大きな打撃を受けた業界はより深刻な人手不足に直面しており、人材を確保するための賃上げが必要です。
今回の調査で人手不足にあると回答した割合が多い業界は、建設業、IT業、運輸業、介護・看護業、宿泊・飲食業であり、世間的に人手不足が深刻があると認識されている業界と一致しています。
またこうした業界では賃上げが人材確保のために重要な取り組みであると認識されているほか、人材育成・研修についても積極的な企業が見られます。
一方で、中小企業は原材料価格高騰・エネルギー価格高騰などの影響を受けており、資金的な余裕がない企業も存在しています。そのためこうした企業を重点的に支援できるような仕組みも求められています。
賃上げを行う企業は賃上げ税制などを活用することも重要です。創業手帳は無料で専門家の紹介を行っているため、税理士を必要とする企業はこちらを活用できます。また、起業家や専門家の生の声をもとに記事化した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」も無料で発行しております。ぜひご活用ください。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | トレンド |
---|---|
関連タグ | アンケート 中小企業 最低賃金 最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査 調査 賃上げ 賃金 雇用 |
トレンドの創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
株式会社日本政策金融公庫は「全国中小企業動向調査結果」(2023年7-9月期実績、10-12月期以降見通し)を発表しました。 中小企業(原則従業員20人以上)の業況判断DI(業況が「良い」と回答した企…
政府は、最低賃金の3%引き上げのため、企業の負担軽減策を講じます。 例年、最低賃金は10月に切り替わるため、「雇用調整助成金」の要件を10月から緩和し、12月までの激変緩和措置として一時的に負担を肩代…
日本商工会議所と東京商工会議所は、「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」を実施、集計結果を公表した。 この調査は、全国200商工会議所の会員企業を対象に行ったものです。 大企業のみならず中小企業…
特許庁補助金「中小企業等海外展開支援事業費補助金(令和6年度 海外権利化支援事業)」のご案内です。 海外への事業展開等を計画している中小企業等に対して、海外における発明、実用新案、意匠または商標の権利…
2022年8月4日、株式会社ミツモアは、総額23億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、「MeetsOne」を正式発表したことも併せて発表しました。 「MeetsOne」は、フィールドサー…
大久保の視点
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…