ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達するには?出資を受けるコツ&探し方を解説

資金調達手帳

ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達する企業は年々増加!


ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達を行う企業の数は増加傾向にあります。その背景には、メリットの多さがあります。
特に、ベンチャー企業はベンチャーキャピタルからの資金調達を検討するケースが多いです。

今回の記事では、ベンチャーキャピタルから資金調達をする方法や出資を受けるためのコツ、ベンチャーキャピタルの探し方、選ぶ時のポイントについて解説していきます。
資金調達方法で悩んでいる経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達するにはどうする?


ベンチャーキャピタルはベンチャー企業に出資し、出資したその会社が株式公開することで、株式の売買差益を得るビジネスを行う会社です。
まずは、そのようなベンチャーキャピタルから資金調達を行うプロセスから解説していきます。

投資先を見つける

まずは、投資を受けたいと考えるベンチャーキャピタルを見つける必要があります。ベンチャーキャピタルはいくつもあるので、比較検討することが重要です。
気になるベンチャーキャピタルが見つかったら、自社を売り込んでください。

自分で探すだけではなく、税理士や公認会計士から紹介してもらう方法もあります。
また、ベンチャーキャピタルは常に投資先を探しているので、インターネットや新聞などであなたの会社を見つけて先方から連絡が来るといったケースもあります。

必要資料を提出する

資金調達をしたいと思えるベンチャーキャピタルが見つかったら、必要な資料を準備しまてください。
ベンチャーキャピタルにベンチャー企業が提出するのは、事業計画書や事業の概況、増資計画、直近3期分の決算書、株主名簿などです。
また、秘密保持契約書も交わさなければいけません。

さらに、定款や登記簿謄本、資本政策案などの提出が求められる場合もあるので、資金調達を行う際は準備しておくと安心です。
直前になってから慌てないためにも、あらかじめ資料を少しずつ揃えておけば、準備漏れを回避しやすくなります。

審査・評価を受ける

資料を提出したら、審査や評価を受けます。ベンチャーキャピタルが投資しても問題ないか判断するために行われるものです。

ベンチャーキャピタルは、短期間でIPOできる企業への投資を考えているので、独創的なビジネスを行うベンチャー企業よりも市場にニーズが高いビジネスを行うベンチャー企業に投資したいと考えています。
自社で新技術を開発していなかったとしても、競合他社の新技術で生まれた市場であれば成長市場に食い込める可能性が高いです。
そのため、ベンチャーキャピタルも前向きに投資を考えやすくなります。

条件の交渉をする

ベンチャーキャピタルが投資を前向きに検討するという結果が出たら、条件の交渉をしていきます。
投資する側となるベンチャーキャピタルは、自社にとって有利な条件で契約しようと持ち掛けてくるでしょう。低い株価でたくさんの株式を欲しいと考えているのです。

投資契約書の中には、ベンチャー企業が不利になってしまう規定が盛り込まれている場合もあります。
そこで不利な契約を結ばないようにするため、弁護士や税理士などからアドバイスを受けつつ条件交渉をしてください。

投資契約を締結する

条件がまとまったら投資契約の締結を行います。この時に締結される投資契約は、以下のような種類があります。

  • 投資契約:投資家が株式を取得する時の投資実行条件を定めたもの
  • 株主間契約:投資が実行された後の主要な投資家と発行会社・創業株主との権利義務などを取り決めたもの
  • 財産分配契約:経営支配権などの変更が生じるM&Aによる投資資金回収に関する内容を取り決めたもの

投資後の育成・支援を受ける

契約締結後は、投資がスタートします。そして、投資後の育成や支援を受けます。
育成支援の方法はベンチャーキャピタルによって異なるので、あらかじめ確認しておくと後悔することもありません。
ベンチャーキャピタルによっては経営モニタリング程度しか行わないところや、積極的な技術支援や営業戦略支援などのサポートを行うところなどがあります。
事前にどのようなスタイルなのか把握していれば、認識がズレずに済むでしょう。

ベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けるコツ


ベンチャーキャピタルから出資を受ける際、いくつか知っておきたいコツがあります。続いては、特に把握しておきたいコツのご紹介です。

成長性が期待できる事業であること

ベンチャーキャピタルは、成長市場に投資する傾向があります。なぜなら短期的な利益を最大化するには、成長市場の企業に投資するのが効率的だからです。
ベンチャーキャピタル最新動向レポートによると、投資分野はIT関連が51.1%、バイオ・医療・ヘルスケア関連が17.2%という結果になっています。
投資ステージは、アーリー期が48.5%、アーリー期の一段階上であるエクスパンション期が20.9%という結果です。
事業が成熟する前の段階で投資することで、株価の上昇を狙っていることが読み取れます。

中にはある程度成熟しきった分野に投資するケースももちろんあります。
しかし、多くのベンチャーキャピタルは、短期間でスピード感のある成長が望めるかどうかを重視していることを覚えておいてください。

一定以上の市場であること

ベンチャーキャピタルは、市場規模の大きさにも注目しています。主に以下の観点から市場性をチェックします。

  • そもそもその市場が存在しているのか
  • 市場規模はどのくらいなのか
  • 将来は伸びる可能性があるのか など

その後、競合他社の状況なども確認されるため、一定以上の市場であることは必要不可欠です。

さらに、市場に参入するタイミングや新製品を打ち出すタイミングも適切でなければいけません。
しかしこれらの条件をクリアしていれば、赤字経営でも将来性を期待し、投資してもらえる場合もあります。

経営陣に実績がある

経営陣に実績があるかどうかも、ベンチャーキャピタルはチェックしています。
設立したばかりで実績が少ない企業の場合、決算書など経営力を判断するための材料が乏しいです。
そのため、経営陣の実績を加味し、投資するか否かを決定されます。

どのような人材が経営者の中にいて、どのように事業に活かせるのかなどをアピールできれば、投資してもらえる可能性は高くなります。
経営陣の実績と資質を自社の成功に結びつけられれば、ベンチャーキャピタル側も投資を前向きに考えやすくなるためです。

EXIT戦略まで考える

EXIT戦略まで考えることも、ベンチャーキャピタルから出資を受けるために重要になります。
EXITは、ベンチャービジネスや企業再生などで創業者が第三者に株式の売却を行ったり、IPOしたりして利益を得ることです。
それらのタイミングを決めることがEXIT戦略になります。

ベンチャーキャピタルから出資を受けるなら、IPOをEXITに見据えた戦略を考えている企業のほうが好まれやすいです。
手間がかかり難易度も低くありませんが、EXIT時の収益は大きいので、それを踏まえた戦略を考えておくことは重要です。

ベンチャーキャピタル(VC)の探し方


ベンチャーキャピタルはいくつもあるので、自社と相性が良いところを選定しなければいけません。続いては、ベンチャーキャピタルの探し方について解説していきます。

知人から紹介してもらう

ベンチャーキャピタルを知人から紹介してもらうといったケースは少なくありません。
知名度が高いベンチャーキャピタルだと直接コンタクトを取るのが難しい可能性もあります。
そのようなリスクを回避するためにも、知人から紹介してもらうのは得策です。

紹介であればベンチャーキャピタル側もコンタクトを取ってみようと考えやすくなります。
出資の可否は事業の成長性などを加味して判断されるので、紹介してもらったからと安心せず、プレゼンなどの順部はしっかりとしてください。

直接VCへアプローチをかける

直接アプローチをかけるという方法もあります。事業計画書を持参して、話を聞いてもらえないか交渉してみてください。
ベンチャーキャピタルによっては面談の機会を設けているところもあるので、そのようなチャンスも逃さないように情報収集することもポイントです。

しかし、直接アプローチすることで出資につながる可能性は高くありません。
そもそも話を聞いてもらえないといったパターンもあるため、険しい道のりになることを覚悟した上で選ぶべき選択肢です。
しかし、交渉に持ち込むことができれば自社に合うベンチャーキャピタルと契約を結べる可能性も高くなるので、連絡をしてみる価値はあります。

ベンチャー系のイベントやビジネスコンテストに参加する

ベンチャーキャピタルと出会うためには、ベンチャー系のイベントやビジネスコンテストに参加するのもおすすめです。
最近は、起業家を支援するためのイベントやビジネスコンテストも多く開催されているので、起業家と出資者がつながりやすくなっています。
そのようなチャンスを活かせば、ベンチャーキャピタルとの出会いを見つけやすくなります。

ベンチャーキャピタル側もイベントやコンテストを利用し、条件が良い投資機会を探しているものです。
そのため、お互いのニーズが合致すれば、スムーズに話が進みやすくなります。

マッチングサービスを活用する

世の中には、投資したいベンチャーキャピタルと出資してもらいたいベンチャー企業をマッチングするサービスも存在しています。
マッチングサービスを利用すれば、自社の事業やビジネスモデル、将来のビジョンなどに合致するベンチャーキャピタルを見つけやすくなるのです。
ミスマッチを減らすためにも有効な手段です。

マッチングサービスを利用することで、客観的な視点で分析してもらったり、自社の強みを効果的にアピールできるようになったりするなどのメリットもあります。
マッチングだけではないメリットを得られるため、マッチングサービスの利用も検討してみてください。

商工会議所・中小機構に相談してみる

なかなかベンチャーキャピタルに出会えない時は、商工会議所や中小機構に相談してみてください。
商工会議所では、出資をしてもらいたいと考えている中小企業やベンチャー企業にベンチャーキャピタルを紹介する事業を行っているので、相談してみる価値は大いにあります。
中小企業などの健全な育成を支援することが目的です。

中小機構は、創業支援事業や再発進・再挑戦をしたいと思っているベンチャー企業をサポートするスタートアップ挑戦支援事業などを行っています。
専門家による経営相談も行っているので、相談すると適切なアドバイスやサポートをしてもらいやすくなるでしょう。

ベンチャーキャピタル(VC)を選ぶ時にみるべきポイント


ベンチャーキャピタル選びで後悔しないためには、いくつかチェックすべきポイントがあります。最後に、ベンチャーキャピタルを選ぶ時にみるべきポイントをご紹介します。

専門性の高いサポートが受けられるか

サポートの内容やクオリティは、ベンチャーキャピタルによって異なります。
中には、採用や販売など特化した分野における専門性が高いサポートを行っているところもあります。
具体的にどのようなサポートを行っているのか、前もってベンチャーキャピタルに確認しておくのがおすすめです。

資金調達だけではなく、自社に必要なサポートが受けられるかどうかもベンチャーキャピタル選びでは重要になります。

起業家・投資家などのつながりは多いか

ベンチャーキャピタルは基本的に、起業家や投資家とのつながりを持っています。しかし、つながりの多さはまちまちです。
出資してもらうのであればより恩恵を受けられるように、起業家や投資家とのつながりが多いベンチャーキャピタルを選ぶのもポイントのひとつです。
つながりが多ければ、事業に関係する提携先も見つけやすくなります。
そうすることで、事業の成長にもつなげやすくなるため、どのくらい起業家や投資家とのつながりがあるかという点も確認しておくと後悔が少なくなるでしょう。

新たなファンドを定期的に出しているか

ベンチャーキャピタルは、自己投資をするケースとファンドを設立して投資家から資金を集めた後に投資するケースがあります。
ファンドを設立している場合は、新たなファンドを定期的に出しているか確認してみてください。
新しいファンドが出せている場合は、資金調達ができている証になります。
つまり、そのようなベンチャーキャピタルは経営が安定しているといえます。また、情報や人も集まりやすいです。

まとめ・ベンチャー企業はベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達も検討してみよう

ベンチャー企業の中には資金調達で苦労してしまうところも見られます。そのような時に頼れるのがベンチャーキャピタルです。
成長性が期待できる事業を行っている、経営陣に実績があるといった場合は、出資してもらえる可能性が高まるので相談してみる価値はあります。




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