注目のスタートアップ

ブライダル業界特化のクラウド型婚礼宴会システム「Oiwaii」などを展開する「TAIAN」が6億円調達

company

2024年11月26日、株式会社TAIANは、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。

TAIANは、クラウド型婚礼宴会システム「Oiwaii(オイワイー)」や、Web招待状・席次表「Concept Marry(コンセプトマリー)」、ブライダル事業者向けマーケティングWebメディア「ブライダルDXマガジン」を展開しています。

「Oiwaii」は、ブライダル業界に特化したクラウド型婚礼宴会システムです。

ブライダルフェアへの申し込みや、広告経由での申し込み、来場から成約に至るまでの顧客情報、メニュー・オプションの見積もり作成・受発注、挙式披露宴終了後の継続的な関係性構築まで一元管理できるシステムです。

今回の資金は、新規事業開発、既存事業のさらなる拡大、組織組成のための採用活動などに充当します。


若年層人口の減少に伴い、婚姻件数も減少傾向にあります。ピークだった1972年の婚姻件数は約110万組でしたが、2018年には約58.6万組にまで減少しています。

結婚式場の運営を主な事業とするブライダル業界はこの需要減少の影響を大きく受けており、事業の多角化や付加価値向上などの取り組みが進められています。

こうした中で新たに注目されている指標が、LTV(顧客生涯価値)です。

LTVはある顧客が一生のうちにどれだけの利益をもたらしてくれるのかという指標です。

結婚式は一生のうちに一度しかしないカップルが多い(リピーターの獲得ができない)ことから、ブライダル業界におけるLTVの考え方は、結婚式にゲストとして参列した者がその式場を気に入り自身の結婚式場としても利用することや、新郎新婦がのちに結婚式以外の用途で利用することなどを想定しています。

これまでのブライダル業界は、リピーターの獲得を考えていなかったことから、貴重な顧客情報を十分に活用することができていませんでした。

TAIANは、ブライダル業界に特化したシステム「Oiwaii」などの提供を通じ、業務の効率化から、その後の関係性構築までをサポートしています。

株式会社TAIANのコメント

このニュースを受けまして、株式会社TAIANよりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

創業から5年、ブライダル業界に根差した活動を進め、弊社の知名度も徐々に高まるなか主力事業であるバーティカルSaaSを大きく伸ばすことができました。

引き続きブライダル業界への価値提供は弱めることなく、次の挑戦として、バンケットビジネスと企業・組織を結びつける新規事業を展開する予定です。

今回調達できた資金については、新規事業への投資をメインに既存事業のさらなる拡大、組織組成のための採用活動費へ充てる予定です。

・今後の展望を教えてください。

ブライダル業界関係者の方々とお話しする中で、特に大小複数の宴会場を持つ式場の方からビジネスモデルや現場オペレーション、施設の活用法についてご相談を受けていました。

さらに、以前から個人として関心が深かった「リアルコミュニケーションによる従業員エンゲージメント向上」という二つの課題テーマを組み合わせられないかと考え、構想が形になったのがバンケットビジネス向け新規事業です。

まずは、この新規事業を無事にローンチさせること。

そして、人生の節目を彩る業界に特化していたからこそ取得できた独自のカスタマーデータを用いて、TAIANを中心とした”お祝い経済圏”を立ち上げようとしています。

人を祝うことで、人と人・人と社会のつながりが増え、アツさとあたたかさが溢れる社会を実現するのが私たちが目指しているものです。

・読者へのメッセージをお願いします。

この度、投資家の皆さまのお力添えもあり、無事シリーズAラウンドにおける資金調達が完了いたしました。

創業期から現在までアツくあたたかい繋がりに助けられながらここまで辿り着くことができました。

ブライダル業界に特化したバーティカルSaaS事業者という枠を飛び越え、『祝い事で社会的つながりを活発化させる』ため、祝い事とつながりに着目する唯一無二のベンチャー企業として引き続き精進いたします。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達やシナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Concept Marry CRM LTV Oiwaii TAIAN Webメディア Web招待状 オイワイー クラウド コンセプトマリー システム ブライダル マーケティング 一元管理 冠婚葬祭 情報 披露宴 株式会社 資金調達 顧客
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「三菱UFJキャピタル」がダイヤモンド半導体デバイスを研究開発する「Power Diamond Systems」に出資
2023年6月15日、三菱UFJキャピタル株式会社は、同社が運営するファンド(三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合)より、株式会社Power Diamond Systemsに対し、2023年6…
オフグリッド電力供給サービスを展開する「VPP Japan」がシンジケートローンにより103.4億円調達
2023年3月14日、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは子会社の株式会社VPP Japan、株式会社みずほ銀行をアレンジャーとしたシンジケートローンにより総額103.4億円の資金調達を実施した…
中性子線育種技術を展開する「クォンタムフラワーズ&フーズ」が3億円調達
2024年10月4日、株式会社クォンタムフラワーズ&フーズは、 総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 クォンタムフラワーズ&フーズは、中性子線による放射線育種サービスを展開しています。 …
Web会議などで自分の外見をAIによって置き換える「xpression camera」が正式リリース
2022年3月31日、株式会社EmbodyMeは、「xpression camera(エクスプレッションカメラ)」の正式版をリリースしたことを発表しました。 「xpression camera』は、自…
クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」 構造図から豆図を自動で検出・保存する「豆図AIキャプチャー」機能を提供開始
2023年7月14日、株式会社アンドパッドは、提供する「ANDPAD」において、「豆図AIキャプチャー」機能の提供を開始することを発表しました。 「ANDPAD」は、クラウド型建設プロジェクト管理サー…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集