注目のスタートアップ

賞味期限間近の商品などをお得に販売するECサイト「Kuradashi」を運営する「クラダシ」が6.5億円調達

company

2022年7月6日、株式会社クラダシは、総額6億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

クラダシは、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営しています。

賞味期限間近の商品、規格外やキズ・印字ミスなどの理由で廃棄となる商品、終売品やメーカーなどに返品された商品を最大97%オフで販売し、売上の一部を社会貢献活動団体に寄付する社会貢献型ショッピングサイトです。

今回の資金は、「Kuradashi」のブランドリニューアルや、アプリ版のリリースといったプロダクト開発、マス向け広告展開などのマーケティング活動の強化に充当します。

食べられるのにかかわらず何らかの理由で捨てられてしまう食品のことを食品ロスと呼びます。

環境省の発表によると、2020年度の食品ロスの量は約522万トンと推計されています。うち事業系の食品ロスは275万トンで、前年から34万トン減少しています。

食品ロスは2015年あたりから減少が続いており、企業・消費者ともに食品ロスの削減に取り組んでいることがわかります。

事業系の食品ロスが発生する理由としては、賞味期限の3分の1が過ぎるまでに小売店に納品しなければならない3分の1ルールや、消費者の過度な鮮度志向などが挙げられています。

近年はこの食品ロス削減のため、賞味期限を日単位ではなく月単位にする取り組みや、賞味期限が近いなどの訳あり商品を一括で仕入れ安価に販売する業態も目立つようになってきました。

「Kuradashi」は、さまざまな理由で通常の流通ルートでの販売が困難となった商品を協賛価格で買い取り、安価に販売するECサイトです。

ディスカウント販売はブランドイメージの毀損につながるため、こういった事業者への販売を積極的には行わない企業も存在していました。

このブランドイメージの毀損を防ぐため、「Kuradashi」は、食品ロス削減を掲げ、さらに売上の一部を社会貢献活動団体に寄付することで、SDGsに取り組む企業として認知拡大・ブランド価値向上につなげています。

株式会社クラダシのコメント

このニュースを受けまして、株式会社クラダシよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

資金調達した背景としまして、ブランドパーパスの策定とも紐づきますが、フードロス削減に関して待ったなしという社会風潮もあり、このタイミングで資金調達をいたしました。

※ブランドパーパス策定についてはこちら
フードロスの問題は自然環境への影響にも関わるなど、身近で重要な社会課題の一つとしてますます関心が高まっている一方で、「2030年までにフードロス半減」を目指すには、さらに多くの方々とともにこの問題に取り組む必要があります。
しかし、関心はありながらも、社会貢献は堅苦しくてハードルの高いものと感じている方もまだまだ多い現状があります。
クラダシは、より多くの方に気軽に楽しくトクしながら、社会貢献やフードロスの解決に取り組んでいただきたいと、新たに「楽しいお買い物で、みんなトクするソーシャルグッドマーケットを創る。」というブランドパーパスを策定いたしました。
https://corp.kuradashi.jp/news/22-07-06-2/

・今後の展望を教えてください。

「Kuradashi」のサービス拡充や利便性向上を目指し、8月中にアプリのリリースを予定しております。また、2023年12月までに利用者数50万人を目指します。

今後もクラダシは、ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を通じて、楽しみながら気軽にフードロス削減・社会貢献ができる仕組み作りを進めるとともに、ソーシャルグッドな世界の実現に向けて邁進してまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

国内消費食料の約6割を輸入しているにもかかわらず、世界有数のフードロス大国である日本。フードロスから排出される温室効果ガスの量は実に8%強にも至ります。

地球温暖化による気候変動は、熱波、洪水、干ばつ、水不足など陸上や海の生態系への影響を及ぼしています。

更に、新型コロナの影響、長引くウクライナ問題などによりフードサプライチェーンが寸断され、フードシステムが極めて不安定な時代に突入しています。

「2030年までにフードロス半減」を目指すには、さらに多くの方々とともにこの問題に取り組む必要があります。

社会貢献は堅苦しくてハードルの高いものと感じている方もまだまだ多い現状がありますが、ぜひ「Kuradashi」を通じて、気軽に・楽しく・おトクにフードロス削減を行っていただければ幸いです。

食品ロス削減など、SDGs周りには多くのビジネスが眠っています。消費者の意識の変化も激しいため、市場を分析することの重要性はさらに高まっています。「冊子版創業手帳」では、自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を分析するフレームワークを掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ EC Kuradashi クラダシ ディスカウント フードロス 株式会社 販売 資金調達 食品ロス
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

小型SAR衛星の開発・衛星データの販売・データ解析によるソリューションの提供を行う「Synspective」が総額50億円の融資契約を締結
2023年7月20日、株式会社Synspectiveは、独立行政法人中小企業基盤整備機構による革新的技術研究成果活用事業円滑化債務保証制度を活用し、総額50億円の融資契約(期間5年)を締結したことを発…
候補者の思考力を可視化する「Worksamples」を提供する「HRport」が1億円調達
2022年11月8日、株式会社HRportは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HRportは、候補者の能力・ポテンシャルを可視化するアセスメントサービス「Worksamples」…
登山地図アプリ「YAMAP」などを手がける「ヤマップ」に「九州発ジャパン・エボリューション・ファンド」が出資
2023年7月18日、MCPアセット・マネジメント株式会社は、運営する九州発ジャパン・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合(JEF)が、株式会社ヤマップに出資を実行したことを発表しました。 …
時間単位の従量課金で社内SE・ITサポート業務を提供する「システム担当​ 1DAYパス」がリリース
2022年2月15日、合同会社百色は、スカイテック株式会社、株式会社フリートライと共同で、「システム担当​ 1DAYパス」の提供を開始することを発表しました。 「システム担当​ 1DAYパス」は、社内…
メタバースでメンタルを整える「MentaRest」が資金調達
2024年4月24日、株式会社MentaRestは、資金調達を実施したことを発表しました。 シードラウンド1stクローズとして累計約1億円の資⾦調達を完了しました。 MentaRestは、メタバースで…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集