大阪大学発スタートアップ「MaiND Lab」が30枚の写真を選ぶことで魅力的な顔をAIが作る「FaiCE」をリリース

tips

2022年3月25日、株式会社MaiND Labは、「FaiCE(フェイス)」(β版)をリリースしたことを発表しました。

MaiND Labは、大阪大学医学研究科の内藤智之博士の研究成果をもとに起業した大阪大学発のスタートアップです。内藤博士は脳科学・心理学の知見と最新のAI技術(GAN, Generative Adversarial Network, 敵対的生成ネットワーク)を組み合わせた独自アルゴリズムにより、個々人の感性を「心的テンプレート」として、画像化・数値化する技術の開発に成功しています。

今回β版をリリースした「FaiCE」は、30枚の写真に点数をつけることで、ユーザーが思い浮かべる○○顔(魅力的な顔、アイドル顔など)をAIが作成するアプリです。

今後、内藤博士の研究成果を応用し、消費者が持つさまざまな対象物に対する感性を反映した⼼的テンプレートを活用し、新しいアプリケーションやサービスを展開していく予定です。ユーザーの脳内イメージを可視化した絵画、デザイン性の高い商品の感性ベースのレコメンド、特定ユーザー層向けの商品開発・パッケージデザインなど、様々な領域での事業展開を準備しています。

これまで人間の感情や感性といった情報は定性的であり、数値にはできないものでした。しかし、テクノロジーの進展は人間の感情などの情報の高精度な入手と膨大な量の蓄積を可能にしました。学際的な知見とAIによる機械学習によって人間の感情も数値化・可視化できるようになってきており、この技術を活用したビジネスもどんどんと登場しています。

たとえばパッケージデザインを決める際には、複数のデザイン候補をモニターに見てもらい、その判断からもっとも印象の良いものを選ぶという手法がとられることがあります。しかし、モニターによる忖度やバイアスが発生し、客観的な評価が得られないことが課題となっています。感情・感性の可視化はこういった領域においても大きな役割を果たすと考えられます。

MaiND Labは画像(視覚)を利用した技術であるため手軽に扱えることがメリットであると考えられます。今後どのような活用事例が増えていくのか注目が必要です。

研究開発型のビジネスでは豊富な資金が必要となります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ AI FaiCE MaiND Lab フェイス 分析 可視化 心理学 感性 感情 株式会社 脳科学
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
普通の人が起業するには。起業の成功に大切な5ステップを創業手帳・代表の大久保が解説!

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

船の自動運転技術を開発する「エイトノット」が資金調達
2024年5月17日、株式会社エイトノットは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、池田泉州キャピタル株式会社が運営し、株式会社池田泉州銀行等が出資する「関西イノベーションネットワーク2号…
生成AIや量子コンピューターなどを活用したIT開発・コンサルティングを手がける「KandaQuantum」が「寺田倉庫」と資本業務提携
2023年7月11日、株式会社KandaQuantumは、寺田倉庫株式会社と資本業務提携することを発表しました。 KandaQuantumは、生成AIや量子技術などを活用し、戦略コンサル領域から、R&…
耐熱性とフレキシブル性を有する独自の薄型圧電センサーによる「配管減肉モニタリングシステム」を開発する「CAST」が1.5億円調達
2023年5月10日、株式会社CASTは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 熊本大学の研究成果である「ゾルゲル複合体圧電デバイス」技術を活用した耐熱性とフレキシブル性を有…
店舗・EC向けビジネス向けWebメディア「OREND」や業務用食材・什器のマッチングプラットフォーム「OREND STOCK」を手がける「ステップ・アラウンド」が協調融資により4,000万円調達
2023年7月31日、ステップ・アラウンド株式会社は、株式会社日本政策金融公庫、他1行との協調融資により、4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ステップ・アラウンドは、店舗・EC向け…
子ども向け金融教育サービス「manimo」開発の「MEME」と「GMOあおぞらネット銀行」が業務提携
2022年2月8日、株式会社MEMEは、GMOあおぞらネット銀行株式会社と業務提携契約を締結したことを発表しました。 MEMEは、子ども向け金融教育サービス「manimo(マニモ)」を開発しています。…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集