公的融資とは?代表的な事業者向け公的融資の種類や活用するメリット・デメリットをご紹介

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公的融資を活用して事業資金を調達しよう!


資金調達方法のひとつである融資には、「公的」と「民間」があることをご存知でしょうか。
この記事では、公的融資とはどのようなものか、民間との違いや代表的な公的融資を解説します。
あわせて、公的融資を活用するメリット・デメリットもご紹介するので、融資について知りたい方はもちろん、利用を検討中の方もぜひ最後までお読みください。

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融資を受けるタイミングは実は創業期が有利な理由なども解説!是非ご活用ください。



事業資金に活用できる公的融資とは?


公的融資とは、公的な機関が行っている融資のことです。
「法人向け」と「個人向け」があり、事業支援を目的とした融資以外にも、生活支援や教育支援を目的としている融資もあります。
事業者向けの公的融資は、主に以下の目的から行われます。

  • 創業融資…中小企業や個人事業主など起業予定の方の支援
  • 事業融資…運転資金や設備資金のための借入れ

公的融資は、国や地方自治体など法律で認められた機関が貸主となります。
法人向けの場合、日本政策金融公庫や地方自治体などの公的金融機関から事業用のお金を借り、借りた側(事業者)は融資を受けた金額に利子をプラスした額を返済するのが一般的です。
民間融資に比べ、金利が低いのが特徴で、中には金利のないプランもあります。

公的融資と民間融資の違い


公的融資と民間融資の違いとして、以下の点が挙げられます。

  • 金利の違い
  • 公的融資は信用が低くても借りられる可能性がある

公的機関は創業融資や事業融資を積極的に行っています。起業や事業拡大は新たな雇用を生み出し、税収の増加や地域経済の活性化につながると考えているからです。
そのため、公的融資は民間融資に比べ、信用がまだそれほどない段階でも融資を受けられる可能性があります。
さらに、民間融資に比べ金利も低い傾向にありますが、その分審査は厳しく、手続きにも時間がかかります。

一方、民間融資は、銀行や信用金庫など民間企業が行う融資のことです。
銀行や信用金庫は全国各地にあるため、相談しやすく、信用を得られれば大口の融資を受けることも可能です。
その反面、金利が高く、信用がまだない創業段階では融資を受けにくいといった特徴があります。

事業の資金調達に活用できる代表的な公的融資4選


ここでは、事業者向け公的融資の代表的なものを4つご紹介します。それぞれの特徴や融資限度額などをまとめたので、参考にしてください。

地方自治体

都道府県や市区町村などの地方自治体でも公的融資を行っています。ただし、融資の内容や融資額などは各自治体によって異なります。
その地域に事業所がなければならないなどの条件が設けられていることが多いため、利用を検討中の方は住んでいる地域の情報を確認してください。
ここでは、一例として東京都が行っている公的融資をご紹介します。

制度名 融資限度額 融資機関 金利
創業融資制度 3,500万円 運転資金:7年以内
設備資金:10年以内
固定1.7%以内~2.2%以内または変動

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している公的機関です。主に中小企業や個人事業主への事業資金の貸し付けを行っています。
公的融資を行っている機関の中でも特に規模が大きく、全国各地に支店があるため、地方にお住まいの方でも利用しやすいという特徴があります。
日本政策金融公庫では、事業再建や海外展開、環境対策の促進など、様々な目的に合わせた融資を用意しています。中でも特に力を入れているのが新創業融資制度です。

制度名 融資限度額 融資機関 金利
新創業融資制度 3,000万円
(うち運転資金:1,500万円)
運転資金:7年以内
設備資金:20年以内
年1.0~3.6%前後
担保の有無や条件によって異なる

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している公的機関です。主に中小企業や個人事業主への事業資金の貸し付けを行っています。
公的融資を行っている機関の中でも特に規模が大きく、全国各地に支店があるため、地方に住んでいる方でも利用しやすい点が特徴です。

日本政策金融公庫では、事業再建や海外展開、環境対策の促進など、様々な目的に合わせた融資を用意しています。中でも特に力を入れているのが新創業融資制度です。
新たに事業をはじめる方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象であり、個人事業主でも融資を受けられるほか、無担保や無保証人でも利用することが可能です。

商工組合中央金庫

商工組合中央金庫は、中小企業による中小企業のための金融機関です。1936年、中小企業専門の金融機関として政府と組合の共同出資によって設立されました。
多様な資金調達ニーズに合わせて様々な融資制度を用意しており、商工組合中央金庫の株主である中小企業の組合と、その組合員が対象です。

制度名 融資限度額 融資機関 金利
一般的な融資 原則20億円 設備資金:15年以内
運転資金:10年以内
金融情勢に応じて変わる。

商工組合中央金庫の融資限度額は特別貸付と合わせて原則20億円です。
借りた資金は、設備資金または運転資金と決められていますが、まとまった金額を借りられる、返済期間が長いことがメリットです。
また、措置機関も最長2年間設けられているため、借入れ時の負担が少ない点も特徴として挙げられます。

全国信用保証協会連合会

全国信用保証協会連合会は、公的機関である信用保証協会の活動をサポートする機関です。
信用保証協会では、個人事業主や中小企業が金融機関から資金の借入れを行う際、融資を受けやすくなるよう公的な保証人となってサポートするほか、独自の融資制度も用意しています。
一例として、東京信用保証協会が行っている都創業融資をご紹介します。

制度名 融資限度額 融資機関 金利
都創業融資「創業経営者保証不要型」 3,500万円 10年以内 融資機関によって変動
【固定金利】
1.5%以内~2%以内
【変動金利】
短プラ+0.2%以内

融資制度は住んでいる地域を管轄する信用保証協会によって異なるため、利用する際は事前に確認することをおすすめします。
公的融資以外にも資金調達の方法はあります。

以下では、起業・開業時に使える資金調達について詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。

資金調達について、詳しくはこちらの記事を>>
【保存版】資金調達とは?起業・開業時に使える18の方法|種類別のメリット・デメリットをわかりやすく解説

公的融資を活用する4つのメリット


公的融資とはどのようなものかわかったところで、続いては活用するメリットを4つご紹介します。
利用を検討している方は、自分にとって使うメリットはあるのか、チェックしてみてください。

個人事業主・小規模事業者・中小企業向けの融資がある

公的融資には、個人事業主や小規模事業者、中小企業向けの融資も用意されています。
民間融資の場合、大企業に比べて信用度や事業規模の小さい個人事業主や小規模事業は審査に通りにくく、融資を受けるのが難しいのが現状です。
しかし、公的融資は、信用度や事業規模だけではなく、事業計画や事業の新規性など設定された条件を満しているかで判断するため、規模が小さい、創業したばかりの企業であっても融資を受けやすい点がメリットです。

創業時でも融資を受けられやすい

公的融資は、新たに事業をはじめる方向けの融資も多く、創業時にも利用しやすい点がメリットとなります。

民間の場合、まだ実績もなく、返済できるかもわからない相手に対し、融資するのはリスクが高いと判断されることが多く、創業前後に融資を受けるのは難しいです。
しかし、公的融資は新たな事業に取り組む人の支援を目的としており、創業時向けの融資制度も豊富です。
さらに、民間の銀行や信用金庫に比べて審査に通りやすく、融資を受けやすい傾向にあります。

低金利だから返済の負担が少ない

公的融資は民間融資に比べて、低金利で資金調達できる点もメリットとして挙げられます。
金利が低ければ、その分返済しなければならない額も減るため、負担を減らすことにつながります。

さらに、公的融資の場合、返済までの期間も長めに設定されていることが多いです。
期間が長いほど、毎月の返済額を減らせるため、余裕を持った返済計画を立てたい方にとって、公的融資は魅力的です。
ただし、低金利であっても、返済期間が長くなれば返済総額は増えてしまうため、事前にしっかり返済計画を立てることが大切になります。

無担保・無保証人での融資が受けられる

公的融資では、基本的に担保や保証人を設定しなくても融資を受けられます。
銀行や信用金庫など民間の金融機関の場合、担保や保証人が必要となることも多く、これから創業する、新事業をはじめる方にとっては負担に感じてしまいがちです。
しかし、公的融資なら原則保証人が不要のため、民間融資に比べて融資に申し込むハードルを下げることができるでしょう。
なお、希望すれば担保や保証人をつけ、さらに低金利になったり、融資額が増額したりといった優遇措置が受けられる場合もあります。

公的融資を活用する3つのデメリット


公的融資には、メリットもある一方でデメリットも存在します。公的融資を利用する際は、デメリットもしっかり把握した上で判断することが大切です。

融資を受けるまでの時間が長い

公的融資は、審査期間が長く、資金調達までに時間がかかる傾向にあります。
申し込む融資制度や条件によっても異なりますが、1カ月から3カ月ほどかかることも少なくありません。
これは、公的融資の目的は収益ではなく、経済の活性や新規雇用の創出といった観点から判断するからです。

民間の金融機関であれば、早ければ申し込みから融資実行まで2週間ほどです。すぐに資金調達をしたいという方は、民間融資を検討する必要があります。

準備する書類が多い

公的融資を受けるには、準備しなければならない書類が多い点もデメリットといえるかもしれません。
日本政策金融公庫の場合、事業計画書に加えて、資金繰り計画書・賃貸契約書・履歴事項全部証明書の原本・自己資金がわかる書類などを提出する必要があります。

さらに、借入申込書や本人確認書類、すでに事業をしている場合は源泉徴収票や確定申告書なども必要になります。
事業の片手間に、これらの提出書類を用意するのは負担に感じてしまうかもしれません。

融資制度によって限度額が異なる

公的融資と一口にいっても、利用する融資制度によって、いくら借りられるかは異なります。日本政策金融公庫の融資制度を例に見ていきます。

制度名 限度額
新創業融資制度 3,000万円(うち運転資金1,500万円)
新規開業資金 7,200万円(うち運転資金4,800万円)

このように、融資限度額は各制度によって決められています。
さらに、そのうち、運転資金の上限も決められているため、必ずしも限度額いっぱいまで借りられるとは限りません。
限度額内の範囲だとしても同様です。例え、希望金額が限度額内であっても、融資額は審査によって変わることを覚えておいてください。

公的融資で審査に落ちないための注意点


民間融資に比べて受けやすいといわれる公的融資ですが、申し込めば誰でも利用できるかといえばそのようなことはありません。
ここでは、公的融資の審査に落ちないために注意したい点をご紹介します。

現実的で矛盾のない事業計画を立てる

公的融資に必須である事業計画書の内容が矛盾していると、審査に落ちる原因になります。
融資担当者は事業計画書の内容から、申込者が事業についてどのように考えているのかを確認しているのです。
成長が見込めない、返済が難しくなるのではと判断されれば、融資を受けるのは難しくなるため、事業計画書は現実的で矛盾がないように作ることが大切です。

また、審査では、融資担当者との面談も行われます。資料の内容をしっかり説明できないと審査落ちする可能性が高まるので注意してください。
面談時は、融資を希望する理由や事業内容を具体的に質問されます。ただし、資料を読むのではなく、自分の言葉で説明できるよう備えておくことも重要です。

個人の信用情報に傷を付けない

公的融資を行っている公的機関の多くは、審査時に個人の信用情報を調査しています。
これは、きちんと貸したお金を返済できるか、お金を貸しても問題ない人物かを判断するために必要だからです。

例えば信用情報機関であるCICでは、クレジットカードやローンの残高や返済状況が確認できます。
過去に複数回滞納していたり、キャッシングの債務が残っていたりすると、審査落ちする可能性が高まります。
融資を考えている方は、個人の信用情報に傷をつけないよう注意してください。

CICの個人情報は個人でも照会することが可能です。
過去に延滞したり、債務が残っていたりしたことがあるからといって、必ずしも審査に通らなくなるわけではありませんが、信用情報に傷があるか不安のある方は、事前に確認しておくと良いです。

ある程度の自己資金を用意する

公的融資の審査に通りたいなら、ある程度の自己資金を用意することも大切になります。
例えば、日本政策金融公庫の創業融資では、融資希望額の1/10の自己資金があることが申し込みの条件です。自己資金がなければ融資を申し込むこともできないのです。

融資の審査では、半年分の預金通帳も確認します。これは、融資を受ける直前に親やカードローンから借金し、要件を満たすことを防ぐためです。
民間に比べ審査に通りやすいとはいえ、誰でも通るわけではありません。自己資金は計画的に用意することが大切です。

まとめ・公的融資は創業時の資金調達におすすめ

国や地方自治体などが行う公的融資は、銀行や信用金庫などが行っている民間融資に比べ、低金利、融資を受けやすいといったメリットがあります。
創業時の資金調達にお悩みの方は、今回紹介した内容を参考に、公的融資を検討してみてください。




創業手帳では「融資ガイド」を無料で配布しています。融資のタイミングはいつがいいのか、審査通過のコツは?など知りたい方は、是非こちらもあわせてご活用ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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