注目のスタートアップ

アフリカの農村に無線ネットワークインフラを安価・短期間に構築することを目指す「Dots for」が4,800万円調達

company

2022年9月21日、株式会社Dots forは、総額4,800万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Dots forは、無線技術「メッシュネットワーク技術」を活用し、アフリカの農村に無線ネットワークインフラを圧倒的安価・短期間に構築することを目指しています。

それぞれ対等な関係でメッシュ状のネットワークを構築するメッシュネットワーク技術が搭載された無線Wi-Fiルーターを複数設置することで、安価・短期間に農村内に無線ネットワークインフラを構築します。

村内の住人は、この無線ネットワークにアクセスすることで、村内に設置されたサーバーに保管されたデジタルコンテンツやサービスにアクセスできます。

村内をデジタル化・オンライン化することで、遠隔教育、遠隔医療、クラウドワークなどを利用できる“Smart Village”の構築を目指しています。

アフリカでは固定回線の整備よりも基地局の点での整備が比較的簡単なこともあり、2000年あたりからフィーチャーフォンやスマートフォンが普及しています。

一方で、人口密度が低く、経済的にも余裕のない地方の農村部では、いまだ高速通信インフラの整備が進んでいません。

携帯電話・スマートフォンの普及率は高いため、農村部においても高速通信インフラが整備されることで、教育・医療・行政といったコンテンツにアクセスできるようになり、生活が一変する可能性があります。

Dots forは、メッシュネットワーク技術を用いることで、安価かつ短期間に各村内に無線ネットワークインフラを構築することを目指しています。

通常のネットワークは、単一のハブや中継機器を中心に、スター型・ツリー型に形成されることが一般的です。

しかしメッシュネットワークは、単一の中心点を持たず、それぞれの中継機器(ルーター)は隣接する機器とだけ通信ができればいいため、弱い無線出力でも広い範囲をカバーできます。

さらに、いずれかのルーターが外部のインターネットに接続されていれば、メッシュに接続するすべてのスマートフォンはインターネットに接続できます。

株式会社Dots forのコメント

このニュースを受けまして、株式会社Dots for 共同創業者兼CEO 大場カルロス氏よりコメントが届きました。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

アフリカ農村部のデジタル化を進めるため、ベナンとセネガルでのサービス拡大とより利便性を高めるソフトウェア・ハードウェアの開発を目的としています。

・今後の展望を教えてください。

村の中で提供できるデジタルサービスとして現在は動画サービスを展開していますが、教育や医療といった様々なデジタルサービスを展開できるプラットフォームとしてサービスを広げていくことを計画しています。

・読者へのメッセージをお願いします。

日本から物理的にも心理的にも遠いアフリカですが、まさにこれから発展していく熱を感じることができる世界の数少ない場所の一つだと思っています。機会があれば一度訪ねて欲しいですし、可能であれば都市だけでなく地方の村々まで足を運んでくださると嬉しいです。

社会課題の解決はビジネスとして行えるものもあります。しかしビジネスとして成立させるまで、資金をどう調達するかが大きな課題となります。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Dots for アフリカ インフラ ネットワーク メッシュネットワーク 分散型通信 株式会社 構築
関連記事はこちら

Dots for 大場カルロス|誰もがオンラインである世界を目指して アフリカ大陸ラストワンマイルのインターネット網敷設への挑戦

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

農産物流通プラットフォーム「農家の直売所」運営の「農業総合研究所」が5.6億円調達
2020年10月14日、株式会社農業総合研究所は、総額5億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、JR東日本と福岡ソノリクとの間で、資本業務提携契約を締結したことも発表しました。…
卵子凍結サービスなどを提供する「グレイスグループ」が「SBCメディカルグループ」と資本業務提携
2022年5月23日、株式会社グレイスグループは、SBCメディカルグループ株式会社から1億円の資金調達を実施し、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 グレイスグループは、卵子凍結サービス「G…
生成AIによる問題解決機能を搭載したプロジェクト管理ツール「SolvifAI」を開発する「ソルビファイ」が3,300万円調達
2024年2月1日、ソルビファイ株式会社は、3,300万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ソルビファイは、生成AI搭載問題解決SaaS「SolvifAI」を開発しています。 プロジェクト管理…
イメージ認識型高速セルソーティング技術を用いた治療・診断プラットフォームを開発する「シンクサイト」が28.5億円調達
2021年5月19日、シンクサイト株式会社は、総額28億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 AIが駆動するイメージ認識型高速セルソーティング技術を用いた治療・診断プラットフォームの…
電子トレカを用いたファンシステム「ORICAL」など提供の「ventus」が2.75億円調達
2021年12月20日、株式会社ventusは、総額2億7,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 電子トレカを用いたファンシステム「ORICAL(オリカル)」など、スポーツ・エンタメ領域…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集