飲食店が利用できる補助金は?経営を持続化するためにできること

飲食開業手帳

飲食店の補助金を活用してポストコロナを生き抜こう


飲食店が活用できる補助金やサポートは、国が提供しているものも地方自治体で実施しているものもあります。
それぞれの補助金で対象となる要件があるので、幅広い補助金をチェックして、自社で使
える制度を探すことが重要です。

補助金は申請してから手元にお金が入るまで時間がかかります。
戦略的に補助金を活用することを視野に入れながら事業を進めるようにおすすめします。

創業手帳別冊版「補助金ガイド」では、経営者の方が、今使える補助金・助成金を厳選してまとめています。無料でお配りしていますので、あわせてご活用ください


飲食店が受けられる国からの支援


新型コロナウイルスの第7波は、過去最大の感染者数を記録して、首都圏だけでなく日本全国に大きな影響を与えました。
新規感染者数は、第7波以降は落ち着いてきたものの、経済への打撃はいまだ大きな爪痕を遺しています。
流行が去ってからも飲食店を取り巻く環境は厳しく、経営に苦しんでいる事業者も多いはずです。
ここでは、飲食店が受けられる国からの支援についてまとめました。

2022年11月7日現在の情報をもとにまとめているので、制度を利用する場合には公式の最新情報を確認してください。

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)

雇用調整助成金は、新型コロナウイルスの影響を受けているすべての事業主が従業員へ支払う休業手当の一部を助成する制度です。

事業主が、労働者を出向させることで雇用を維持した場合にも、この制度の対象です。
この制度は、2022年4月1日から2022年11月30日までの期間を含む賃金締切期間のものが対象です。
解雇などを行わずに雇用を維持した場合、大企業の場合には3/4、中小企業の場合には9/10が助成されます。
また一定の要件を満たす場合には、10/10が助成の対象です。

助成額の上限は、判定基礎期間の初日が2022年の3月~9月の場合には原則9,000円、一定の要件を満たした場合には15,000円となります。
判定基礎期間の初日が2022年の10月11月の場合には原則8,355円で一定の要件を満たせば12,000円です。

申請手続きは事業所の所在地を管轄する都道府県労働局、またはハローワークで受け付けています。
まずは支給申請に必要な様式を厚生労働省のホームページからチェックしてください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化して企業の売上の回復が困難な中で制定されました。
ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応する新分野展開、業態、転換、事業・業種転換、事業再編といった事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する目的の制度です。
2022年10月3日(月)~2023年1月13日(金)18:00までの公募期間で、第8回の公募を実施しています。

第7回公募からは、新型コロナの影響を受けつつ、ウクライナ情勢の緊迫化などによる原油価格物価行動によって業況が苦しくなった中小企業に向けて新しい支援類型を創設しています。
中小企業が経済社会の変化に対応するための取り組みに対する支援が目的です。

補助の対象となるのは、以下①と②の両方を満たすことです。
①2020年4月以降の連続する6カ月間のうちで、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
②経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること

事業再構築補助金は、「通常枠」と「大規模賃金引上枠」、「回復・再生応援枠」、「最低賃金枠」、「グリーン成長枠」及び「原油価格・物価高騰等緊急対策枠」の6つの事業類型が設けられています。
例えば、通常枠の中小企業者等の場合には、従業員数が20人以下の場合には100万円~2,000万円、従業員が21~50人の場合には100万円~4,000万円の補助金額。

どの事業類型に該当するかによって、要件や補助金額が違います。自社がどの枠に該当するのか調べてみてください。

事業再構築補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
事業再構築補助金第8回では「最低賃金枠」の要件が見直しに!その内容とは

小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)

小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)は、感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入などに関する取組みを支援する制度です。

補助の対象となるのは、一定の要件を満たす日本国内に所在する小規模事業者(個人または、日本国内に本店を有する法人)です。
補助上限額は100万円、補助率は3/4で、事業者は経営計画及び補助事業計画を作成して
申し込みます。

小規模事業者持続化補助金は第6回が2022年3月9日締め切りで終了し、新規の受付は終了しています。
採択された事業者は、事業完了報告(実績報告書の提出)を忘れないように注意してください。

小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)について、詳しくはこちらの記事を>>
小規模事業者持続化補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」とは?

小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者持続化補助金(一般型)は、地域の雇用や産業を支える小規模事業者などの生産性向上と持続的発展を図ることを目的とする制度です。

補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓などの取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援する目的。
小規模事業者などが直面する制度変更(インボイス制度や働き改革など)に対応するための販路開拓などの取組の経費の一部を補助しています。
申請の締め切りは、第10回が2022年12月9日で、第11回は2023年の2月下旬を予定しています。

補助の類型は「通常枠」と、「賃金引上げ枠」、「卒業枠」、「後継者支援枠」、「創業枠」、「インボイス枠」の6種類で、いずれかひとつだけ申請が可能です。
補助金や補助上限額が違うので確認してください。

小規模事業者持続化補助金(一般型)について、詳しくはこちらの記事を>>
小規模事業者持続化補助金(一般型) 第8回以降の概要が発表!新設された特別枠とは?対象者やスケジュールも解説。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。
中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発のほか、のほか、試作品開発や生産プロセスの改善のための設備投資を支援する目的の補助金です。
2022年3月10日(火)の公募開始以来、通年で公募を実施しています。

「一般型・グローバル展開型」の第13次締切は、2022年12月22日(木) 17時。
「ビジネスモデル構築型」の第4次公募は、2022年11月11日(金) 17時が締切です。

一般型には、デジタル・グリーン分野で生産性向上に取り組む事業者に対して通常枠とは別に、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」と「デジタル枠」 、「グリーン枠」も設けられています。

「ビジネスモデル構築型」は中小企業が①革新性、②拡張性、③持続性を有するビジネスモデルを構築できるように中小企業を支援するプログラムの開発・提供を補助する目的です。

それぞれ別に公募要領が公開されているので、どちらに該当するかチェックしてください。

ものづくり補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
【2022年】「ものづくり補助金」10次締切以降の変更点まとめ。申請枠、補助額、対象事業者が見直し・拡充されます

IT導入補助金

IT導入補助金は、「通常枠(A・B類型)」と「セキュリティ対策推進枠」、「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」があります。

「通常枠」は、自社の課題に対応するためにITツールが導入した時に利用できる補助金で、費用の1/2、最大で450万円を補助します。

「セキュリティ対策推進枠」は、サイバーインシデントが原因で事業継続が困難となる事態を回避し、供給制約や価格高騰を潜在的に引き起こすリスクや生産性向上を阻害するリスクを低減する目的としています。
「セキュリティ対策推進枠」では、サービス利用料の1/2以内、最大100万円の補助が受けられます。

「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」は、企業間取引のデジタル
化を強力に推進するため制度対応や生産性向上に注力する中小企業を支援する制度。
対象ツールは、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトなどです。

クラウド利用料やPC・タブレット、レジ・券売機などのハードウェアの導入費用も対象です。
補助額5万円~50万円以下で補助率3/4、補助額50万円超~350万円の時には補助率2/3が補助されます。

IT導入補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
IT導入補助金2022の概要を詳しく解説!通常枠とデジタル化基盤導入枠との違いやスケジュールなど

事業承継・引継ぎ補助金(M&A補助金)

事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継をきっかけに新しい取り組みを行う中小企業等や経営資源の引継ぎを行う中小企業等を支援する制度です。
事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)と、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)、事業承継・引継ぎ補助金(廃業・再チャレンジ)の3種類から構成されている点が特徴です。

さらに、事業承継・引継ぎ補助金(経営革新)には、創業支援型、経営者交代型、M&A型の3種類があり、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用)には、買い手支援型と売り手支援型の2種類が用意されています。
第3次の申請受付期間は、2022年10月6日~11月24日の予定です。

事業承継・引継ぎ補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
事業承継・引継ぎ補助金とは?申請方法やスケジュールをまとめました。

飲食店が受けられる地方自治体ごとの支援


飲食店を支援する目的の制度は国が提供するものだけではありません。
まずは対象の地方自治体でどのような制度があるか調べてみてください。

【東京都】業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業

業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業は、東京都内で飲食業を営む中小企業者や個人事業主を対象にした制度。
これは東京都中小企業振興公社が提供しています。

新しいサービスとしてテイクアウトや宅配、移動販売のような、売り上げを確保する取組に対し、経費の一部を助成する制度です。
販売促進費や車両費など、幅広い経費を対象としています。
第25回(最終)の申請受付期間は、2022年11月1日~2022年12月31日です。

【北海道】札幌市小規模事業者持続化サポート補助金

札幌市小規模事業者持続化サポート補助金は、、小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図る目的の制度です。

札幌市では、「小規模事業者持続化補助金」に採択され、交付決定を受けた事業者に対し国補助金に連動して上乗せ補助を行う「札幌市小規模事業者持続化サポート補助金」を提供しています。
受付期限は、2023年3月31日となっています。

【愛知県】商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)

商業振興事業費補助金(地域商業活動活性化事業)は、地域経済の発展のために、団体が自主的、主体的に取り組む商業活動活性化事業に対しての補助事業です。

補助対象団体は、商店街振興組合や商工会、事業協同組合などで、賑わいを創出する夏まつりやイルミネーション、共同セールなどが補助の対象になります。
補助対象事業の実施期間は、2022年4月1日から2023年3月31日までです。

【福岡市】福岡市新規創業促進補助金

福岡市新規創業促進補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響がありながら、新しいチャレンジを行う創業者を後押しして、創業の裾野を広げることを目的とした制度です。

国の特定創業支援等事業を活用して登録免許税半額軽減を受けた人に対して、残りの半額相当額を支援しています。申請受付期間は、2022年4月1日~2023年3月31日までです。

【宮崎県】ひなた飲食店認証

ひなた飲食店認証とは、安心して飲食を楽しむことができる環境を整備することを目的として、県が定めた基準に沿う感染予防対策を実施している飲食店事業者を県が確認、認証する制度です。

飲食店が『ひなた飲食店認証』を取得するために必要な換気設備の設置・付替え等に要する費用を補助も行っています。受付期間は、2022年5月9日~2022年12月31日です。

飲食店を支援する制度


飲食店をサポートしてくれる制度は、補助金や助成金だけではありません。
飲食店を支援してくれる制度をまとめました。

国税納付の猶予制度

国税納付の猶予制度は、一度に納税することで事業継続、生活が困難となる時、災害で財産を失ったといった事業がある時に最大で1年間納税が猶予される制度です。

例えば、やむを得ず休廃業してしまった場合や利益が減少してしまった場合にも猶予制度が活用できます。
税務署に申請して納税の猶予が認められた場合には、原則として1年間が猶予され、猶予期間中の延滞税も軽減、または猶予されます。

また、財産の差し押さえや換価も猶予してもらえるので、納税できるか不安がある場合には猶予制度を使うことも検討してください。

特別貸付

日本政策金融公庫や地方自治体では、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者向けの貸付制度を提供しています。

新型コロナウイルス感染症の影響により、直近1カ月の売上額または利益率(売上総利益率または営業利益率)が、前年同月と比較して減少している等を条件とした貸付です。
融資の利率が優遇され、据置期間が設けられ長期返済ができるので、事業資金の不足や資金繰りに悩んでいる人は利用を検討してみてください。

まとめ

社会では不安感が根強く、中小企業が置かれている環境も厳しくなっています。

しかし、中小企業を支援する目的の補助金や優遇制度も国や地方自治体で実施されています。
経営が厳しい時やこれからの見通しに不安がある場合には、利用も検討してみてください。

創業手帳の冊子版(無料)は、資金調達や節税など起業後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。
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(編集:創業手帳編集部)

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