【最新版】国内ベンチャーキャピタル(VC)一覧|実際に聞いた投資を受けるポイント
創業手帳が実際にインタビューしてみてわかった投資を受けるポイント
ベンチャーキャピタルとは、将来大きな成長を期待できる未上場の新興企業に対して、投資する専門の会社やファンドのことです。ベンチャーキャピタルにはさまざまな種類があります。金融機関系・独立系・大学系・事業会社系・地域特化型・海外系に分かれ、それぞれの投資判断ポイントは微妙に違ってきます。
今回は、国内のベンチャーキャピタルをまとめ、それぞれの特徴を比較してみました。創業手帳がインタビューしたVCに関しては関連記事を紹介しているので、是非VCどこを見ているのか、ヒントを掴んでほしいと思います。
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この記事の目次
アクセラレーター・インキュベーター15選
アクセラレーターとは既存の成長段階にある企業が成長するためにサポートする組織です。一方、インキュベーターとは設立したばかりの起業に対しインキュベーションを提供する会社や団体のことを言います。
起業したてのベンチャー企業に投資してくれるシードアクセラレーター/インキュベーターをピックアップしました。「アイデアだけ」の段階から応募可能なプログラムや、資金面以外にも、イベント開催、シェアオフィスの貸し出し、専門家との面談などさまざまなサポートが用意されているプログラムもあります。
どの内容の支援が自分たちに必要かを見極め、より大きな成果を期待できる組織を選びましょう。
アクセラレーターとインキュベーションについて詳しく解説した記事があるので、こちらも参考にしてください。
Beyond Next Ventures
大学の研究を事業化する支援プログラム「BRAVE」を2016年からスタートさせ、研究開発系スタートアップ支援で累計220億円のファンドを運用しているBeyond Next Ventures。
「大学発新産業創出プログラム(START)」における事業プロモーターや、NEDOの研究開発型ベンチャー支援事業に関するベンチャーキャピタルとして認定も受けています。
さらに、日本橋に都心初シェア型ウェットラボ「Beyond BioLAB TOKYO」も開設。
“日本の科学技術で世界を豊かにする”というメッセージのもと、VCという枠組みを超えて、研究者や起業家が挑戦しやすいインフラの構築に取り組み、プロフェッショナルな伴走者として新産業の創出を目指しています。
Beyond Next Ventures(https://beyondnextventures.com/jp/)
創業手帳による、Beyond Next Ventures株式会社代表取締役伊藤毅氏へのインタビュー記事も以下からチェックしてみてください。
KDDI∞Labo
KDDIグループがサポートするプログラムです。2011年から約半年サイクルで10期を重ね、これまでに50チーム以上が卒業しました。アクセラレータープログラムに軸足を置き、アイデア段階のものから、サービスリリース済みのチームまで広く参加対象としています。ソフトウェアだけでなく、モノづくりを支援する「ハードウェアプログラム」、学生が代表者のチームを受け入れる「学生枠」などが用意されているのも特徴の一つです。
2023年度のプログラムは以下の3つを実施しています。
- 事業支援プログラム「MUGENLABO支援プログラム 2023」
- 人財支援プログラム「side project with MUGENLABO」
- 共創プログラム「高輪ゲートウェイ Startup Program」
また、KDDIグループ以外にもGoogle、電通、マイクロソフトをはじめ、日本有数の大企業が「アクセラレータ企業」「サポート企業」として参画するパートナー連合プログラムがスタートアップをバックアップする体制を持っています。2015年からは「地方連携構想」を拡大して、大阪市、福岡市、広島県、石巻市と連携した「MeetUp!」プログラムを実施しています。
(ニュース記事:http://sogyotecho.jp/news/20150715kddi/)
KDDI∞Labo(http://www.kddi.com/ventures/mugenlabo/)
500 Startups Japan
「500社に投資したい」という名前の由来が示すように、「たくさんの投資をする」ことを掲げたシリコンバレー生まれのシード投資ファンドで、2010年設立以来すでに50ヶ国、1,500社以上に投資しています。
500 Startups Japanは海外拠点として2015年に設立され、「Lots of Little Bets(小さな投資をたくさん)」戦略でスタートアップへの投資を開始しました。「シリコンバレーのノウハウを日本に輸入する」「日本のベンチャーの海外展開」「グローバルなエグジットの増大」を目標に掲げています。起業準備中の人向けのマッチングイベント「ファウンダーズフライデー」、気軽な相談会「オフィスアワー」などの窓口が用意されています。
500 Startups Japan(http://500startups.jp/)
Open Network Lab
3ヶ月の短期集中プログラムで育成を図るSeed Accelerator Programを中心に、2010年のスタート以来140社以上のスタートアップを支援しています。「世界に通用するプロダクトを作り上げるスタートアップの育成」を目的に、参加チームには資金提供、メンタリングのほか、代官山、鎌倉、サンフランシスコにある「インキュベーションセンター」が利用できます。メンターには伊藤穰一氏(MITメディアラボ所長)はじめ、著名人が名を連ねています。
また、2016年から「Open Network Lab BOOTSTRAP」として、スタートアップ予備軍の発掘をめざす超短期集中ワークショップを各地で開催しています。
卒業生の中には、ドリパス(オンデマンド映画)、Anyperk(福利厚生提供サービス)、楽天に売却してエグジットしたFril(フリマアプリ)などがあります。
Open Network Lab(https://onlab.jp/)
サムライインキュベート
2008年5億円のファンドからスタートし、すでに100社以上に投資しています。海外拠点「Samurai House In Israel」をテルアビブに構えるなど、ハイテク産業が盛んなことで知られるイスラエルにもネットワークを持ち、投資先にも日本企業のほか、イスラエル企業が多数含まれているのが特徴的です。また、イスラエルで起業する日本人への投資も積極的に行う意向です。
(ニュース記事:http://sogyotecho.jp/news/20150909samurai-incubate/)
そのほか、イベント「Samurai Venture Summit」の運営、スタートアップ向けのPR支援サービス(提携:PRTIMES)などを行っています。(https://sogyotecho.jp/news/20150818prsupport/)
主な投資領域はIT、ウェブ、モバイルアプリ、IoTなどで、日本の投資先としては、ピクスー(IoTデバイス)、AmazingLife(ライフエンディングサービス)、笑農和(農業IT)などがあります。
サムライインキュベート(http://www.samurai-incubate.asia/)
サンブリッジグローバルベンチャーズ
株式会社サンブリッジのベンチャー支援事業を独立させて2012年に誕生したファンドです。世界各地でもInnovation Weekendを共催していることでも知られています。「日本発グローバルベンチャー企業の育成」を掲げてシリコンバレー、東京、大阪に拠点を構えています。
投資先では、セールスフォース・ドットコム、オウケイウェイブ、マクロミルなどがIPOに到達したほか、WHILL(パーソナルモビリティ)、Peatix(ソーシャルチケッティング)、AnyRoad(通訳マッチング)など、インターネット関連分野のエンジェルラウンドがメインです。
また、2015年に阪急電鉄と提携してスタートした「梅田スタートアップファンド」のシードアクセラレーターを通して関西圏のスタートアップを支援しています。
サンブリッジグローバルベンチャーズ(http://www.sunbridge-gv.jp/)
Incubatefund
2010年以降だけでも投資総額170億円、投資先120社以上におよぶインキュベート・シード対象としては国内最大級のファンドとみられ、前身のインキュベイトキャピタルパートナーズ(1999年設立)を含めると17年の実績を持つ老舗の一つでもあります。シードアクセレレーションプログラム「Incubate Camp」を運営しています。
投資先分野はコンシューマー、Eコマース、エンタープライズ、ゲーム、フィンテック、アドテック、フロンティアテックのほか、他のベンチャーキャピタルへの投資も行っています。これまでにgumi、MonotaRO、ゴルフパートナー、Venture Republic、みんなのウェディングなどIPO、エグジットした投資先も多数あります。
Incubatefund(http://incubatefund.com/)
J-Seed Ventures
2000年に設立。現CEO C. ジェフリー・チャー氏自身がアメリカと日本で20社以上のベンチャー企業の立ち上げに関わった起業家でもあり、経験を生かしたインキュベーション支援を行っています。日本のスタートアップと、日本進出を目指す海外企業のための起業家育成オフィス「Venture Generation」を運営しています。
J-Seed Ventures(http://www.j-seed.com/japanese/)
SKYLAND VENTURES
「誰も知らない天才に投資する」というミッションを掲げて2012年8月に設立された比較的新しいベンチャーキャピタルです。創設者の木下慶彦氏は設立時26歳。当時国内最年少のVC設立としても話題になりました。
インキュベーション活動の一つとして、他のVCと共同で渋谷にコワーキングスペースを運営しているほか、「Skyland Ventures BEATS」というミーティングを毎週開催しています。
(http://sogyotecho.jp/news/20160928skyland-beats/)
投資先はインターネットテクノロジー領域で、八面六臂(生鮮流通)、イベントレジスト(イベント運営サポート)、LUGH TECH(笑うメディアクレイジー運営)などがあります。
2016年に組成した2号ファンドでも30件、総額12億円の投資を予定しています。
2023年以降の新たな投資先として、TaikoやKEKKAI、Desoulが加わりました。
(http://sogyotecho.jp/news/20160105skyland/)
他には、
- アーキタイプ
- 朝日メディアラボベンチャーズ
- East Ventures Accelerator
- Nippon Technology Venture Partners
- partyfactory
- みらいワークス
独立系VC40選
独立系VCとは、資金提供する親会社のなくどの組織にも属さずに独立した資本を持って運営するベンチャーキャピタルをいいます。純粋な収益の獲得が目的で、投資先企業のジャンルは幅広く扱っています。
GLOBIS CAPITAL PARTNERSグロービス・キャピタル・パートナーズ
言わずと知れた有名ベンチャーキャピタルです。投資額・投資先共に国内最大級のベンチャーキャピタルと言えるでしょう。
2016年1月には、三井住友信託銀行、日本政策投資銀行、大同生命保険、マスミューチュアル生命保険のほか、国内大手企業年金基金を含む国内外の大手機関投資家などを巻き込み、160億円の5号ファンドを組成したことでも知られています。
2023年4月には、7号ファンドの募集を合計727億円にて締め切りました。
投資先としては、ファッションアプリのVASILY、クラウドソーシングサービスのランサーズ、nanapi、オイシックス、面白法人カヤックなど、有名企業ばかりです。
FENOX VENTURE CAPITAL
シリコンバレーを拠点に国際的に活動するベンチャーキャピタルです。「Startup World Cup」の開催でも知られています。
約140社以上の投資先のうち、日本ではDream Link Entertainment(フラッシュアニメ「鷹の爪団」制作など)、テラモーターズ(EVバイク)、株式会社ジーニー(広告最適化)、株式会社ZUU(金融アドバイザリー)などが知られています。
東京に日本拠点「フェノックス・ベンチャーキャピタル・ジャパン」を持ち、日本のスタートアップへの投資を強化する意向を表明しました。(2015年プスリリース)
リレーション先の大手金融機関・大企業・国内外のフィンテック・不動産テックのスタートアップと、今後は業務提携や投資を推進する考えがあります。
FENOX VENTURE CAPITAL(http://www.fenoxvc.com/ja/)
その他には・・・(50音順)
- ANRI
- Beyond Next Ventures
- B DASH VENTURES
- DCM
- DRAPER NEXUS
- Femto Growth Capital
- F Ventures
- Femto Startup
- IMJ INVESTMENT PARTNERS
- Infinity Venture Partners
- Innovation Engine
- insprout
- IVP
- Scrum Ventures
- UTEC
- VoyageVentures
- WERU Investment
- WiL
- アコード・ベンチャーズ
- ウィズ・パートナーズ
- エンゼルキャピタル株式会社
- 環境エネルギー投資
- グローバル・ブレイン
- ケイエスピー
- サムライインキュベート
- サンエイト
- ジャフコ
- 日本アジア投資
- 日本ベンチャーキャピタル(NVCC)
- 日本みらいキャピタル
- バイオフロンティアパートナーズ
- 広島ベンチャーキャピタル
- ファストトラックイニシアティブ
- フューチャーベンチャーキャピタル
- 北海道ベンチャーキャピタル
- モバイル・インターネットキャピタル
- リード・キャピタル・マネジメント
- ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル(リアルテックファンド)
CVC(事業会社系)30選
“事業会社”とは、「金融以外の事業を主にしている企業」を指して、事業会社が直接、または、投資子会社を設立してファンドを運営しているものをまとめてCVC(Corporate Venture Capital)、事業会社系ファンドなどと呼んでいます。
IT関連、商社、メディアなどさまざまな企業が参入していて、新規分野の開拓を目指すもののほか、既存事業とのシナジー効果や提携を期待してテーマや投資領域を設定している場合もありますので、自身の起業プランとマッチするものに出会えると効果的なサポートにつながる可能性があります。
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
2000年設立。IT関連と、ITで新たな付加価値・成長が見込める領域(例えば農業関連、生命科学関連など)のシードからレイターまで各ステージのベンチャーに投資しています。伊藤忠グループが持つ国内外のネットワーク、ノウハウを生かしたサポートを通して「頼りになるVC」「グローバルに勝負できるVC」といった目標を掲げます。
投資先には、メルカリ(フリマアプリ)、PeaTix(ソーシャルチケッティング)、WHILL(パーソナルモビリティ)、フロムスクラッチ(プライベートマーケティングプラットフォーム)(http://sogyotecho.jp/news/20150519bdash/)、LeapMind(ディープラーニング)(http://sogyotecho.jp/news/20160825leapmind/)などのほか、クラウドワークス(クラウドソーシング)、UZABESE(企業情報プラットフォーム)など、多くの企業がエグジットに成功しています。
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(http://www.techv.co.jp/)
ANOBAKA
ゲームメーカーで知られるKLab株式会社の関連会社で、インターネット関連のシード期のスタートアップを中心に投資しています。2019年4月に社名をKLab Venture Partners株式会社から株式会社KVPに変更しました。2020年12月にはMBOを行い親会社のKLab株式会社が保有する当社株式の買取をしました。
それにともなって社名も「ANOBAKA」に変更しました。現在はシード特化型ベンチャーキャピタルとして投資の領域を決めず100社近くのスタートアップに投資しています。
KLab Venture Partners(http://www.kvp.co.jp/)
Gree Ventures
2011年設立。約60億円の1号ファンドに続き、2016年には約70億円を目標とする2号ファンドを組成しました。(https://sogyotecho.jp/news/20160513gree/)東京とシンガポールに拠点を持ち、日本と東南アジア、インドのシードからアーリーステージを対象に、1社あたり5千万~3億円程度の規模で積極的な投資をしています。
投資先では、オークファンが東証マザーズに上場するなど、すでに5社がエグジットしているほか、スピカ(ネイル情報サイト)、KAIZEN platform(ウェブサービス改善)、チケットストリート(チケット二次流通)、Retty(ソーシャルグルメサイト)などが知られています。
Gree Ventures(https://www.greeventures.com/)
サイバーエージェント・キャピタル
2006年設立、東京、サンフランシスコのほか、アジア6ヶ国にも拠点を持ち「アジア発、世界へ。」を掲げて、シード、アーリーステージのインターネットビジネスに特化した投資活動を行っています。日本で開催している「RISING EXPO」のほか、海外でもイベントを開催しています。
2019年1月1日より社名を「株式会社サイバーエージェント・キャピタル」に変え、アジアを中心に8か国10拠点で事業を展開中です。
累計投資社数は8か国合計で約350社を超える大規模なファンドです。日本での投資先としては、プラネット・テーブル(食品生産・流通支援)、スペースマーケット(スペースマッチング)、芸者東京エンターテインメント(スマホアプリ開発)などが知られています。
サイバーエージェント・キャピタル(https://www.cyberagentcapital.com/)
GMOベンチャーパートナーズ
2005年設立。2016年までに総額100億円、日本、アジア、アメリカの約50社に投資し、そのうち9社がIPOなどでエグジットしています。
設立者:村松竜氏は「2023年版日本で最も影響力のあるベンチャー投資家ランキング」1位を獲得しました。
日本国内の投資先としては、ラクスル(ネット印刷)、リノベる(住宅リノベーション)、マネーフォワード(会計支援)など。東京とシンガポールに拠点を持ち、東南アジアの決済サービス分野に特化して投資を行う「Global Payment Fund」を運用していることでも知られています。
国内外に200社以上の投資または設立関与先がありますが、22社が上場、21社が時価総額1,000億円以上の実績を持つ企業です。
GMOベンチャーパートナーズ(http://www.gmo-vp.com/)
docomo Innovation Village
NTTドコモと関連会社が運営するイノベーション創出プログラムです。ミドルステージ以降のベンチャーを対象にした「Villageアライアンス」(テーマに沿ってドコモとベンチャー企業が共同でサービス創造を目指すプログラム)、若手社会起業家支援プログラム「Villageソーシャル・アントレプレナー」などの特徴あるプログラムを実施しています。
docomo Innovation Village(https://www.nttdocomo-v.com/village/)
リクルートグローバルインキュベーションパートナーズ
2006年にリクルートの関連会社として設立されました。多くの起業家を輩出していることで知られるリクルートですが、さらにBtoC情報サービスの分野で投資先企業の発掘と、リクルートの持つリソースを組み合わせた共同研究・開発を目指しています。
その他のCVC
- ABCドリームベンチャーズ(朝日放送)
- DG Incubation
- gumi ventures
- iSGSインベストメントワークス
- Intel Capital
- Rakuten Ventures Japan Fund
- SXキャピタル
- TBSイノベーション・パートナーズ
- VOYAGE VENTURES
- Z Venture Capital
- アイ・シグマキャピタル
- アイ・マーキュリーキャピタル
- アドウェイズ・ベンチャーズ
- ライフサイエンスベンチャーキャピタル株式会社
- Bonds Investment Group
- オムロンベンチャーズ
- コロプラネクスト
- スローガン(スローガン・コアント)
- Dentsu Ventures
- フジ・スタートアップ・ベンチャーズ
- 富士通コーポレートベンチャーファンド
- ベンチャーユナイテッド
- リンクアンドモチベーション
- 三井物産グローバル投資
CVCはオープンイノベーションの促進や、将来成長するであろうベンチャー企業と早期に接触できるメリットがあります。反面、長期的な投資になるデメリットもあるため、メリットとデメリットを比較して、自社の状況に合った投資方法を選びましょう。
金融機関系VC50選
銀行、信用金庫、証券、保険など金融機関を母体にするベンチャーキャピタルです。全国各地域を基盤とするものもありますので、“地元で起業”“Uターン・Iターン起業”を考える方にもアクセスしやすいベンチャーキャピタルの選択肢の一つです。
金融機関系VCは、銀行業務で獲得したネットワークを活用し既存企業とのネットワークによるマッチングを通じて、ベンチャー企業を支援するタイプです。起業家の資質や革新性も評価対象ですが、金融機関系VCは母体の金融機関が数字管理を徹底して行うため、他のVCに比べて事業計画の評価に重点を置く傾向にあります。
みずほキャピタル
旧第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行系のベンチャーキャピタルを分割・合併して生まれた、みずほフィナンシャルグループのベンチャーキャピタルです。7本のファンドを運用し、投資残高178億円、投資先は238社(2016年3月末現在)におよびます。
投資先としては、インターネット関連のみでなく、「将来株式上場が可能なあらゆる業種」を投資対象としており、多彩なポートフォリオ構成になっています。拠点は本社(東京)と大阪支店の2ヶ所ですが、投資先企業の約1/4は北海道から九州まで各地に広がります。
信金キャピタル
信用中央金庫の子会社として、2001年に設立。中小企業に特化した投資や支援サービスが特徴です。ファンド組成による投資のほか、M&A仲介事業などを行っています。全国の信用金庫店舗が窓口となるため、アクセスしやすいファンドの一つと言えます。
2014年組成の「しんきんの翼」ファンドではスタートアップから創業半世紀を超える老舗まで、さまざまな企業が投資を受けています。
その他の金融機関系VC
- エイトローズ ベンチャーズ ジャパン
- SBIインベストメント
- SMBCベンチャーキャピタル
- 池田泉州キャピタル
- いばらき新産業創出ファンド(常陽銀行)
- いよぎんキャピタル
- いわぎん事業創造キャピタル
- エス・ケイ・ベンチャーズ(西京銀行)
- 大分ベンチャーキャピタル
- オリックス・キャピタル
- 紀陽リース・キャピタル
- きらやかコンサルティング&パートナーズ
- OKBキャピタル(大垣共立銀行)
- ぐんぎんリース
- ごうぎんキャピタル
- 佐銀キャピタル&コンサルティング
- 埼玉りそなインキュベーションファンド
- 三生キャピタル
- しがぎんリース・キャピタル
- 七十七キャピタル
- 十六リース
- 新生企業投資
- 西武しんきんキャピタル
- 大和企業投資
- ちばぎんキャピタル
- ティーキャピタルパートナーズ
- とうほう・次世代創業支援ファンド(東邦銀行)
- とっとりキャピタル
- 徳銀キャピタル
- トラスト・キャピタル
- ニッセイ・キャピタル
- ネオステラ・キャピタル
- 八十二キャピタル
- フィデアキャピタル
- ぶぎんキャピタル
- ふくおかテクノロジーパートナーズ(福岡銀行)
- FFGベンチャービジネスパートナーズ
- ほくほくキャピタル
- 北国総合リース
- マネックスベンチャーズ
- 三井住友海上キャピタル
- 三菱UFJキャピタル
- 宮崎太陽キャピタル
- 安田企業投資
- 山口キャピタル
- 山梨中銀経営コンサルティング
- 横浜キャピタル
- りそなキャピタル
金融機関系VCは母体となる金融機関が持つ資金調達力・金融ソリューション・あらゆる企業とのつながりという強みがあります。金融機関が長年積み重ねてきた投資ノウハウも、強みのひとつです。
ベンチャー企業側からすると投資を受けられることはもちろん、将来的に企業が発展したとき出資を受けるための社会的信用の向上につながることもメリットです。どの金融機関で引き続き取引きを行うかを考えて、投資を受ける先を決めましょう。
政府系VC5選
運営主体が国や地方自治体などのベンチャーキャピタルで、出資には公的資金を活用しています。収益の確保が目的ではなく、むしろ国内産業の技術の確保と維持を優先した投資がメインです。たとえば、日本政策投資銀行系や地域経済再生を目指して設立されたものなどがあります。
“政府系”などというと何か「ハードル高そう」な印象を持つ方もいるかもしれませんが、“公的な起業家応援”の仕組みの一つですので、起業プランやステージに合うものがあれば積極的にアクセスしてみましょう。
- DBJキャピタル(日本政策投資銀行グループ)
- 産業革新機構
- 大阪中小企業投資育成
- 東京中小企業投資育成
- 名古屋中小企業投資育成
まとめ・国内ベンチャーキャピタル(VC)はタイプが5つ
国内ベンチャーキャピタルは、
- アクセラレーター・インキュベーター
- 独立系VC
- CVC(事業会社系)
- 金融機関系VC
- 政府系VC
の5つのタイプがありました。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、自分たちの企業の段階などにより合うタイプは異なります。
同じタイプでも組織ごとに特徴が違うため、よく比較し見極めてサポートを受けましょう。
創業手帳は、資金調達手帳(無料)を配布しております。資金調達方法から、「融資」を成功させるためのポイントや、基礎知識をわかりやすく説明しています。投資家の本音が分かるようになっていますので、ぜひあわせてご活用ください。
(執筆:創業手帳編集部)
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