【見込み客を獲得する】BtoBサイトの作り方!CVの出やすい『型』とは?
コンバージョン(CV)率アップのための導線設計やコツも解説
起業を考えている方や創業して間もない方の中には、これから会社のホームページを作成する方も多いことでしょう。
BtoBビジネスにおいては、サイトが非常に重要な役割を果たします。優れたBtoBサイトは、マーケティングツールとして見込み客を集めたり、売上を増やしたりして事業を拡大することができるからです。とは言うものの、
- BtoBサイトの作り方がわからない
- すでにサイトはあるが効果が出ていない
- サイト制作に時間やコストをかけられない
そんなお悩みや課題を抱えている方も多いと思います。
そこで今回は、【見込み客を獲得する】BtoBサイトの作り方と『型』について解説していきます。
BtoBサイトにはCVを取るための型があります。型を使って作成すれば、時間もコストも削減できます。
反響の出せるBtoBサイトを作りたい起業家の方は、ぜひ本記事を参考にしてください!
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
BtoBサイトとは?企業間取引のためのサイト
BtoBとは、Business to Businessの略で、日本語に訳すと企業間取引という意味になります。つまり、BtoBサイトとは企業間取引のためのサイトということです。
BtoBサイトでは、自社の商品やサービスを紹介したり、情報発信で見込み客を集めたりして、売上の向上や事業規模の拡大を狙います。
この目的を達成するためには、CV(コンバージョン:目標達成)が重要です。
企業の業態やサイトの目的によってCVにはさまざまな種類がありますが、本記事におけるBtoBサイトのCVは、『お問い合わせや資料請求、見積り依頼などの商談につながる顧客情報の獲得』としています。
なぜCVを取る必要があるのか?
では、なぜCVを取る必要があるのでしょうか?
多くのビジネスにおいて、事業継続ができなかったり、売上拡大ができなかったりする根本的な原因は見込み客の少なさにあるからです。
下記のデータは、中小企業における倒産原因を中小企業庁がまとめたものです。倒産原因の73%が販売不振であることがわかります。
中小企業庁:倒産の状況(令和3年12月分)・https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/tousan/index.htmより引用
販売不振の原因はいろいろ考えられますが、精度の高いお問い合わせや資料請求、見積り依頼などがたくさんあれば、販売不振に陥ることは考えにくいです。
BtoBサイトで多くの見込み客を獲得できれば、売上や事業を拡大につなげることができます。
インターネットが普及し、顧客の要望も多様化している現代においては、BtoBサイトの役割『お問い合わせや資料請求、見積り依頼などの商談につながる顧客情報の獲得』が非常に重要なものになっています。
CVの取れるBtoBサイトを作るメリット
BtoBサイトでCVを獲得する主なメリットは以下の3つです。
- 見込み客を獲得することができる
- 顧客のニーズや反応をデータ化できる
- 売上や事業を拡大できる
それぞれを解説していきます。
見込み客を獲得することができる
本記事でのBtoBサイトのCVは、『お問い合わせや資料請求、見積り依頼などの商談につながる顧客情報の獲得』としました。
CVに含まれる情報は、
- 会社名
- 役職
- 担当者名
- メールアドレス
などです。こうした情報があれば、自社製品やサービスの詳しい情報をメールで配信したり、セールス部隊が顧客に直接アプローチすることができます。
お問い合わせや資料請求、見積り依頼などをする顧客は、成約につながる可能性のある優良な見込み客です。
見込み客の獲得(リードジェネレーション)ができれば、成約のチャンスが広がるのです。
顧客のニーズや反応をデータ化できる
BtoBサイトでCVを取ることによって、顧客のニーズや反応をデータ化することができます。
例えば、A製品とB製品の2種類の資料請求があったとします。BtoBサイトなら、それぞれの資料請求数を分析したり、BtoBサイトのどのページに関心を持たれているのかを把握することができます。
こうしたデータは、今後のマーケティングやセリングに生かすことができます。このような分析に基づく対策をデータドリブンと言います。
数値による根拠に基づいた傾向を元に戦略や戦術を決めていくことができるようになります。
経験や勘に頼らない顧客分析によって、正確なニーズを把握し、自社のさまざまな活動にデータを活用することができます。
売上や事業を拡大できる
BtoBサイトが見込み客を獲得し、そこで得られた情報を活用できれば、売上や事業を拡大することができます。
見込み客との関係性を強化したり、定期的な情報提供をしていくことによって、商談回数や成約率が増えていくからです。
このように顧客との関係性を強化していく活動をリードナーチャリングと言います。リードナーチャリングをすることによって、成約に近い顧客を増やしていくことが可能となります。
BtoBサイト作りの型とは?
BtoBサイトを効率的に作るための、型をご紹介していきます。
BtoBサイトに必要なページは、ある程度決まっています。下記のページを網羅すれば、しっかりしたBtoBサイトができる上に、コンバージョンも獲得しやすくなります。
- トップページ
- 会社概要
- 導入事例・お客様の声
- 製品・サービス紹介
- よくある質問
- セミナー・ウェビナー
- 資料ダウンロード
- ブログ・オウンドメディア
- 価格・プラン
- 新着情報・お知らせ
それぞれのページを解説していきます。
トップページ
トップページは会社の印象を決める大事なページです。ファーストビューにはメインとなる事業をアピールする画像を配置しましょう。
(※トップページの例)
また、トップページはキャッチコピーが大切。一瞬で自社の提供する価値が伝わるコピーを考えてみましょう。
その他として、サイト内の各コンテンツの紹介とリンクを設置します。自社サービスに関心を持った顧客は、さらに深い階層のページに遷移していきます。
何を提供する企業なのか、顧客にどんな価値を与えるサービスなのか、一瞬でわかるようなページを目指しましょう。
会社概要
会社の基本的な情報を掲載するページです。会社概要をしっかりと掲載することによって、信頼感のあるイメージを与えることができます。
会社概要に掲載する情報は以下の通りです。
- 会社名
- 所在地
- 代表者
- 設立
- 資本金
- 事業内容
- 電話番号
- 地図
開示できる場合は、下記のような情報も掲載すると信頼性がさらにアップします。
- 沿革
- 主要取引先
- 主要取引銀行
- 売上高
- 従業員数
- 役員
- 許可・登録・免許
会社概要はシンプルで見やすいデザインにすると、会社の信頼感を感じられるページになります。
地図はGoogleマップを埋め込むと良いでしょう。BtoBサイトの集客と合わせてMEO(マップエンジン最適化)もすると、さらに効果的な対策になります。
製品・サービス紹介
製品・サービス紹介のページは、見込み客にとって非常に重要なページです。誰のどんな問題を解決できるものなのか、わかりやすく伝えられるページにしましょう。
どんな機能やメリットがあるのかを説明するだけでなく、それによって顧客が得られるベネフィットを伝える必要があります。
なぜなら、顧客が求めるものは、製品やサービスそのものではなく、それを利用することによって得られるベネフィットだからです。
例えば、薄型の軽いノートパソコンなら、軽さや重量をアピールするだけでなく、『カフェや移動中でもスタイリッシュに仕事ができ、持ち運んでも疲れにくい』というベネフィットを伝えます。
また、ダイエット食品であれば、成分や効果だけでなく、『おいしくて笑顔になれる』というベネフィットを伝えます。
導入事例・お客様の声
導入事例やお客様の声は、顧客がもっとも関心を示すページです。できるだけ多くの事例を具体的に紹介するとともに、お客様の会社名や担当者名、写真も掲載できるように協力をお願いしましょう。
起業したばかりで導入事例が少ない場合は、無料モニターやお試し体験などを提供することで、お客様の声を集めましょう。
導入事例やお客様の声は、自社が顧客に与えられる価値を証明するものです。あらゆる努力で情報をかき集めて、できるだけ多くの情報を具体的に掲載することをおすすめします。
価格・プラン
価格・プランのページは、シンプルにわかりやすい表記をしましょう。
価格構成やプランが複雑だと、顧客に良い印象を与えることができません。内容が難しくて理解できないとページから離脱してしまうからです。
価格やプランが複数ある場合は、表にまとめるとわかりやすくなります。
新着情報・お知らせ
会社やサービスに関する新着情報をアップするページです。
新しい情報が次々にアップされていると、活発でいきいきとした良い印象を顧客に与えることができます。
リリース情報や機能強化、メディア掲載、キャンペーンなど、新しい情報を積極的に更新していきましょう。
よくある質問
製品やサービスに関するよくある質問を掲載していきましょう。
顧客が抱えがちな疑問や不明点を、よくある質問ページは払拭してくれます。それにより顧客は安心して製品やサービスを検討することができます。
よくある質問は、自社の人間が想像で作成するのではなく、商談や、アンケート、カスタマーサポートなどで実際に顧客から出た質問を集めるようにしましょう。
セミナー・ウェビナー
顧客が抱える課題を解決しつつ、自社の製品やサービスを紹介するセミナーは、見込み客の獲得に非常に有効です。
最近ではオンラインで気軽に参加できるウェビナーも人気。BtoBサイトで集客して、ウェビナーの参加者を募れば、優良な見込み客の獲得ができます。
資料ダウンロード
顧客にとって有益な統計情報やアンケート結果などを資料(ホワイトペーパー)にまとめます。それを、個人情報と引き換えにダウンロードできるようにして、見込み客の獲得を行うことができます。
例えば、会計システムの見込み客ならば、『節税対策や業務効率化のコツ』といった資料が有効でしょう。
不動産売買の見込み客ならば、『不動産の需給予測をまとめた資料』や『不動産売買に関するアンケートの集計結果』を資料にしてみると良いかもしれません。
ブログ・オウンドメディア
ブログを使ったオウンドメディアの運営も集客には非常に効果的です。
オウンドメディアで配信する記事は、日記のようなものではなく、検索キーワードを分析し、顧客の抱える問題を解決できるような内容をアップします。
記事が増えれば増えるほど、SEOで優良な見込み客を集めることができます。
CVを取るための導線設計
BtoBサイトで優良な見込み客を集客することができても、CVの導線設計がしっかりしていないと見込み客を取り逃がしてしまいます。
CVを取りこぼさないための導線設計をしていきましょう。
CVを取るための主な導線設計は以下の3つです。
- フッターやナビゲーションメニューにCV導線
- 記事下にCTAを配置
- ボタンは大きくシンプルに
それぞれを解説します。
ヘッダーやフッター、ナビゲーションメニューにCV導線
ヘッダーやナビゲーションメニューに、CV導線を設置しましょう。ヘッダーは常に表示されるように固定すれば、いつもCV導線を表示できます。
また、フッターやナビゲーションメニューにも導線を設置することで、ページのどこからでもお問い合わせや資料請求ができるようにしておきましょう。
記事下にCTAを配置
記事下にはCTAを設置します。CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略で、「行動喚起」をする導線です。
BtoBサイトのコンテンツに関心をもった顧客は、ページ下へとスクロールしていきます。コンテンツを読み終わった先に、CV導線がなければ顧客はそのままページを離脱してしまいます。
ページを読み終わった顧客がスムーズにお問い合わせや資料請求ができるようにCTAを設置していきましょう。
ボタンは大きくシンプルに、色は目立たせる
お問い合わせや資料請求のボタンは、大きくシンプルなデザインにしましょう。ボタンの色も目立つ方が良いでしょう。
ボタンが小さかったり、ボタン内に細かい文字が書かれていると、顧客はボタンの存在に気付かずにスルーしてしまいます。
背景や周りの色とボタンの色が同化している場合も気づきにくいです。お問い合わせや資料請求ができることをアピールするためにも、ボタンの色は目立たせましょう。
CVをアップさせるコツ
ここまでCVを取るために必要なページとCVの導線設計について紹介しましたが、さらにCVをアップさせるためのコツをご紹介します。
- ページごとにCTAを最適化
- 入力項目は厳選する(入力フォームはシンプルに)
- お得なベネフィットを記載する
それぞれを解説します。
ページごとにCTAを最適化
ページごとにCTAを最適化することも検討してみましょう。どのページでも共通のCTAを設置することも多いのですが、顧客が読んでいるコンテンツにマッチしたCTAの方がCVする確率をアップできます。
例えば、太陽光パネルに関するページのCTAなら、太陽光パネルの選び方の資料をCTAに。家庭用蓄電池に関するページのCTAなら、家庭用蓄電池のメリットを解説する資料をCTAにします。
コンテンツとCTAの内容をマッチさせれば、CVする確率をアップすることができます。
入力項目は厳選する(入力フォームはシンプルに)
個人情報の入力内容は、できるだけ厳選しましょう。どんな事業を展開したいかによってもフォームで聞いておきたい項目が変わりますが、細かい内容をたくさん入力させようとすると入力フォームで顧客が離脱してしまいます。
基本的には、会社名、担当者名、メールアドレスさえわかれば、メールマガジンを送ったり、電話や訪問による直接アプローチが可能になります。
なるべく入力項目は厳選して、シンプルな入力フォームを作成しましょう。
お得なベネフィットを記載する
ボタン付近やCTAにはお得なベネフィットを記載することで、CVする確率をアップすることができます。
お得な割引情報や期間限定のプレゼントキャンペーンなど、顧客がお問い合わせや資料請求をしたくなるようなベネフィットをボタンの近くやCTAに記載しましょう。
CVRをアップさせるためのツール
CVする確率を上げるためには、便利なツールを導入することもおすすめです。
ここでは代表的な以下の3つをご紹介します。
- チャットシステム・チャットボット
- EFO(入力フォーム最適化)
- ポップアップバナー(Web接客ツール)
それぞれを解説します。
チャットシステム・チャットボット
チャットシステムを導入することで、顧客とインタラクティブなコミュニケーションができるようになります。顧客がいますぐ聞きたい疑問を解消できたり、メールや電話よりも気軽に質問ができたりするメリットがあります。
手動でのチャット対応が難しい場合や時間外もチャットで対応したい場合は、チャットボットの導入もおすすめです。
チャットボットが自動的に接客してくれるので、お問い合わせ対応の手間を削減できたり、24時間365日の対応が可能になったりします。
EFO(入力フォーム最適化)
EFOは、入力フォーム最適化(Entry Form Optimization)の略で、フォームへの入力を支援してくれるツールです。
自動でふりがなを入力したり、必須項目を色でお知らせしたりすることによって、入力がスムーズに完了するようにサポートする機能です。
入力フォームでの離脱を防ぐだけでなく、フォームのどの項目で顧客が離脱しているのかを分析する機能もあります。
ポップアップバナー(Web接客ツール)
ポップアップバナーを表示することによって、顧客のCVを促す機能です。
顧客のページ滞在時間やスクロールした位置によって、自動でバナーを表示することができます。バナーのデザインを複数用意すれば、バナーごとにクリック率やコンバージョン率を集計して分析することもできます。
お得なキャンペーンなど、顧客にメリットのある情報をポップアップさせると効果的です。
まとめ 【見込み客を獲得する】BtoBサイトの作り方
今回は見込み客を獲得するためのBtoBサイトの作り方について解説しました。
CV(お問い合わせや資料請求、見積依頼など)が取れるBtoBサイトを作れば、自社の見込み客を増やすことができます。見込み客を増やすことができれば、売上や事業を拡大することができます。
BtoBサイトで集客をするには、顧客に対してどんな価値を提供しているのかをわかりやすく表現するとともに、CVの導線設計が大切。
CVの取れるBtoBサイトの型を参考にして、売上や事業を拡大できるBtoBサイトを制作してください。
(編集:創業手帳編集部)