注目のスタートアップ

小型衛星コンステレーションの構築を目指す「アークエッジ・スペース」が6.35億円調達

company

2022年3月29日、株式会社アークエッジ・スペースは、総額6億3,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。

アークエッジ・スペースは、2リットルペットボトルサイズや引き出しサイズの超小型衛星の開発・提供や、衛星コンステレーション構築のための研究開発を行っています。

2021年に経済産業省「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」(令和3年度 産業技術実用化開発事業費補助金)に採択され、「IoT通信」、「地球観測」、「海洋DX(VDES)」、「高精度姿勢制御ミッション」の4つのテーマに対応した6U衛星7機の設計開発から軌道上運用までを2025年までに実現することを目指しています。

今回の資金は、月測位・通信システムを担う超小型宇宙機の開発・打ち上げ実証などに充当されます。

アークエッジ・スペースの開発する超小型衛星は、LoRa通信と呼ばれるIoT向けの通信設備/技術を搭載しています。IoT通信は低電力・低コストで長距離の通信を行えることが特徴的であるため、宇宙・地上間の通信としては魅力的な方法です。

IoT通信衛星は、地上の通信網の整備されていない場所に設置したセンサーから得られるデータを衛星によって取得し、それを地上局に集めることでデータ収集を行うといった用途が期待されています。具体的には、長距離航海を行う船舶、はるか上空を飛ぶ航空機、牧草地に散らばる牛など、データを得ることが難しかった対象からIoTデバイスを通じたデータ収集が可能になるのです。

しかし小型衛星は一機だけでは地球の広大なスペースをカバーすることは難しいため、複数基を軌道に投入し、衛星同士をつないでネットワーク化することで広範囲をカバーする、衛星コンステレーションを構築する必要があります。

また、月における様々な活動においても衛星コンステレーションは重要なものとなっています。現状の通信技術では、無人機が月に着陸するには最大で5,000メートルの誤差が発生します。精度をよくするためには、測位衛星を月の周回軌道に投入することが現実的であると考えられています。衛星コンステレーションによって数機の衛星を月の周回軌道に投入できれば、低コストかつシンプルな実装で測位システムを実現できるのです。アークエッジ・スペースは、この月面活動のための衛星コンステレーションの構築にも取り組んでいます。

スケールの大きなビジネスには、多くの資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、ベンチャーキャピタルから出資を受けるためのノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ アークエッジ・スペース 宇宙ビジネス 小型 株式会社 研究開発 衛星 衛星コンステレーション 資金調達 超小型衛星
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

チームのためのEメール「yaritori」提供の「Onebox」が2,000万円調達
2020年10月29日、Onebox株式会社は、2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、株式会社アプリコット・ベンチャーズです。 クラウド型メール・サービス「yaritori…
譲渡型賃貸住宅「家賃が実る家」提供の「Minoru」がFUNDINNOで6,500万円調達
2020年10月12日、株式会社Minoruは、株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」による資金調達を実施し、目標金額1,625万円に対し、上限金額である6,500万円(達成率400%)…
医療ヘルスケア情報のオンラインファクトチェックサービス「メディコレWEB」提供の「メディコレ」が1億円調達
2022年4月4日、株式会社メディコレは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 メディコレは、医療ヘルスケア情報のためのオンラインファクトチェックサービス「メディコレWEB」を提供してい…
VR酔いを防ぐ移動技術を保有する「UNIVRS」が1億円調達
2020年7月30日、株式会社UNIVRSは、総額約1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 特許出願中のVR酔いを防止する移動技術を保有しています。 今回の資金で、現在進めている以下の事業の拡…
データ資産の自在なコントロールを実現する「Minitt」が6,000万円調達
2021年10月14日、株式会社Minittは、総額6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 業務・部門・会社横断におけるデータ資産の自在なコントロール・強力なコンプライアンス・迅速な業…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集