【2024年6月末まで延長】コロナ借換保証とは?メリットや注意点、手続きの流れ等

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事業再構築補助金 第12回の加点項目にもなったコロナ借換保証を解説!返済負担軽減や新たな資金調達に

2024年4月以降、民間ゼロゼロ融資の返済が本格化し、中小企業の倒産件数も増加している昨今。国は資金繰りの支援策で、ゼロゼロ融資の借換先であるコロナ借換保証の取扱期間を同年6月末まで延長しました。またコロナ借換保証は4月23日に公募が開始された事業再構築補助金 第12回の加点項目にも新たに加えられ、今注目のキーワードとなっています。

今回はそんなコロナ借換保証の概要をわかりやすく解説します。資金繰りを改善してコロナの影響から脱したい方、事業再構築補助金の採択審査を有利に進めたい方などはぜひ参考にしてください。

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コロナ借換保証とは

コロナ借換保証とは、 コロナ禍で民間ゼロゼロ融資等の債務が増大した中小企業の返済負担を軽減するための借換え保証制度。借換え保証とは、新たに保証付借入金を借り入れて既往債務を返済し、毎月の返済額を減らせる仕組みのことを指します。

コロナ借換保証では、経営行動計画書を作成し金融機関の伴走支援を継続的に受けることを条件に、格安の信用保証料で借り換えが可能。元々は、民間ゼロゼロ融資の返済開始が集中する2023年7月〜2024年4月に合わせ、23年1月10日に創設されました。

またコロナ借換保証の保証限度額は、民間ゼロゼロ融資の上限額6千万円を上回る1億円。民間ゼロゼロ融資のほか、他の保証付融資からの借り換えや事業再構築等の前向き投資といった新たな資金需要にも対応しています。

【コロナ借換保証の制度概要】

保証限度額 1億円
保証期間 10年以内
据置期間 5年以内
金利 金融機関所定
保証料(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)
要件 売上または利益率が5%以上減少 など
その他 100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
経営行動計画書の作成
金融機関の継続的な伴走支援
取扱期間 2024年6月30日まで(予定)
※信用保証協会に保証申込がなされたもの
出典:中小企業庁「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始します。」

取扱期間は2024年6月30日まで延長

コロナ借換保証の取扱期間は、2024年4月にゼロゼロ融資の返済が本格化することを踏まえて同年6月末まで延長されました。7月以降は支援水準をコロナ前に戻し、経営改善・再生支援のための資金繰り支援へと移行するとのことです。

下記の通り、コロナ借換保証には複数の要件があり、いずれかを満たせば融資の対象となります。 返済負担の軽減や新たな資金調達に便利な制度なので、取り扱いが終了する前に一度活用を検討してみるとよいでしょう。

(コロナ借換保証の要件詳細)
下記①~④のいずれかに該当すること。また、金融機関による伴走支援と経営行動計画書の作成が必要。
①セーフティネット4号の認定(売上高が20%以上減少していること。最近1ヶ月間(実績)とその後2ヶ月間(見込み)と前年同期の比較)
②セーフティネット5号の認定(指定業種であり、売上高が5%以上減少していること。最近3ヶ月間(実績)と前年同期の比較) ※①②について、コロナの影響を受けた方は前年同期ではなくコロナの影響を受ける前との比較でも可。
③売上高が5%以上減少していること(最近1ヶ月間(実績)と前年同月の比較)
④売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少していること(③の方法による比較に加え、直近2年分の決算書比較でも可)

出典:中小企業庁「『コロナ借換保証』の概要について」

事業再構築補助金 第12回の要件・加点項目に

(10)加点項目
【コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点(コロナ借換加点)】
① 応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること。
※コロナ借換保証等とは、下記の制度を指す。
(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
※ 各自治体が実施している制度においては、国の全国統一制度である「伴走支援型特別保証」
に対応した制度であれば対象とします。
(2)コロナ経営改善サポート保証
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
(7)[新型コロナ関連]マル経融資
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金 等
※応募申請時において、既往債務を借り換えていることが必要です。過去に上記の制度を利用した実績があっても、完済している場合は対象になりませんのでご注意ください。

出典:事業再構築補助金事務局「事業再構築補助金 公募要領 第12回」

2024年4月23日に公募が開始された事業再構築補助金 第12回では、コロナ借換加点が新設されました。コロナ借換保証で既往債務を借り換えていると審査で有利になり、採択が受けやすくなります

またコロナ借換保証の利用者に特化した「コロナ回復加速化枠(通常類型)」という新しい申請枠も登場。同枠ではコロナ借換保証の利用が必須要件となっており、今なおコロナの影響を受ける事業者に最大2,000万円(従業員数30人の場合)の補助がなされます。

事業再構築補助金は、新市場進出や事業・業種転換といった中小企業の思い切った挑戦を支援する制度。コロナの影響からの回復も見越して新事業にチャレンジしたい起業家・経営者に役立つ補助金です。同補助金についての詳細は下記の記事で詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。

事業再構築補助金 第12回の変更点は?抜本的見直しの概要をスケジュールと共に紹介


コロナ借換保証の承諾実績

中小企業庁によると、コロナ借換保証の承諾実績は162,563件、4兆720億円です(2023年1月10日~2024年3月22日)。

ゼロゼロ融資の融資実績は約234万件以上といわれているため、ゼロゼロ融資からコロナ借換保証への借換率は最大で約7%と試算できます。また中小企業の全数は約336万者なので、中小企業全体の5%弱、20社に1社がコロナ借換保証を利用している計算です。

なお、コロナ借換保証の保証上限額は1億円ですが、実績では5,000万円以下の契約が約8割を占めていると報告されています(2023年3月末時点)。

コロナ借換保証のメリット

コロナ借換保証の利用には以下のようなメリットがあります。取扱期間の終了(2024年6月末)までまだしばらく猶予があるため、下記を参考に再度申し込みをご検討ください。

元金の返済を再度先延ばしにできる

すでに元金返済が本格化している民間ゼロゼロ融資ですが、コロナ借換保証に借り換えることで元金の返済を再度止めることが可能です。

コロナ借換保証の据置期間は最大で5年、実際には1年の据置となることが多いといわれています。つまりコロナ借換保証を利用すれば、既往債務の元金返済をさらに1年繰り延べることができ、資金繰りが楽になるということです。

複数の借入口を一本にまとめられる

コロナ借換保証は、ゼロゼロ融資に加え、他の保証付き融資からの借り換えや事業再構築等の新たな資金需要にも対応しています。そのため、借り換えによって複数の借入金を一本化し、毎月の返済額を減らすことが可能です。

例えば、ゼロゼロ融資ほか既往債務いくつかの借り換えに加え、新市場進出のための新たな借入をするといったケースが想定されます※。既往債務の返済負担を下げながら、追加の資金調達にも対応できるため、新事業に意欲を燃やす中小企業には一石二鳥です。

※実際に融資が受けられるかどうかは審査によります

事業再構築補助金の審査で有利になる

上述の通り、事業再構築補助金 第12回公募では、コロナ借換保証で既往債務を借り換えていることが加点措置となります。コロナ借換保証の利用を必須要件とする「コロナ回復加速化枠(通常類型)」も新設されました。

直近の事業再構築補助金は、行政事業レビューでの有識者からの批判も受けて、採択率が低下。第12回ではAI導入による審査の厳格化が中小企業庁からアナウンスされており、さらなる採択率の低下が危惧されています。

そのため、事業再構築補助金の採択を目指す事業者にとって、コロナ借換保証を利用していることは大きなアドバンテージです。コロナ借換保証で返済負担を低減しつつ、新しい資金需要を補助金で賄えれば、安定性を高めつつ、さらなる成長も見込めます。コロナの影響を受けた中小企業が窮地を脱して再活性化を図るには理想的な流れだといえるでしょう。

コロナ借換保証の注意点

コロナ借換保証への申し込みを検討する際は、以下の点にご注意ください。

金利や保証料の負担がある

実質無利子・無保証だった民間ゼロゼロ融資とは異なり、コロナ借換保証には利息や保証料の負担があります。民間ゼロゼロ融資から借り換える場合、金利や保証料の分だけ支払い額が増えるのでご注意ください。

ちなみにコロナ借換保証の信用保証料は0.2%等とされてます。金融機関による継続的な伴走支援などを条件に国が保証料の大半を補助し、信用保証料が大幅に(0.85%等→0.2%等に)引き下げられる仕組みとなっています。よって保証料は割安ですが、一律0.2%ではなく、実際には0.2%-1.15%と幅がある点にも注意しましょう。

金融機関の伴走を受けることが必須

コロナ借換保証について
コロナの影響の長期化や物価高など、多くの中小企業が引き続き厳しい状況にある中、積み上がった債務の返済負担への対応はもちろん、事業再構築などの前向きな取組の促進など、個々の事業者の実態を踏まえた支援が重要です。

そのため、今後、コロナ融資の借換え保証制度を創設することで、返済負担軽減のみならず、新たな資金需要にも対応します。

そこで、一定の要件を満たした中小企業者が、金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げるコロナ借換保証を1月10日より開始いたします。

出典:中小企業庁「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)を開始します。」

コロナ借換保証では、金融機関との対話や継続的な伴走支援を受けることが保証料引き下げの条件となっています。つまり、コロナ借換保証を利用する場合、金融機関と緊密に連携を取りながら事業を進めていくことは必須です。

金融機関の伴走支援によって経営改善や成長が実現される可能性ももちろん十分にあります。他方で、金融機関と密にコミュニケーションを取らなければならないことが、経営において負担や足枷になるケースも考えられます。そのため、経営者自身の性格や事業の性質なども踏まえ、利用の是非を考えるのがよいでしょう。

コロナ借換保証 手続きの流れ

出典:中小企業庁「『コロナ借換保証』の概要について」

コロナ借換保証の手続きフローは、「1. 経営行動計画書の作成→2. 与信審査(金融機関)→3. セーフティネット保証の認定申請(市区町村)→4. 保証審査(保証協会)」という流れ。金融機関と対話しながら、もしくは金融機関主導で行う工程が多いため、金融機関と相談しながら進めていけば問題ないでしょう。

なお、コロナ借換保障の取扱期間は2024年6月30日協会申込受付分までとなっています。ただし、6月30日は日曜日なので、金融機関の前営業日である6月28日(金曜)が実質的な協会申込受付の期限となります。利用を希望する際は、なるべく早く金融機関に相談しましょう。

コロナ借換保証に関してよくある質問

以下では、コロナ借換保証に関するよくある質問にお答えします。

Q. 経営行動計画書とは?

経営行動計画書とは、中小企業が金融機関との対話を通じて作成する現状認識および今後のアクションプランをまとめた資料です。5カ年の取り組み目標が明記され、金融機関による伴走支援の中では進捗確認に用いられます。

経営行動計画書には主に以下の6項目が記載されます。

  • 事業者名簿
  • 現状認識
  • 財務分析
  • 計画終了時点における将来目標
  • 具体的なアクションプラン
  • 収支計画及び返済計画

Q. 金融機関の伴走支援とは具体的にどんなもの?

経営力再構築伴走支援は、経営者等との「対話と傾聴」を通じて、事業者の「本
質的課題」に対する経営者の「気づき・腹落ち」を促す
ことにより「内発的動機
づけ」を行い、事業者の「能動的行動・潜在力」を引き出し、事業者の「自己変
革・自走化」を目指す支援方法と言えます。

出典:中小企業庁「経営力再構築伴走支援ガイドライン」

金融機関にある伴走支援の基本は、経営者との「対話と傾聴」です。経営者と密にコミュニケーションをとりながら課題認識や動機付けをサポートし、必要に応じて解決策や情報・データの提供も行います。

経営者・起業家目線では、信頼できる第三者に経営について継続的な相談に乗ってもらえるというイメージです。

まとめ

コロナ借換保証は、返済が本格化するゼロゼロ融資からの借り換えや事業再構築等の新しい資金需要に対応した資金繰りの支援策。事業再構築補助金 第12回の加点項目にもなっており、中小企業にとってメリットの大きい注目の制度です。

そんなコロナ借換保証の取扱期間は、2024年6月末(実質は28日)協会受付分まで。利用をご希望の方は、今日、明日にでも金融機関に相談するのが良いでしょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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