【完全無料】令和7年分の確定申告がわかる!「確定申告ガイド」
【品目別】YouTuberの経費、判断基準は?
YouTuberの経費を考える上で最も大切なのは、「その支出が収益(動画制作)に直結していることを客観的に証明できるか」という点です。
趣味と事業の境界が曖昧になりがちなYouTuber特有の品目について、Yes/Noの判定基準を見ていきましょう。
■ゲームソフト・ゲーム内課金
判定: 〇(条件付き)
条件: そのゲームの実況動画、攻略記事、レビュー動画を実際に公開していること。
ポイント: 全く動画にしていないゲームや、プライベートでのみ遊んでいる時間は経費外です。
■衣装代・コスプレ・メイク用品
判定: △
条件: 動画内でのみ着用する特殊な衣装や、検証企画で使用するコスメなど。
ポイント: 「普段着としても使えるもの」は、たとえ撮影で着ていても経費として認められにくい傾向にあります。
■美容整形・エステ・ヘアカット
判定: △(極めて限定的)
条件: 美容系YouTuberが「施術のビフォーアフター」をコンテンツのメインにしている場合など。
ポイント: 単に「身だしなみを整えるため」という理由は、一般的なビジネスマンと同様に経費とは認められません。
■カフェ代・外食費
判定: 〇(条件付き)
条件: 動画の企画(大食い、食レポ)、編集作業、コラボ相手との打ち合わせなど。
ポイント: 誰と、どの企画のために利用したのかを領収書の裏にメモしておきましょう。
■旅行代・宿泊費
判定: 〇(条件付き)
条件: 撮影を目的としたロケや、Vlog制作のために必要な移動。
ポイント: 同伴者が家族や友人の場合、その分の費用は除外して、自分の分のみを計上します。
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YouTuberが経費にするなら避けて通れない「家事按分」のルール
YouTuberが自宅をスタジオや編集室にしている場合、家賃や電気代の全額を経費にすることはできません。プライベート分と事業分を分ける「家事按分(かじあんぶん)」が必要です。
どのように計算すれば税務署に認められやすいのか、2つの代表的なモデルケースを見てみましょう。
■ケース1:家賃を「面積」で分ける(最も一般的)
1LDK(40㎡)のマンションに住み、そのうち1部屋(10㎡)を完全に撮影・編集専用にしている場合。
計算式: 100,000円(家賃) × 10㎡/40㎡ = 25,000円(経費)
証拠の残し方: 間取り図に作業スペースをマークしたものを保存しておくと、税務調査時に説明がスムーズです。
■ケース2:電気代やネット代を「時間」で分ける
リビングで作業しており、専用スペースがない場合などは、使用時間で算出します。
計算式: 10,000円(電気代) × 8時間/24時間(稼働時間) = 約3,333円(経費)
証拠の残し方: PCのスクリーンタイムや、動画編集ソフトのログなどが根拠となります。
YouTuberの場合、スマホ代(通信費)も按分が必要です。動画アップロードやSNS更新、連絡に使用する割合を「50%」など、実態に合わせて設定しましょう。「なんとなく」ではなく、「なぜこの比率なのか」を客観的に説明できることが、否認されないための最大のポイントです。
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YouTuberが経費にできるもの

広告収入がメインとなるYouTuberは、活動において多岐にわたる費用が発生します。YouTubeの動画づくりに関係がある費用なら、基本的には経費計上が可能です。ポイントを以下にまとめました。
- YouTube事業に必要不可欠な費用
- 明確に事業にだけ使った費用
- 客観性や妥当性が適切な費用
チャンネル収益がなくても事業として取り組んでいることを客観的に示せれば、経費として認められる可能性はあります。
いずれにしても、YouTube動画という事業に対し、目的や金額、規模の妥当性が問われるため、経費の可否を一つずつ確認しておきましょう。
機材費
撮影・編集に使うカメラやソフトなど、YouTube動画を作るためだけに使用する機材費は経費にできます。
| 具体例(10万円未満の場合) |
勘定科目 |
| 撮影用のカメラ、マイク、スマホ、三脚、照明 |
消耗品費 |
| 編集で使うパソコン、ストレージ機器 |
消耗品費 |
| 実況用のヘッドフォン、オーディオインターフェース |
消耗品費 |
10万円未満の機材は消耗品費の勘定科目で処理できますが、10万円以上なら減価償却の必要があります。
実況用に使うゲーム機をプライベートでも使う場合は経費にできないため、実況用として別途用意するのがベストです。
ソフトウェア関連費
撮影機材をはじめとするハードウェアだけでなく、ソフトウェアやその関連品も経費になります。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 買い切り型の編集ソフト |
消耗品費 |
| クラウド型の編集ソフト |
通信費 |
| ダウンロード購入のイラストやBGM |
消耗品費 |
| インターネット代 |
通信費 |
買い切り型の製品で事業にしか使わないものは、いずれも基本的に消耗品費です。
クラウド型で定期課金が必要なソフトは通信費として処理しましょう。月々のインターネット代も通信費となりますが、プライベートでも使っている場合は利用割合に応じて家事按分します。
小道具・大道具代
動画内に登場する小道具や大道具も経費にできます。摘要欄に「〇〇企画の炭酸飲料5本」「検証用のスナック菓子10袋」など、買ったものがわかるよう書いておきましょう。
| 具体例 |
勘定科目 |
| ○○してみた系の食べ物、飲み物 |
消耗品費 |
| レビュー目的の商品 |
消耗品費 |
| 撮影用の美術セットや背景 |
消耗品費 |
宝くじを大量に買う企画などもありますが、当たりくじやはずれくじが経費になるかはケースバイケースです。購入規模に対し動画の収益が見合っているか、企画に必要不可欠なのかなど、妥当性が厳しくチェックされるでしょう。
いずれの小道具・大道具も、プライベートでの利用が主であるものは、たとえ動画に少し映ることがあっても経費にはできません。
取材・リサーチ費
動画を作るために購入した書籍や新聞、取材などの費用は経費にできます。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 取材相手への報酬 |
支払手数料 |
| 取材時の飲食代 |
交際費、会議費 |
| 動画作成やYouTube運営のノウハウ本 |
新聞図書費 |
取材相手への支払いが報酬であれば支払手数料ですが、謝礼であれば交際費になることが多くなります。
場所代
撮影をする際に借りた会場のレンタル代金、編集作業をする際に使ったカフェでのドリンク代などは経費になります。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 撮影場所のレンタル代 |
賃借料、支払手数料、雑費 |
| カフェで作業したときの飲み物代(食事代は不可) |
消耗品費、雑費 |
| 自宅で編集している場合の家賃の一部 |
地代家賃 |
また、自宅で撮影や編集をしているYouTuberの場合は自宅が仕事場所とみなされるので、家賃や光熱費を家事按分し、経費として計上できます。
企画・打ち合わせ費
YouTuber仲間やYouTube関係の事業者と企画会議などを行う際の飲食代も、会議費や交際費として経費にできます。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 打ち合わせ時の飲食代 |
会議費 |
| 企画考案のために買った専門書 |
新聞図書費 |
| 企画用のアンケート調査費 |
支払手数料、外注費 |
交際費の額が過度に膨らむと税務署に怪しまれてしまうこともあるため、なんでもかんでも経費にするのはおすすめできません。
YouTuberとしての活動に直接結びついている経費の場合は、レシートや領収書の裏に、飲食を共にした相手の名前・社名・話した内容などを書いておくといいでしょう。
宿泊・交通費
撮影や編集作業を行うための移動費用も経費とすることができます。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 取材に向かうためのタクシー代や高速代 |
旅費交通費 |
| 旅行系企画のためのホテル代 |
宿泊費 |
| 撮影場所までの電車代やバス代 |
旅費交通費 |
「行ってみた」「泊まってみた」など、旅行系のYouTube企画に使った宿泊費や交通費は経費の対象です。領収書やレシートの裏に概要をしっかり明記しましょう。
衣装費
ある企画のために特別に用意した衣装であれば、経費にできる可能性が高くなります。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 出演者のコスプレ衣装 |
消耗品費、雑費 |
| 動画でのみ使うかぶりもの |
消耗品費、雑費 |
プライベートでも使える洋服やメイク用品は経費にできないほか、美容院代も認められません。
その他
他者や外注先への報酬、広告に使った費用も、事業を目的としていれば経費計上が可能です。
| 具体例 |
勘定科目 |
| 出演者への報酬 |
外注費、人件費 |
| SNSやネットへの広告出稿費 |
宣伝広告費 |
| 外注したイラストやBGMの費用 |
外注費 |
| 新しい企画を作るための調査費 |
研究開発費 |
出演者への報酬のうち、外部の人であれば外注費、自社の人間であれば人件費などで処理できます。
YouTuberが使える広告は、YouTube内に設置するものやGoogleのリスティング広告、Twitter広告などをはじめ、最近では街のビジョン広告への出稿費も経費の対象です。
撮影や企画、編集を外注した場合の費用も外注費として経費になります。
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YouTuberが経費にできないもの
YouTuberが経費にできないものは「事業に関係のないもの」や「プライベート利用の割合が高い、または明確に区別できないもの」です。
具体例とともに、経費にするにはどうすればいいのかも見てみましょう。
| 経費にできないもの |
経費にするには? |
| 普段着にもできる衣装 |
コスプレ衣装や着ぐるみなど、明らかに動画用とわかるものを衣装にする |
| 一般的なメイク用品 |
プロにメイクを依頼し、依頼費用を経費にする |
| 撮影のついでの旅行費 |
プライベート用と撮影用の区別を明確にし、撮影に関連する部分の費用だけ計上する |
| 出演者の美容院代 |
モデルとして出演するために美容院でヘアセットをしたなど、明らかに妥当性が高い場合に計上する |
| 買ってみた動画の高級車や高級時計 |
「収益を出すため」「チャンネル登録者数を増やすため」といった明確な目的があり、なおかつ収益が出ていれば可能性がある |
いずれもプライベートで共用が可能だったり、事業だけに使っているとは言えない費用なので、経費計上は困難です。経費にしたければ使い方や買い方を見直す必要があります。
経費としての妥当性を示す収益やチャンネル登録者数の増減は、YouTube Studioのアナリティクスから確認できるので、そのデータを取っておくのもいいかもしれません。
経費にできないものを計上したり、税金の納め忘れがあると、税務署に目をつけられかねません。経費について学ぶとともに「税金チェックシート(無料)」で税金の申告漏れを防ぎましょう。
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YouTuberにも必要な「確定申告」の基本ルール

稼いだ利益やかかった経費を申告する「確定申告」。YouTuberも利益の金額によって確定申告が必要になります。
ここからは、YouTuberが知っておくべき確定申告の基本を学んでいきましょう。
確定申告をすべきYouTuberの条件
YouTuberの活動形態はさまざまですが、大別すると「フリーランス」「副業」「会社員」に分けられます。形態ごとに確定申告の必要性をまとめました。
| 活動形態 |
確定申告が必要となる具体例 |
| フリーランス |
・個人でYouTuberをしている
・事務所に入っているが業務委託でYouTuberをしている |
| 副業 |
・副業としてYouTuberをしており、年間所得が20万円を超える |
| 会社員 |
・事務所に雇用されているが、収入が2,000万円を超える |
フリーランスとして個人でYouTube活動をしていれば、確定申告も個人で行います。業務委託であっても同様です。
副業YouTuberは、チャンネルの所得が年間20万円を超えれば確定申告をしなくてはなりません。本業分は会社が年末調整をしますが、年末調整は一カ所でしか受けられないので、副業分は自身で確定申告しましょう。
事務所に雇われている会社員YouTuberは、年収2,000万円未満であれば会社で年末調整が行われます。医療費控除やふるさと納税の控除を受けるといった特別な事情を除けば、確定申告は不要です。
YouTuberの所得区分
個人事業主、いわゆるフリーランスのYouTuberである場合、所得区分は「事業所得」になります。事務所に所属していても、委託契約であれば事業所得として確定申告してください。
副業YouTuberの多くは、活動で得た所得を「雑所得」として確定申告します。
ちなみに確定申告の必要がない会社員YouTuberは「給与所得」です。ほとんどの場合は会社が年末調整を行うため、個人で確定申告をする必要はありません。
YouTuberが選べる「青色申告」「白色申告」
確定申告の方法は「青色申告」と「白色申告」の2種類に分けられます。YouTuberの収入を申告する際、どちらの方法を用いるかを事前に決めておきましょう。
| 青色申告 |
白色申告 |
| ・最大65万円の特別控除を受けられる
・最大3年間赤字を繰り越せる
・家族の給与を経費にできる
・30万円未満の固定資産を一括で経費にできる |
・単式簿記で帳簿づけできる
・最大10万円の特別控除が受けられる |
青色申告は、経費に加えて最大65万円の控除を受けられるなど、節税効果の高い方法です。利用には事前に申請が必要なほか、複式簿記による帳簿づけが不可欠なため、会計知識なども要求されます。
申請手続きや複式簿記の帳簿がいらない白色申告ですが、特別控除は10万円しか適用されません。青色申告に比べて節税効果が低い一方、確定申告や帳簿のつけ方は比較的簡単です。
いずれかの方法で確定申告を行わなくてはならないため、YouTuberでの収入状況などに応じて判断してください。
実際の確定申告の手順
YouTuberでもその他の事業主でも、実際の確定申告の手順は同じです。基本の流れを押さえておきましょう。
| 時期 |
具体的な作業内容 |
| 随時 |
・帳簿付けや家事按分をしておく
・領収書や明細を保管しておく |
| 年明け |
・年間の帳簿を仕上げる |
| 2月15日まで |
・確定申告書と関連書類(青色:青色申告決算書、白色:収支内訳書)を作成する |
| 2月15日~3月15日 |
・確定申告を行う
・所得税を納付する |
日々の帳簿付けや領収書の保管などは、YouTube活動の合間に随時やっておきましょう。家事按分は1年の最後にまとめて実施しても問題ありません。
青色申告と白色申告とで作成書類が異なりますが、いずれも国税庁のホームページから作成可能です。パソコン上で作成し、そのままe-Taxで電子申告するともっとも簡単に済みます。
例年2月15日から確定申告がスタートするので、逆算して計画的に準備しましょう。確定申告により納める所得税が決まったら納税しますが、払い過ぎた税金があれば返還されます。
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クリーンに節税!YouTuberの経費・確定申告の注意点

最後に、YouTuberが経費計上や確定申告をする上で、押さえておきたい注意点をご紹介します。
税金対策と税務調査のリスク回避を両立するためにも必見です。
適切に家事按分する
YouTuberなどのフリーランスは、適切な「家事按分」による経費計上が欠かせません。家事按分とは、生活費の一定割合を事業用とするための計算処理です。
事業用の割合は、理論的に説明できるよう設定します。たとえば「自宅の床面積が30㎡で、YouTuberとして使う作業部屋は10㎡なので、家賃の1/3を経費として計上する」といった形です。
面積以外にも、事業で使っている時間や日数で割合を出すこともできます。
家事按分を行う際は、対象に適した計算方法を判断し、Youtuberとして活動した分だけを経費計上することが大切です。
領収書やレシートを保管する
YouTuberの経費は、すべて領収書やレシートを保管します。領収書のない口座引き落としの場合は通帳が控えです。
なくさないように専用のファイルに入れたり、スクラップブックにしたりして保管します。万が一紛失したら、出金伝票を作って残しておきます。香典など領収書が出ない費用もあるので、伝票+経費を証明する資料をとっておきましょう。
また保管した領収書類は、個人事業主(フリーランス)で以下の保存期間が義務付けられています。
- 青色申告の場合:その年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間
- 白色申告の場合:その年度の確定申告の提出期限の翌日から5年間
なんでもかんでも経費にしない
YouTuberは動画で様々な道具を使ったり、場所を選ばず編集作業ができるので、経費として計上できる幅も広く思えるかもしれません。
ですが、節税になるからとなんでもかんでも経費としていると、極端に経費が上がり、税務署から目をつけられてしまう原因になります。
確定申告の際には「これは本当に動画の内容や制作に関係があったかどうか」をきちんと見直すようにしましょう。
減価償却が必要な機材類を確認する
YouTuberがカメラやパソコンなどの高額な機材を使う場合、減価償却の対象となる可能性があります。減価償却とは、高額な資産の購入に際し、耐用年数に応じて分割計上する会計処理です。
耐用年数1年以上かつ取得価額10万円以上の機材は固定資産となり、減価償却の対象になります。10万円以上20万円未満の資産であれば一括償却資産の特例が適用でき、3年間の均等償却も可能です。
個人事業主や中小企業を対象に、機材が30万円未満の場合に即時償却できる特例もあるので、詳細な要件などを国税庁のホームページで確認しておきましょう。
税のプロに相談する
独特の企画が多いYouTuberは、経費になるものがわかりにくい、按分のラインが不明瞭など、疑問や不安がつきものです。
心配なときは一人で判断せず、税理士などのプロに相談しましょう。
創業手帳でも信頼できる税理士を無料でご紹介していますので、お気軽にご相談ください。
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まとめ・YouTuberが計上できる経費を知って確定申告に活かそう

YouTuberの経費について、経費にできるもの・できないものの判断基準やその例、節税のコツなどをご紹介してきました。
今回のポイントをまとめておきます。
- 動画作りに関係があるものだけ経費にできる
- プライベート利用が主目的の場合は経費にできない
- 会社員以外は確定申告が必要になる
YouTuberはまだ職業としては新しく、税金面の情報もあまり多く出ていないため、不安や疑問を抱くことも多いかと思います。迷ったときには税理士など税金のプロに相談するのも一つの方法です。
YouTuberとして独立したのはいいけれど、初めての確定申告が不安。そんな方に「確定申告ガイド」を無償で配布しています。基本事項からインボイス制度を通じた消費税の申告方法まで、この一冊で確定申告のイロハを習得可能です。

(監修:
大山税理士事務所 / 所長 大山 康範)
(編集: 創業手帳編集部)