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かかりつけオンライン薬局「YOJO」を運営する「PharmaX」が5億円調達

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2022年9月13日、PharmaX株式会社は、総額約5億円の資金調達を実施したことを発表しました。

PharmaXは、LINEから利用できるかかりつけオンライン薬局「YOJO」を運営しています。

「YOJO」は、LINEから無料で薬剤師に気軽に相談でき、体質に合わせた漢方薬を処方してもらえるサービスです。

また、医療機関での受診時にオンライン薬局の利用を伝えることで、LINEで薬剤師からオンラインで服薬指導を受けられ、薬が自宅に配送されてくる、オンライン完結の調剤薬局サービスも提供しています。

PharmaXは、今後薬剤師の在宅勤務(リモート薬剤師)が可能になる法改正を見据え、かかりつけオンライン薬局を実現するためのオペレーションシステム(薬局OS)を開発しています。

医療機関で受診後にスマホから服薬指導を受けられ、最短即時の薬の配送が可能な体制を構築しています。

また、薬剤師が患者に寄り添いつつ、定期的に服薬状況や、飲み合わせ、副作用などのフォローを行うことで、患者にかかりつけ薬局としての体験を提供しています。

引受先の一社であるKDDIとは業務提携を本格的に検討開始し、オンライン薬局を中心としたなめらかな医療体験の実現を目指します。

今回の資金は、薬局OSの開発加速、自社薬局「YOJO薬局四谷店」の利用者拡大に充当します。

オンライン服薬指導とは、スマートフォンやPCなどを利用してオンラインで行う服薬指導のことです。

コロナ禍によりオンライン服薬指導の法整備が進み、さらに2022年度の診療報酬改定により大幅にルールが緩和され、多くの人がオンライン診療・オンライン服薬指導を利用できるようになっています。

オンライン診療・オンライン服薬指導が普及すれば、患者は完全に在宅のまま、オンライン診療から、処方薬の受け取りとその服薬指導を受けることが可能になります。

利便性が高いため、今後さらに普及することが見込まれています。

また、近年調剤薬局はかかりつけ薬局への転換が求められています。

これまでの医薬分業は形式的なものにすぎず、調剤薬局は病院の近くに店舗を構え、薬剤の調製といった対物中心の業務を行うだけで事業が成り立っていました。

本来の医薬分業は、医者は医学的知見から、薬剤師は薬学的知見から患者をサポートすることを目的としています。

高齢化の進展もあり、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築の実現が急務となっている現在では、薬剤師・調剤薬局も医療・介護・予防の一翼を担う「かかりつけ薬局」となり、医療において適切な役割を果たしていくことが求められています。

こうした環境の変化もあり、患者ごとに最適な対応ができるようにするCRM(顧客関係管理)などが、調剤薬局向けに提供されはじめています。

PharmaX株式会社のコメント

このニュースを受けまして、PharmaX株式会社よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

近年の規制緩和に伴い薬局DX推進が一気に加速し、かかりつけオンライン薬局のニーズが高まっています。

この動向を踏まえて、薬局OSの開発加速及び自社薬局の利用者拡大を目的として資金調達を実施しました。

・今後の展望を教えてください。

当社のミッションは「世界で最も患者・生活者のことを主体に考えたヘルスケア体験を創造する(Design the world’s most people-centered healthcare experience)」です。

具体的なビジョンについては幅広く検討を重ねていく中で、「患者のUX向上と薬剤師の働き方の改善を両方を創出することでなめらかで個別最適された医療体験を実現する」という立ち位置が明確になってきたため、社名を株式会社YOJO TechnologiesからPharmaX株式会社へと変更いたしました。

まずは自社薬局で培った自前のオペレーションシステムをもとに次世代型かかりつけオンライン薬局を広めていくことで、薬局領域に特化したDXを推進していきます。

そして患者さまに最も満足していただけるオンライン薬局モデルの確立に向けて邁進していきます。

・読者へのメッセージをお願いします。

最も患者満足度の高い医療体験を創るべく、様々な仲間やパートナー様と共創できればと考えております。少しでもご興味頂けましたら、ぜひお問い合わせください!

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