【税理士監修】YouTuberが経費にできるもの・できないものは?確定申告が必要な条件や方法

創業手帳

高級時計や衣装代も経費にできるの?YouTuberの税金面の疑問を一挙解決!

Youtuber経費
近年、副業としても人気のYouTuber。一定額以上の売上が上がった場合には、副業でも専業でも確定申告が必要になります。

ですが、YouTuberはまだ新しい職業の一つであるため、「どこまでが経費になるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。そこでここでは、実際にYouTuberとして生計を立てている筆者が、YouTuberが経費にできるもの・できないものや節税対策のコツを詳しくご紹介します。ぜひご参考にしてください。

大山康範

【監修】大山 康範 大山税理士事務所 所長
1975年生まれ。税理士、経営コンサルタント。アパレル問屋でTシャツを販売していた23歳の春「いつか顧客である経営者の役に立ちたい」という自分の思いに気づき、急きょ方向転換。税理士試験、税理士事務所での修行を経て、2012年3月開業。単なる情報提供ではなく、クライアント目線からの経営支援を心がけている。また「難しい税法を、わかりやすく」解説する能力が評価され、愛知大学で講義を担当していた。

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YouTuberの収入・経費とは

そもそもYouTuberはどのようなところから収入を得るのでしょうか。また、動画を作る際は何にどのような費用が必要になるのでしょうか。

YouTuberの収入

YouTuberの主な収益源は、次の3つです。

  • Googleアドセンスからの収入
  • …自身の動画に広告を挿入し、その再生回数に応じてYouTubeの運営元であるGoogleから得られる広告収入

  • タイアップした企業からの収入
  • …コラボをした企業から得られる動画制作費や提供される商品

  • グッズ販売や書籍などの収入
  • …製作したグッズや著書が売れた際に得られる収入

YouTuberの費用(経費)

一方YouTuberが動画を制作する際に必要になる費用としては、チャンネルにもよりますが主に次のようなものがあります。

  • 機材費
  • …撮影用のカメラや三脚、編集用のPCや編集ソフトなど

  • 小道具・大道具代
  • …動画内に登場する道具など

  • 書籍・取材費
  • …動画制作のために参考にする書籍や新聞、取材費用など

  • インテリア・美術費
  • …背景に使う家具など

  • 場所代・家賃・光熱費
  • …撮影や編集をする場所の利用費(自宅で行う場合は家賃・光熱費)

  • 打ち合わせの飲食代
  • …YouTuber仲間と企画会議などを行う際の飲食代

  • 交通費
  • …撮影や編集のための移動費用

  • 通信費
  • …インターネット利用代金

  • 衣装費
  • …服やメイク用品など

  • 出演者への報酬
  • …自分以外の人に出演してもらう場合の出演料

  • 広告宣伝費
  • …広告を使って動画などを宣伝した場合の費用

  • 外注費
  • …撮影や企画、編集を外注した場合の費用

このうち経費にできるもの・できないものについては後ほど詳しくご説明します。

確定申告が必要なYouTuberの条件

稼いだ利益やかかった経費を申告する「確定申告」。YouTuberも利益の金額によって確定申告が必要になります。

ここからは、

  • 専業(フリーランスなど)のYouTuber
  • 副業(会社員など)のYouTuber

のそれぞれの場合について、確定申告が必要になる条件を解説します。

専業/フリーランスのYouTuberの場合

会社などに属しておらず、フリーランスとしてYouTubeチャンネルを運営しているYouTuberは、所得控除額を引いても所得が発生する場合(黒字になっている場合)は必ず確定申告が必要です。

逆に赤字の場合は確定申告の義務はありませんが、青色申告で確定申告を行えば最長3年間の赤字繰越が可能になるので、申告をするメリットはあります。

副業/会社員のYouTuberの場合

平日は会社員、土日は副業としてYouTuberをしているというような人は、副業全体の利益が20万円を超えると確定申告が必要になります。

逆に、

  • 副業が赤字(支払う税金がない)
  • 本業の収入が2,000万円以下で、副業の利益が20万円以下

という場合は確定申告の義務はありません。

YouTuberが経費にできるもの・できないもの

それでは、YouTuberが経費にできるもの・できないものについて詳しく見ていきましょう。

YouTuberが経費にできるかどうかの基準

先ほどご紹介したとおり動画制作には様々な費用が発生しますが、それらを経費として計上できるかどうかの基準は、「YouTubeの動画づくりに関係があるか」ということです。

確定申告で個人事業主が経費として計上できるのは、「その事業に関係のある経費」です。YouTuberの場合は動画制作が仕事ですので、その動画に関係があるものは経費になり、直接関係がないものは経費にはならないということになります。

YouTuberが経費にできるもの

具体的にYouTuberが経費にできるものとしては、次のようなものが挙げられます。

機材費

撮影用のカメラや三脚、編集用のPCや編集ソフトなどの機材費は動画作りに必要なものなので経費にできます。

小道具・大道具代

動画内に登場する小道具や大道具も経費にできます。ただし、プライベートでの利用が主であるものは、たとえ動画に少し映ることがあっても経費にはできません。

書籍・取材費

動画を作るために購入した書籍や新聞、取材などの費用は経費にできます。

インテリア・美術費

動画用に使うのが主目的であるインテリア製品などは経費にできます。たとえば撮影部屋に置く道具やそれを作るためのDIY代などは経費になります。

ただし、YouTuber自身が普段のプライベートの生活で使うことが主目的である場合は、経費として認められません。

場所代・家賃・光熱費

撮影をする際に借りた会場のレンタル代金、編集作業などをする際に使ったカフェでのドリンク代などは経費になります。

また、YouTuberの方の中には自宅で撮影や編集をしているという方もいると思いますが、その場合は自宅が仕事場所とみなされるので、家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。

これは「家事按分」といって、自宅を事業所としている個人事業主(フリーランス)が、生活費の一定割合を事業用とすることができるものです。この割合は自身で決めてかまいませんが、きちんと論理的に説明できることが重要です。たとえば、「自宅の床面積が30平米で、YouTuberとして使う作業部屋の床面積が10平米なので、家賃の1/3を経費として計上する」といった形です。詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

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家事按分とは?個人事業主が覚えておきたい按分の意味や計算方法、税法上の扱いを解説

打ち合わせの飲食代

YouTuber仲間やYouTube関係の事業者と企画会議などを行う際の飲食代も、会議費や交際費などとして経費にすることができます。

ただし、交際費の額が過度に膨らむと税務署に怪しまれてしまうこともありますので、なんでもかんでも経費にするのはおすすめできません。YouTuberとしての活動に直接結びついている経費の場合は、レシートや領収書の裏に、飲食を共にした相手の名前・社名・話した内容などを書いておくと良いでしょう。

交通費

撮影や編集作業を行うための移動費用も経費とすることができます。

通信費

インターネット利用代金などの通信費も経費とすることができます。プライベートの携帯電話などを事業用にも使っている場合は、先ほどの家事按分の考え方を使って一定割合を経費としましょう。

衣装費

一般的な衣服、メイク用品の費用は経費になりません。これは、YouTuberとしての活動だけでなくプライベートでも使用することが普通であるからです。

ただし、ある企画のために特別に用意した衣装(その動画だけで使うコスプレ用品など)は経費とできる可能性が高いでしょう。

出演者への報酬

自分以外の人やYouTuberに出演してもらう場合の報酬(ギャラ)も経費とすることができます。

広告宣伝費

YouTuberが広告を使って動画などを宣伝した場合の費用も経費となります。YouTuberが使える広告の例としては、YouTube内での広告やGoogleのリスティング広告、Twitter広告などをはじめ、最近では街のビジョン広告などを出稿するYouTuberもいます。

外注費

撮影や企画、編集を外注した場合の費用も経費となります。

YouTuberが経費にできないもの

逆に、次のような費用は経費として計上することはできません。

  • 動画と関係のない交通費や飲食代
  • 動画と関係のない人との交際費
  • プライベートで使用するのが主目的の用品代
  • プライベートの旅行代(動画の撮影のための移動・滞在なら経費となるが、「旅行のついでに会議や撮影」は経費とならない)
  • 動画編集をカフェなどで行った際の食事代(ドリンク代は「会議費」として経費計上しても良い)
  • 衣料品代、メイク用品代(メイク用品のレビューのためやその企画のためのコスプレ等なら経費となるが、通常の撮影のための衣服やメイク代は経費とならない)

基本的には「動画の内容や動画づくりと関係があるかどうか」が基準であり、これを論理的に説明できない場合やプライベート利用の割合の方が高いものは経費とするのが難しくなります。

YouTuberの経費に関するQ&A【事例解説】

YouTuberの経費に関してよくある疑問とその答えを、事例ごとに解説します。

Q:YouTuberが「買ってみた」動画で高級車や高級時計などを購入した場合、経費計上できる?

動画の「買ってみた」企画で購入したものだとしても、その後プライベートで使用するのであれば経費として認められるのは難しいでしょう。

ただし、「収益を出すため」「チャンネル登録者数を増やすため」といった目的がはっきりしており、なおかつ収益が出ていれば経費として認められる可能性もあります。その動画による収益やチャンネル登録者数の増減はYouTube Studioのアナリティクスから確認できますので、そのデータを取っておくのも良いかもしれません。

判断に迷う場合は事前に税理士などに相談してみるのもおすすめです。

Q:カフェで編集作業等をした場合、経費になる?勘定科目は?

編集作業をカフェ等で行った場合は、「会議費」として経費に入れることができます。ただし、経費とできるのは一般的にドリンク代のみ。食事代は事業と関係なくかかる生活費(食費)なので、経費に入れることはできません。

また、レシートや領収書の裏にその日の作業内容をメモしておくと信憑性が高くなります。

Q:家賃など、領収書のない経費はどのように扱えば良い?

口座引き落としなどの場合は紙やWEBの通帳に記載が出るはずなので、そちらを控えとしましょう。

Q:レシートをなくしてしまったものは経費計上できない?

経費とするにはレシートや領収書を取っておくのが基本ですが、万が一レシートをもらったけれどなくしてしまったという場合には、出金伝票などのメモ書きに残しておきましょう。

セミナーやお香典など、領収書がそもそも出ないものは出金伝票+経費を証明するもの(セミナーの案内所など)を残しておくのがおすすめです。

Q:経費になる領収書やレシートはいつまで取っておけばいい?

個人事業主(フリーランス)の領収書の保管期間は所得税法で定められており、次のとおりです。

  • 青色申告の場合:その年度の確定申告の提出期限の翌日から7年間
  • 白色申告の場合:その年度の確定申告の提出期限の翌日から5年間

法人の領収書の保管期間は、会社法で「法人税申告期限日の翌日から7年間」と定められています。

YouTuberの節税対策のコツ

最後に、YouTuberとして活動する人の税金対策のコツについてご紹介します。

青色申告をする

個人事業主(フリーランス)として活動している場合は確定申告を青色申告と白色申告から選ぶことができます。

一般に白色が簡単で青色が複雑、というイメージですが、少し大変な分、お得なのは青色申告です。青色申告をすれば次のようなメリットがあります。

  • 最大65万円の控除を受けることができる
  • 最大3年間赤字を繰り越せる
  • 手伝ってくれる家族への支払いを経費にできる(一定の条件あり)
  • 30万円未満の固定資産を一括で経費にできる

YouTuberとして本格的に活動を行い確定申告をする場合には、ぜひ青色申告を選ぶのがおすすめです。ただし、青色申告を行うためには、開業日から2カ月以内もしくはその年の3月15日まで(いままで白色申告だったが青色申告にするというような場合)に、所轄の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出することが必要です。

なんでもかんでも経費にしない

YouTuberは動画で様々な道具を使ったり、場所を選ばず編集作業ができるので、経費として計上できる幅も広く思えるかもしれません。

ですが、なんでもかんでも経費としていると、極端に経費が上がり、税務署から目をつけられてしまう原因にも。確定申告の際には「これは本当に動画の内容や制作に関係があったかどうか」をきちんと見直すようにしましょう。

税のプロに相談する

YouTuberの税務申告はまだ情報もあまり出ておらず、疑問や不安がいっぱいだと思います。心配なときは、一人で勝手な判断をせず、税理士などのプロに相談するのがおすすめです。

創業手帳でも信頼できる税理士を無料でご紹介していますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

YouTuberの経費について、経費にできるもの・できないものの判断基準やその例、節税のコツなどをご紹介してきました。

今回のポイントをまとめておきます。

  • YouTuberが費用を経費にできるかどうかの基準は「動画の内容や動画作りに関係があるかどうか」
  • プライベート利用が主目的の場合は経費にできない
  • 専業のYouTuberは黒字の場合、副業のYouTuberは20万円以上の利益が出ている場合に確定申告が必要

YouTuberはまだ職業としては新しく、税金面の情報もあまり多く出ていないため、不安や疑問を抱くことも多いかと思います。迷ったときには税理士など税金のプロに相談するのも一つの方法です。

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(監修: 大山税理士事務所 / 所長 大山 康範
(編集: 創業手帳編集部)

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