注目のスタートアップ

造血幹細胞を利用した細胞治療・遺伝子治療製品を研究開発する「セレイドセラピューティクス」4.6億円調達

company

2024年5月8日、セレイドセラピューティクス株式会社は、総額約4億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

これにより、既存のシリーズA資金調達額5億円とNEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業」助成金採択額(上限2億円)を加えた、累計約12億円(11.6億円)相当の資金調達を完了しています。

セレイドセラピューティクスは、血液疾患・血液がんに対する細胞治療・遺伝子治療製品の研究開発や、プラットフォーム事業(未分化性を維持して造血幹細胞を大量に増幅する技術)を展開しています。

今回の資金調達により、基盤技術の改良とその非臨床POC取得、リードパイプラインにおけるCMC活動、プラットフォーム事業における複数企業・機関とのパートナリングを通じたさまざまな細胞・遺伝子治療への応用開発を進めます。


細胞治療は再生医療の中心的な存在となっており、今後さらに成長していくと考えられています。

造血幹細胞は、主に骨髄の中に存在し、赤血球・白血球・血小板にそれぞれ成長します。造血幹細胞は細胞分裂によって造血幹細胞を複製する能力を持っており、この2つの機能によって造血が行われています。

この造血幹細胞の特徴を利用し、血液がんや血液・免疫系の患者に対し、正常な造血幹細胞を移植し、血液の再建を図る治療法が造血幹細胞移植です。

しかしこの造血幹細胞移植はいくつかの課題を抱えています。

造血幹細胞移植は、他者の造血幹細胞を用いるものと、患者自らの造血幹細胞を用いるものとの2種類があります。

前者は骨髄移植と呼ばれているものであり、ドナーとの相性が合う必要があるほか、ドナー側の身体的負担が強い、移植した患者にも重い副作用のリスクがあるといった課題を抱えています。

そこで注目されているのが、骨髄以外の、末梢血(通常の血液)や臍帯血(へその緒から採取される血液)に存在する造血幹細胞を利用するというものです。

とくに臍帯血は、従来は廃棄されていた臍帯血から幹細胞を採取するため、ドナーに対して負担がないほか、他の方法に比べて副作用のリスクが低いなどといったメリットがあります。

一方で、臍帯血から採取できる造血幹細胞の数は限られており、移植に足るだけの量が得られないという課題を抱えています。

セレイドセラピューティクスは、臍帯血や末梢血に含まれる造血幹細胞を体外で大量に増幅する技術を有しており、上記の課題を解決しています。そしてこの技術を活用し、次世代の細胞治療製品を開発しています。

研究開発を伴うビジネスには多くの資金が必要となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなどを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB セレイドセラピューティクス ディープテック プラットフォーム 基盤技術 技術 株式会社 疾患 研究開発 細胞 細胞治療 血液 血液がん 資金調達 造血幹細胞 遺伝子治療
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
法人の印鑑証明書の取り方 | 手数料は?どこで?郵送は可能?
事業計画書の書き方とは?18ステップごとにわかりやすく解説!
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

北海道大学発のAIベンチャー「調和技研」が3億円調達
2022年4月1日、株式会社調和技研は、総額3億円の資金調達を実施したことを発表しました。 調和技研は、AI研究を行う北海道大学大学院調和系工学研究室から生まれた、北大発認定ベンチャー企業です。 クラ…
中⼩型IT事業のM&Aとロールアップを⾏う「FUNDiT」が資金調達
2024年7月12日、株式会社FUNDiTは、資金調達を実施したことを発表しました。 FUNDiTは、中小型IT事業を対象とした共創型M&Aとロールアップを手がけています。 具体的には、独自データにも…
アバターの自動生成・編集システム「AVATARIUM」やNFT 3DCGマーケットプレイス「Pocket Collection」提供の「PocketRD」が4.5億円調達
2021年11月12日、株式会社PocketRDは、総額4億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 アバターの自動生成・編集システム「AVATARIUM」や、NFT 3DCGマーケット…
AIソリューションを提供する「シナモン」が5億円調達
2022年6月28日、株式会社シナモンは、5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、第一生命保険株式会社です。 シナモンは、AI-OCR「FLAX SCANNER」、自社開発の音声認識…
国産産業用ドローンメーカーの「エアロセンス」が資金調達
2022年11月14日、エアロセンス株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 2015年8月にソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社と株式会社ZMPの共同出資により設立されたドローンスタ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集