注目のスタートアップ

スマートアパレル「e-skin」を用いたヘルスケアサービスを展開する「Xenoma」が「CYBERDYNE」と資本業務提携

company

2022年8月10日、株式会社Xenomaは、CYBERDYNE株式会社と資本業務提携契約を締結したことを発表しました。

Xenomaは、スマートアパレル「e-skin」を用いたヘルスケアサービスを展開しています。

「e-skin」は、全身をセンシングできるセンサーを搭載した衣服です。伸縮性があり洗えることを特徴としています。

「e-skin」を活用した高精度なモーションキャプチャが可能な計測システム「e-skin MEVA」や、長時間心電検査サービス「e-skin ECG」などを展開しています。

CYBERDYNEは、身体機能を改善・補助・拡張・再生する装着型サイボーグ「HAL(Hybrid Assistive Limb)」の開発・提供と、「HAL」を活用した「サイバニクス治療」を展開しています。

「サイバニクス治療」は、脊髄損傷・脳卒中・神経筋難病疾患の患者を対象とした、「HAL」を用いた機能改善・機能再生医療です。

今回の提携により、製品開発と事業拡大において協業を進めていきます。

人間の運動は、脳による指示が筋肉に伝わり、筋肉が収縮することで起こります。

この伝達は微弱な電気信号によって行われており、この身体内で起こるやり取りを、脳波や筋電位などのセンシングなどテクノロジーによって支援することが研究されています。

たとえば、楽器の演奏・スポーツの動作を筋肉への刺激で再現するトレーニングや、自身の運動をもとに運動機能の回復を目指すリハビリテーションなどへの活用が想定されています。

CYBERDYNEの「HAL」は、皮膚に貼ったセンサーによって装着者の生体電位信号を検知し、意思に従った動作を支援するパワードスーツです。

「HAL医療用下肢タイプ」は神経・筋疾患の難病治療に有効であるとして、2016年9月から保険適用されています。

こういった機械・ロボットを活用したリハビリテーションは、正確な動作をくり返し行えること、センシング技術によって適切なタイミングで適切な動作を支援できることなどのメリットがあります。

ところで、こうしたロボットでのセンシングでは、主に皮膚に直接貼り付けるタイプの電極が使用されています。

この皮膚に直接貼り付ける電極は衛生面での課題があり、医療現場では使い捨てのものが使用されています。

そのため高精度でありながら衛生的でくり返し利用できるセンシング技術が求められています。

Xenomaの「e-skin」はこの課題を解決できる可能性があり、今回の提携により、両社は製品開発と事業拡大を進めていくとしています。

株式会社Xenomaのコメント

このニュースを受けまして、株式会社Xenomaよりコメントが届きました。

・今回の資本業務提携の目的は何ですか?

サイバーダイン社とは事業的にも技術的にも親和性が高く、事業を加速させることができると考えています。

・今後の展望を教えてください。

Xenomaはコーポレートビジョンとして“e-skin makes everyone’s life HAPPIER and HEALTHIER.”を掲げ、ヘルスケアデータに基づいて疾病の予兆をいち早く検出する予防医療の実現に向けて取り組んでいます。

今年5月にホルター心電検査「e-skin ECG」を開始しましたが、このサービスは予防医療に資する事業の代表例になると考えています。

・読者へのメッセージをお願いします。

「スマートアパレル」というワードも当社設立の7年前に比べて一般的に使われるようになり、まだまだではありますが、少しずつその存在が社会に浸透してきたと感じています。皆様の日常生活を健康で豊かにするプロダクトやサービスを提供するべく今後ますます努力してまいりますので、是非応援いただければ幸いです。

シナジーのある企業との提携・連携は、自社の事業を大きく成長させられる可能性があります。「冊子版創業手帳」では、人脈を広げる方法や、商工会議所の活用方法など、提携先を見つけるためのノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CYBERDYNE e-skin Xenoma サイバニクス サイバネティックス センサー センシング ヘルスケア リハビリ リハビリテーション 医療 資本業務提携
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

グローバル採用支援「Connect Job」などを展開する「フォースバレー・コンシェルジュ」と「JPMC」が海外人材活用への取り組みを推進
2023年8月28日、株式会社JPMCは、フォースバレー・コンシェルジュ株式会社との提携により、外国人材の住居問題を解消する取り組みを推進し、今後増加する日本で就労する外国人人材にスムーズに住居が提供…
ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査を開発・提供する「Varinos」が6億円調達
2022年8月3日、Varinos株式会社は、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Varinosは、ゲノムテクノロジーを用いた遺伝学的検査の開発・臨床実装を展開しています。 2017年…
個人向け腸内細菌叢検査サービス「マイキンソー」などを展開する「サイキンソー」が「ライオン」から資金調達
2024年6月6日、株式会社サイキンソーは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、ライオン株式会社です。 サイキンソーは、個人向け腸内細菌叢検査サービス「マイキンソー(Mykinso)」や…
医療画像AIを活用した疾患予防システムを開発する「エム」が2億円調達
2024年9月17日、株式会社エムは、総額2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 エムは、人間ドックや健診で撮影するMRIやCTを画像解析するAIにより、認知症やフレイルなどの健康寿命を奪う疾…
内視鏡の画像診断支援AIを開発する「AIメディカルサービス」が80億円調達
2022年4月26日、株式会社AIメディカルサービスは、総額80億円の資金調達を実施したことを発表しました。 がん関連病変の内視鏡検査で、専門医の診断を支援するAIシステムを開発しています。 2022…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集