【2022年11月版】DX推進におすすめの補助金・助成金|中小企業のデジタル化

創業手帳

DXにより、大企業に負けない競争力をつけましょう!設備投資等には国や自治体の補助金・助成金が使えます

中小企業がDXを推進し、競争力を高めるには今がチャンスです。総務省が2021年に実施した調査では、約6割の企業がDXを「実施していない、今後も予定なし」と答えました。

つまりDXは昨今のトレンドではあるものの、実態としては着手していない企業が大半だということです。よって、今率先してDXに取り組めば、競合に対して優位に立てる可能性が十分にあります。

以上を踏まえて今回は、中小企業のDXについて詳しく解説します。DXの定義やメリットから、DX推進に使える補助金・助成金まで、幅広く取り上げるので参考にしてください。

また、創業手帳では、「補助金AI」という無料サービスを提供しております。ご自身の状況に合わせた補助金・助成金情報が定期的に届きますので、是非この機会にご活用ください。膨大な補助金・助成金情報からピックアップしますので、時短に最適です。


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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?


DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略で、直訳すれば「デジタルな変革」です。要するに、デジタルな側面から会社を改革する取り組みのことを指します。

また経済産業省が用いるDXの定義は以下の通りです。

「DX推進指標」における「DXの定義」

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や
社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務その
ものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

出典:経済産業省「『DX推進指標』とそのガイダンス」

この定義のポイントは、「データとデジタル技術の活用」「製品やサービス、ビジネスモデルの変革」「競争上の優位性を確立」の3つです。

DXは、単にITシステムを導入することにとどまるものではありません。導入したITシステムによって、商品・サービスないしはビジネスモデル全体が改良され、企業の競争力が上がる。ここまで達成されてはじめてDXだといえます。

DX推進に必要な5つの要素

DX推進のガイドラインを含む経済産業省の「デジタルガバナンス・コード2.0」によると、DXには以下5つの要素が必要となります。

  • ビジョン・ビジネスモデル
  • 戦略
  • 組織づくり・人材・企業文化に関する方策
  • ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
  • 成果と重要な成果指標

このように、DXを推進するには、どのような機器・システムを導入するかを考える前に、ビジョンや戦略、方策などを決めることが重要です。また成果についての明確な指標を定め、DXが成功したことが客観的に確かめられるようにしておく必要もあります。

ちなみに上記の各要件で認定基準をクリアし、審査に合格すれば、「DX認定制度 認定事業者」となることが可能です。認定事業者は、情報処理推進機能(IPA)のホームページで公表され、DX認定制度のロゴマークが使えます。

DXで具体的にどのようなことをするか?

DX推進を目指す中小企業は、具体的にどのようなことをすべきなのか、過去の成功事例をもとに見てみましょう。

例えば、経済産業省が選定した「DXセレクション2022」でグランプリに輝いた株式会社山本金属製作所の場合、以下のようなことに取り組んでいます。

  • 2030年に目指すビジョン「Intelligence Factory 2030」を策定
  • 「工場、生産業務プロセス、開発、営業、人財育成、海外展開」の6分野において、デジタル技術による変革(形態のアップデート)を目指す
  • 「加工現場のデジタル化と自動化」や「センシング技術の高度化」、「ものづくりデータの蓄積と活用」などの戦略を推進

参考:経済産業省「DX Selection2022」

このように、中長期的なビジョンを定めたうえで、作業の自動化やデータの蓄積などの戦略・方策を推進するのが、DXの典型です。

そのほか、同セレクションで準グランプリに選ばれた2社では、「加工プロセスのロボット化」や「申請業務アプリの開発」、「新業務システムの導入によるデータ連携」などが行われています。

なぜDXが中小企業に必要か?【DXのメリット】


中小企業にDX推進が求められるのは、第一としてDXにメリットが多いからです。DXを実現することで、中小企業は以下のようなメリットを得られます。

  • 生産性が向上することで利益が上がる
  • 効率化の実現によってコストを削減できる
  • 新しい商材・サービス、ビジネスモデルを開発するきっかけに
  • テレワークや電子化などで働き方改革につながる
  • DX推進事業者として企業の知名度が上がる

DXでは、データやデジタル技術を活用することによって、業務の生産性アップや効率化がもたらされます。それが売上やコスト削減に好影響を与え、利益が向上するでしょう。

またそもそもDXは、商品やサービス、ビジネスモデルの開発、競争力の強化を目的とするものなので、DXを推進するということはそれらが実現されることも意味します。

さらに経済産業省の「DX認定制度」や「DX Selection2022」をはじめ、DXを推進する中小企業を公表・表彰する取り組みも多々あります。そのため、DXに成功した企業は、知名度の向上やイメージアップといった恩恵を受けることも可能です。

なお、DXの必要性として、「DXを推進しない企業は生き残れないかもしれない」ということもいえます。昨今は、データやデジタル技術を活用した革新的なビジネスがどんどん成功するようになっています。もはやアナログ業務やレガシーシステム(古いシステム)だけで競争するのは難しいといえるでしょう。

よって、この先10年、20年を見据え、企業の生存率を高めるため、DXに取り組むのもおすすめです。

DXにはどれほどのお金がかかる?


DXにかかる費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ITツールの導入費用
  • 新規プロジェクトの立ち上げ・運用にかかる諸経費
  • IT人材の教育や採用にかかる人件費
  • ITコンサルタント等の専門家を招聘するのにかかる経費
  • DXに関する研究や市場調査にかかる経費

これらの総額がどれほどの金額になるかは、推進するDXの規模によって異なります。新しく業務システムを開発したり、ビジネスモデルを根本的に変えたりするのであれば、数百万円〜数千万円の規模になるでしょう。

一方、月額数千円で使えるクラウド型のITツールもあることから、限られた予算の範囲内で数万〜数十万の小規模なDXを目指すことも可能です。また費用負担は、後述の補助金・助成金をうまく活用することで、大きく軽減されます。

費用の相場は大体このくらい【補助金の要件をもとに算出】

補助金や助成金の金額を参考にすると、DX推進にかかる費用の相場は、大体以下のようになると考えられます。

  • 新しい商品・サービスの開発:50万円〜2,000万円
  • ITツールの導入:10万円〜900万円
  • 新分野への展開、業種や事業の転換等:150万円〜9,000万円

※補助金の補助額÷補助率などで独自に算出

このくらいが補助金・助成金を活用して行うDXの規模で、費用の半分ないし3分の2ほどを給付によってまかなうことが可能です。

DXに使える補助金・助成金の一覧


これからDXを推進する中小企業は、以下の補助金・助成金を活用するのがおすすめです。それぞれ内容や要件、給付額などを紹介するので、使えそうなものをぜひ使ってみてください。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者が直面している制度変更等(働き方改革や社会保険の適用拡大、インボイス、DXなど)を意識した補助金です。新たな商品やサービスの開発、生産プロセスの改善などのために行う設備投資等が支援されます。

DX推進を後押しする「デジタル枠」も設けられており、通常枠よりも高い補助率で支給を受けることが可能です。

支給を受けるための要件

ものづくり補助金の基本要件は、次の通りです。以下すべてを満たす3〜5年の事業計画を策定する必要があります。

  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増やす
  • 事業場内最低賃金を地域別最低金額+30円以上にする
  • 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増やす

※いずれも事業計画期間において

またデジタル枠に応募する場合は、上記の基本要件のほか、以下全てを満たすことが求められます。

  • DXにふさわしい革新的な製品・サービスを開発する、もしくはデジタル技術を活用して生産プロセスやサービス提供方法を改善する
  • 経済産業省の「DX推進指標」をもとに、DX推進に向けた現状や課題を分析する「自己診断」を行い、その結果をIPAに提出
  • IPAが実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言を行う

補助金額および補助率等

ものづくり補助金の補助金額や補助率等は以下の通りです。

通常枠 デジタル枠
補助金額 従業員数5人以下:100万円〜750万円
6〜20人:100万円〜1,000万円
21人以上:100万円〜1,000万円
補助率 1/2
小規模事業者等は2/3
2/3
設備投資 単価50万円(税抜き)以上の設備投資が必要
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産等関連経費

なお、ものづくり補助金には、ほかにも「回復型賃上げ・雇用拡大枠」や「グリーン枠」、「グローバル展開型」などがあります。

IT導入補助金

IT導入補助金は、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する中小企業・小規模事業者を支援する制度です。卸・小売業から介護業・医療、製造業、宿泊業まで、さまざまな業種・組織形態で利用できます。

また「デジタル化基盤導入枠」は、会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフト、ECサイトに特化した枠組みです。この枠組みでは、パソコンやタブレットの購入費用についても補助を受けられます

そのほか、サイバーインシデントの回避を想定した「セキュリティ対策推進枠」もあります。

支給を受けるための要件

IT導入補助金の主な申請要件は以下の通りです。

  • 交付申請の直近月において、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上である
  • gBizIDプライムを取得している(おおむね2週間でID発行可能、料金は無料)
  • IPAの「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言を行う

そのほか、通常枠およびセキュリティ枠では、生産性向上にかかる要件等があります。一方、デジタル化基盤導入枠では、生産性向上にかかる情報の入力が求められないので、申し込みやすいといえるでしょう。

補助金額および補助率等

IT導入補助金の補助金額や補助率などは以下の通りです。

補助額の下限・上限、補助率

​​

​​

通常枠 デジタル化基盤導入枠
A類型 B類型 デジタル化基盤導入類型
補助対象経費区分 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費 ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費
補助率 1/2以内 3/4以内 2/3以内
上限額・下限額 30万円〜150万円未満 150万円〜450万円以下 5万円〜50万円以下 50万円超〜350万円
セキュリティ対策推進枠
補助額 5万〜100万円
補助率 1/2以内
補助要件 独立行政法人情報処理推進機構が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているいずれかのサービス
補助対象 サービス利用料(最大2年分)

ハードウェア購入費用(デジタル化基盤導入類型)

ハードウェア購入費 PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器:補助率1/2以内、補助上限額10万円
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の経済社会を見据え、思い切った事業再構築にチャレンジする中小企業等を支援するものです。新分野への展開や業態転換、事業・業種の転換などが想定されています。

この補助金は補助率が高く、費用の大半(2/3〜3/4)を負担してもらえます。DXをきっかけに大きな変革を目指す場合には、ぜひとも活用するのがおすすめです。

支給を受けるための要件

事業再構築補助金・通常枠の要件は、以下の4つです。

  • 事業再構築(新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換・事業再編のいずれか)の要件を満たす計画であること
  • 2020年4月以降、連続する6ヶ月のうち任意3ヶ月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少している
  • 事業計画を認定経営革新等支援機関と策定する
  • 補助事業終了後3〜5年で付加価値額を年率平均3.0%以上増やす、もしくは従業員一人あたりの付加価値額を年率平均3.0%以上増やす見込みの事業計画を立てる

なお、事業再構築補助金にはほかにも、「大規模賃金引上げ枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」「原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)」があります。これらの要件については、公募要領等をご確認ください。

補助金額および補助率等

事業再構築補助金の補助金額や補助率は、枠組みごとに次のように定められています。

補助金額 補助率
通常枠 【従業員数 20 人以下】
100 万円~2,000 万円
【従業員数 21~50 人】
100 万円 ~ 4,000 万円
【従業員数 51~100 人】
100 万円 ~ 6,000 万円
【従業員数 101 人以上】
100 万円 ~ 8,000 万円
2/3 (6,000 万円超は1/2)
大規模賃金引上枠 従業員数 101 人以上】
8,000 万円超 ~ 1 億円
回復・再生応援枠 【従業員数 5 人以下】
100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】
100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数 21 人以上】
100 万円 ~ 1,500 万円
3/4
最低賃金枠
グリーン成長枠 100 万円 ~ 1 億円 1/2
原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠) 【従業員数 5 人以下】
100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数6~20 人】
100 万円 ~ 2,000 万円
【従業員数 21~50 人】
100 万円 ~ 3,000 万円
【従業員 51 人~】
100 万円 ~ 4,000 万円
3/4

※すべて中小企業等の場合

なお、補助事業実施期間および補助対象経費は、全枠に共通して以下の通りです。

補助事業実施期間 交付決定日~12 か月以内(ただし、採択発表日から 14 か月後の日まで)※
補助対象経費 建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

※グリーン成長枠のみ「交付決定日~14 か月以内(ただし、採択発表日から 16 か月後の日まで)」

小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者持続化補助金は、これからさまざまな制度変更に直面する小規模事業者を支援するための補助金です。地道な販路開拓の取り組み(売り方の工夫や商品の改良・開発等)や、それと併せた業務効率化にかかる経費が補助されます。

なお、この補助金の対象となる小規模事業者の定義は次の通りです。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

支給を受けるための要件

小規模事業者持続化補助金を利用するには、以下3つをすべて満たす事業であることが必要です。

  • 「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取り組み、もしくはそれとあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取り組みである
  • 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む
  • 次のいずれにも該当しない:「国が助成するほかの制度と重複する」「1年以内に売上につながることが見込まれない」「射倖心をそそる、公序良俗に反する等」

補助金額および補助率等

小規模事業者持続化補助金の補助率および補助上限額は、以下のように定められています。いずれか1つの枠組みで申請することが可能です。

​​

類型 通常枠 賃金引き上げ枠 卒業枠 後継者支援枠 創業枠 インボイス枠
補助率 2/3 2/3
(赤字事業者については3/4)
2/3 2/3 2/3 2/3
補助上限 50万円 200万円 200万円 200万円 200万円 100万円

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを後押しするための制度です。正社員化や賃上げなどの取り組みを実施した企業に対して助成がなされます。

DX推進のために人員体制を強化する、もしくはその他補助金の要件を満たすために賃上げを行うといった場合にご活用ください。

支給を受けるための要件

キャリアアップ補助金の支給対象となるには、以下の要件を満たす必要があります。(全コース共通)

  • 雇用保険適用事業所の事業主である
  • 事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いている
  • キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局の受給資格の認定を受けている
  • 各コースの対象労働者に対する労働状況・勤務状況・賃金の支払い状況等を明らかにする書類により、賃金の算出方法を明示できる
  • キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組む

なお、助成を希望する事業主は、まずキャリアアップ計画を作成・提出し、次に就業規則の改正など、キャリアアップに取り組みます。その後、対象労働者に6ヶ月間賃金を支払い、支給申請を行うという流れです。

各コースの助成金額

キャリアアップの助成金額は、コースごとに以下のように決まっています。

コース 助成されるケース 助成金額
正社員化コース 有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換、もしくは直接雇用する 有期→正規:1人あたり57万円<72万円>
無期→正規:1人あたり28万5,000円<36万円>
賃金規定等改定コース すべてまたは一部の有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を、2%以上増額改定し、昇給する 1人〜5人:1人あたり32,000円<40,000円>
6人以上:1人あたり28,500円<36,000円>
賃金規定等共通化コース 有期雇用労働者等に関して、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新設・適用する 1事業所あたり57万円<72万円>
賞与・退職金制度導入コース 有期雇用労働者等に関して賞与・退職金制度を新設し、支給もしくは積立てをする 1事業所あたり38万円<48万円>
短時間労働者労働時間延長コース 短時間労働者の週所定労働時間を延長、かつ処遇の改善を図って新たに社会保険の被保険者とする ・短時間労働者の週所定労働時間を3時間以上延長し、新たに社会保険を適用
1人あたり22万5,000円<28万4,000円>

・労働者の手取り収入が減少しないよう、週所定労働時間を延長し、新たに社会保険を適用
1時間以上2時間未満:1人あたり55,000円<70,000円>
2時間以上3時間未満:1人あたり11万円<14万円>

※すべて中小企業の金額、<>は生産性の向上が認められる場合

DXに使えるその他の補助金・助成金一覧

そのほか、以下の補助金・助成金もDX推進に役立てることができます。

  • 中小企業デジタル化応援隊事業
  • サイバーセキュリティ対策促進助成金
  • 成長型中小企業等研究開発支援事業
  • 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(東京都)
  • DXリスキリング助成金(東京都)

なお、東京都以外の地方自治体で実施されている補助金・助成金の制度も複数あります。気になる方は、お住まいの自治体へお問い合わせください。

補助金・助成金を使ってDXをするまでの流れ

補助金・助成金を活用してDXを行う流れは、以下のようになることが多いです。

  • 事業計画書等を作成して、補助金・助成金に応募する
  • 審査後、採択となれば交付申請をする
  • 補助対象事業(DX)に取り組む
  • 事業終了後、実績報告書を提出
  • 確定検査ののち、支給額が確定する
  • 請求書等を提出し、支給額が振り込まれる

このように、DXの取り組みを始めるのは、補助金の交付が決定された後になるのが一般的です。決定前に着手された事業については、補助の対象にならない場合があるので気をつけましょう。

また支給を受けるには、事業終了後の検査に合格する必要があります。検査では、経費の用途および金額が、公募要領等に見合っているかが見られます

DXに補助金・助成金を使う場合の注意点


DX推進に補助金・助成金を活用しようとお考えの方は、以下の内容に注意してください。

支給は原則「後払い」となる

補助金や助成金は、原則として「後払い」です。対象事業の終了後、検査や審査を経て、支給が行われます。

DXの取り組みを行うタイミングでお金がもらえるわけではないため、事業にかかる経費を一旦は自力で調達する必要があります。資金調達には、融資を利用するのが一般的ですが、資金繰りに無理が出ないように気をつけなければなりません。

なお、融資を受けるには通常、3週間〜1ヶ月半程度の時間がかかるので、余裕を持って準備に取りかかるのがおすすめです。融資金が補助金を申請する期日に間に合わないと、事業を始められない場合もあるため、気をつけましょう。

事務処理にかかるコストも加味しておくべき

補助金・助成金は、税金を財源としていることもあり、支給にいたるまでに多数の書類の提出を求められます。事務処理は比較的わずらわしいものになると予想されるので、十分な時間と労力を確保しておくことが必要です。

事務処理がずさんだと、支給が受けられない恐れもあるので気をつけてください。場合によっては、人員体制を改めたり、通常業務が落ち着くタイミングを見極めたりといった工夫をするのも良いでしょう。

補助金と助成金の違いは?どちらが良い?

補助金と助成金には、支給の受けやすさに違いがあります。

補助金は採択件数や金額に上限があり、申請した企業すべてが採択されるわけではありません。例えば、ものづくり補助金(11次)の場合、採択者数は4,668者中2,786者、採択率は59.7%だと公表されています。

一方、助成金の場合、基本的に要件を満たしてさえいれば給付を受けられます。そのため、より確実に給付を受けたい場合には、助成金を選ぶのもおすすめです。

とはいえ、補助金と助成金の区別は、必ずしも明確ではありません。「補助金のような助成金」も存在するので、基本は補助金か助成金にこだわらず、補助金額や要件を比較して選ぶのが良いでしょう。

まとめ

DXとは、データやデジタル技術の活用により、商品やサービス、ビジネスモデルを変革し、競争力を高めることです。推進すれば、生産性向上やコスト削減が見込まれるだけでなく、社のイメージアップにもつながる可能性があります。

なお、DXの推進には、ものづくり補助金やIT導入補助金、事業再構築補助金などを活用できます。DXにかかる経費の多くを国や自治体に負担してもらえるので、コストを抑えて会社を変革することが可能です。

DXを推進し、競合より優位に立つには、大半の企業がまだDXに踏み切っていない今がチャンスだといえます。これを機会にぜひ、補助金・助成金を活用したDXについて、前向きに検討してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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