注目のスタートアップ

事業用EVに特化した充放電システムを開発する「Yanekara」が1.6億円調達

company

2022年11月24日、株式会社Yanekaraは、総額1億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Yanekaraは、Yanekaraの提供するすべてのプロダクトを管理・制御する群制御クラウド「YanePort」、1基で複数台のEVを太陽光で充電できるスマート充放電器「YaneBox」、EV普通充電器をスマート充電器にする「YaneCube」を開発しています。

これら独自のハードウェア・クラウドソフトウェアにより、地域に普及している太陽光発電とEVを一体として制御し、EVの蓄電能力を活用することで、拠点・地域の再エネ自給率・災害レジリエンスを向上させることを目指しています。

日本郵便株式会社との協業では、「YaneCube」を活用し集配用EV車両の充電タイミングをコントロールすることで、郵便局全体における使用電力のピークを抑制する実証実験を行いました。この実証実験により電気代削減効果を実証しています。

また、北九州市との協業では、「YaneBox」を北九州市エコタウンセンターに設置し、公用車EV2~3台の充放電を管理する実証実験を実施しています。これは、複数EVを太陽光で直流充電する機能や、電力市場価格に連動した充放電タイミングの制御機能の実証を目的としています。

今回の資金は、さらなる「YaneBox」の実証実験の拡大、「YaneCube」の量産準備、人材採用などに充当します。

EUは、2035年以降、ハイブリッド車を含むガソリン車の新車販売を事実上禁止にするという方針を明らかにしています。これにより、販売できるのは電気自動車(EV)もしくは燃料電池車(FCV)のみとなります。

こうしたEVシフトの流れを受け、国内では政府が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」によりEV戦略について具体的な数値を示しています。

この戦略では、乗用車は2035年までに新車販売で電動車100%に、商用車は、小型車両は新車販売で2030年までに電動車を20%~30%、2040年までに電動車・脱炭素燃料車を100%にすることを目指しています。

商用車のEVシフトは、企業の脱炭素化の取り組みとしても注目が高まっており、大手物流会社ではすでに車両をEVへと転換している事例を確認できます。

企業におけるEVシフトはまだはじまったばかりの取り組みであり、実運用にあたっていくつかの課題が生まれています。

たとえば、複数のEVを導入する事業所では、EVの充電タイミングが重なることで電気の基本料金があがってしまうという課題があります。

この課題を解決するには、充電を自動で制御する充電器が必要となります。

「YaneCube」は、普通充電コンセントの後付けで設置することで、自動でクラウドによる充電制御を可能にします。

さらに、太陽光パネルからの電力供給は電力系統を経由するため、停電時には太陽光パネルがあってもEVを充電できないという課題がありますが、「YaneCube」はこの課題も解決します。

またEVに搭載されている蓄電池は非常時の電源としての活用も期待されており、蓄電池として効率的に利用できるようにするシステムのニーズも高まっています。

企業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、融資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EV V2X YaneBox YaneCube Yanekara YanePort エネルギー 再生可能エネルギー 分散型電源 制御 太陽光発電 株式会社 群制御クラウド 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

投資運用サービス開発の「sustenキャピタル・マネジメント」が総額8,000万円調達
2020年1月8日、株式会社sustenキャピタル・マネジメントは、総額8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 2020年内に、投資運用サービスの創出を目指しています。 高品質の分散投…
バーチャルプラットフォーム「Oasis」を運営する「エクステンシブル」が「フロンティアコンサルティング」と資本業務提携
2023年1月27日、株式会社エクステンシブルは、株式会社フロンティアコンサルティングと資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 エクステンシブルは、バーチャルプラットフォーム「Oasis」を運…
量子アニーリング研究開発ソリューション提供の「シグマアイ」が4億円調達
2019年12月3日、株式会社シグマアイは、総額約4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 B2B向けに、量子アニーリング・マシンを活用した総合ソリューションを提供しています。 具体的には、量子…
がんなどの病変を光らせて特定化する蛍光診断薬(ナビゲーションドラッグ)を開発する「五稜化薬」が2.8億円調達
2023年7月31日、五稜化薬株式会社は、総額2億8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 五稜化薬は、乳がんの体外診断薬(GCP-006)をリード製品として、食道がんなど複数のナビゲー…
企業分析SaaSを開発・運営する「バフェットコード」が資金調達
2024年3月19日、バフェットコード株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 バフェットコードは、企業分析SaaS「バフェット・コード」を開発・運営しています。 上場企業データベースのエン…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】