株主総会の招集通知、いつまでに送る?何を書く?

創業手帳

会社によって違う株主総会招集通知の期限と作成方法

(2017/05/13更新)

「さぁ、株主総会を開くぞ!」と意気込んではみたものの、どんな手段で、いつまでにどんな内容を知らせればいいのでしょうか。結婚式の招待状は受け取ったことがあるけれど、株主総会のお知らせは送ったことがない・・・というあなたに、株主総会の招待状「招集通知」の書き方をお伝えします。

株主総会は、決算の三カ月以内に行わなくてはなりません。決算では、決算報告書の作成と確定申告を行います。つまり非常に忙しい作業です。きちんとスケジュールを把握しておかなくては、事業に支障をきたすほど時間をとられてしまうかもしれません。冊子版の創業手帳(無料)では、このような決算や確定申告など、創業期の税金イベントをわかりやすく表にまとめています。事前に把握し、前もって準備することで、安心して株主総会を迎えることができるでしょう。

「公開会社」と「非公開会社」で招集通知の期限が違う

まず気を付けておきたいことは、株主総会の招集通知は、「公開会社」と「非公開会社」で期限が異なっている、ということです。

「公開会社」の場合

公開会社とは、定款で「株数に関係なく、譲渡制限がなく、自由に株式を譲渡できる株式を発行できる」と定めた株式会社のことです。

公開会社では、株主総会の日の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。2週間前までに、というのは、招集通知の発送、または発信日を除いて14日間ということですから、株主総会開催日の15日前が招集通知の発送期限となります。

「非公開会社」場合

対して、非公開会社とは「全ての株式を定款で譲渡制限している会社」のことです。

非公開会社では、株主総会の日の1週間前までに招集通知を発送します。こちらも公開会社と同様、招集通知の発送、また発信日を除いて7日間必要ですから、株主総会開催日の8日前が招集通知の発送期限となります。非公開会社で取締役会を設置していない会社では、定款で定めるところにより、招集期間を1週間未満にしてもかまいません。

ただし、株主総会で書面投票制度・電子投票制度を採用した場合、株主総会の2週間前までに招集通知を発送しなければなりません。

招集通知の作成方法は?

株主総会の開催が決まったら、次に4つの必要事項を決めて、株主に通知しましょう。

  • 株主総会の日時と時間
  • 株主総会を開く目的が定まっている場合、その事項
  • 株主総会を欠席する株主が書面や電磁的方法で議決権を行使できるときはその旨
  • 法務省令で定める事項

日時は元号を使うのか、西暦にするのか、全体を通してばらつきが生じないように注意しましょう。

招集通知は、株主名簿に載っている株主宛てに発信し、議決権を行使できない株主や所在不明の株主には通知を送る必要はありません。また、宛名は株主の個人名ではなく、「株主各位」や「株主の皆様へ」と書いて構いません。

このような株主総会に関する業務は総務の管轄です。このような作業が得意ではない起業家はたくさんいることでしょう。そこで、冊子版の創業手帳では、総務をアウトソーシングするメリットについて詳しく解説しています。総務をアウトソーシングすることで、本業に集中できたり、コスト削減などのメリットがあります。ぜひ参考にしてみてください。

本文作成の注意点

本文を作成するときには、発信の日付・会社情報を記載しましょう。
発信日時は平日にすることが多く、招集者を明らかにするために会社の所在地・名称・地位と取締役氏名を記入します。

会社の住所は、登記上の本社所在地にしますが、現実に本店所在地と異なる場合や、一時的に仮本社事務所などがある場合は、両方とも記入する必要があります。
表題には、定時株主総会か、臨時株主総会かを明記し、定時株主総会の場合は「第○回(期)」と記入しましょう。

本文を作る際、この招集通知は「株主のかたへ向けたお手紙」ですから、拝啓・敬具を用いた書式を採ります。そして、目的事項・開催日時・開催場所は分かりやすく敬具の後に羅列し、最後に「以上」で締めくくるといいでしょう。

株主総会に欠席する方にも配慮が必要です。
この欠席する方への文面を「なお書」といい、なお書は、書面や電子的な手段で投票できるのか、もしくは委任状用紙を返送するようお願いするのか、フォントを変えたり、囲み線を設けるなどして目立つように工夫しましょう。

ちなみに、書面投票制度、電子投票制度を導入することを取締役会の決議で決めた場合、「株主総会に出席しない株主が書面(もしくは電磁的方法)により議決権を行使することができる」と記載しておく必要があります。

追記作成の注意点

追記事項には、目的事項、開催日時、開催場所をまとめて記載します。こちらも、開催日は招集通知を発信した日付との間に2週間(非公開会社で書面投票・電子投票を採用しない会社は1週間)以上の日数が必要です。

開催場所も、ただ建物の名称を記載するのではなく、会議室なら何階の何号室、もしくは「○○の間」などと詳しく書いておきましょう。定期総会で例年と場所が違う場合は「前回と場所が変更されておりますのでご注意願います」などと書き添えましょう。

そして、今回の株主総会の目的事項(報告事項と決議事項)、議案についても羅列します。目的事項は、株主に何が報告・決議されるのかを具体的に書いておくと良いでしょう。議案のうち、会社提案と株主提案は分けて書きます。

追記事項の中に、書面投票や電子投票の取り扱いやインターネットによる開示事項、懇親会の開催案内など、細かい事柄を記すこともあります。これら追記は株主総会の内容によって異なりますので、株主の皆さんに来場前に知っておいてもらったほうがいいことを、正確に、そして丁寧に書いておくように心がけましょう。

まとめ

株主総会は、会社にとっても株主にとっても重要な機関です。お互いが気持ちよく会社を運営していけるよう、きちんとした準備と、円滑な実行に取り組んでいきましょう。

この記事では、招集通知のみ解説しましたが、株主総会ではほかにもやらなくてはならないことがたくさんあります。たとえば議事録の作成や、役員報酬の決議などです。このような専門的な業務はやはり専門家に頼むほうがミスがすくなくなるでしょう。税務の面でポイントとなってくる場合もありますので、税理士に依頼するのもいい手でしょう。冊子版の創業手帳では、税理士を活用している起業家のインタビュー記事を掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。また、冊子版の資料請求時に、Web版の創業手帳の無料会員登録ができます。登録しておくことで、株主総会の招集通知を始め、契約書、会社設立、運営に関わる雛形・テンプレート一式を無料でダウンロードできます。資料の請求も雛形のダウンロードもすべて無料なので、どんどん活用してください。

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(執筆:創業手帳編集部)

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