【2026年最新】雇用の助成金おすすめ10選|従業員を雇う中小企業・個人事業主向け
雇用助成金は従業員の採用・育成・定着に活用できる制度

・従業員1名から利用できる雇用関連の助成金
・補助金と助成金の違いや、後払い形式である点
・賃上げ・設備投資・労務環境改善への活用方法
「雇用に使える補助金や助成金を探しているけれど、小規模事業者でも本当に申請できるの?」このような疑問をお持ちの方は少なくありません。従業員を1名でも雇用していれば小規模事業者(個人事業主含む)でも利用できる制度が数多くあります。
資金繰りや給与の支払いが不安で雇用をためらっている事業主こそ、助成金を活用しましょう。公的な資金なので安心して受け取れる上、優秀な人材を確保するきっかけにもなります。
この記事では、雇用・人材育成に活用できる助成金を10種類にまとめました。また、補助金との違いについても解説しています。
この記事の目次
雇用関係助成金とは?従業員の雇用や育成を支援する制度
雇用関係助成金とは、従業員の採用や育成、雇用環境の整備などに取り組む事業主を支援する制度です。従業員の雇い入れや正社員化、労働環境・処遇改善、スキルアップなど、幅広い目的に活用できます。
キャリアアップ助成金や業務改善助成金など、厚生労働省が管轄する支援金が一般的です。そのほか、雇用促進支援金をはじめ、地方自治体が実施する助成金もあります。
雇用関係助成金は、条件を満たせば原則として受給できます。融資とは異なり、返済義務はありません。多くの制度では、対象となる従業員を雇用していることや、雇用保険適用事業所であることなどが条件になります。
雇用保険に加入している事業主が対象になる助成金が多い
雇用助成金は、従業員を雇用している事業主を対象とする制度が多く、雇用保険適用事業所であることが要件になるケースもあります。
そのため、一人会社や個人事業主でも、従業員を雇っていれば対象になる可能性があります。一方で、従業員がいない場合は利用できない制度も多いため、申請前に対象労働者や雇用保険の加入要件を確認しましょう。
【選び方別】採用・正社員化などに活用できる雇用関係助成金一覧
雇用助成金は、目的によって選ぶべき制度が異なります。
新しく人を雇う場合、正社員化を進めたい場合、従業員を育成したい場合など、自社の取り組みに合う制度を確認しましょう。
| 目的 | 検討しやすい助成金 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| 新しく人を雇いたい | トライアル雇用助成金 特定求職者雇用開発助成金 |
未経験者や就職が難しい人材を雇用する場合 |
| パート・契約社員を正社員化したい | キャリアアップ助成金 | 非正規雇用労働者を正社員に転換する場合 |
| 従業員を育成・リスキリングしたい | 人材開発支援助成金 | 研修や職業訓練を実施する場合 |
| 賃上げや設備投資をしたい | 業務改善助成金 働き方改革推進支援助成金 |
賃金引き上げや業務効率化を進める場合 |
| 育児・介護と仕事の両立を支援したい | 両立支援等助成金 | 育休・介護休業を取得しやすい職場を整備する場合 |
【2026年最新】中小企業や個人事業主向け雇用関係助成金10選

中小企業や個人事業主が利用できる雇用関係助成金は数多くありますが、とくに以下の10種類はおすすめです。
1. 業務改善助成金:最大600万円
業務改善助成金は、事業場内最低賃金の引き上げに伴う生産性向上のための設備投資の一部を助成する制度です。
機械設備の導入費用のほか、コンサルティングや人材育成・教育訓練など、幅広い費用が助成対象経費に含まれます。
| コース区分 | 事業場内最低賃金の引き上げ額 | 助成上限額 | |
|---|---|---|---|
| 右記以外の事業者 | 事業場規模30人未満の事業者 | ||
| 50円コース | 50円以上 | 30万円~130万円 | 40万円~130万円 |
| 70円コース | 70円以上 | 40万円~300万円 | 50万円~300万円 |
| 90円コース | 90円以上 | 90万円~600万円 | 100万円~600万円 |
助成上限額が最大600万円と高く、小規模事業者が1人賃上げするだけでも、最大100万円の助成を受けられる可能性があります。令和8年度の申請期間は、2026年9月1日からです。令和7年度の改正で生産性要件が完全廃止され、「みなし大企業」は対象外に変更されています。
主な要件の一つが雇用保険被保険者の賃金引き上げなので、1人で事業をしている場合には使えません。雇用者が1人以上いれば、個人事業主でも申請可能です。
2. キャリアアップ助成金:正社員化一人あたり最大80万円
キャリアアップ助成金は、パート・派遣を含む非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善の取り組みを助成する制度です。
2025年4月の改正により「重点支援対象者」制度が創設され、支給額が二段階化されました。重点支援対象者に該当する有期雇用労働者を正社員化した場合は一人あたり80万円、それ以外は一人あたり40万円です。
| 正社員化前の雇用形態 | 重点支援対象者(中小企業) | それ以外(中小企業) |
|---|---|---|
| 有期 → 正規 | 80万円(40万円 × 2期) | 40万円(40万円×1期) |
| 無期 → 正規 | 40万円(20万円 × 2期) | 20万円(20万円 × 1期) |
「重点支援対象者」とは、雇入れから3年以上の有期雇用労働者や派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の特定訓練修了者が該当します。また、新規学卒者で一定期間経過していない者は支給対象外に変更されたほか、キャリアアップ計画の労働局長認定は不要(届出は必要)になっています。
正社員転換制度を新たに規定した場合に20万円、多様な正社員制度を新たに規定した場合に40万円の加算があります。加算要件の詳細は厚生労働省の最新パンフレットをご確認ください。
助成金の利用には、キャリアアップ計画の作成や就業規則の改訂などが必要になります。正しく手続きしないと助成されないので、詳細をよく確認しましょう。
3. 人材開発支援助成金:最大100%助成
人材開発支援助成金は、職務に関連した職業訓練等の訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
人材育成支援コースでは、労働者が参加するOFF-JT(外部研修)、またはOFF-JTとOJT(社内研修)を組み合わせた訓練の費用が助成されます。賃金助成額は1人1時間あたり最大1,000円、経費助成率は最大100%です。
| コース | 賃金/OJT実施助成額 | 経費助成率 |
|---|---|---|
| 人材育成支援コース | OFF-JT:800~1,000円
OJT:10万~25万円 |
45%~100% |
| 教育訓練休暇等付与コース | なし | 30万~36万円 |
| 人への投資促進コース | OFF-JT:800~1,000円
OJT:11万~25万円 |
OFF-JT・OJT:45%~75%
その他:20万~24万円 |
| 事業展開等リスキリング支援コース | 1,000円 | 75% |
詳細な助成額および経費助成率は、各コースの対象訓練等によって異なります。OFF-JTの場合は賃金助成額が適用されるほか、教育訓練休暇等付与コースは経費のみの助成です。
令和7年度からは計画届・申請様式が3コース共通化され、添付書類も削減されるなど申請手続きが大幅に簡素化されています。人材開発支援助成金とキャリアアップ助成金を併用すれば、助成金を使って優秀な正社員を育成、雇用することが可能です。
4. 両立支援等助成金:最大140万円
両立支援等助成金は、仕事と育児・介護などを両立できる環境整備の取り組みを助成する制度です。
男性の育休取得を推進する「出生時両立支援コース」をはじめ、6種類のコースがあります。
| コース | 基本となる支給額 |
|---|---|
| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) | ①男性労働者の育児休業取得:1人目20万円/2・3人目10万円 ②男性労働者の育児休業取得率の上昇等:60万円 |
| 介護離職防止支援コース | ①介護休業:40万円 ②介護両立支援制度:20〜25万円 ③業務代替支援:新規20万円/手当支給等3〜5万円 ④介護休暇制度有給化支援【NEW】:30万円 |
| 育児休業等支援コース | ①休業取得時:30万円 ②職場復帰時:30万円 |
| 育休中等業務代替支援コース | ①手当支給等(育児休業)最大140万円 ②手当支給等(短時間勤務)最大128万円 ③新規雇用(育児休業)最大67.5万円 |
| 柔軟な働き方選択制度等支援コース | ①柔軟な働き方選択制度:20万~25万円 ②子の看護等休暇制度有給化支援:30万円 |
| 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース | 各30万円(最大90万円) |
支給額はコースによって異なりますが、育休中等業務代替支援コースでは育児休業取得者の業務代替者に手当を支給すると、最大140万円が支給されます。そのうち最大30万円は先行支給が可能です。育児休業や介護休業などの促進をお考えの小規模事業者の方々はぜひ活用をご検討ください。
5. 働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、長時間労働の見直しをはじめとした働き方改革のための環境整備費等を助成する制度です。
| コース | 助成額(※カッコ内は各種加算を含まない基本上限額の目安) |
|---|---|
| 業種別課題対応コース | 目標等により変動(最大250万円+各種加算) |
| 労働時間短縮・年休促進支援コース | 目標等により変動(最大250万円+各種加算) |
| 勤務間インターバル導入コース | 目標等により変動(最大150万円+各種加算) |
| 取引環境改善コース(令和8年度新設) | 最大100万円 |
| 団体推進支援コース | 最大500万円 |
令和8年度の申請受付は2026年(令和8年)4月13日から開始されており、交付申請の締切は2026年11月30日(午後5時必着)となっています。
いずれのコースでも、成果目標に対する取り組みにかかった経費の一部が助成対象です。各種研修やコンサルティングの費用のほか、生産性向上に資する設備投資の経費も支援対象となります。
加算額を含む最大の助成額はコースや選択する成果目標により異なるほか、業種別課題対応コースは業種によって選択できる目標や金額に差があるのが特徴です。建設業、運送業等、病院等、砂糖製造業に加え、情報通信業・宿泊業も対象に指定されています。また、令和8年度からは新たに、荷主等と運送事業者が集団で取り組む「取引環境改善コース」が新設されました。
6. 早期再就職支援等助成金:1人30万円など
早期再就職支援等助成金は、離職を余儀なくされる労働者の再就職支援や雇入れ、中途採用者の採用の取組を助成する制度です。
取り組みにかかった経費に対してや、特定の要件を満たした事業者に支給されます。
| コース名 | 助成額または助成率 ※カッコ内は対象が45歳以上の場合 |
|---|---|
| 再就職支援コース | 再就職支援の委託費用:1/2~2/3(2/3~4/5)
休暇付与にかかる費用:休暇1日あたり8,000円 再就職のための訓練費:3/4 |
| 雇入れ支援コース | 早期雇い入れ支援:対象者1人あたり30~40万円 |
| 中途採用拡大コース | 支給対象者1人につき20万円(+10万円) |
なお、令和7年4月から雇入れ支援コースは「早期雇入れ支援」(1人30万円・優遇40万円)のみに整理され、支給要領・様式が一部変更されています。申請前に最新の様式をご確認ください。
7. 産業雇用安定助成金:最大1000万円など
産業雇用安定助成金は、景気の変動や産業構造の変化への対応、在籍型出向によるスキルアップなどに関する助成制度です。
災害特例人材確保支援コースは、令和6年能登半島地震の影響で事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に対象となります。
| コース | 助成額 |
|---|---|
| 産業連携人材確保等支援コース | 250万円(6か月ごとに125万円×2期) |
| スキルアップ支援コース | 負担した賃金の2/3(上限:8,870円/1人1日あたり、1事業所1年度あたり1,000万円まで) |
| 災害特例人材確保支援コース | 出向中の賃金の一部(助成率4/5、上限額:出向元・出向先合計で8,870円)を最長2年まで支給 |
産業連携人材確保等支援コースは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金のうち「製品・サービス高付加価値化枠」において採択され、交付決定を受けた事業主等が申請できます。ものづくり補助金の事業前後を通じて雇用を確保し、生産性向上等に必要なスキル等を保有する労働者を雇い入れる場合に助成されます。
災害特例人材確保支援コースの助成対象期間は令和8年12月31日まで延長されています。
補助金と助成金を組み合わせた雇用戦略を検討しましょう。
8. 地域雇用助成金:最大800万円
地域雇用助成金は、雇用機会の少ない地方での雇い入れを促進するための助成金です。首都圏や一部の大都市を除く地域が対象となります。
| コース | 助成額および助成率 |
|---|---|
| 地域雇用開発コース | 50万~800万円 ※1回目の支給は1.5〜2倍 |
| 沖縄若年者雇用促進コース(沖縄県のみ) | 対象者への賃金の1/3(上限年120万円) |
地域雇用開発コースの対象となるのは、過疎等雇用改善地域として厚生労働大臣が指定した地域です(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・愛知県・大阪府は指定外)。
沖縄では令和7年10月1日に本島北部・中部・南部の3地域の計画が新たに承認され、現在は中部・南部のみが対象です。
設備にかかった費用や雇い入れにより増加した人数によって助成額が変わります。
9. 特定求職者雇用開発助成金:1人360万円
特定求職者雇用開発助成金は、さまざまな事情で就職難に陥っている労働者を雇い入れた場合に支給されます。
| コース | 助成額(対象者1人あたり) |
|---|---|
| 特定就職困難者コース | 40万~240万円 |
| 発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース | 80万~120万円 |
| 中高年層安定雇用支援コース | 60万円 |
| 生活保護受給者等雇用開発コース | 40万~60万円 |
支給対象期に労働者に対して支払った賃金額が上限となります。コースはもちろん、労働者の条件によっても支給額が変動するので、雇い入れの前に確認が必須です。
なお、特定就職困難者コースでは、2026年5月1日より、対象労働者がハローワーク等において就労に向けた個別支援を受けている高年齢者(60歳以上)に変更されました。60歳以上の全員が対象ではなくなったため、ご注意ください。
また全コース共通で、添付書類として賃金台帳の提出が確認できない場合、不支給となる点にも注意が必要です。
10. トライアル雇用助成金:月額最大8万円
トライアル雇用助成金は、一般的に就職することが困難な人などを一定時間トライアル雇用する事業主に支給される助成金です。
| コース | 助成額(対象者1人あたり) |
|---|---|
| 一般トライアルコース | 月40,000円 |
| 障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース | 月40,000~80,000円 |
| 若年・女性建設労働者トライアルコース(建設事業主のみ) | 月40,000円 |
コースによって支給期間が異なりますが、基本的には最大3ヶ月までです。母子家庭や父子家庭の労働者など、対象者の状態によって支給額が上がります。
要件を満たせば特定求職者雇用助成金と一緒に活用できるので、併用を検討しましょう。
雇用関係助成金を受給するまでの流れ
雇用関係助成金を申請し、受給するまでの流れはおおむね以下の通りです。
詳細なフローは各助成金で異なるため、逐一パンフレット等でご確認ください。
2. 交付申請書等の審査の後、交付決定の通知
3. 賃金の引き上げや設備投資などの実施
4. 実績報告書や支給申請書などを提出
5. 交付額の確定および助成金の支払い
助成金の申請から支払いまでにかかる時間ですが、種類によって2〜3ヶ月後のものもあれば、6ヶ月以上かかるものもあります。
雇用関係助成金を活用するメリット

おすすめの助成金を活用することで、従業員を雇う中小企業・個人事業主にはさまざまなメリットが発生します。
高い確率で資金調達ができる
雇用関係助成金を利用するメリットは、人件費や設備投資に充てる資金を高い確率で調達できることです。
助成金は、補助金のような採択制ではなく、要件となる雇用関係の整備さえ行えば基本的に誰でも受給できます。申請にあたって事業計画書などを提出する必要もありません。
そのため、助成金は小規模事業者の方々にも利用しやすい制度です。
最小限の負担で賃上げができる
助成金を使えば、事業主の負担を最小限に抑えて賃上げが可能です。従業員のモチベーションアップに優れた効果が期待できます。
賃上げは助成金の受給要件の一つですが、労働者の数が少ない小規模事業者の場合、人件費負担はそれほど増加しません。仮にパートタイマー1人に50円の賃上げを行ったとしても、増える支出は月々4,000円前後です。
他方、助成金からは10万円単位で支給を受けられる可能性があります。人員の少ない小規模事業者こそ、助成金の旨みを享受しやすいのです。
労働環境の適正化に役立つ
助成金の申請を機会に、労働環境を適正化できるメリットもあります。
きちんとした就業規則を作ったり、育児休業・介護休業の制度を整備したりと、従業員の方々にとってより良い環境を構築するきっかけにすることが可能です。
従業員の満足度が向上すれば、定着率アップや離職率の低下につながり、優秀な社員が長く勤めてくれやすくなります。
雇用関係助成金 申請のポイントと注意点
雇用関係助成金に申請する際は、以下の点にご注意ください。
計画書の提出や就業規則の整備が必要
雇用関係助成金を受給するには、申請前に計画書の作成や就業規則の整備が必要です。例えば、業務改善助成金では、新しい地域別最低賃金の発行日の前日までに賃上げが、キャリアアップ助成金では実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が求められます。
計画書の様式や労務要件に不備があれば、受給できない恐れがあるので注意しましょう。社労士に申請代行を依頼するのもおすすめです。
申請期限は比較的タイト
雇用関係助成金では、申請期限までのスケジュールが比較的タイトに設定されていることがしばしばです。
例えば、キャリアアップ助成金では、コースごとに所定の支払日の翌日から2か月以内に申請しなければなりません。業務改善助成金は、毎年9月1日以降から各都道府県の地域別最低賃金発効日の前日、または11月30日のいずれか早い日が申請期限です。
期限を過ぎれば申請できないため、スケジュールに余裕のある申請準備をお心がけください。
継続雇用や法令遵守が求められる
雇用関係助成金では、雇用した労働者の継続雇用が要件になっていることが一般的です。
例えば、キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、6ヶ月以上雇用を継続し、かつ転換後6ヶ月分の賃金を支払い続けることが要件です。それ以前に事業所の都合で解雇した場合、受給できないので注意してください。
また賃金不払いや労働保険料の未納、労働基準法違反、最低賃金法違反などがある場合も不支給となることがあり、法令遵守も必須です。
雇用関係助成金を利用する際によくある質問

以下では、雇用関係助成金を利用する際によくある疑問にお答えします。
Q. 雇用関係助成金はすぐに受け取れますか?
雇用関係助成金を活用する際に注意すべきなのは、助成金はすぐ受け取れるものではなく、後払いであることです。
申請から受給までに2〜6ヶ月、場合によってはそれ以上の時間がかかるので、ゆとりのある資金計画が求められます。
例えば、業務改善助成金では設備投資に最大600万円が支給されますが、その金額は一旦事業者で立て替えなければなりません。
助成金の支給までは期間が空く前提で、事業計画を立てることが大切です。
Q. 申請にはどんな準備が必要ですか?
各助成金の要件を満たすためには、一定以上の手間がかかります。とくに就業規則の作成が必須になることは知っておくべきでしょう。
通常、労働者10名未満の小規模事業者には就業規則の作成は義務付けられていませんが、助成金を活用する場合には作成が求められます。
助成金の申請によって事務負担は増加しますが、労務関係をきちんとする機会になるという点でむしろメリットとも捉えられます。
Q. 個人事業主や従業員がいない一人会社でも雇用の助成金は使えますか?
従業員がいない場合、雇用関係助成金の対象外となる可能性が高いことに注意が必要です。
従業員を雇用し、雇用保険などの条件を満たせば、個人事業主でも雇用関係助成金の対象となります。また従業員がいない一人会社でも、新たに雇い入れをする場合には活用できる可能性があります。
従業員を雇用せず、生産性向上や業務効率化にかかる支給を受けたい場合には、小規模事業者持続化補助金など、別の支援制度の活用をご検討ください。
Q. 高齢者の雇用に活用できる助成金はありますか?
特定求職者雇用開発助成金の特定就職困難者コースは、ハローワーク等において就労に向けた個別支援を受けている60歳以上を対象にした制度です。
また65歳超雇用推進助成金も高齢者の雇用管理に活用できます。定年引上げを実施する65歳超継続雇用促進コース、制度の整備に関する高年齢者評価制度等雇用管理改善コース、無期雇用への転換を支援する高年齢者無期雇用転換コースがあります。
Q. ハローワーク経由で利用できる助成金はありますか?
ハローワーク経由で利用できる助成金には、特定求職者雇用開発助成金やトライアル雇用助成金などがあります。これらの助成金では、ハローワーク等の紹介により雇い入れることが条件・要件となっています。ハローワーク経由で従業員を雇用する場合に活用をご検討ください。
Q. 雇用関係助成金の申請は社労士に相談したほうがよいですか?
雇用関係助成金では、労務関係が申請の条件となるため、労働法務や就業規則の専門家である社会保険労務士(社労士)に相談するのがおすすめです。
社労士に相談することで、申請要件や必要書類などの不備を防ぎ、より確実な受給に繋げられます。また複雑な申請手続きを専門家に委託することで、事業者自身が本業に集中できることもメリットです。
Q. 不正受給があった場合はどうなりますか?
雇用関係助成金の不正受給を行なった場合、助成金の返還(および違約金の加算)、事業者名の公表、5年間助成金が受けられないなどのペナルティがあります。詐欺罪などによる刑事告発の恐れもあるのでご注意ください。
なお、注意点として、雇用関係助成金の申請代行ができるのは社労士のみです。経営コンサルタントなど、社労士以外の専門家が申請代理人となることはできません。
Q. 小規模事業者の定義とは?
小規模事業者(小規模企業者)とは、一般的に従業員20名以下(卸売業・小売業・サービス業は5人以下)の事業者を指します。
業務改善助成金の要件を例とした中小企業・小規模事業者の定義は以下のとおりです。

出典:厚生労働省「業務改善助成金」, 対象事業者及び申請の単位
小規模事業者の定義については以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
Q. 助成金と補助金の違いは?
「雇用 補助金」で検索してこの記事にたどり着いた方も多いかもしれません。雇用に関する公的支援には「助成金」と「補助金」の2種類があり、それぞれ仕組みが異なります。
助成金と補助金の主な違いを表にまとめました。
| 項目 | 助成金 | 補助金 |
|---|---|---|
| 目的 | 人材育成・雇用促進など、特定の政策目標の達成 | 事業拡大、生産性向上など、事業者の自主的な取り組み支援 |
| 支給要件 | 要件を満たせば原則支給 | 採択制 |
| 金額 | 小〜中程度 | 小〜高まで多彩 |
| 対象経費 | 限定的 | 広範 |
支給が採択制か否かは大きな違いです。補助金では採択件数や予算があらかじめ決まっているため、申請したすべての事業者が採択を受けられるわけではありません。
一方、要件さえ満たせば基本的には全員受給できるのが助成金です。
また助成金と補助金では、実施の目的も違います。補助金は新規事業を奨励し、経済発展を促すために実施されるのが一般的です。これに対し、助成金では賃上げや働き方改革など、雇用関係の適正化が主眼になっています。
現実には補助金のような性質を持った助成金や、その逆も存在しますが、上記の認識が一般的です。
まとめ・雇用の助成金を活用して採用や人材育成の負担を軽減しよう
雇用に関する公的支援には補助金と助成金がありますが、本記事で紹介した10制度はいずれも要件を満たせば受給できる助成金です。人件費や設備投資の費用が調達できるだけでなく、労務関係を適正化する良いきっかけにもなります。
最新の公募情報をこまめにチェックし、自社に合った雇用の補助金・助成金を活用しましょう。
(編集:創業手帳編集部)
創業手帳
創業手帳0
補助金ガイド
飲食開業手帳